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「ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー」を手がける金谷かほり氏とレイ・ウィンクラー氏にインタビュー。ドラゴンクエストの世界はステージでどう表現される?
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印刷2016/02/13 00:00

インタビュー

「ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー」を手がける金谷かほり氏とレイ・ウィンクラー氏にインタビュー。ドラゴンクエストの世界はステージでどう表現される?

ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて
 既報のとおり,アリーナショー「ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー」が,2016年7月から8月にかけて,全国5会場で開催される。まだ日本での知名度は高くないが,アリーナショー(ライブスペクタクルショー)とは,周囲を観客で取り囲んだ舞台で行われる,極めて規模の大きなエンターテイメントショーのこと。今回のものは「ドラゴンクエスト」シリーズが30周年を迎えることを記念して企画されたもので,ストーリーは「ドラゴンクエストIII」をベースにしつつ,ほかのシリーズ作品に登場する人気キャラクターも加わる内容となる。

 その制作に携わるクリエイターとして発表会に登場したのが,金谷かほり氏レイ・ウィンクラー氏である。金谷氏は数多くの人気テーマパークのライブショーやB'zのライブ演出などを手掛け,ウィンクラー氏(Stufish Entertainment Architects)は北京オリンピックやトリノオリンピックの開会式でステージデザインを手がけるなど,いずれも「大規模空間を使ったエンターテイメントの演出」において,世界的にも高い評価を受けるトップクリエイターなのだ。

 今回,4Gamerでは,金谷氏とウィンクラー氏に,「ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー」の演出およびステージデザインで試みるチャレンジや,その意図するところなどについて,いろいろと聞いてみた。



「ドラゴンクエスト」のゲームとショー

2つを結びつける鍵となるのは主人公の“名前”


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。「ドラゴンクエスト」と言えば,日本ではゲームに詳しくない人でも名前を知っているくらいの有名な存在ですが,その世界を基にしたアリーナショーを企画していると聞いたときの感想などをお聞かせください。

レイ・ウィンクラー氏(左)と,金谷かほり氏(右)
ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて
金谷かほり氏(以下,金谷氏):
 純粋に「すごく良いアイデア!」と思いました。

4Gamer:
 レイさんは,この企画を手がけるまで「ドラゴンクエスト」をご存じなかったとのことですが。

レイ・ウィンクラー氏(以下,ウィンクラー氏):
 そのとおりです。私は,かほりさんから「本当に素晴らしいショーを手がけるので,良かったら一緒にやらない?」と声を掛けてもらったんです。かほりさんとの仕事はいつもすごく楽しいので,詳しい内容を聞く前に「もちろん!」と二つ返事で答え,最初の打ち合わせのために大阪に直行しました。

4Gamer:
 企画が進む中で「ドラゴンクエスト」の世界観を知って,どのような印象を持たれましたか。

ウィンクラー氏:
 「ドラゴンクエスト」の世界は,そこに入った誰もが勇者となり,ワクワクできるファンタジーです。そこにすごく共感しました。

4Gamer:
 金谷さんは,「ドラゴンクエスト」をどのくらいご存じだったんでしょう。

金谷氏:
 もちろん名前は知っていました。ただ私自身は,ほとんどゲームをすることなく大人になったので,子どもが遊んでいるのを見て「楽しそうにしているな」と思っていた程度です。
 今回のこの企画のために,初めて「ドラゴンクエストIII」を遊んでみました。とにかく,どんなものか体験してみようと思ったんです。

4Gamer:
 初めての「ドラゴンクエスト」体験はいかがでしたか。

金谷氏:
 面白い! と思いました。とくに,プレイヤーが主人公に“名前”を付けることから始まるのがいいですね。

4Gamer:
 発表会でも,名前がショーのテーマになっているとおっしゃっていましたが。

金谷氏:
 ショーを体験する人たちと,「ドラゴンクエスト」というゲームとの間に共通するものは何かと考えていたとき,主人公に名前を付けるということに思い至ったんです。
 と言うのは,人の名前って自分自身で付けるものではないですよね。生まれがどうあれ,名前とは,ほかの誰かが希望を託して付けるものです。つまり,名前というものに込められた思いや,その力は自分だけのものではないんです。

4Gamer:
 「ドラゴンクエスト」の主人公の名前にも,プレイヤーの思いが込められていると。

金谷氏:
 堀井先生(「ドラゴンクエスト」の生みの親・堀井雄二氏)も,主人公に名前を付けることに思い入れを持っていらっしゃるんです。世界中のプレイヤーが,勇者となる主人公に自分の思いを託して名前を付ける。そこに,「ドラゴンクエストIII」の主人公が父親の意志を継いで勇者となる部分を絡めて,今回のショーのストーリーを作っていきました。そこがうまく「ドラゴンクエスト」ファンの皆さんに伝わるといいな,と考えています。

4Gamer:
 そのほか今回の企画にあたり,堀井さんとはどんなお話をされたのでしょう。

金谷氏:
 まず堀井先生から何か良いインプットをいただけないかと思い,「こんなことを考えていますが,どうでしょう?」とご相談させていただきました。そこで得たヒントから,現在の構想に近いアイデアを構築して,ショーにおける一番のカタルシスや重きを置くところ,「こうしたい」と考えている部分などについて,もう一度堀井先生とお話しました。すごく緊張しましたよ(笑)。

4Gamer:
 堀井さんから,何か提案はありましたか。

金谷氏:
 「これは『ドラゴンクエスト』30周年のお祭りなんだよ」とお話しくださいました。だから「ドラゴンクエストIII」に限らず,シリーズのさまざまなキャラクターを使って,いろんな組み合わせを出したらいいんじゃないかと。そこからヤンガスやパノンの名前が挙がり,彼らをどう活躍させればいいかを話し合ったりしたんです。
 そうした先生のご提案は,ショーを構成するという点でもまさに的確で,ストーリーが膨らみました。

本公演の公式サイトより。勇者のほかにヤンガス,パノン,アリーナ,テリー,トルネコが登場。アリーナはこちらの記事でもお伝えした通り中川翔子さんが演じる。勇者とトルネコ役はオーディションで選ばれるとのことだ
ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて

4Gamer:
 レイさんは,堀井さんとお話したことはあるのでしょうか。

ウィンクラー氏:
 実はショーの制作発表会の当日に,初めてお会いしたんです。「ドラゴンクエスト」のように多くの人に受け入れられ,長く愛されるシリーズを手がけてきただけに,非常に想像力に長けた人物だという印象を受けました。同時に,非常に謙虚な方だとも思いましたね。

金谷氏:
 堀井先生は,何度も「ショーの開幕を楽しみにしている」とおっしゃってくださるんです。あんなにすごいゲームを作った方なのに,その世界を別の誰かが表現することに対して,とても寛大なのです。
 もし私があれだけのゲームを作ったとしたら,「これはダメ」「世界観に合わない」と言って否定することもあると思うんですが,堀井先生はまったくその逆で「これ,いいじゃない。楽しみだな」と力をくださるんです。

1月20日に開催された「ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー」制作発表会では,ウィンクラー氏と金谷氏,そして堀井雄二氏(右)のフォトセッションが行われた
ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて


会場で冒険の旅を味わうためのチャレンジ


4Gamer:
 今回はゲームを原作としているということで,これまでお二人が手がけた演出やステージデザインと異なる部分もあるかと思うのですが,いかがでしょうか。

ウィンクラー氏:
 この企画のかなり早い段階からプロジェクションマッピングの採用を決めていました。アリーナクラスの会場で「ドラゴンクエスト」のファンタジーを再現するには,絶対に必要だろうと。
 また今回は,冒険している感覚を重視しました。ステージは一つではなく,会場全体にさまざまなステージがあって,そのいくつかは橋でつながっているんです。これはストーリーの進行に沿って,冒険が進んでいることを伝えられるようにするためです。

金谷氏:
 今回のステージのユニークなところは,“旅”をどうやって表現するのか,という部分なんですよ。

4Gamer:
 早く実物のステージを見てみたいです。
 それでは金谷さんは,ゲームを原作としている部分について,どうお考えですか。

金谷氏:
 私自身は,ゲームとはプレイヤー自身が能動的に進めていくものだと捉えています。普通のショーは物語を見せていくものですから,観客は基本的に外から見ている人ということになります。
 でも今回は,観ている人ご自身に自分が勇者だと感じていただけるような演出を目指しています。ストーリーのポイントも,ご自身の人生イコール勇者の人生と感じていただけるようなものとなっており,いつもの私の演出とは違うスタイルですね。

4Gamer:
 今回のような原作のあるショーの演出だと,どこまで原作に沿ったものにするかというバランスも重要になるかと思うのですけれども。

金谷氏:
 核となるものは何か,ということだと思います。ゲームの中で起きることと,ショーの中で起きることの間に,必ず筋を通すということではないでしょうか。もう一つは,ライブでやることの意味ですよね。「ドラゴンクエスト」で言えば,呪文をどのように扱い,どう表現するのか,という課題があります。

4Gamer:
 なるほど,どんな演出やストーリーになるのか,期待が高まりますね。
 また「ドラゴンクエスト」は,すぎやまこういち氏の手がける音楽も,非常に人気が高いです。そうした音楽が,ショーの演出やステージデザインにどう反映されているかも気になります。

金谷氏:
 今まさに,すぎやま先生と音楽について相談しているところです。ファンの皆さんにとっては音楽も含めて「ドラゴンクエスト」ですから,どのシーンにどの音楽をどのように使うかは重要なポイントになると考えています。

ウィンクラー氏:
 今回は,音楽がどこから聞こえてくるのかを意識させないくらい,世界観にドップリと浸っていただくことを目指しています。そのためには,どこから音楽を流せばいいのか。ステージデザインでは,そういった技術的な取り組みが重要となります。

4Gamer:
 なるほど。ちなみに,レイさんは,日本でもさまざまなステージデザインを手がけていますけれど,日本の観客にどんな印象を持っていますか。

ウィンクラー氏:
 すごく礼儀正しくて行儀がいいのに,実は熱狂的という,二面性がありますよね。会場に来て開演するまではすごく静かなのに,いざバンドが登場すると,とたんに「ウワーッ!」と盛り上がる。そして曲が終わると,またシーンと静かになるんです。

(一同笑)

ウィンクラー氏:
 イベントが終わって退席するときも,全員がおとなしく,かつ速やかにアナウンスの指示に従うんです。私からすると,信じられないような光景でした。

4Gamer:
 それでは最後に,今回のショーで,観客のみなさんにもっとも注目してほしいところを教えてください。

金谷氏:
 ビジュアル面はもちろんですが,何よりも自分が「『ドラゴンクエスト』の登場人物である」ということを感じてほしいです。

ウィンクラー氏:
 そうやって皆さんに物語の一部であることを感じていただくべく,映像を初めとする一大スペクタクルの演出を用意しています。その構想を実現するために,いくつものテストを重ねており,今はすごいものをご覧いただけると確信したところです。

4Gamer:
 期待しています。本日はありがとうございました。

ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて
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「ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー」公式サイト

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