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[GDC 2017]ゲーム以外の分野でもUnreal Engine 4のシェアは圧倒的? Epic Gamesによるオープニングセッションをレポート
Sweeney氏は,Unreal Engineを使用するデベロッパによる売上が2016年は70億ドル(約7990億円)になったと発表。2015年は記録的な年だったが,2016年はさらにシェアが2倍になったと述べた。
2016年のモバイルを除くゲーム産業全体の規模が303億ドル(約3兆4500億円)といわれているので,Epic Gamesが占めている割合は少なくないことが分かる。
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Steamで配信されているゲームでもUnreal Engine 4の割合は上昇しており,2017年になってから,Steamでは10本,モバイルでは2本のUE4タイトルがNo.1になっているという。
CTOのKim Libreri氏からは,NASAやマクラーレンでUE4が使われている話や,映像制作系での事例などが紹介された。
その中でもとくに大きく取り上げられていたのが,Imaginarium Studioが制作中の「Hellblade -Senua's Sacrifice-」と,ILMxLABによる映画「Rogue One: A Star Wars Story」(邦題:ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー)の事例だ。
察しのいい人ならもう気付いていると思うが,このThe Blackbirdを使えば,UE4でさまざまな自動車にリアルタイムにレンダリングできるというわけだ。
会場にはThe Blackbirdが持ち込まれていて,カメラを通すとThe Blackbirdがカマロになっている様子を実際に見ることができた。さらに,スマートフォンを使って車体色を瞬時に変えるというデモも行って見せた。
余談だが,何色にするかという問いかけに,来場者の叫びが皆「イエロー!」と一致していたのはちょっと不思議な現象だった。
ともあれ,会場にある3面のスクリーンには,リアルタイムで車体色が変更された様子が表示されたり,走行映像に映っている自動車の色や車種が瞬時に差し替わったりしていた。レンダリングからエフェクト,合成,編集まで,すべてリアルタイムに処理されているのを証明している。
このタイトルは,日本でもお馴染みのMMORPG「Lineage II」をスマートデバイス向けのMMORPGにしたものだ。
また,月間アクセスユーザー数は500万人以上に達しているそうで,これは韓国の人口の約10%に当たる。
将来的には,ビジュアルクオリティとパフォーマンスをさらに上げて,世界展開に打って出るとのこと。アジアと欧米でのサービスが予定されているという。
ちなみに,PCの「Lineage II」はもともと,Unreal Engine 2で開発されたことで知られている。現時点での「Lineage II:REVOLUTION」のビジュアルクオリティは,「Lineage II」とまったく同じとまではいかないようだ。しかし,「Lineage II:REVOLUTION」がUE4で作られていることを踏まえると,そのうち「Lineage II」を超えてしまう可能性すらあるかもしれない。
そのあとは,極めて少人数で壮大なゲームを開発しているSystem Era Softworksの「Astoroneer」や,Gearbox Softwareによるリアルタイムハッチングのシェーダなどの紹介,UE4のVR Editorで海辺に灯台を作成する実演などが行われた。
そして,やや唐突ではあったが,映画「Fighting Dory」(邦題:ファインディング・ドリー)の映像が上映された。これは,実際のシーンをVRでリアルタイムにレンダリングするデモなのだという。合わせて,UE4でPixarのUniversal Scene Description Formatがサポートされることが明らかにされた。
続いて,Epic GamesのOculus Rift+Touch向けゲーム「Robo Recall」のデモが行われ,このタイミングで無料公開を開始したことを明らかにした。
最後に,Oculus VRのCo-Founder兼PC VR部門のVPでもある,Brendan Iribe氏が登壇。すでにお伝えしたように,RiftとTouchの価格をそれぞれ100ドルずつ値下げすると発表。オープニングセッションは盛況のうちに終了となった。
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