北米時間2015年3月3日,ソニー・コンピュータエンタテインメント(以下,SCE)は,PlayStation 4用となる仮想現実対応ヘッドマウントディスプレイ「
Project Morpheus」(プロジェクトモーフィアス,開発コードネーム)について,
2016年前半の発売を目指して開発中と予告した。具体的な発売時期に関する情報が明らかになったのはこれが初めてだ。
SCEワールドワイド・スタジオ プレジデントの吉田修平氏が,Morpheusは,2016年前半の発売を目指して開発中と明らかにした。イベントの詳細は追ってお伝えしたい
![画像集 No.003のサムネイル画像 / [GDC 2015]SCE,仮想現実対応HMD「Morpheus」を2016年前半に発売と予告。新型試作機は5.7インチ有機ELパネル採用でフルHD@120fps対応に](/games/251/G025118/20150304009/TN/003.jpg) |
またSCEは,GDC 2015のタイミングで新型の試作機を公開している。この新型試作機は,
5.7インチで解像度1920×1080ドットの有機ELパネルを採用し,
視野角は100度,
リフレッシュレート120Hz&60Hz対応,
遅延は18ms未満となる。従来型だと5インチで解像度1920×1080ドットの液晶パネルを採用し,視野角90度といったスペックだったので,新型は大幅なスペック向上を果たしたわけだ。
Morpheusの新型試作機。ポジショントラッキング用のLEDは,従来より3基増えて9基となった
![画像集 No.002のサムネイル画像 / [GDC 2015]SCE,仮想現実対応HMD「Morpheus」を2016年前半に発売と予告。新型試作機は5.7インチ有機ELパネル採用でフルHD@120fps対応に](/games/251/G025118/20150304009/TN/002.jpg) |
ちなみにOculus VRの最新開発版ヘッドマウントディスプレイ「
Crescent Bay」(クレセントベイ,開発コードネーム)は,解像度が2560×1440ドット,リフレッシュレートが90Hzと言われている。それが正しいと仮定した場合,すべてのスペックで新型開発版Morpheusが一番というわけではない。ただ,仮想現実対応のヘッドマウントディスプレイにおける3D酔いの主因はリフレッシュレートの低さと遅延の大きさと言われているので,その点で,今回の新型開発版Morpheusは相当高いレベルにあるとまとめられそうである。
従来のMorpheus開発版は液晶パネルを採用していたが,今回は有機ELに。解像度は変わらずだ
![画像集 No.004のサムネイル画像 / [GDC 2015]SCE,仮想現実対応HMD「Morpheus」を2016年前半に発売と予告。新型試作機は5.7インチ有機ELパネル採用でフルHD@120fps対応に](/games/251/G025118/20150304009/TN/004.jpg) |
画面サイズは5.7インチに大型化した。有機ELパネルのサイズは,Samsung Electronics製のAndroidスマートフォン(や,同スマートフォンを填め込んで使う仮想現実対応のヘッドマウントディスプレイ「Gear VR」)と同じなので,同じ種類のパネルを採用しているものと思われる
![画像集 No.005のサムネイル画像 / [GDC 2015]SCE,仮想現実対応HMD「Morpheus」を2016年前半に発売と予告。新型試作機は5.7インチ有機ELパネル採用でフルHD@120fps対応に](/games/251/G025118/20150304009/TN/005.jpg) |
リフレッシュレートは120Hz対応に。これに合わせてSCEは,60fpsで動作する一般的なPlayStation 4用タイトルを120fpsで出力するためのSDK(ソフトウェア開発キット)を提供するという
![画像集 No.007のサムネイル画像 / [GDC 2015]SCE,仮想現実対応HMD「Morpheus」を2016年前半に発売と予告。新型試作機は5.7インチ有機ELパネル採用でフルHD@120fps対応に](/games/251/G025118/20150304009/TN/007.jpg) |
3D酔いに関する重要な要素と指摘されている遅延は,18ms未満を実現したとのこと
![画像集 No.006のサムネイル画像 / [GDC 2015]SCE,仮想現実対応HMD「Morpheus」を2016年前半に発売と予告。新型試作機は5.7インチ有機ELパネル採用でフルHD@120fps対応に](/games/251/G025118/20150304009/TN/006.jpg) |
●Morpheus新型開発機の主なスペック
- 構成:プロセッサユニット+仮想現実対応ヘッドマウントディスプレイ
- ディスプレイ:5.7インチ有機ELパネル
- ディスプレイ解像度:1920×RGB×1080ドット(※左右の目それぞれに960×RGB×1080ドットの映像を表示)
- リフレッシュレート:120Hz,60Hz
- 視野角:約100度
- 搭載センサー:加速度,ジャイロ
- 接続インタフェース:HDMI+USB
- 機能:3Dサラウンドサウンド,ソーシャルスクリーン