インタビュー
「Hearthstone」開発チーム合同インタビュー。「博士のメカメカ大作戦」で復活するドクター・ブームや新メカニクスについて聞いてみた
「博士のメカメカ大作戦」は,悪の天才ドクター・ブームの“無責任な実験の産物”である135種類の新たなカードと新しいゲームプレイの仕組みが用意される。強力な「レジェンド呪文」や,両方のプレイヤーに効果をもたらすという「プロジェクト」系呪文のカード,マナクリスタルが10個揃っている時に使用すると真の力を発揮するという「オメガ」系カード,メカミニオン達を合体させて,攻撃力,体力,能力が合計された巨大ロボにできるという「超電磁」など,数々メカニクスの登場によって環境も大きく変化しそうな予感だ。
本稿では,新拡張パックのリリースに先駆けて2018年7月18日に実施された開発チームへの合同インタビューの模様をお届けしよう。質問に答えてくれたのは,Hearthstoneのデザインチームに所属するPeter Whalen氏とPat Nagle氏だ。
Peter Whalen氏 |
Pat Nagle氏 |
――新拡張の世界観は「ゴブリンvsノーム」となにか関係あるのでしょうか。
Pat Nagle氏(以下,Nagle氏):
「ゴブリンvsノーム」は爆弾をテーマにしていたのに対して,「博士のメカメカ大作戦」は科学にスポットを当てています。ドクター・ブームが登場するなど,確かに似ている部分もありますが,各専門分野を担当するヒーローがいたりと,今回の拡張では科学全体をカバーする形になっています。
――「ドクター・ブーム」を復活させようとしたきっかけを教えてください。
Peter Whalen氏(以下,Whalen氏):
コミュニティで一番人気があったのが「ドクター・ブーム」だったからです。「ゴブリンvsノーム」で実装された当時は,とても強力なカードとして猛威を振るっており,そのときの活躍もあって今でも人気があるんですよ。ちょうど科学というテーマともマッチしますので,今回は「ドクター・ブーム」に戻ってきてもらうことにしました。
――「ドクター・ブーム」といえばどのデッキにも採用されていた強力なカードでしたが,なぜ今回はウォリアー限定になったのでしょうか。
Whalen氏:
おっしゃるとおり,前の「ドクター・ブーム」はどのデッキにも採用されるオーバーパワーなカードでした。今回はそれを避けるためにクラス限定のカードにしたのです。ではなぜウォリアーなのかというと,今回の「ドクター・ブーム」は,巨大なメカに乗っていますし,巨大な銃も持っています。そうなるとデザイン的に相性が良いのはやはりウォリアーだろうということで,彼のヒーローカードとして実装することになりました。
――「ドクター・ブーム」以外で,「ゴブリンvsノーム」から復活するカードはありませんか。「ミミロン・ヘッド」の合体シーンとか,今のスタンダード環境でもう一度見てみたいです。
Whalen氏:
残念ながら「ドクター・ブーム」以外で復活するカードはありません。ただ,「ゴブリンvsノーム」からヒントを得ているカードもたくさんあり,知っている人ならニヤリとできるポイントもあるかと思いますので,楽しみにしていてください。
――新メカニクスの「超電磁」は合体した場合,実際に何が起きるのでしょうか。
Whalen氏:
超電磁を持っているミニオンのスタッツがそのまま合体先にプラスされます。ただ,これによって特殊な能力が追加されたりといったことはありません。イメージとしては「バ獣改造」に近いですね。
――オメガシリーズは発動条件にマナクリスタル10とありますが,これだとマナ加速を持つドルイドが単純に強化されませんか。
Whalen氏:
ドルイドのオーバーパワー化は,あまり懸念しておりません。未発表のオメガカードもありますし,その中にはクラス専用のものもありますので,ドルイドだけが強くなることはないはずです。
――今回の拡張でお気に入りのカードを教えてください。
Nagle氏:
今回ウォリアーのヒーローカードとして復活しました「ドクター・ブーム」です。彼のヒーローパワーはとてもユニークなんですよ。
Whalen氏:
お気に入りのカードはまだ公開されていないので,ここでは話せません。すでに公開されている中で言えば,「マイラの不安定元素」です。レジェンドの呪文カードはこれが初ですので,今回の環境でどう活用されるのかが楽しみですね。
――今年に入ってHamilton Chu氏とBen Brode氏という2人のデザイナーが抜けてしまったわけですが,現在はどのような開発体制になっているのでしょうか。
Whalen氏:
体制自体は大きく変わりません。新しいメカニクスの開発も引き続き行っていきますし,コミュニティに向けての情報発信も欠かしませんので,安心してください。
――Hearthstoneをまだプレイしたことのない人に対して,新拡張のアピールポイントはありますか。
Nagle氏:
科学という分かりやすいテーマもそうですが,今回のドクター・ブームはかなり個性の強いキャラクターになっていますので,新しく始める人にも気に入ってもらえると思います。全体を通して世界観もコミカルなので,とっつきやすいはずです。
Whalen氏:
今回はパズルをテーマにしたソロモードもありますので,そこからHearthstoneに入るというのもアリだと思います。
――ありがとうございました。
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(C)2017 BLIZZARD ENTERTAINMENT, INC.
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