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クローズドβが進行中の「Total War: Arena」のインプレッション。戦友と協力して戦う楽しさがここに
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印刷2017/10/07 00:00

プレイレポート

クローズドβが進行中の「Total War: Arena」のインプレッション。戦友と協力して戦う楽しさがここに

画像集 No.036のサムネイル画像 / クローズドβが進行中の「Total War: Arena」のインプレッション。戦友と協力して戦う楽しさがここに
 東京ゲームショウでも大規模な試遊が可能だった「Total War: Arena」(以下TWA)だが,東京ゲームショウ以外でのプレイとなるとクローズドβテストに応募して当選するという狭き門を通らねばならない。

 そこで今回は,クローズドβ版をプレイしたインプレッションを(「World of Tanks」プレイヤーを意識しつつ)お届けしたい。RTSが好きな人はもとより,World of TanksやWorld of Warshipsのような「短時間で熱い対戦が楽しめるゲーム」が好きな人であれば必ずや熱中するであろう本作の雰囲気を感じてほしい。
 なお,本稿で書かれていることは当然ながらクローズドβ時点でのことだ。テストの結果次第で,大幅な変更が加わる可能性も十分にあるので,そこはご了承いただきたい。

「Total War: Arena」公式サイト



Total Warシリーズの血脈を引き継いだ新作


 まずはTWAの成り立ちについて簡単に。
 TWAは2000年にリリースされた「Shogun:Total War」に始まる人気シリーズのオンラインタイトルだ。

 Total Warシリーズ最大のウリは「たくさんのユニットが入り乱れる大規模戦闘」ということになるだろうか。
 イメージとしては,戦国時代であれば関ヶ原や長篠,ナポレオン戦争であればアウステルリッツやワーテルローといった,凄まじい数の軍隊が野戦で雌雄を決するようなシチュエーションを想像すれば間違いない。

大規模戦闘はTotal Warシリーズの華
画像集 No.015のサムネイル画像 / クローズドβが進行中の「Total War: Arena」のインプレッション。戦友と協力して戦う楽しさがここに

 デベロッパはSEGAの子会社でShogun: Total WarからずっとTotal Warシリーズを手がけているCreative Assembly。2013年に発表されたTWAだが,2016年11月にWargaming.netとのパートナーシップが発表され,「Wargaming Alliance」の第1弾タイトルとして提供されることになったのだ。

 TWAは10対10のオンライン対戦ゲームとなる。ゲームで描かれるのが戦術規模の戦いなので“リアルタイムタクティクス”(RTT)と開発者は呼んでいるが,大まかなジャンルで言えばRTSと考えてもらって構わない。
 プレイヤーは1人の英雄によって率いられた3つの部隊をコントロールし,味方プレイヤーと協力しながら敵部隊の撃滅,あるいは敵陣地の占領を目指す。
 1ゲームは15分で終わり,途中で片方が大崩すると10分未満での決着も珍しくない。部隊が途中で復活したりもしないので,自軍の部隊が全滅したらさっさとそのマッチから抜けて,違うゲームに参加することもできる。

とりあえず3部隊全部で動いてしまってもさほど問題はない
画像集 No.012のサムネイル画像 / クローズドβが進行中の「Total War: Arena」のインプレッション。戦友と協力して戦う楽しさがここに
 またRTSというと大量のキーボードショートカットを駆使して同時並行で無数のコマンドを実行していくようなイメージがあるかもしれないが,本作においては3部隊のコントロールに専念するので,そこまでの操作難度を要求されない。基本的には「動かしたい部隊を選んで,行きたい場所をマウスで右クリック」の繰り返しである。
 慣れないうちは(あるいはある程度慣れたとしても)3部隊をまとめて操作し,実質的に1ユニットとして扱っても問題ない(Ctrl+Aで全部隊を選択できるので,これで3部隊をまとめて運用できる)。そういう意味ではむしろ「リーグ・オブ・レジェンド」などのMOBAに近いとすら言えるかもしれない。

 ともあれ,まずは実際にどんな感じでゲームが進むのかを紹介しよう。


司令官は部隊のかなめ


 プレイヤーが最初に行わねばならないのは部隊の構築である。といっても,これは試合が始まる前のいわゆるロビー画面で行うもので,言葉から想像されるほど面倒な作業ではない。

 まずプレイヤーは使用する司令官を決める。
 本作にはCBTの段階でローマ,ギリシア,蛮族の3つの勢力があり,各勢力に3ないしは4人の司令官が実装されている。司令官によってゲーム中で使えるスキルが違ったりする(これによって必然的に指揮すべきユニットの種類も決まってくる)のと,司令官の勢力によって配下に加えられるユニットの種類が制限されたりする。ゲームを始めると最初に3人の司令官が用意されている,どの司令官で戦うかは以下の基準で考えればいいだろう。

  • 歩兵を指揮して前線でバリバリ戦いたいローマのゲルマニクス
  • 弓兵を指揮して遠距離から敵を殲滅したいギリシアのキュナネ
  • 騎兵を指揮して偵察や側面からの突撃で敵を翻弄したい蛮族のアルミニウス

 もちろん,司令官の見た目で選択しても問題ない。

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ローマのゲルマニクス
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ギリシアのキュナネ
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蛮族のアルミニウス

 それから,司令官の下で実際に戦うユニットを3つ選ぶ。最初は司令官を選んだ段階で3スロットとも最も適切なユニットが入っているので,それで戦えば問題ない。プレイを重ねて,自分のやりたいことが固まってきたら,ユニットを入れ替えてみるといい。

 ともあれ覚えておくべき大原則としては,以下のようなものがある。

(1)出撃は司令官単位で行う
 司令官は「World of Tanks」における戦車のようなもので,1度戦場に出た司令官はその戦いが終わるまで使うことができない。
 初期の司令官3人は無料なので,この3人(ないし2人)をループさせながら様々な兵種を使ってゲームに慣れていくのがいいだろう。

(2)ゲーム内で実際に操作するのは,司令官に割り当てた3つの部隊
 ゲームが始まって,実際にプレイヤーが動かすユニットは3つある。
 出撃時の選択は司令官単位で選ぶが,実際のゲームで動かすのは事前に司令官に割り当てておいた3つの部隊となる。ちなみに編成画面で一番左にいる部隊には司令官が加わる。

 特に(1)は早い段階で理解しておかないと,「World of Tanksにおいてガレージに戦車が1両しかない状態」でゲームを続けることになる。端的に言って非常に辛いことになるので,このあたりは前もって把握しておきたい。

全滅したら観戦するもよし、ロビーに引き返すもよし
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司令官が出撃中は、画面下に見えるようにロックがかかる。画面左上の「分隊」から別の司令官を選んで出撃しよう
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 部隊を編成したら,次はいよいよ出撃。実戦である。なお,CBTにおいては部隊編成前にチュートリアル戦闘を体験することになる。いきなりプレイヤーとの対戦に放り込まれることはないので安心してほしい。


兵種の相性を見極めよう


 マッチングされると,戦闘開始前に初期配置を決定する。
 各マップにおいて,プレイヤーが率いる部隊がどこからスタートするかは,ある程度まで決まっている。具体的に言えば,地図上に空欄のスロットが10か所用意されているので,自分が開始地点として選びたいところをクリックすれば,そこがスタート地点となるのだ(早い者勝ち)。

初期配置。10か所の空欄のスロットがある
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 なお,プレイヤーは3つの部隊をコントロールするが,初期配置の段階では3つとも同じ場所に配置されることになる。
 最初は「どこに配置したらいいか分からない」かもしれないが,原則的には「遠距離攻撃する部隊は後ろ,それ以外は前」と考えておけば問題ないだろう。
 ……もちろん,それでも「弓兵なのに最前線しかスロットがあいていない」とか,「歩兵なのに後方しか」とかいったことは起こり得る。その場合は,戦闘開始後に改めてポジションを決め,移動すればいい。TWAはRTSにしては短時間で終わるゲームだが,序盤のテンポはそこまで早くない。

早い者勝ちで初期配置スロットにセットしていく
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 配置が決まったら,いよいよ戦闘開始だ。

 先にも説明したようにTWAの勝利条件は「敵の全滅」「敵陣地の占領」となる。
 敵陣地の占領は,敵がほぼ壊滅状態に陥っていないと難しいので,「壊滅状態に陥った敵軍のうち,最後まで戦場を逃げ回って粘ろうとするプレイヤーがいても,陣地を占領すればゲームが終わる」程度に考えておけば大きな間違いはない(無論,プレイヤーやチームの戦術理解度が高まれば,また話は変わってくるだろうが)。
 つまりTWAのにおいてまず考えるべきは,「いかにして敵の軍隊を壊滅させるか」である,と言える。

相性を無視して互いに正面から撃ち合っていると、兵力(色付きのバー)は敵味方とも均等に減っていく
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 ここにおいて最初に考えるべき要素は,兵種による相性だ。いわゆる「兵種じゃんけん」である。

 TWAには様々な兵種があるが,最も基本となるのは「歩兵」「弓兵」「騎兵」の3種類だ。
 そしてこれら3種は,以下のような強弱関係にある。

  • 歩兵>騎兵
  • 騎兵>弓兵
  • 弓兵>歩兵

 騎兵が密集した歩兵陣形に突っ込めばだいたい大損害を受けるし,防御に特化した槍歩兵の陣形に突っ込もうものなら一瞬で部隊が溶けるのも珍しくない。
 一方で,騎兵が弓兵の群れに突撃をかけると,弓兵は「大損害」などといったレベルでは済まない損害を受ける。騎兵の突撃をまともに受けてしまった弓兵の命運はそこで断たれてしまうだろう。
 そして弓兵は敵兵を遠距離から削ることができ,これによって敵前線の「壁」を確実に溶かしていくことが可能だ。

こちらの騎兵の攻撃によって敵の弓兵が勢い良く溶けていく
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 そのうえで注意したいのは,弓兵の脆弱さである。
 たしかに弓兵は歩兵に対して大きなダメージを出せるが,いったん歩兵に接敵されてしまうと非常に苦しいことになる。このため,なるべく友軍歩兵の背後から攻撃するようにしたい。場合によっては3部隊のうち1つを歩兵にして,自力救済できるようにしておくのも一つの手だ(というか個人的にはそうすべきだと感じた)。
 そこまでお膳立てしても,弓兵には当然ながら自軍に対する誤射があるので,誤射してでも撃つときと,誤射を避けるときは,しっかり考えておきたい。

 ともあれ,以上の基本原則に則れば,要するに敵の兵種に対して強力な攻撃ができる部隊が前に出て戦えばいい,ということになる。
 だがこれはTWAの戦闘の,ほんの入り口に過ぎない。

ゲームが始まるまでの間に,WASDで無人のマップを視察できる。ティップスとして知っておくと便利
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敵部隊の士気を挫け!


 TWAにおいて戦闘を決定づけるのは、部隊の兵士が傷ついて倒れることだけではない(むろん、弓兵が騎兵に一瞬で轢き殺されるといったことはあるが)。

 TWAでは,部隊は「残り兵士数」「士気」のパラメータを有する。
 そしてこのうち,「士気」が曲者なのだ。

 敵部隊と味方部隊が真正面から戦っている間は,「士気」はそこまで大きく下がらないのだが,部隊が側面から攻撃されると士気は大きく崩れるし,背面を取られるとほとんど一瞬で士気が崩壊する。
 士気が崩壊した部隊は逃亡を始め,逃亡する部隊は後ろから追撃され……と,被害は雪だるま式に拡大する。このため,可能な限り側面を取られたくないし,背面を取られるなどもってのほか,というのがTWAにおける基本的な姿勢となる。

敵の士気が崩壊したため,敗走を始める(一定時間コントロール不能)。兵力(赤いバー)が残っていても,士気(白いバー)がなくなると厳しい
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 そしてこうなってくると,自分がコントロール下にある3部隊では,いかにも手駒が少ないのが分かってくる。
 なにせ敵は全部で30部隊いるわけで,部隊数で劣勢に置かれることはけして珍しくない。また部隊数で勝っていたとしても,真正面からの攻防に終始するのでは,やがて敵の援軍が到着して形勢逆転ということもあり得る。

 かくしてTWAにおいては,いかにして自軍と友軍の側背を守りつつ,必要に応じて前に出て包囲を作るか,という采配が問われることになる。
 このあたりのチームワークは,上手く行っているときは最高に気持ちが良いし,崩れてしまったときの絶望感も非常に大きい。いずれにしても,「ともにこの戦場を戦っている」感はとても強く感じられるし,この感覚は本作を楽しむにあたっても醍醐味のひとつと言えるだろう。

 だがこれでもなお,まだTWAの戦闘の全貌ではない。

やや友軍不利だった場面に,坂を駆け上がって敵軍の側面から一斉攻撃。これによってこちら方面は我軍の勝利に終わる
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偵察の重要性もお忘れなく


 もうひとつ,チームワークが重要になるのは「視界」の概念である。
 「World of Tanks」や「League of Legends」などに見られるように,本作においても部隊の視界の外にいる敵部隊は画面上に表示されない。また茂みや森などに潜んでいる敵は,たとえ視界内にいても発見できないことがある。

画面の左端のほうで地面に黄色い境界線が引かれているが,これが「見える」「見えない」の境界線
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 このため,TWAにおいても「視界を取る」仕事は非常に重要だ。

 そしてここにおいて中心的な働きをするのは,騎兵となる。騎兵が機動力を活かして前線の前方を走り回り,敵の布陣を事前に把握しておけるかどうかは,勝負の行方を大きく左右し得る。
 また長射程・大火力の攻城兵器(カタパルトなど)を使っている味方がいる場合,騎兵による視界の確保はこれまた大きな効果を発揮する――逆に,偵察に出した騎兵がそういった攻撃をあえて受ける(移動速度が早いのでそこまで大きな損害にはなりにくい)ことで,友軍に「敵カタパルトの射程」を示すことも可能だ。
 加えてマップ上には,占領することで視界が広がるポイントが設置されていることがある。このためいち早くそういったポイントに走り,視界を確保するというのも,騎兵の役割になりやすい。

前方に見える「目」のアイコンの下に見張り台があるので,開始直後に騎兵が走る
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 だがそのうえで,この「視界」は,個々のプレイヤーの技量が最も問われる要素でもある。
 というのも,ゲーム上は視界を取っていて,敵影もミニマップに表示されているのに,敵が接近してきたことに気づかないということは,しばしばにして起こり得るからだ。
 TWAは斜め上から自軍部隊を見下ろすような視界でゲームが進む。このため自軍前方にはプレイヤーの注意が向きやすいが,後方となるとどうしても注意から外れやすい。「そんなの気づかないほうが間抜け」なのは議論の余地もないのだが,正面での戦闘に熱中していると,どうしても背後がお留守になりがちだ。

 このため,ある程度までゲームに慣れてきたら,ミニマップもちゃんと見ながらゲームをするだけでなく,定期的にカメラを回転させて周囲の状況を把握するようにしたい。カメラはWASDで移動するほか,QEで左右回転もできるので,前方がやや膠着した(あるいはただ前進すればいいだけといった状況にはいった)らQやEを押しっぱなしにして周囲を警戒する癖をつけたいところだ。

視界が重要なゲームなので,こういった拡大画面を見ることはまずないが,細かい戦闘描写は迫力がある
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経験点とシルバーで部隊と司令官を強化


 TWAにおける戦闘の実際を簡単に紹介すれば,以上のようになるだろうか。ここに加えて司令官スキルによる部隊の一時的な強化,使い捨ての装備による部隊の一時的強化といった要素もある。また勢力ごとに特殊な部隊があったりもする(蛮族であれば「森の中に潜んでの奇襲が得意な部隊」といったものがある)。
 これらはそれぞれゲームの展開に大きな影響を与え得るが,ゲームを始めたばかりの頃であれば,ここまでの3要素――「兵種」「士気と側背面」「視界」を特に意識しておくと良いだろう。

このままいけば占領できそうだが――
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 無論,そのうえで「むやみやたらに突出しない」といった集団戦の基本ともいえる要素もあるにはある。
 が,例えばこの「むやみに突出しない」という大原則を意に介さず突撃した結果,自分の部隊は一瞬で全滅したけれど,自分の部隊を全滅させるために前に出た敵部隊が統制を失い,味方の本格的な攻撃を前に総崩れ……といったことも(少なくとも初心者プレイヤーが多い領域では)起こっている。
 こういったカオス感は剣と盾で戦争していた時代ならではとも言えるし,それを追体験できるのもTWAの面白いところと言えるだろう。

敵軍主力が引き返してきて敗北。だが敵軍の足並みが揃わなかったら,各個撃破で占領勝ちもあり得たかも
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 さて,それはそうとして戦闘以外にもTWAにはたくさんのゲーム要素が詰まっている。

 実際の戦闘の外側にある大きな要素としては,司令官やユニットの成長要素がある。
 これはWorld of Tanksのプレイヤーであれば,ほぼそのままの仕様と思ってもらって間違いない。
 司令官が有するスキルは経験値によって向上させていくことができ,またスキル自体も「Tier」で別れたツリーになっている。
 また部隊の装備も経験値でアップグレードできる。アップグレードした装備を,マッチの勝敗によって手に入るシルバーを消費して部隊に与えることで,部隊が強化できるといった手順となる。
 もちろん,部隊自体も「進化」する。このあたりは完全にWorld of Tanksと同じメカニズムで,ある兵種の技術ツリーは,必ずどこかが次のTierの兵種開発につながっているので,そこを順次アンロックしてけばより強力な部隊が指揮できるようになるというわけだ。

戦闘によって司令官に経験点を貯め,レベルを上げていく
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部隊は装備品をアップグレードできる。どこかで見たような感じの画面
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司令官のスキルも向上させられる。司令官が持つスキルの種類はTier(司令官のレベル)が上がると増加していく
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部隊の技術ツリー。これまたどこかで見たような感じ

 こういったアップグレードや装備購入は,常に試合の外側で行われる。いったん試合が始まってしまえば,プレイヤーは部隊を操作し,司令官スキルを使い,友軍と協力して敵軍を撃滅することに集中できる。そういう点において,TWAはあくまでRTSでありながら,より初心者にも優しく,かつ「戦闘」に集中できるゲームになっていると言えるだろう。


戦友と協力して戦う楽しさ


 現状のTWAはまだクローズドβ段階なので,各種UIは変わる可能性が高いし,ゲームバランスにしても大きく変化する可能性がある。個人的には戦闘以外のUIで少し気になるところがあったのだが,明らかに問題である以上,じきに改修されると思っている。

 総じて言えば,TWAはすでに面白いゲームとして仕上がってきている。複数の部隊を同時並行して指揮することに慣れている人は慣れているなりに,慣れていない人は慣れていないなりに,ちゃんと戦えるゲームになっているのはとても興味深いところだ(高いTierになれば分散して行動できないと厳しいだろうとも思うが)。

部隊を1:2に分割し,下の部隊で視界を取りに行っている(敵大部隊が見えたので即座に撤退)。このように周辺を警戒してもなお,思いがけない挟撃を受けたりする
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 そのうえでTWAは,突出した技術を持つプレイヤーが一人でゲームを決める,といった傾向はそれほど強くない。
 なんのかんので本作はストラテジーゲームであり,例えば歩兵部隊と歩兵部隊がいったんぶつかってしまえば,プレイヤーにできることはさほど多くないのだ(あえて言えば騎兵の機動力を上手く使えるプレイヤーが,単独で戦場の行方を変化させやすいかもしれない)。

 むしろTWAにおいてより重要になるのは,他のプレイヤーとの協力と,「どこからどう攻めるのか・どこで守るのか」の意思統一であるという印象は,非常に強く受けた。実際,互いに目に見える範囲にいる数名が上手く協調できただけで,その局面は支配できたりする。
 ――が,より大きな目でみると,「自分の見える範囲では勝っているが,戦場全体では負けている」ということもまた,よく起こる。そういった悔しさもまた,TWAが扱う古代戦というテーマならではだろう。
 史実においては「なぜ撤退命令なんだ,俺達は勝ってるじゃないか!」と現場で叫んだ指揮官は少なくないが,TWAはまさにそういった「ままならなさ」と,そしてそれをチームワークで乗り越えて勝利を掴む快感が味わえる作品と言えるだろう。

勝利だ!
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リザルト画面で自分の活躍を再確認できる
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