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[インタビュー]すでに黄金のレガシーへの伏線も登場している?「FFXIV」パッチ6.5「光明の起点」について吉田直樹氏に聞いた
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印刷2023/09/19 18:00

インタビュー

[インタビュー]すでに黄金のレガシーへの伏線も登場している?「FFXIV」パッチ6.5「光明の起点」について吉田直樹氏に聞いた

 2023年7月に開催された「ファンフェスティバル 2023 in ラスベガス」で,最新拡張パッケージ「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」が発表されるなど,いま大きく話題を集めている「ファイナルファンタジーXIV」PC / PS5 / PS4 / Mac / Xbox Series X|S)。発表翌日のプロデューサーレターLIVEでは,「黄金のレガシー」へとつながる最新パッチ6.5「光明の起点(ゼロ)」のメインクエストが2023年10月と2024年1月と2回に分けて実装されることも,明らかにされている。

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 スクウェア・エニックスは本日(7月29日),ラスベガスにてMMORPG「ファイナルファンタジーXIV」のファンイベント「FINAL FANTASY XIV Fan Festival 2023 in Las Vegas」を開催した。本稿ではその冒頭で行われた,プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏による基調講演の内容をお伝えしよう。

[2023/07/29 18:18]


 では,パッチ6.5はどういった内容になるのか,その見どころについて,本作のプロデュサー兼ディレクターである吉田直樹氏に話を聞いた。

画像集 No.029のサムネイル画像 / [インタビュー]すでに黄金のレガシーへの伏線も登場している?「FFXIV」パッチ6.5「光明の起点」について吉田直樹氏に聞いた

「ファイナルファンタジーXIV」公式サイト


――2023年8月18日収録


パッチ6.4で「黄金のレガシー」に続く伏線がすでに登場している?


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。まずは,「ファンフェスティバル 2023 in ラスベガス」の開催,お疲れさまでした。ファンフェスでは「黄金のレガシー」が発表されましたが,現地での反響はいかがでしたか。

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吉田氏:
 完全になくなったわけではないですけれど,コロナ禍が一段落して,久しぶりのリアルでのイベント開催になりました。多くの方に来場していただき,過去のファンフェスと比べても,一番の盛り上がりを見せたと思います。総じてファンフェスの実施や運営は大変ではありましたが,スタッフ全員が共通して「やっぱり,物理はいいね」という話をしていて,本当に開催できてよかったなというのが率直な感想です。
 発表させていただいた「黄金のレガシー」のトレイラーや音楽面では,ガラッと雰囲気を変えたこともあり,サウンドディレクターの祖堅(祖堅正慶氏)は,直前まで「この曲,受け入れてもらえるかしら……」と心配していました。僕は「思いっ切り夏休みらしくなっているから大丈夫」と言っていたんですが,全世界から新しい冒険が楽しみという声をいただけて,ホッとしています。

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4Gamer:
 パッチ6.xシリーズではヴォイド(第十三世界)にまつわるストーリーが展開していますが,「黄金のレガシー」で大胆に話が変わるなという印象でした。

吉田氏:
 実は「これ微妙に伏線だったのか?」というシーンは少しずつ撒いています。そんなに分かりやすくはしてないですけれど,パッチ6.4ぐらいから感じられるのではないでしょうか。ですので,再度,パッチ6.4のメインストーリーをもう1回プレイしていただくと,「これ,もしかして?」という「黄金のレガシー」に続く新しい“気付き”があると思います。
 もちろん,全部のストーリーがつながるのはパッチ6.5からですが,そのパッチ6.5ではメインストーリーアップデートがPart 1とPart 2に分かれています。スケジュール的には,パッチ6.5 Part 1のメインストーリーを見ていただいたうえで,「ファンフェスティバル 2023 in ロンドン」(2023年10月21日/10月22日)と「ファンフェスティバル 2024 in 東京」(2024年1月7日/1月8日)の基調講演があり,そしてパッチ6.5 Part 2へとストーリーがつながっていく感じになります。

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 「漆黒のヴィランズ」へのストーリー展開を振り返っていただくと分かりやすいと思うですが,トレイラーだけ見ると「紅蓮のリベレーター」で戦乱が続いているにも関わらず,よく分からない世界に飛ばされて謎の天使のような生物と戦っているという状態でした。そこから,いくつかのファンフェスとパッチを経て,ストーリーが次第につながっていきましたよね。漆黒のヴィランズまでは,毎回その形を踏襲していたので,今回の「黄金のレガシー」で,その形に改めて戻っていると見ていただけると,より楽しめると思います。

4Gamer:
 つまりパッチ6.5では,Part 1でヴォイドにまつわるストーリーが完結し,Part 2でいよいよ「黄金のレガシー」につながるストーリーが展開していくという感じでしょうか。

吉田氏:
 区切りはそんな感じですね。ただ,第十三世界というのは,闇の氾濫によって魂の帰る場所さえ失われた状況ですから,それが1パッチですべて解決するのは違うと思っています。第1世界は光の氾濫を食い止めはしましたが,すべてが元に戻ったわけではないように,時間が掛かるものだと思っています。これは「光明の起点(ゼロ)」で核の部分にも少しつながっていますので,Part 1ではそのあたりを見ていただけると嬉しいです。

4Gamer:
 すでに公開されたスクリーンショットで,ゼロとリーンがクリスタリウムを並んで歩いているカットがありましたが,状況を知るプレイヤーからすると驚きのシーンでした。

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吉田氏:
 物語上,第十三世界のストーリーを進めていく上で,「なるほど。だからこそ行かなきゃいけないのか」みたいなところが,あのシーンですぐに理解していただけると思います。
 一方,ゼロが第1世界に行けたのなら,暁のほかもメンバーも行けるのかが気になると思うのですが,そこはしっかりとストーリーで語られていますので,見れば「なるほど」と納得してもらえるはずです。

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4Gamer:
 どんな内容になるのか期待しています。ところで,メインシナリオと言えば,パッチ6.5で(メインシナリオで攻略する)すべてのインスタンスダンジョンがコンテンツサポーターに対応することになります。そこで気になるのが,現状,8人でプレイする討滅戦などへのサポーター対応はどうなるのかという点です。

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吉田氏:
 「ハイデリン討滅戦」がそうでしたが,あれは最初からシナリオに組み込んで作りました。「絶望を止めるために立ち向かうメンバーが,きちんとハイデリンの試練を乗り越えるという経験を積まないと,シナリオとしては手落ちになってしまう」と,バトルコンテンツ側にリクエストして何とか対応できた,ある意味特別なコンテンツなんです。

 技術的には,8人コンテンツのサポーター対応はできますが,多くのコンテンツでギミックの作り直しが必要になります。そこで,もし8人コンテンツのサポーター対応をするとしたら4人コンテンツとして作り直すことになると思います。「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」の蛮神のノーマル戦がまさに4人コンテンツですが,その形であればコンテンツサポーター対応は,それほど大変ではありません。

 ですが,漆黒のヴィランズの“光の柱”が出るシーンでは,次元が分かれた世界から光の戦士を召喚するというのを,コンテンツファインダーとシナリオを組み合わせて演出しています。そこからNPCが出てくるのはちょっとな,と。「暁月のフィナーレ」でも,「終焉の戦い」は8人の光の戦士で戦ってもらいたいという想いがすごくあり,全部が全部,コンテンツサポーターに対応するというのは難しいと考えています。

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4Gamer:
 漆黒でのシーンは「コンテンツファインダーをそんな風につなげるのか!」と,プレイヤーが衝撃を受ける場面でもありますから,ただNPCが登場となるとちょっと違うのかもしれませんね。
 ところで,「終焉の戦い」の話題が出たので聞いておきたいのですが,アイテムレベル制限を掛ける予定はありますか?

吉田氏:
 現状だと戦闘が早く終わってしまって,ラストの演出が見られないのはもったいないという件ですよね。そのお声はいただいていますので,調整をしたほうがいいと考えています。フィードバックありがとうございます!


ハイデリン・ゾディーアーク編のエピローグでもある「ミソロジー・オブ・エオルゼア」


4Gamer:
 続いてパッチ6.5では,24人アライアンスレイドの「ミソロジー・オブ・エオルゼア」の第3弾が実装されます。見どころを教えてください。

吉田氏:
 ミソロジー・オブ・エオルゼアは,過去と比べると,かなりキャラが立ったレイドとして作ってきました。開発の中でも若い世代のスタッフが中心となって作ってきたストーリーでもあります。
 僕も今年でもう50歳になりましたし,僕らが若いころに読み育んできた“ファンタジー”と,今の若い世代の“ファンタジー”とでは,やっぱり違ってくるんです。だから,アプローチの仕方も全然違うし,キャラクターも異なってくる。僕らだと描けないストーリーだったり,セリフだったりが,ミソロジー・オブ・エオルゼアではうまく活きてきているという感じです。

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 今回の第3弾は,一番美しい世界に仕上がっていると思いますので,ストーリーとしても満足していただける内容になったと思います。ある意味,ハイデリン・ゾディーアーク編のエピローグにもあたるストーリーですので,そのあたりも含めてご覧いただけると,すごく気持ちよく終わるのではないでしょうか。

4Gamer:
 24人アライアンスレイドというと,毎回,実装初日のわちゃわちゃ感がとても楽しみです。

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吉田氏:
 そのあたりのさじ加減は,本当に難しいですね。コンテンツサポーターを改修していくうえで,ギミックのマーカーの統一化を図っていっていますし,光の戦士の皆さんの経験値もすごく溜まっていますので,初見24人と言っても,分かりやすく作ると簡単になってしまいます。
 ほかにも零式に挑戦されている方が多いアライアンスだと,イージーになってしまいますし,逆にまったくいないと全滅を繰り返すような難しさになってしまいますから,そのバランスに苦労しています。
 開発の各チームから,カジュアルに遊んでいるメンバーに集まってもらってテストもしているのですが,カジュアルと言っても開発チームや宣伝チーム,それにコミュニティチームですので,次第にうまくなってきているんです。ですので,どこを起点に最後の調整を行うかで毎回苦しんでいます。

4Gamer:
 そもそもテストする側のプレイヤースキルが上がっちゃうんですよね(笑)。

吉田氏:
 はい。初週は2ボスあたりで1回目のワイプをして,3ボスあたりで2回目,ラストで半壊しながらもなんとかクリアという難度が理想とは思うのですが……。第3弾なのでちょっと難しくてもいいのかな,と。歯ごたえはそれなりにあると思います(笑)。
 事前にお伝えしておくと,24人アライアンスレイドというと,3ボスが一番強くて,3ボスを突破できれば(最後の)4ボスは気持ちよく終われるという構成にしてきたのですが,今回はちょっと理由があって,4ボスを少し強めにしています。

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4Gamer:
 どんな戦闘になるのか楽しみです。
 プレイヤースキルの蓄積というと,幻ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦の難度も気になるのですが,極討滅戦にあたる「蒼天幻想 ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦」は,当時非常に苦労した記憶があります。そのあたりの難度はいかがでしょうか。

吉田氏:
 「蒼天幻想 ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦」の実装当時は,アイテムレベルのバラツキも大きかったので,難しく感じたのかもしれませんね。とはいえ,もともとギミックがすごく上手に設計されているコンテンツで,零式っぽく作ったものでもあるので,難度はかなり高かったと思います。
 タンクが外周の眼の位置を見ながら,パーティ全体を誘導したり,序盤から避けるだけのフェーズがあったり,タンクが2体の敵を誘導して離し,バフを見て攻撃する対象を切り替えたりと,コンテンツ攻略の楽しさが詰まっている討滅戦ですので,当時を思い出しつつ挑戦してもらえると嬉しいです。制限解除で(ギミックを気にせず)クリアされている方も多いので,かなりやりごたえはあると思います。

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FFXIV仕様の「フォールガイズ」。本家との違いは当たり判定


4Gamer:
 ところで,パッチ6.4の「帰ってきたヒルディブランド」では,マンダヴィル家の超人じみた強さに設定が付きましたが,真偽はともかく衝撃的な内容でした。

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吉田氏:
 パッチ6.4では,マンダヴィル家の「後付け設定来たな!」と思われたかもしれませんが,そう思われるようなことを僕らはしませんので,完結を見てから判断してください。「そう言って,オチはこれかよ!」ってなる可能性はヒルディブランドなのでありますけど(笑)。僕らも楽しんで作っていますので,ご期待ください。

4Gamer:
 分かりました。もう1つ衝撃的だったのが「フォールガイズ」とのコラボの発表でした。当たり判定といったところはどうされるのでしょうか。

吉田氏:
 プレイヤー同士の当たり判定は行っていません。もちろん,本家にあるような,つかんで邪魔をするというのもゲームの楽しみの1つではあるのですが,ファイナルファンタジーXIVでは,ストレスなく遊ぶというのをポリシーにしていますので,プレイヤー同士の当たり判定を付けるのはなくしました。そういった点を楽しみたい方は,ぜひ本家の「フォールガイズ」もプレイしてみてください。
 マップのギミックについては,もとからあるギミックを流用して組み上げています。そのため,ファイナルファンタジーXIVのギミックとの戦いをイメージしてもらえると分かりやすい気がします。もちろん,フォールガイズ用にちょっと特殊な判定も作ったりしましたが,テスト段階ではギミックの重ね合わせのスピードが早くて,真剣にプレイしないと誰も残らないレベルになっていましたので,もっと気軽さがほしいというあたりで厳密に調整しています。

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4Gamer:
 FFXIVのフォールガイズがどんな感じなのか楽しみです。
 パッチ6.5では,ヴァリアントダンジョンの第3弾が実装とのことですが,第2弾からスパンが早いなという印象です。

吉田氏:
 もう2年ぐらい前になりますが,パッチ6.xシリーズの計画を作ったときから,ここで連続で出そうと決めていて,その計画どおりなんです。
 ヴァリアントダンジョンの実装が早くできる理由ですが,1つは,旧ファイナルファンタジーXIVから僕が担当するようになってバトルコンテンツを頼んできたゲームデザイナーが,このコンテンツの仕様設計とシステム開発をしたので,ヴァリアントダンジョンは非常に作りやすい構成になっているのです。
 また,ミスター・オズマこと中川誠貴(リードバトルコンテンツデザイナー)が作ってきた「禁断の地 エウレカ」や「南方ボズヤ戦線」「ザトゥノル高原」で,そのコンテンツ中でしか使えない専用アクションのシステムがすごくきれいで,これらを組み合わせるとスムーズに開発できるというのが大きいですね。

 ただ,今回はパッチ6.4と6.5での連続実装ですが,毎回実装はさすがに無理なので,今後もアライアンスレイドや8人レイドのように定期的に実装されるコンテンツシリーズだと思っていただければありがたいです。

4Gamer:
 分かりました。では,今回の見どころを教えてください。

吉田氏:
 なんと言っても同行人がマトシャなので,さまざまなエピソードが生まれてくると思ってください。まず,マトシャがそもそもどうして同行することになるのか,またその行先について,今までに出ているある伏線の回収になっていますので,分かる人には分かると思います。「黄金のレガシー」の雰囲気にも近いリゾート感もありますので,先行体験のような形で遊んでもらえるといいかなという気はしています。もちろん謎解き要素をしっかり入れていますし,世界設定としても面白いものが仕上がっています。

 あとは,アナザーダンジョン零式の報酬がもうちょっと欲しいというお声をいただいていますので,今回はテストケース的に報酬を少し増やしてみました。海外ですと,報酬はアイテムレベルが上がる装備が欲しいという声が多いのですが,さすがに排出できないので,見た目的に自慢しやすい要素を用意しています。この報酬が,「こんな感じでいいよ」というのであれば,今後この方向で考えていきたいので,零式に行く方はフィードバックいただけると嬉しいです。

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お手軽になった「武器製作」コンテンツ。方針転換の理由は?


4Gamer:
 ここからは,それぞれの追加コンテンツについて聞いていきたいのですが,武器製作のマンダヴィルウェポンについて,パッチ6.xシリーズでは,これまでアラガントームストーン1500個を交換しての強化が続いています。従来の武器製作コンテンツはF.A.T.E.やインスタントダンジョンの周回といった手間や時間が掛かるものでした。これはどういった方針転換があったのでしょうか。また,パッチ6.5でもその方針は踏襲されますか?

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吉田氏:
 マンダヴィルウェポンに限らず,レリック系の武器を計画する際,武器をどのように成長させていくのかというのと,何時間かけてもらうのかというのを最初に設計しています。一方,今のプレイヤーさんのスタイルを見るとマルチジョブになっています。皆さんのデータを見ても,1個のジョブだけを遊んでいる方は少なくて,コンテンツに合わせて気楽にジョブを変えてプレイしているという,アーマリーシステムの本当にいいところが表れていると思っています。
 昔は1ジョブ作っていただければオッケーという考え方で,ゾディアックウェポンの時間計算は120時間を設定していましたが,コンテンツの幅も量も広がった今では,武器製作に割ける時間が少なくなっています。

4Gamer:
 たしかに,武器製作以外にもできることは多いですからね。

吉田氏:
 実際,フィードバックの中でも武器製作を始めてしまうと,それしかできなくなるというのもありましたし,そうなると武器製作をしないという選択肢を選ぶ方が非常に多いことがデータ上でも見えています。
 複数のジョブで製作してもらおうと考えたときに,専用の強化アイテムなどを周回して集めるとなるとインベントリーも圧迫しますし,どこまで強化できたか分かり難くなります。そこで,どのコンテンツでも排出されるアラガントームストーンであれば,やりたいことをやっていれば自然と溜まって武器を強化できるという形にしました。ですので,今回の最終段階でもその方針は変わっていません。

4Gamer:
 なるほど。最初から複数の武器を製作する前提の難度になっているわけですね。

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吉田氏:
 もちろん,苦労と時間をかけたからこそ,武器を成長させる楽しみがあるといった遊び方も理解しています。ですが,最近のオンラインゲームをプレイする若い方は,簡単に手に入らなければやらないという選択肢を取ります。ただ,先ほどもお話ししたとおり,最近のプレイヤーさんの遊び方として,マルチジョブで楽しんでくださっているのであれば,そこに寄りそう形にするのが僕らのゲームデザインじゃないかと思っています。
 今回,方針を変えてみたことで,いろいろなジョブで武器を強化していただけて,さらなるプレイヤーさんの遊びのモチベーションになっていることは事実です。

 一方で,武器製作の強化コンテンツまたは専用コンテンツが欲しいという声もあがっています。昔はまったくなかった声なのですが……。ただ,「セイブ・ザ・クイーン」で,コンテンツの内と外,どちらでも武器を強化できる形を作りましたが,結局効率になってしまうんです。それもあって,次のシリーズでどうするかは悩ましいところではありますが,今回のマンダヴィルウェポンは,過去最高に強化してくださっているプレイヤーさんが多いという事実はあります。

4Gamer:
 逆に,同じ強化コンテンツでもあるモーエンツールは,第5段階への強化がフル禁断をしていてもそれなりに難しいレベルになっていました。パッチ6.5の最終段階への強化も難しいものに?

吉田氏:
 プレイヤーの皆さんの研究熱心さはすさまじいですから……。それなりの装備の人がマクロで簡単にできてしまうと,トップ層の人は萎えてしまうと思うので,そのあたりのバランスで毎回せめぎ合いしている感じです。今回(パッチ6.45で)は少し難度を引き上げてみた感じですので,それ以上にはしないつもりでいます。

4Gamer:
 なるほど。マクロで攻略される分,装備の必要スペックで合わせている……という感じなんですね。続いての質問ですが,零式をプレイするためにManaデータセンターに人が集中している状態です。何か対策を施す予定はありますか。

吉田氏:
 一度(対策となる)仕組みを作ったのですが,バグが出てしまったので……対策をするとしても「黄金のレガシー」以降ですね。日本だけで起きている現象でもあり,対策が悩ましいです。
 いま皆さんの意見を汲むとしたら,データセンタートラベルをできないように閉じるのが最速対応になります。ですが零式プレイヤーさんだけのためにそれをするのかというのも違う気がしています。実際,開発でも零式が落ち着くまで閉じるという案も出たのですが,閉じる前に移動しちゃうから根本的な解決にはならないのかなと。
 でも,せっかくワールドを,論理データセンターの垣根を超えて,友達とみんなでいろいろなところへ行ったり,ハウジング訪問したりと,データセンタートラベルでうまく遊んでいるプレイヤーもいらっしゃいますし,そうした方が零式で不便を被るのは違うと思います。

4Gamer:
 新コンテンツの実装時期とも重なりますから,余計にデーターセンタートラベルで集まって“初見”を共有したいなんてのもありますよね。かといって,ほかのデータセンターに行ってしまうと,今度はManaに戻れなくなりそうで躊躇してしまいますし。

吉田氏:
 それだけのたくさんの多様性と価値があるからこそ,生まれる問題ですね。ワールドを超えたマッチングを用意して,ワールドも移動できるようにして,論理データセンターもぶち抜いて,もう物理もぶち抜けるシステムを作ってはいるんですけど……。

4Gamer:
 難しい問題だとは思いますが,今後に期待しています。さて,先日のファンフェスでXbox Series X|S版が発表されました。そのリリースが,「黄金のレガシー」と同時ではなく,少し早いタイミングになっていましたが,その理由はなんですか?

吉田氏:
 同時リリースにしてしまうと,何か大きな不具合が出た際に,「黄金のレガシー」の問題なのか,Xbox版の固有の問題なのかを切り分けが難しいからです。とくに,今回は「黄金のレガシー」でグラフィックスアップデートを含めて,システムアップデートも相当入るので,どちらに問題があるのか判別するのがすごく難しくなってしまいます。
 ですので,Xbox版はパッチ6.5中にオープンベータという形で,Xboxユーザーのみなさんにはプレイしていただき,固有のバグフィックスをしっかり果たした状態で,「黄金のレガシー」のリリースを迎えたいという考えです。

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4Gamer:
 分かりました。では,最後にプレイヤーの皆さんのメッセージをお願いします。

吉田氏:
 今年,「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」のリリースから10周年を迎えます。
 ファンフェスであらためて光の戦士の皆さんにお会いして,このプレイヤーの皆さんに支えられているなと実感しています。「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」の開発は非常にハードなものでしたが,そこから10年間,ずっと右肩上がりで規模を拡大してやってこれたのは,本当に光の戦士の皆さんのおかげですので,非常に感謝をしています。

 ハイデリン・ゾディーアーク編も完結して,パッチ6.xシリーズもパッチ6.5 Part 1,Part 2でキレイに終わり,次なる冒険が始まるというタイミングです。プレイヤーの皆さんに,これからもさらなるワクワクやこれまで遊んだことのない体験を,感じてもらえるよう頑張っていきます。
 変化を伴うタイミングではありますが,保守的なことをしていても飽きが絶対に来てしまうので,引き続き新しいチャレンジをしながら進んでいこうと思っています。ぜひそのあたりもご期待いただけるとうれしいです。

 また,新規の方も,ちょうどフリートライアルで紅蓮のリベレーターまで遊べるようになりますし,「ファイナルファンタジーXVI」をプレイして,ファイナルファンタジーXIVが気になるから始めるという方も多いです。ファンフェスが始まって戻ってこられている方も多いですし,新しく始めるには今はすごくいいタイミングだと思います。
 10周年でまだ公開していない施策も実はあったりするので,ゲーム内外問わず,これからもファイナルファンタジーXIVにご期待ください。

4Gamer:
 ありがとうございました。

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