インタビュー
旧FFXIVからの因縁にすべての決着が。「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」,吉田直樹氏へのパッチ2.5パート1実装直前インタビューを掲載
「エーテリアルホイール」は効果や使い勝手が向上したカンパニーアクションの“上位版”
4Gamer:
続けてもう一つの「エーテリアルホイール」について教えてください。
いま現在,フリーカンパニーでは,カンパニークレジットを消費して「カンパニーアクション」を購入し,メンバーが効果を発動させて,フリーカンパニーのメンバー全体にバフを掛けています。
一方のエーテリアルホイールは,カンパニーハウスに「ホイールスタンド」を設置して,“カンパニーアクションよりも高い効果”を持つ「ホイール」を,ホイールスタンドに置きます。そうして一定時間が経過するとホイールにエネルギーが溜まり、アクティブ状態となって利用可能になります。アクティブになったホイールもその状態で保管できるので,必要なときにバフを発動させられるというものになります。ですから,効果も使い勝手もカンパニーアクションの上位版だと思っていただければと思います。
4Gamer:
効果がアイテム化されている,というのがポイントになりそうですね。
吉田氏:
その効果も,効果が大きくて時間が短いものもあれば,効果は低いものの――といってもカンパニーアクションよりも大きいのですが――長時間使えるものなど,さまざまです。これは,我々が開発中のフリーカンパニークラフトでも今後大型のホイールスタンド自体を開発できるなど,将来的な準備の意味合いもあります。つまり,システム単体のコンテンツ追加というより,フリーカンパニー,ハウジングアップデートの1システムという位置づけです。
4Gamer:
そのホイールはクラフトで作れるんですか?
吉田氏:
クラフトでも作れますし,ほかから購入もできます。ですから,クラフトに手を付けていなくて,カンパニークレジットもあまり貢献できないけど,ホイールを買ってきたのでみんなで使ってくれ,といったFCへの貢献はできるようになりますね。
それに,これまでは「みんなの合意を得ないと」ということで,カンパニーアクションは購入しづらいところがありましたが,エーテリアルホイールになると,ホイールを自分で手に入れたので,「これを使って良いですよ」といったように,自分から提案しやすくなると思います。
4Gamer:
カンパニーで貯めたクレジットでは,なかなか提案しづらいですが,自分のホイールなら気は楽ですね。保管できるということで,使い勝手も良さそうですし。
吉田氏:
コストもそんなに掛からないので,どんどん使ってほしいですね。
4Gamer:
ところでクラフト系でいうと,今回のパッチでも新レシピが入ると思うのですが,それはそれとして,もっと低ランクの素材を使った新しい装備を,たとえばもっと日常的な衣装だったりを追加してはいかないのでしょうか。
吉田氏:
すでに,「おしゃれ装備はもっと気楽に作れるように」と方針を変更しているのですが,パッチ2.5の登場アイテムはかなり前から制作しているため,方針変更が具体的に感じられるのは「蒼天のイシュガルド」からになると思います。もちろん,パッチ2.5でもできるだけ色々な難度のクラフトを用意していますので,今までのように上位一辺倒ではなくなっています。
また,おそらく「秘伝書2」の難度の印象が強いと思いますが,パッチ2.5では,いま以上にレシピのレベルは上がりません。また,コツコツとプレイすれば,秘伝書2の☆4にも(ステータスが)届くような装備入手方法も用意させていただきました。
4Gamer:
いまは装備を整えるのが,かなり大変ですよね。
吉田氏:
そうですね。秘伝書2の☆4のアイテムを作ろうと思うと,フル禁断の装備を身につけるしかありません。ですが,パッチ2.5では,禁断装備がなくてもコツコツと遊べば新たなクラフト装備が手に入り,それらに近いところまでいけるようになります。本クラフトが中級で止まっている方は,秘伝書2に手が届くようになると思うので,目指していただければと思います。
4Gamer:
あとは,「ゾディアックウェポン」や「イシュガルド防衛戦」についても,今回のトレイラーでは紹介されませんでした。また別の機会にそれらのトレイラーが公開されるという感じでしょうか。
吉田氏:
いえ,パッチ2.5シリーズのトレイラーはパート2を含めて,これで最後になります。ゾディアックウェポンについては,これまでも情報は出さずに見た目だけトレイラーに入れることはありました。ですが,今回はもう尺が足りなかったので……。
4Gamer:
なるほど。では,イシュガルド防衛戦の情報は,パート2の実装直前まで待つということになるのでしょうか。いま,教えていただける内容はありますか?
吉田氏:
そのあたりは,パッチ2.5のストーリーが折り返してからでないと話せないことが多いんです。ですので,それまでお待ちいただければと思います。
4Gamer:
分かりました。では,時間もなくなってきたので,「蒼天のイシュガルド」に関するところで,あと一つ教えてください。「蒼天のイシュガルド」で,DirectX 11に対応したクライアントが登場しますが,そのベンチマークのリリース時期はいつ頃になりそうでしょうか。そろそろDirectX 11でどれくらい動くのか,環境を確認したり,見直したりしたいという人もいるのではと。
吉田氏:
どんなに早くても……3月末以降になると思います。今回の新しいベンチマークには,キャラクターメイキングを組み込んでいるので,時間がかかっています。
4Gamer:
キャラクターメイク付きなんですね。新種族の「アウラ」は入っていますか。
吉田氏:
もちろんです。現在公開しているベンチマークソフトのDirectX 11版を作るのではなく,「蒼天のイシュガルド」をモチーフにした新しいベンチマークを作っているのです。それに新しいキャラメイキングを付けた状態のものが,今後のFFXIVのベンチマークソフトになります。
4Gamer:
レターLIVEでは,DirectX 11版だと処理が軽くなると言われていました。その点で,いまのPCでどれくらいの数字が出るのか気になっている人は多いと思うんですよ。
吉田氏:
そうですね,処理は軽くなります。DirectX 11版のクライアントはコードが最適化されて,余計な処理がなくなります。もともとDirectX 11は,ちゃんと最適化すれば基本的に処理が軽くなるものです。そこは今回,NVIDAさんにも協力してもらえたので,とてもよくまとまったと思います。ですから,今の時期から慌ててDirectX 11用にPCを買い換える必要は,あまりないと思います。
ただ,パーツを買い換えるための口実がほしかったのに!という方は,新しいベンチマークのオプションをすべて最高にして回してもらって,数字を比較してまだ足りないかなというのを言い訳にして,購入を検討する材料にしていただけたらと(笑)。
4Gamer:
せっかくクオリティが上がるわけですから,できれば最高設定で遊びたくなりますよね……ともあれ,ベンチマークのリリースをお待ちしてます。ちなみに,DirectX 11で使われる表現や処理が,今後,PlayStation 4版に反映されることはありますか?
吉田氏:
やろうと思えばできますが,やるべきかどうかをいま検証中です。というのも,(PS4は)まだPCほどこなれていない部分もあるので,そのままコードが使えるかどうかが分かりません。いずれ対応していくとは思いますが,いきなり全部対応させようとするとバグの発生が怖いので,順を追ってにしようと考えています。
4Gamer:
分かりました。では,パッチ2.5に期待している4Gamer読者に向けて,メッセージをお願いします。
吉田氏:
2014年というFFXIVの年は,プレイヤーさんに支えていただきながら,ラストとなる東京のファンフェスまで,なんとか走りきれました。2014年は終わってしまいましたが,2015年も結局「XIVの年だった」と思っていただけるように,引き続き全力で行きます。
パッチ2.5シリーズは,いろいろな要素が詰まっているパッチですが,ぜひそれをプレイしつつ春,暖かくなるのをお待ちください。「蒼天のイシュガルド」では,RPGの花形であるレベリングが再開しますので,キャラクター育成を存分にお楽しみいただきたいと思っています。
4Gamer:
そうですね……新ジョブのカンストと,既存ジョブをあとレベル10ずつ上げないといけないので,また熱い1年になりそうです(笑)。
吉田氏:
そう考えられる方もたくさんいると思います(笑)。レベルを上げたら,それを使いこなしてコンテンツへというところもあるでしょうし,そんな風に,2015年もドップリとFFXIV漬けの1年になっていただけるとありがたいです。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
毎回のことだが多方面にわたるコンテンツの追加で,メインストーリーを先に進めようか,それともヒルディブランドのオチ……もとい結末を見届けようか,クリスタルタワーで暗闇の雲に真っ先に戦いを挑もうか,それとも新ルールのフロントラインに? と,遊びの優先順位付けで悩んでしまう。
その中でもメインストーリーの完結は,3月下旬までお預けといったところだが,2月下旬に実装される待望のマンダヴィル・ゴールドソーサーもあり,これらのアップデート内容を遊び尽くしていると,正直,時間が足りるのかと心配になるくらいだ。なので,あまり待ったという印象にはならないのではないかと思っている。とくにゴールドソーサーは,しばらくバトルそっちのけになりそうな気がしなくもない。
ともあれ,いろいろなコンテンツでフィナーレを迎える,このパッチ2.5シリーズの内容は,どれもがいまから楽しみだ。
さて,旧FFXIVの失敗に始まり,誰もが驚いた「新生」の発表から4年。その流れのなかで残ったままだった,旧FFXIVで語られるはずのさまざまな背景を含めてすべての決着が,このパッチ2.5シリーズでつくようだ。それはゲームの外も同じで,吉田氏が話すように旧FFXIVからの因縁に決着をつけたという意味で,開発スタッフにとっても一区切りになるのだろう。決着がついたいま,これからをゼロから作り出していくFFXIV開発チームが,今後,どのような新しい世界を見せてくれるのかにも期待したい。
「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」公式サイト
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド」公式サイト
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