インタビュー
「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」に待望の新ジョブ「忍者」が登場。パッチ2.4や今後の展開ついて吉田直樹氏にインタビューしてみた
PvPのバランス調整で目指すのは「スピーディな戦闘」
4Gamer:
東京ゲームショウのステージで発表されたパッチ2.4の実装リストに,PvPランクの解放という項目がありましたね。
吉田氏:
はい。ランク上限が上がり報酬が増え,アクションもまたいろいろ調整が加わります。パッチ2.4のお祭り騒ぎが落ち着いてきたら,またPvPで上を目指そうというプレイヤーさんも多いのではないでしょうか。
4Gamer:
PvPランク40でフロントラインを一旦休止しているプレイヤーも戻ってきそうですね。ところで,PvPでは完璧と言えるバランスというのはなく,常に状況を見て何らかの調整が繰り返されるものだと思うのですが,吉田さんは,PvPにおけるバランス調整をどのように考えていますか?
吉田氏:
そうですね……PvPの場合,格闘ゲームなどと同じで「これで完璧!」というバランスはアップデートがある以上,究極的には移り変わるものなので,存在しないとも言えると思います。いま考えているバランス全体の方針としては,もっと相手を倒したり,倒されたりがスピーディに発生するような方向で調整していきたいと思っています。
4Gamer:
たしかに現状のフロントラインでは,1戦1戦が長く感じますし,相手を倒しきるという展開も少ないような気がします。
吉田氏:
どうしても拠点を守るという展開が多いので,仕方のない面もあるのですが,“リミットブレイクレベル2”次第という状況はもう少し改善したいと考えています。また,現状では攻撃力が高いけれど,防御力も回復力も高いせいで,なかなか相手が倒せないですし,1人2人が倒れても,蘇生合戦になってしまう局面も多いです。そこをもう少し何とかして,展開を早くしたい,という感じでしょうか。
もちろんこれはヒーラーをすぐ倒せるようにするという意味ではなく,戦闘の方向性という意味になります。
4Gamer:
すぐに倒されるのでは,それこそ誰もヒーラーをやろうと思わなくなるでしょうし。
吉田氏:
はい,むしろヒーラー自身はある程度「硬く」ないと誰もプレイしなくなってしまいます。そうした調整とは別のところで,もっとスピーディに戦闘が進むようにしたいと思っています。また近接を強化してほしいという意見もしっかり拝見していますし,PvP慣れの面も含めて,細かく調整を行います。
4Gamer:
PvP慣れというのは,プレイヤー個人のスキルの差ということですか。
吉田氏:
たとえばパーティでタンクが相手をマークし,二人のDPSがそれに合わせてコンボを入れるとします。固定パーティに限らず,PvP慣れしている人達が集まっているパーティの場合,味方の近接DPSが追いついてくるタイミングを見計らってタンクが相手にスタンを入れて,その直後にDPSがコンボをつなぎます。実はこのケースにおける連携であれば,今のバランスでも瞬発力はかなり高い状況です。
4Gamer:
なるほど。PvP慣れしている人であれば,固定でなくてもターゲット合わせを意識して動きますね。
吉田氏:
一方,あまりPvPに慣れていない人がパーティに集まると,ターゲットがばらけるのもそうですが,タンクが良いタイミングでスタンを取れなかったり,寝かせた相手を近接DPSが近づく前に起こしてしまったりと,結果的に近接DPSがなかなかコンボをつなげられず,相手を追いかけてばかりという事態が発生します。また1対1という局面では,スタンを入れないかぎり,相手も側面や背面を取らせまいと動きますので,モンスター相手の戦闘と違い,相手の動きを予測して側面攻撃や背面攻撃を行う必要が出てきます。こうした場合,チャンスが来るまで最速でコンボを打つのではなく,一瞬待ってウェポンスキルを実行する必要も出てきます。とは言え,そこまでできる人を想定した強さにするのか,もう一歩ゆるくするのかがPvPバランスを細かく考える上で重要なポイントだと思っています。
4Gamer:
では,どのようなバランスの調整を行うのでしょうか。
吉田氏:
いま想定しているのはプレイヤーごとの差があまり出ないよう,PvPアビリティで確実にコンボを決められるシチュエーションを作るといった調整です。パッチ2.38での調整でも,PvPのときのみ,コンボが決まったときのダメージ量を上げるということが可能かを開発でテストしてみました。そうすればコンボを狙うという意識も強くなるため,もっとプレイヤー間の連携が進むと考えていました。
4Gamer:
結果はどうでしたか。
吉田氏:
開発チーム内のチェックで竜騎士のダメージ量がモンクほどは上がりませんでした。そこで一律でダメージ量を上げるのではなく,別の方法を議論して,細かく調整しているのが現状です。あと,クラスとジョブを比較して,クラスのほうが有利という職業も調整を検討しています。
4Gamer:
戦士よりも斧術士が……という話もありますね。
吉田氏:
はい。パッチ2.4ではジョブにボーナスを掛けるという調整で,クラスの場合多数のアディショナルが使える,という部分とうまくバランスが取れるようにと考えています。
4Gamer:
なるほど。それによりどう変わるのか注目したいです。
2015年春リリース予定のパッチ3.0は総ボリュームが新作1本並みの量に
4Gamer:
さて,新生FFXIVで初となる拡張パック(パッチ3.0)「蒼天のイシュガルド」のリリースが2015年春になるということですが。
吉田氏:
発表の繰り返しになりますが,ストーリーはイシュガルドの向こう側,ドラゴンと人間が1000年にわたって争っている「イシュガルド平野部」や「ドラヴァニア」という地域が舞台になります。新規フィールドも多数一気に追加されますが,それぞれのエリアは現状の1.2倍から1.5倍のサイズになります
4Gamer:
1エリアのサイズも大きくなるんですね。
吉田氏:
また新ジョブが3.0のタイミングで複数入り,さらにプレイヤーの皆さんが扱える新種族も登場します。
4Gamer:
新種族というと……ユウギリですね(笑)。
吉田氏:
そういうことです(笑)。情報公開のタイミングは,彼女が覆面を脱ぐときになるかなと思います。インスタンスダンジョンも,これまでのパッチよりも断然多くのものを現在制作中です。詳細は,今後1つずつ紹介していきますので,ご期待ください。そして,バージョン3.0で全クラス/ジョブのレベルキャップが現行の50から60に引き上げられます。
4Gamer:
レベルが上がることによって,新しいアクションも入りますよね。
吉田氏:
はい。ほかにも大量のクラフトレシピが追加されますし,飛空挺を使った遊びや,フライングマウントも予定しています。先ほど少しお話した新レイド関連や新しい蛮族,そして新蛮神2種類が登場します。そのうち1種類の蛮神は, FFXIVのオリジナルとなります。
4Gamer:
オリジナルですか。どんな蛮神なのか楽しみです。まだ概要だけですが,かなりのボリュームになりそうです。
吉田氏:
FFの新作を1本作るつもりで頑張っていますので,どうぞご期待いただければと思います。
4Gamer:
まさに,「パッチ」ではなくて「拡張」ですね。それを正式サービスから1年半でリリースするわけですから,開発も大変だったのでは。
大変です(苦笑)。新生ローンチまでは,旧FFXIVと新生の開発を同時進行していて,それが終わったと思ったら,今度は現行パッチとバージョン3.0の開発が同時進行でしたから……。
4Gamer:
考えてみれば,それはそうですよね……完全作り直しの新生時ほどではないとしても。ともあれ,バージョン3.0のラストスパート(?)頑張ってください。それでは最後に,読者に向けてメッセージをお願いします。
吉田氏:
サービスインしたばかりのころは,まだコンテンツが少なく,「週制限」などのこれまでになかった概念で,戸惑われた部分もあったかと思います。
そこから,パッチ2.1でコンテンツを大量に追加し,価格面でお叱りもありましたがハウジングが入り,PvPが入り,パッチ2.2で「大迷宮バハムート:侵攻編」が入り,さらにコンテンツ制限の緩和という新しい価値観も加わりました。
またパッチ2.2からは「ゾディアックウェポン」,パッチ2.3からは「モブハント」と,時間を掛ければ装備を強くできる要素もご用意できました。その都度,いろんな価値観が登場し,プレイヤーの腕を問うものから,時間を掛けて楽しむものまで,コンテンツの種類がようやく一通り揃い,何でもありのテーマパークが徐々にできあがってきた1年だったと思います。
4Gamer:
最初のインタビューからずっと,MMORPGはテーマパークだとおっしゃっていましたね。
吉田氏:
はい。そのうえでパッチ2.4は,安定したクオリティで引き続きコンテンツをお届けします。とくに2.4では新クラス/ジョブが入りますので,これまでのコンテンツも双剣士/忍者でプレイすることで,また違った楽しみ方ができると思います。
さらに,そのあとのパッチ2.5での終幕を経て,バージョン3.0の新しい展開に入ろうと考えています。またFFでしかできないこととして,二部構成を予定しているパッチ2.5の後編では「ゴールドソーサー」,バージョン3.0では飛空挺を使った遊びをアトラクションとして追加していきますので,今後の情報公開にもぜひご期待ください。
4Gamer:
お,ゴールドソーサーはパッチ2.5の後半になるんですね。そちらの続報も楽しみです。本日はありがとうございました。
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