テストレポート
Raven Ridge「Ryzen 5 2400G」「Ryzen 3 2200G」の統合型GPUでOverwatchとWoWs,PUBGは満足にプレイできるのか。実際に確かめてみた
4Gamerではすでに,第1弾製品となる「Ryzen 5 2400G」「Ryzen 3 2200G」のレビューを掲載済み。「PCゲームでどれくらいの性能を期待できるか」を米田 聡氏が探っているので,待望のAPUが持つポテンシャルを知りたい場合は,そちらをぜひチェックしてほしい。
本稿では,筆者が実際にRyzen 5 2400GとRyzen 3 2200Gでゲームをプレイしてみたインプレッションを,プレイムービーともどもお届けしてみたいと思う。
視認性などを考えて自分に合ったグラフィックス設定を探そう
今回用意したゲームタイトルは,「Overwatch」と「World of Warships」(以下,WoWs),「PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS」(以下,PUBG)の3本。低コストでゲームPCを入手したいと考えている人が,入手後,真っ先にプレイすることになるであろうゲームから,時間の都合もあって3タイトル選んだ次第だ。
ここで,筆者なりの「PCゲームに求めるグラフィックス設定」をまずお伝えしておこう。
筆者はMOD版「DayZ」をプレイするまで,1920
それ以降,筆者としては,対戦系3Dゲームを「プレイできる」のではなく「戦える」解像度は1920
今回取り上げるRyzen 5 2400GやRyzen 3 2200Gの場合も,まず解像度は1920
もちろん,ゲームタイトルによってはこれらの設定を逆に高めにすることで視認性が増してアドバンテージになるケースもあるので,絶対ではないが,それでも,「大事な場面でカクつく」恐れを極力排除するため,できるだけグラフィックス設定を下げるというのは,筆者にとっての正義なのだ。
ところで,今回用いている3タイトルのうち,OverwatchとPUBGにはレンダースケールに関する設定項目がある。
レンダースケールというのは描画解像度のことで,たとえばゲーム画面の解像度設定が1920
ただ言うまでもないことだが,これは事実上,ゲーム画面の解像度設定を下げているのに等しい。なので,筆者が個人的にプレイする場合,ここを100から動かすことはない。
今回はマスタードシードの協力を得て,ASRock製の「B350」チップセット搭載マザーボード「Fatal1ty AB350 Gaming K4」と,Cyonic製で定格出力550Wの電源ユニット「AU-550X」の貸し出しを受けることができたので,これを,4Gamerで独自に入手したRyzen 5 2400GおよびRyzen 3 2200Gと組み合わせることになる。
なお,当該APUは単体で,クーラーが付属していなかったため,手元にあった適当なSocket AM4対応空冷モデルを組み合わせてある。この点はあらかじめお断りしておきたい。
そのほかテスト環境は表のとおり。グラフィックスドライバは,レビュー記事と同じく,AMDから全世界のレビュワーに配布されたものを使っている。
OverwatchとWoWs,PUBGはRaven Ridgeでどれくらい動くのか
3タイトルのテスト結果を,順に見ていこう。
Overwatch
- Ryzen 5 2400G:「詳細設定」以下の「モデル表現」「ライティング品質」はプリセットのまま保持し,残る設定項目は最も低くする
- Ryzen 3 2200G:「詳細設定」以下の設定項目をすべて最も低くする
という対応を行った。
この設定を行うことで,プレイ時にマウス(=視点移動)がもたつくような描画遅延を回避することができている。
実際のプレイ結果は下に示したムービーを参照してほしいが,もともとOverwatch自体の描画負荷が低いこともあり,グラフィックス品質に高望みしなければ,Ryzen Desktop Processor with Radeon Vega Graphicsで普通に「戦う」ことができる印象だ。
World of Warships
一方,Ryzen 3 2200Gのほうでは限りなく描画設定を落としてあるため,艦船の表示は薄っぺらくなってしまうものの,フレームレートは55〜75fps程度を維持でき,快適に「戦う」ことが可能になる。
PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS
結論から先に述べると,Ryzen Desktop Processor with Radeon Vega GraphicsでPUBGをプレイするのは可能だが,PUBGを戦い抜くのは無理だ。素直にグラフィックスカードを購入すべきだろう。
具体的に述べると,Ryzen 5 2400Gを差した状態で,「高度な設定」以下の「全体クオリティ」プリセットを最低の「非常に低い」に設定し,筆者としては禁断のレンダースケール設定である「画面スケール」を最小の70に下げるという,(解像度1920
今回はRyzen 5 2400Gのプレイムービーのみを示す――Ryzen 3 2200Gのプレイムービーは掲載する理由が見当たらない――が,普通に移動したりアイテムを取得したりするだけでつらく,1対1ではほぼ確実に打ち負けるあたりに注目してもらえれば幸いだ。
ゲーム次第では十分に「戦える」レベルの3D性能を示すRaven Ridge
以上,日本でも人気の3Dオンラインタイトル3本でRyzen 5 2400GとRyzen 3 2200Gを実際にプレイしてみたが,OverwatchとWoWsであれば,グラフィックス設定次第で普通に「戦える」レベルの3D性能を持つと断言していい。PUBGを前にすると完全にお手上げなので,無理なものは無理といったところだが,2018年におけるローエンド市場向け単体GPU程度には,3D性能にも期待できると言っていいのではなかろうか。1万円台半ばから2万円台前半で購入できる「4コアCPU」の3D性能としては相当に高い,と言ってもいいだろう。
「Ryzen 5 2400G」「Ryzen 3 2200G」レビュー。デスクトップPC向けRaven Ridgeはゲーマーの選択肢になるか?
AMD公式Webサイト
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Ryzen(Zen,Zen+)
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