プレイレポート
「コール オブ デューティ ブラックオプスIII」のファーストインプレッションをお届け。モードそれぞれが1本のタイトルになりそうな充実度
4Gamer読者には今さら説明するまでもないだろうが,「コール オブ デューティ」(以下,CoD)は,2003年から続くFPSシリーズだ。プレイしたことがない人でも,新作発売時に見られるFPSファンの熱狂ぶりなどで,その人気を感じている人は多いだろう。
ここ数年のシリーズ作品では,映画的な演出のキャンペーンモード,多数のプレイヤーが入り乱れて戦うマルチプレイモード,プレイヤー同士が協力して生き残るゾンビモードが大きな特徴となっているが,BO3でもその3つは健在だ。本作ではそれらがどのような内容になっているのか,ファーストインプレッションをお伝えしよう。
なお,今回プレイしたのはPlayStation 4版で,スクリーンショットもそのSHARE機能で撮影したものとなっている
。
「サイバーアビリティ」を駆使しての制圧が爽快なキャンペーンモード
キャンペーンモードでは,FPSの魅力の一つである,敵を倒す楽しさが大きくフィーチャーされている。無敵の兵士となったプレイヤーが並み居る敵を撃ち倒す面白さを,映画的な演出や海外ドラマ風の物語が彩っているのだ。
物語の舞台は,空にドローンが飛び,地上にはロボット兵士がひしめく2065年の戦場。プレイヤーはとある事件をきっかけに,さまざまな改造を施されたスーパーソルジャーの一人となり,同じくスーパーソルジャーであるヘンドリックスと共に,仲間を裏切った元同僚のテイラー達を追っていく。疾走する列車の上で撃ち合ったり,ボートで敵の追撃から逃れたり,圧倒的な火力で暴れ回る敵の大型ロボットと戦ったりと,SF映画のような激しい戦いが描かれるのだ。
プレイヤーの同僚であり,志願してスーパーソルジャーとなった熱血漢のヘンドリックス |
テイラーはプレイヤーに戦い方を教えてくれたよき先輩だったのだが…… |
最近のFPSでは,スーツに装備されたスラスターによる高所へのジャンプや,ウォールラン(壁走り)などの特殊な機動が流行しており,本作もその例外ではないのだが,キャンペーンモードでは無理なくこれらに馴染めるよう配慮されている。
プレイヤーはまず一般兵士として特殊な機動や能力がない“これまでのFPS”を体験。ある事件をきっかけにスーパーソルジャーとなり,テイラー達からスラストジャンプやウォールラン,パワースライド(加速しつつのスライディング)などの機動や,敵ロボットを乗っ取る特殊能力「サイバーアビリティ」など,“これからのFPS”に必要なテクニックを学ぶ。チュートリアルと物語が密接に絡み合っている構成はさすがというところで,久々にFPSをやってみようかという人でもすぐにゲームへ入り込めるだろう。
スーパーソルジャーとなった主人公はとにかく軽快に動ける。操作自体もそう複雑なものではないので,スラストジャンプで高く跳んだ後,流れるようにパワースライドでスライディング……といったアクションなら少しのプレイで使いこなせるようになるはずだ。
これらのアクションで移動のバリエーションは多彩になっているが,実際にプレイした感触としては移動のアクセントといったところで,ゲームを劇的に変えるほどではない。障害物に身を隠したり,敵を有利に狙えるポジションを取ったりといった立ち回りが重要なのは,ほかのFPSと同様。いい気になって周囲に気を払わずに移動していると,スーパーソルジャーといえど,あっという間にゲームオーバーだ。
一方,「サイバーアビリティ」は,うまく使えば多数の敵を一人で圧倒できる力を秘めている。敵陣の奥にあるタレット(自動砲台)を乗っ取って敵兵を攻撃したり,相手の武器を故障させたり,ロボットの動力源を発火させてダメージを与えたり,自身の体を一定時間透明にしたりするなどして,敵軍を翻弄できる。こうした搦め手だけでなく,急加速して体当たりしたり,周囲に衝撃波を放ったりといった攻撃も可能だ。
サイバーアビリティを大別すると,敵兵器をハッキングする「コントロール」,敵に直接ダメージを与える「カオス」,接近戦に特化した「マーシャル」の3系列(この系列を「サイバーコア」という)になる。それぞれの系列に7種類のアビリティがあるが,ゲーム開始時の状態だと,出撃には1つのサイバーコアしか持って行けないようになっている。
コントロールなら,敵ロボットを停止させる「システムパラリシス」や,乗っ取る「ハイジャック」。カオスなら敵ロボットの動力源を発火させる「イモレーション」や,蛍のようなナノマシンを敵兵にまとわりつかせる「ファイヤーフライ」といった具合。「人間の兵士にしか効かない」「ロボットにしか効果がない」など,それぞれに特徴があるため,状況に応じたサイバーコアを選ぶことが重要だ。
サイバーアビリティは使用後にクールタイムが必要なので,連続しては使えないが,これを巧みに使って敵を切り崩していくのには独特の面白さがある。ドローンやロボットを乗っ取り,手榴弾や燃料タンクを発火させ,超音波で敵兵を戦闘不能にするなど,手も触れずに敵を大混乱に陥れる様はまるで魔術師のようだ。
サイバーアビリティの一つ,周囲に衝撃波を放つ「衝撃ブラスト」 |
「イモレーション」はロボットやドローンの動力を発火させる |
蛍のような小型ロボットを敵にまとわりつかせる「ファイヤーフライ」。パワーアップすると,標的となった敵が燃え上がるようになる |
キャンペーンモードをプレイしていくとXP(経験値)が手に入り,これが一定値に達するとレベルが上がって,新たな武器や,サイバーアビリティの習得・パワーアップに使える「製作キット」が手に入る,また,レベルが上がれば複数のサイバーコアを装備して出撃できるようになるので,じっくりやり込めそうだ。
個性豊かなスペシャリストが戦いを繰り広げるマルチプレイモード
BO3のマルチプレイの特徴となるのは,多彩な能力を持つ「スペシャリスト」だろう。これはマルチプレイモード専用のプレイアブルキャラクターで,その数は9人。軍人一家に生まれ,フェアな戦いを好む「RUIN」,元ストリートチルドレンで高い観察力を持つ「OUTRIDER」,犯罪組織幹部の一人娘である「SERAPH」など,それぞれに細かなバックボーンや性格が設定されている。そのうえ,外見だけでなく,対戦で高得点を取って「ウィナーズサークル」に登場するときの動きなどもカスタマイズ可能なので,より感情移入できるはず。対戦開始前に個性豊かな両軍のスペシャリストがずらりと並ぶ光景は,FPSというよりはMOBAのようだ。
スペシャリストはそれぞれ2種類ずつの「アビリティ」を持っており,1つを選択して対戦に臨む。このアビリティはキャンペーンモードのサイバーアビリティとはまったくの別物で,試合中に敵を倒したり,チームに貢献したりして獲得したスコアが一定値に達すると使用できる。周囲の敵をマップ上に表示する「ビジョンパルス」や,一定時間移動速度を上げる「オーバードライブ」といった分かりやすいものから,数秒前にいた位置へテレポートする「グリッチ」,囮を敵に突撃させる「サイコシス」といった一癖あるものまで効果はさまざま。サイバーアビリティのように積極的に使っていくものではなく,戦況を見ながら要所で使っていくというイメージだ。
このアビリティに加えて,シリーズでお馴染みの「PERK」(武器の切り換えが早くなったり,敵に探知されなったりといった,自動で発動するパッシブ的特殊能力)を3つ装備できるので,スペシャリストのカスタマイズ性は非常に高い。
スラストジャンプやウォールラン,パワースライドといった特殊機動はキャンペーンモードと同じように使える。うまくやれば素早く移動できたり,意外なルートから敵を攻めたりできるが,失敗すると落下して自滅してしまう場所も多いので,チーム戦である以上,無謀な行動は考えものだ。
ルールは,オーソドックスな「TEAM DEATHMATCH」や,マップ上に3つ存在する拠点を奪い合う「DOMINATION」,ロボットを警護して敵陣に送り込む「SAFEGUARD」などさまざまだが,共通しているのはテンポの良さだ。
撃ち合いになったらすぐに決着が付くし,やられた後のリスポーンも非常に早い。撃って撃たれてを繰り返すうちにヒートアップし,終わったらもう次をプレイしたくなっているという感じだ。
マップ上に配置された拠点を奪い合う「DOMINATION」 |
ロボット移送を巡っての戦闘が展開される「SAFEGUARD」 |
マルチプレイでも対戦するとXPがもらえ,一定値に達するとレベルアップ。アビリティや武器の入手に使う「アンロックトークン」が手に入るので,これで新たなセッティングを試しているうちにまたレベルが上がり……と,いい意味で止め時を見失ってしまう。
また,武器自体にもレベルが存在しており,使い込んでいくと照準倍率を上げる「サイト」や,エイム速度を上げたり,装填数を増やしたりできる「アタッチメント」が増えていくので,これもプレイの意欲を煽ってくれる。
悪人同士が協力する? ゾンビモード
仲間同士で協力する楽しさを味わえるのがゾンビモード。次から次へと湧いて襲ってくるゾンビや怪物を相手に,どれだけ長く生き残れるかに挑む内容だ。
キャンペーンモードとマルチプレイモードが近未来の戦場であるのに対し,ゾンビモードの舞台は1940年代。「Shadows of Evil」マップでは,悪女「ジェシカ・ローズ」,汚職警官「ジャック・ヴィンセント」,メリケンサックを仕込んだグローブで試合に挑むボクサー「フロイド・キャンベル」,傲慢な手品師の「ネロ」といった一癖も二癖もある連中がゾンビと戦い続ける。
攻略のポイントとなるのは,前述したようにプレイヤー同士の協力だ。例えゾンビにやられても,ほかのプレイヤーに蘇生してもらえばプレイを続けられるし,手ごわい怪物もみんなでかかれば少しは楽になる……はず。
戦場となる街にはさまざまな仕掛けがあり,うまく利用すれば戦いを有利に進められる。中でも面白いのが「ゴブルガム」販売機と,呪いの炎だ。
ゴブルガムを食べると,ゾンビがこちらを見失う「カメレオン」や,近接攻撃のダメージをアップさせる「凶暴化」などの特殊能力が得られるが,好きなガムを好きなときに使える訳ではない。スタート前に手持ちのゴブルガムの中から5種類を選択しておくと,街に設置された販売機からそのいずれかが出てくるという仕組みだ。販売機でゴブルガムを買うには,ゾンビを倒したり,バリケードを修復したりすると手に入る「スコア」が必要なので,生き残りたいならしっかりとチームに貢献しなければならない。
スコアは武器の購入や,街の各所にあるゲートの開放にも必要。考えなしにスコアを使ってしまうと,いざというときに武器が無い,といった悲劇が起きてしまうので,気をつけよう。
呪いの炎を使用すると,プレイヤーが「ビースト」に変身する。ビーストは不気味な姿をしているが,触手から電流を放つなど,凄まじい攻撃力を持っており,なかなか頼もしい。単なる初心者救済ではなく,後述する謎解きの多くに関わっているので,計画的に使っていく必要があるのがまた面白いところだ。
街の中に用意されているに謎は,特定の条件を満たして解くもので,成功すると強力な装備が手に入るなどのメリットがある。例えば電源が切れていて動作しない自販機がある場合,ビーストに変身して電撃を浴びせてやれば起動してパワーアップアイテムを買えるようになるといった具合だ。基本的にノーヒントで,いくつかの条件が絡み合っていたり,プレイヤー同士の協力が必要だったりと,難度は高い。そのため,メンバーの中で謎の答えを知っている者がいるかいないかで,プレイが大きく変わってくるはずだ。
筆者も,あるプレイでは熟練プレイヤーにどんどん先導してもらえたと思ったら,次のプレイでは初心者達とマッチングして一緒に右往左往している間にゾンビにやられてしまった。このように,プレイの度に展開が変化するカオス感がゾンビモードの大きな魅力かもしれない。
キャンペーンモード,マルチプレイモード,ゾンビモードの3つを紹介したが,どれもFPSならではの面白さがたっぷりと詰まっており,FPS好きならいずれかのモードが“刺さる”のではないだろうか。
単体でも1本のゲームとして成立しそうなボリュームで,プレイしていて「身体が3つ欲しい」と思えたほどだ。マルチプレイモードの試合終了時や,ゾンビモードでゲームオーバーになった後に復帰まで少々時間がかかるのが気になったが,このあたりはアップデートでの改善を期待したい。
最後になるが,本作でなにより楽しく感じられたのが,世界中のプレイヤーが試行錯誤しながら各モードの攻略に挑んでいるという雰囲気だ。発売からそれほど日は経っていないので,FPSに興味があるなら,このお祭りに参加してみてはどうだろうか。
「コール オブ デューティ ブラックオプスIII」公式サイト
- 関連タイトル:
コール オブ デューティ ブラックオプスIII
- 関連タイトル:
Call of Duty: Black Ops III
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コール オブ デューティ ブラックオプスIII
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(C)2015 Activision Publishing, Inc. ACTIVISION, CALL OF DUTY, CALL OF DUTY BLACK OPS, and stylized roman numeral III are trademarks of Activision Publishing, Inc. Published and distributed by Sony Computer Entertainment Inc. in association with Activision.
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