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スマホ向けMOBA「Vainglory」で5対5のゲームモードが2018年2月に実装。トッププレイヤーがしのぎを削った世界大会の模様と合わせてレポート
イベントの最終日となった12月17日には,本作で導入予定の“5V5”(5対5)のゲームモードが紹介されたので,その内容も合わせてお伝えしよう。
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5対5のゲームモードが2018年2月に実装
“タッチスクリーンで体験できる最高のMOBA”へ
Segerstrale氏は5V5を正式に発表できるのが嬉しくてたまらないといった様子で,その導入経緯を語った。氏によると,Super Evil Megacorpのスタッフはコアゲーマーの割合が高く,そんな彼らはプレイヤーから求められるまでもなく,Vaingloryの5V5を渇望していたという。従来の3V3ゲームモードの完成度には満足していたものの,一方でそれは「自分たちにとっての目標の半分」という認識だったそうだ。
2014年にVaingloryの正式サービスを開始してからも,同社はモバイルゲームの最新技術を追求し続けており,ついに5V5を実現する目処が立ったという。このゲームモードにより,Vaingloryは「タッチスクリーンで体験できる最高のMOBA」に進化を遂げたと,Segerstrale氏は胸を張って語った。
なかでも勝敗を大きく左右する要素となりそうなのが,レッドドラゴンの「Blackclaw」とグリーンドラゴンの「Ghostwing」である。前者は,倒す(解放する)ことで従来のクラーケンのようにレーンを突き進んでくれ,後者は,倒すと(捕獲すると)周囲にいるチームメンバーが強力なバフを得られるという仕組みだ。
なお,ドラゴンのほかにも,倒すことで各種パラメータが上昇したり,ゴールドを入手できたりする中立モンスターなどが追加される。
マップが広くなったことに加えて,プレイヤーキャラとオブジェクトなどとの位置関係に応じて,視界がリアルタイムで変化するシステム「戦場の霧」が導入されており,スリリングさが大きく増している。角を曲がったら敵ヒーローと鉢合わせたといいう展開も頻繁に起こりそうだが,その一方で,視界を確保するための新アイテム「スカウトカメラ」も用意されており,これまで以上にテクニックを要求されそうだ。
プレイ人数の増大/マップの拡大による,マシンスペック面への影響が気になるところだが,自社開発したゲームエンジンのアップグレードにより問題はないという。言葉を換えると,グラフィックスなど技術面の目処が立ったからこそ,5V5を正式に実装するわけである。今回のアップデートを経てVaingloryは,スマホ端末さえ対応していれば,120fpsの描画を可能にするというのだから驚きである。
もうひとつ,プレイヤー視点で聞き逃せない話としては,たとえばフォートレスのアルティメットで出現する狼の数を5体に増やすなど,各ヒーローの性能を5V5向けに再調整しているという部分だ。これらの情報を総合的に見ると,5V5の導入はいちコンテンツの実装というより,Vaingloryのリニューアルと言い表す方が適切かもしれない。
Segerstrale氏による説明がひとしきり行われたあと,今回の世界大会に出場した選手らが即席の5名チームを編成してのエキシビションマッチが行われた。
映画館のメインスクリーンに映し出される5V5のプレイ画面を見て,PC向けのMOBAと遜色がないと思えた。こういったゲーム体験がモバイルで遊べるというのは,時代の進化を感じずにはいられない。
開発状況は順調で,現在ごく少人数向けに行っているβテストの評価はすこぶる高いとのこと。少なくともVaingloryのe-Sportsシーンにおいては,現在の3V3から5V5へ移行することも視野に入れているそうだ。来年に開催されるVainglory世界大会も,5V5で行われるとのこと。
実装時期は「2018年2月」が予定されている。現在,事前登録の受付が行われているが,それとは別に,ゲーム内で「ゴールデン・チケット」を入手することで,アーリーアクセスに参加できることも明かされた。現在,Vaingloryの公式サイトでは,このアーリーアクセスに関するFAQが公開されているので,プレイヤーはじっくり目を通しておこう。
ちなみに,当日のステージイベントの来場者全員に,このゴールデン・チケットがもれなく配布されると発表された瞬間は,会場全体が揺れるほどの盛り上がりようであった。
3V3による最後のVainglory世界大会
栄冠は北米のプロチームTribeの頭上に輝く
3本先取制で行われる準決勝の第1試合は,Cloud 9とTribeという北米リージョン同士によるマッチ。Vainglory以外のe-Sports系タイトルでも数多くの実績をあげているCloud 9は,本大会で準決勝に至るまで1ゲームも落としておらず,優勝候補の一角といわれていた。ところが,試合が始まるとTribeが3-1のスコアで難なく下すという展開に。
準決勝第2試合はACE Gamingが有利に進めていく。ACE Gamingの2-1のリードで迎えた4戦目は,これまで有利に試合を進めていたImpunityがエース(敵ヒーローを全滅)を取って,クラーケンを解放。このままImpunityがクラーケンと一緒に進軍すれば,相手は迎撃できないという状況である。ところが,復活したACE Gamingの選手は自軍にへ攻め込むクラーケンを無視して,手薄になっていた敵陣へ単身乗り込みクリスタルを破壊。劇的な勝利でACE Gamingが決勝進出を果たした。
決勝戦における各試合では,それまでの両チームが頻繁に繰り広げていたドラマティックな展開がそれほど多くはなかった。しかし個々のテクニックは流石の一言で,あまりに細かすぎて文章で説明するのはやや無理がある。現在,各試合のアーカイブがOPENREC.tvで公開されており,日本語による実況・解説なども確認できる。Vaingloryのプレイヤーはチェックする価値があるだろう。
OPENREC.tv「2017 Vainglory World Championship DAY4 決勝」
※10分頃から〜:3位決定戦
2時間46分頃〜:5V5のプレゼンテーション
5時間25分頃〜:決勝戦
「Vainglory」公式サイト
「Vainglory」ダウンロードページ
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(C)2013-2014 Super Evil Mega Corp.
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