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西川善司の3DGE:CPUは安泰で期待大と確信が持てたAMDのCES 2019基調講演。GPUは?
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印刷2019/01/12 00:00

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西川善司の3DGE:CPUは安泰で期待大と確信が持てたAMDのCES 2019基調講演。GPUは?

 AMDがラスベガスのセンターステージに戻ってきた。
 CES 2019の会期2日めとなる北米時間1月9日,2002年のComdex以来となる「ラスベガスにおけるAMDの基調講演」があったのだ。2002年は当時のHector Ruiz(ヘクター・ルイズ)CEOが登壇したが,今年のプレゼンターはもちろん,社長兼CEOのLisa Su(リサ・スー)博士である。

いまや「AMDの顔」がすっかり板に付いたSu氏。袖を切り落とした黒い革ジャン姿は,競合する“あの人”へのメッセージなのか?
画像集 No.002のサムネイル画像 / 西川善司の3DGE:CPUは安泰で期待大と確信が持てたAMDのCES 2019基調講演。GPUは?

 Su氏は基調講演で,大小さまざまなトピックを語ったのだが,とくに重要なものを挙げると,以下の7つになるかと思う。

  1. 第2世代Ryzen Mobile APUを2019年第1四半期にリリース
  2. すべてのRadeon Softwareによる第2世代Ryzen Mobile APUのサポートを2019年2月に開始
  3. A-Series APUをChromebook向けに提供開始
  4. 7nmプロセス技術を用いて製造される新世代GPU「Radeon VII」を2019年2月7日にリリース
  5. Googleのクラウドゲームプラットフォーム「Project Stream」が「Radeon Pro」を採用
  6. 7nmプロセス技術を用いて製造される第2世代EPYCは,2019年中頃というリリーススケジュールに向けて順調
  7. 7nmプロセス技術を用いて製造される第3世代RyzenのCPUパッケージと性能デモを披露

 このうち1.〜3.については4Gamerですでに詳細をお伝え済みだ。

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 日本時間2019年1月7日2:00,AMDは,12nmプロセス技術を採用して製造される第2世代のRyzen Mobileプロセッサを発表した。Zen+ベースのCPUコアとVegaベースのGPUコアを統合した新型APUでは,TDP 35Wモデルでゲーマー向けノートPC市場も狙うのがトピックだ。「Chromebook向けA-Series APU」の話題とセットでレポートしたい。

[2019/01/07 02:00]

 また6.の話は,「順調」ということのみが新情報だ。第2世代EPYCについては,7nmプロセス技術をテーマとして2018年11月に開催された技術説明会「AMD Next Horizon」のレポートでお伝えした以上の情報は,今回開示されなかった。

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 北米時間2018年11月6日にAMDは,7nmプロセス技術を採用して64コア128スレッドに対応する次世代EPYCプロセッサ「Rome」(開発コードネーム)を予告したが,果たしてこれはどんな構造で,次世代Ryzenとはどう絡むのだろう? 連載「西川善司の3Dエクスタシー」,今回は,現時点で明らかになっている情報をまとめてみたい。

[2018/11/08 00:00]

 というわけで,本稿では残る4.と5.,7.について,いつものように筆者なりの考察を交えながら紹介していくことにしたい。
 なお,4.と7.では速報記事を掲載済みなので,そちらも合わせてチェックしてもらえればと思う。

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 北米時間2019年1月9日,CES 2019でAMDは,「Zen 2」マイクロアーキテクチャを採用する第3世代RyzenのCPUパッケージを披露した。次世代デスクトップPC向けプロセッサでは,8コア16スレッドに対応するCPUシリコンダイと,ノースブリッジ的な機能を持つ「I/O Die」を1基ずつ搭載するのが大きな特徴だ。

[2019/01/10 03:31]
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 北米時間2019年1月9日,AMDは,次世代Vegaマクロアーキテクチャを採用し,世界で初めて7nmプロセス技術を用いて製造される新世代GPU「Radeon VII」(ラデオン7)を発表した。搭載グラフィックスカードは北米時間2月7日発売予定で,北米市場におけるメーカー想定売価は699ドル(税別)になるという。

[2019/01/10 02:55]


隠し球Radeon VIIはRadeon Instinct MI50ベースか。さらなる上位モデル登場の可能性も?


Radeon VII搭載カードを掲げるSu氏
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 2019年の登場が見込まれる次世代GPU「Navi」(ナヴィ,開発コードネーム)に関連して何かしらの発表があるのではないかと想像していた報道陣をあざ笑うかのように突如として発表になった新世代GPU,Radeon VII(ラデオン7)。それだけに基調講演の会場では驚きをもって迎えられたが,冷静になって振り返ってみると,登場の布石は先述のAMD Next Horizonイベントにあった。
 というのもそのイベントでAMDは,7nmプロセス技術を採用して製造する新GPU「Vega 7nm」(開発コードネーム)の存在を公表済みだったからである。

Su氏はRadeon VIIを「7nmプロセスを採用して製造される,世界初のGPU」と位置づける。そう,それは2018年にVega 7nmと呼ばれていたプロセッサだ
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 イベントでVega 7nmをサーバー向け製品「Radeon Instinct MI60」「Radeon Instinct MI50」としてリリースするとだけ発表し,コンシューマ市場へ投入するか否かについて一切言及しなかった。しかしよくよく考えてみれば,AMDはサーバー用もワークステーション用もコンシューマ用も同じシリコンダイを流用して製品化している。Vega 7nmをコンシューマ市場に投入してくるというのは,AMDにとって既定路線なのだ。皆Naviの幻影に惑わされていたといったところか。

「7」nmと,「V」ega「II」のダブルミーニングで,Radeon VIIという製品名になったそうだ
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 ちなみにRadeon Instinct MI60とRadeon Instinct MI50の製品概要はAMD Next Horizonイベントのタイミングでお伝え済みだが,要点を押さえておこう。
 まず,繰り返しになるが,その開発コードネームから一目瞭然のこととして,採用される製造プロセス技術は7nm世代のものだ。具体的には台湾TSMCの「N7」と呼ばれるプロセス技術を採用している。
 アーキテクチャは14nmプロセス技術を採用して製造される第1世代Vegaの「Vega 10」と基本的に共通なので,「第2世代Vega」(Vega II)と呼んで差し支えない。

 ダイサイズは332mm2で,総トランジスタ数は132億。Vega 10だと順に486mm2,125億なので,ダイサイズは約68%にまで小型化を達成しつつ,集積するトランジスタ数は約6%増やしてきた計算になる。

 Radeon VIIは,演算ユニット「Next-Generation Compute Unit」(以下,NCU)を60基搭載することが明らかになっているが,AMDの「Graphics Core Next」(以下,GCN)アーキテクチャだとNCUあたり64基のシェーダプロセッサ「Stream Processor」を集積しているため,総シェーダプロセッサ数は3840基(=64×60)となる。

Radeon VIIは60基のNCU搭載する。スライドにはメモリ周りのアピールポイントも書いてあるが,それについては後ほど
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 上のスライドには最大1.8GHz動作するとも記載があるので,「AMDのStream Processorは1クロックでFP32の積和算を実行できる」(=2 FLOPS)仕様を踏まえて理論性能値を計算すると,

  • 3840(Stream Processor)×(1800MHz)×2(FLOPS)=13.82 TFLOPS

ということになる。

Vega 7nmのブロック図。NCUを16基束ねて“ミニGPU”的なクラスタ「Compute Engine」を構成し,それを4基搭載する
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 そして,搭載するグラフィックスメモリが16GBのHBM(High Bandwidth Memory)ということもSu氏は明らかにした。上のスライドだとHBMの世代に関する情報はないのだが,先代の「Vega 10」,そしてRadeon Instinct MIx0シリーズもHBM2を採用していたので,Radeon VIIもHBM2を採用していると考えるのが自然だ。

 注目のグラフィックスメモリ容量は16GB。メモリバス帯域幅は1TB/sとなる。
 Vega 7nmでは,パッケージに統合するHBM2のインタフェースがVega 10の2048bit幅に対して4096bit幅へと2倍に拡大している。さらに,Vega 10でパッケージ上にあるメモリスタックは2つだったが,これがVega 7nmで4スタック構成となり,メモリインタフェースはなんと4096bit化した。Vega 7nmが搭載するHBM2はピンあたり2Gbps仕様となるので,メモリバス帯域幅は,

  • 4096(bit)×2(Gbps)÷8(bit)=1TB/s

となるわけである。

 ちなみに,いま計算した理論性能値やメモリ周りのスペックなどは,端数の微妙な違いを除き,Radeon Instinct MI50と同じだ。なので,Radeon Instinct MI50のコンシューマ版がRadeon VIIなのだという理解で問題ないだろう。
 この事実から深読みするなら,今後,Radeon Instinct MI60と同じ,64基のNCUを統合する“Radeon VII XT”的な製品が出てきても不思議ではない。
 仮に,64基のNCUすべてが有効な上位モデルが,Radeon VIIと同じ1800MHzの動作クロックで出てくると,その理論性能値は14.75 TFLOPSと,競合する「GeForce RTX 2080」(以下,RTX 2080)の10.07 TFLOPSどころか「GeForce RTX 2080 Ti」の13.45 TFLOPSすら圧倒することになり,GPU戦争はかなり面白くなりそうなのだが,そこまで妄想するのはさすがに気が早いか。

 さて,基調講演でSu氏は,かなりざっくりしたものではあったものの,Radeon VIIとRTX 2080の性能を比較したというグラフを示したが,それを見ると,かなり拮抗しているのが面白い。

Radeon VIIとRTX 2080の性能比較を行ったというスライド。DirectX 12ベースの「Battlefield V」とDirectX 11ベースの「Far Cry 5」ではほぼ互角,VulkanベースのStrange Brigadeでは(写真だと隠れてしまっているが)87fps対73fpsで圧倒している
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 いずれもAMD製GPUで高いスコアが出ることで知られるタイトルなので,最適化に起因した部分もあると思われ,最終的な性能は(いつものように)実際の製品でテストしてみる必要はあると思うが。

こちらはRadeon VIIとVega 10世代の「Radeon RX Vega 64」とで性能を比較したというグラフ。RX Vega 64の理論性能値は12.66 TFLOPSあるので,スコア差が付きすぎと思うかもしれないが,ここまでのスコアが生じている主因は1にも2にも,1TB/s対484GB/sという圧倒的なメモリバス帯域幅だろう
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 Radeon VIIは北米時間2月7日リリース予定となっており,搭載グラフィックスカードの北米市場におけるメーカー想定売価は699ドル(税別)――RTX 2080と同じ――だ。製品には「デビル メイ クライ 5」と「バイオ ハザードRE:2」「The Division 2」(邦題 ディビジョン2)3タイトルの製品版を入手できるコードが付属するという。
 なお,Su氏はあまり大きく取り上げなかったが,Radeon VIIは,コンシューマ向けGPUとして初のPCI Express(以下,PCIe)Gen.4対応製品になる見込みだ。

Radeon VII搭載システムで,画面解像度を4K,グラフィックス設定を最高に引き上げた状態におけるデビル メイ クライ 5のデモ。安定して100fps以上のフレームレートが出ていた
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Zen 2マイクロアーキテクチャを採用した第3世代RyzenのCPUパッケージと動作デモが披露に


Zen 2マイクロアーキテクチャ自体は発表済み。CES 2019におけるCPU周り最大のトピックは,Zen 2ベースとなるデスクトップPC向けCPUの存在が公表されたことにある
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 2018年11月の技術説明会では,7nmプロセス技術を採用するZen 2マイクロアーキテクチャが発表になり,Zen 2ベースのCPUとしては,冒頭でも紹介した第2世代EPYCの存在が明らかになっていた。
 ただ,その時点で誰もが想像できたように,Zen 2ベースとなるデスクトップPC向けCPUも,AMDは当然準備中だった。そして今回の基調講演では,まさにそのデスクトップPC向けZen 2プロセッサが第3世代Ryzenとして発表になったのだ。

 Zen 2マイクロアーキテクチャの特徴については第2世代EPYCの解説記事に詳しいが,本稿でも簡単に振り返っておくと,ざっくり以下のような特徴がある。
  • 内部RISC命令「μOp」(Micro Operation)用となるキャッシュメモリの容量が増え,利用効率が改善
  • メモリから読み出したx86命令そのものをキャッシュする効率が改善
  • 分岐先アドレスのx86命令を先読みするプリフェッチ動作が改善
  • 浮動小数点演算性能が改善(=AVX命令の実行効率向上)
  • 最新のセキュリティ問題に対応

 今回発表された第3世代デスクトップPC向けのRyzenは,まさにこのZen 2コアを採用したものになる。

ZenマイクロアーキテクチャとZen 2マイクロアーキテクチャの間に「Zen+」を挟んだため,発売になるデスクトップPC向けCPU製品としては「第3世代」Ryzenとなる
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 速報記事でお伝えしたとおり,CES 2019の基調講演でSu氏は,ヒートスプレッダを取り外した状態の第3世代Ryzenを披露したが,パッケージは,大小1基ずつのシリコンダイが載るという,実に特徴的なものとなっていた。

第3世代RyzenのCPUパッケージを持つSu氏。パッケージ上には小さなシリコンダイと大きなシリコンダイが載っている
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 シリコンダイは小さいほうがCPUで,1基あたり8コア16スレッドに対応する。なので,Su氏が見せたCPUパッケージは,従来までのデスクトップPC向けRyzenの最上位モデルと同じ仕様ということになる。
 そして大きなほうのシリコンダイは,DDR4メモリコントローラやPCIe Gen.4コントローラをはじめとした周辺入出力を司る「I/O Die」(以下,I/Oダイ)となる。

こちらが第2世代EPYCのCPUパッケージだ。小さなシリコンダイ(=CPUダイ)が8基,大きなシリコンダイ(=I/Oダイ)を囲むデザインになっている
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 CPUダイとI/Oダイが分離されているのは,Zen 2コアの基本設計思想によるものだ。というのも,もともとZen 2はEPYCのように「多数のCPUダイを1パッケージに集約させて1プロセッサとして構成させること」を前提とするマイクロアーキテクチャである。そのため,昔のマザーボードにおけるノースブリッジに相当するようなI/O周りは,すべてのCPUコアに統合するより,分離して別のシリコンダイにしてしまったほうが,CPUコアごとに実装するロジックの冗長性を抑えられる。

 もちろん,CPUダイとI/Oダイが1基ずつしかない今回の第3世代Ryzenだと,Zen 2の基本デザインがもたらす恩恵を何も受けられなかったりするわけだが,理由それ自体は「そういうこと」なのだ。
 なお,このI/Oダイは7nmプロセス技術ではなく14nmプロセス技術を用いて製造される。これは,I/Oロジックには電圧の高い電気を流す必要性があり,また現在のところ7nmプロセスではそうした高電圧を流すことに対応していないためである。

 さて,Su氏の掲げたCPUパッケージを見るに,I/Oダイの形状とサイズは,第2世代EPYCのそれとはまったく異なっている。つまり,AMDは第3世代Ryzen専用に,新しくI/Oダイを起こしたわけだ。

 ここで当然の疑問として出てくるのは,「第3世代Ryzen専用I/Oダイは,何基のCPUダイに対応しているのか」というものだろう。というのも,Su氏が掲げたCPUパッケージでは,CPUダイとI/Oダイがズレて実装されていて,いかにも「CPUダイをもう1基実装できそうな,意味深な空きスペース」があるからだ。もっとはっきり言うと,CPUダイを2基実装した,16コア32スレッド対応版の第3世代Ryzen登場を予感させるのである。
 AMDは現状,公式には「CPUダイを2基実装した第3世代Ryzen」の登場について何も語っていないが,この部分は継続して追いかけていく必要があるだろう。

 なお,第3世代Ryzenは当初の予定どおりAM4プラットフォームに対応することをSu氏はあらためて基調講演で明言している。つまり,既存のRyzenマザーボードは(BIOSをアップデートすることにより)第3世代Ryzenを利用できるということになる。
 しかも,第3世代デスクトップPC向けRyzenのI/Oダイは前述したようにPCIe Gen.4対応なので,既存のSocket AM4マザーボードも,基本的にはCPU新しくするだけでPCIe Gen4プラットフォームにアップグレードできてしまうことになるわけだ。Radeon VIIカードも,第3世代Ryzenと組み合わせたときにはPCIe Gen.4接続を実現できるわけである。

第3世代デスクトップPC向けRyzenは既存のAM4プラットフォームに対応。I/OダイがPCIe Gen.4に対応するため,基本的にはCPUを完走するだけで既存のAM4プラットフォームはPCIe Gen.4対応環境へアップグレードできる
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 デスクトップPC向け第3世代Ryzenの発売は2019年中頃の予定とのことで,現在のところ,具体的な時期や価格,ラインナップは明らかになっていない。

第3世代Ryzenの登場を予告するスライド。第2世代EPYCとそう変わらないタイミングでの登場となるようだ。では,Ryzen Threadripperは? という疑問も出てくるが,今回その話はなかった
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こちらは速報でもお伝えした,「CINEBENCH R15」のデモだ(下に続く)
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(続き)ソフトウェアベースのレイトレーシング性能を測るCINEBENCH R15で,「Core i9-9900K」は約180Wの消費電力でスコアが2040cbのところ,まだクロックも最終版ではないとされる第3世代Ryzenは133Wで2057だった。最終製品でどれくらいの性能になるだろうか
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AMDがGoogleのProject Streamに技術協力。Radeon ProベースのGPUサーバーで評価を進めることに


「いくつかあった」パートナーシップ関連の発表の一例。Fnaticにハードウェアを提供するというアナウンスがあった。写真で右に写っているのはFnaticのチェアマンであるSam Mathews氏
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 今回の基調講演ではパートナーシップに関する発表もいくつかあったのだが,その中で最も大きなものが,GoogleがProject Streamという開発コードネームを与えて進めているクラウドゲームサービスだ。
 Project Streamはクライアント側のハードウェアを限定しないサービスで,要件は「Chrome」Webブラウザが動作することだけ。なのでPCやMacはもちろんのこと,スマートフォンやタブレット,Chromebookでも動作することになる。

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 現在,GoogleはProject Streamの技術開発をUbisoft Entertainmentと共同で進めており,2018年10月には北米地域限定で「Assassin’s Creed Odyssey」をChrome上でプレイできるようにしているのだが,基調講演でSu氏は,このProject StreamににAMDが技術協力をすることを明らかにした。具体的にはRadeon ProシリーズをGPUサーバーに提供するという。

 Google Streamが正式サービスになるのか,なったとして日本市場へやってくるのかは何とも言えないが,NVIDIAが北米市場でサービスしている(が成功しているとは言いがたい)「GeForce NOW」に対し,AMDはGoogleと組んで対抗する姿勢を打ち出したとは言えそうである。

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AMDはProject Streamを構成するGPUサーバーにRadeon Proを提供していく
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基調講演ではProject StreamでAssassin’s Creed Odysseyをプレイするデモが披露された


2019年のAMD,CPUには期待しかない。ではGPUは……?


こちらはキャンペーン情報。Radeon VIIカードを購入するとThe Division 2がもらえる話は上でしたが,第2世代Ryzen 7・5を購入してももらえるようになるという
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 「7nmプロセス攻勢」が花開く2019年だけに,AMDはノリノリムードだ。
 かなり厳しめの目線で見ても,AMDが2019年に展開することとなるCPUラインナップには2018年以上の期待感がある。発表されている内容の時点で相当に楽しみなだけでなく,そこから垣間見える「今後の展開」にも期待込みの推測がいろいろできるからだ。8コア16スレッド対応から64コア128スレッド対応まで,Zen 2マイクロアーキテクチャはさまざまな展開が可能だが,そこから第3世代Ryzenや,まだ見ぬ第3世代Ryzen Threadripperがどんな形で飛び出してくるのか,興味は尽きない。

 GPUはどうか。
 Radeon VIIという新製品の発表にインパクトがあったことは間違いないが,それでも,2019年の本命と目されていたNaviに関するフォローがCES 2019の基調講演で一切なかったのはやはり気になるところだ。

かねてよりAMDはNaviを2019年にリリースするとしてロードマップに載せていた。それだけに,CES 2019の基調講演では何かしらのアップデートがあって当然と考えていた読者も多いのではなかろうか
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 Radeon VIIは確かに「世界で初めて7nmプロセス技術を用いて製造されるGPU」だが,GPUアーキテクチャ的には2017年モデルのGPUのVegaそのものであり,言ってしまえばクロックアップ版に過ぎない。Battlefield VでRTX 2080と互角の性能を発揮できるというのは確かにインパクトがあるものの,同じ価格でRTX 2080はリアルタイムレイトレーシングにもDLSSにも対応するので,「画期的」かと言えば,疑問が残ると言わざるを得ないのである。

 Microsoftが,リアルタイムレイトレーシングをDirectXに統合する「DirectX Raytracing」(DXR)を発表したのは2018年3月のことだ(関連記事)。これまでMicrosoftとの強いパートナーシップを構築してきたAMDだけに,このDXRに対するAMDの公式方針をそろそろ明言してほしいと考えているユーザーは少なくないだろう。
 実際,リアルタイムグラフィックス業界やゲーム業界の関心はリアルタイムレイトレーシングにあり,「NVIDIA以外」のGPUメーカーの動向を固唾をのんで見守っているという状況にあったりする。

SIGGRAPH ASIA 2018において開催されたリアルタイム技術の実演イベント「Realtime Live!」では,あのポリフォニーデジタルがなんと「次世代グランツーリスモの技術コンセプト」としてリアルタイムレイトレーシング技術を活用した実動デモを公開していた。詳細は語られなかったが,当時のデモそれ自体はGeForce RTX 20シリーズを使って行ったようである
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 なお,今回の基調講演では,ミスターXboxとして知られ,最近ではWindowsのゲーム部門まで統括する立場になったMicrosoftのPhil Spencer(フィル・スペンサー)氏も登壇したのだが,E3 2018で予告された次世代Xboxの話も,リアルタイムレイトレーシングの話もなく,Xbox 360時代から続くAMDとの長いパートナーシップに感謝を述べただけだった。

基調講演に登壇したPhil Spencer氏(Head of Gaming, Microsoft)だが,新情報は何も語らなかった。自ら話さないにしても,「MicrosoftがサポートしたDXR」についてSu氏にツッコミを入れるくらいのことはしてくれたら面白かったのだが
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 その意味で,2019年のAMD,CPU部門はほぼ安泰で,さらなる展開が楽しみだ。一方のGPU部門は,そろそろ「次」を見せてくれないと,2019年を戦い抜けるか安心できない印象が強まった,といったところである。

AMD公式Webサイト

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