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伝説のクリスマスライブを再び。「バンドやろうぜ! Re:Carnival〜また聖夜に会いましょう〜」上映会レポート&足立Pの独占インタビューもお届け

 アニプレックスは2022年12月16日,スマホアプリ「バンドやろうぜ!」(以下,「バンやろ」。※2019年にサービス終了)の上映イベント「Re:Carnival〜また聖夜に会いましょう〜」を,Zepp Hanedaにて開催した。

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 これは,2019年12月に行われたリアルライブイベント「Christmas Duel Carnival」のBlu-rayおよびDVDが,2022年12月21日に発売されることを記念して実施されたものだ。ファンにとっては約3年ぶりとなる「バンやろ」のイベントで,あの伝説のクリスマスライブを大画面で観られるまたとない機会である。

 本稿では,上映会の様子とともに,上映終了後に登壇したプロデューサー・足立和紀氏に突撃インタビューを行ったのでお届けしよう。

「バンドやろうぜ! Re:Carnival〜また聖夜に会いましょう〜」


 今回上映された「Christmas Duel Carnival」(以下,「クリカニ」)は,2019年12月,「バンやろ」に登場するバンド「BLAST」「OSIRIS」「Cure²Tron」によるリアルライブイベントだ。2時間超にわたる大ボリュームの「クリカニ」は伝説級と言える熱狂の一夜となり,今でも忘れられないファンは多い。かくいう筆者もその1人だ。

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 アニプレックスは2019年12月8日,スマホアプリ「バンドやろうぜ!」のリアルライブイベントを豊洲PITにて開催した。本稿ではCure2tron,OSIRIS,BLASTの3バンドによるライブの模様に加え,終演後のボーカリスト3名へのインタビューを合わせてお届けしよう。

[2019/12/13 19:00]

 そのライブから約3年。この間は大きな催しなどもなかった「バンやろ」だが,会場には「今まで一体どこに……!?」と驚くほどたくさんのファンが詰めかけていた。当時さながらに参戦服をまとっていたり,グッズを身に着けていたりと,久しぶりの「バンやろ」現場が盛り上がる。さらに観客たちは,上映会といえどただ座って鑑賞するのではなく,あのときと同じように拳を上げ,リズムに乗り,時には頭を振って音楽を楽しんでいた。

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 ライブの内容は,当時のレポートに掲載しているので割愛するが,映像を見て,あらためて衝撃を受けた。そのうち最も印象に残ったのは,観客が誰もマスクをせず,大きな歓声を上げていたことだった(ライブ開催は2019年)。

 当時は当たり前のことだったのに,今となってはまるで夢だったかのように思えるあの景色。観客は時にバンドと一緒になって歌い,曲の合間にはメンバーの名前を呼び,満面の笑顔でステージに向かって手を伸ばす。当時「バンやろ」には公式のペンライトやリングライトが存在せず,フロアの様子は純粋なロックバンドのそれとほぼ同じだった。だが,そういった光り物がないにもかかわらず,映像をとおして見るその光景はあまりにも眩しく目に映った。

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 ライブそのものも,言うまでもなく素晴らしいものだった。こうして再体験してみると当時の熱量や興奮がしっかりと蘇り,「『バンやろ』って本当にすごかったな……」と唸らされた。宣伝的な意味合いでなく,あのときの空気感やエネルギーをパッケージ化して届けてくれることに,あらためて感謝の気持ちが生まれた。

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 上映後には,プロジェクトのプロデューサー・足立和紀氏がステージに登壇。この日集まったファンに感謝の気持ちを述べるとともに,今の足立氏の想いを伝えてくれた。ダイジェストではありつつ少し長めになるが,ぜひ紹介していきたい。



足立和紀プロデューサー:
 当時「クリカニ」を終えた後,「最高のライブだった。すごいものを見せてもらったな」と思ったと同時に,これを超えるライブはもうできないんじゃないかなとも感じました。アプリのサービスが終了した後で,文字通り一夜限りの奇跡だと思ったし,ちょっと燃え尽きてしまったというか。だから翌年のクリスマス時期にパッケージ(Blu-ray/DVD)を出して,それが(「バンやろ」は)最後になるのかなって漠然と思っていたんですよ。

 そして年が明けた2020年,コロナ禍となって,世界中の時間が止まってしまったような状況になりました。その年のクリスマスは世の中的にまだすごく厳しい状況だったこともあって,発売を見送ったんですね。

 そしてまた年が明けて2021年になり,少しずつみんなが落ち着きを取り戻しつつあったんですが,またクリスマスが近づいたころになって,そこでためらいの気持ちが生まれたんです。「クリカニ」から数年経って,「バンやろ」に関わってくれた方やファンも未来に向かって進んでいるなかで,ただパッケージを出して,それで終わらせてしまっていいのかなって。発売を待ち望む声があるのは分かってはいたんですが,そういうファンの方たちも,もしかしたらこのまま出さないでいたほうが,「バンやろ」のことを忘れないでいてくれるのかもしれないな,とかも思って,結局その年も発売に踏み切れませんでした。

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 そうした状況のなか,また年が明けて2022年にちょっとした出来事があったんですよね。某メディアで行われた「サービス終了ゲーム総選挙」 で1位に輝いたという……(笑)。あのとき,社内でも久しぶりに「バンやろ」の話題になって,みんなから「すごいね」と言われました。さらにその後のバレンタインは前年以上の数のチョコが届いて,また社内で話題になって。

 そのとき僕は,ファンのみなさんから背中を蹴っ飛ばされたような気持ちになったんです。「うじうじ悩んでないでさっさと発売しろよ」と。そこで本当に目が覚めました。とあるバンドマンが「絶望は歩みを止める理由にはならない」と言っていましたが(注:「バンやろ」作中のキャラクター,ダンテの名セリフ),そう思ってそこから今日のイベントを企画したり,サブスクを解禁したり,最近はTikTokも始めたり。なかには的外れなこともあるかもしれないけど,これが最後かもしれないけど,悔いを残さないように思いつく限りのことを全部やろうと。ファンに「もういいよ」って言われるまで,頑張っていこうと。

 そんな想いで6周年を迎えて,お祝いの言葉やプレゼントなども送っていただいて,本当にうれしかったです。みなさんのことを誇りに思います。まずは今年のクリスマス,イカしたバンドマンたちと過ごしていただけたら。そしてまたいつの日か,どこかでお会いできたらと思っています。今日は,本当にありがとうございました。

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 そうして大きな拍手に包まれて足立氏が退場した後,最後の最後にサプライズがあった。なんと,2023年3月にリアルライブ――デュエルギグを行うのだという。このお知らせが出た瞬間,会場中に凄まじい反応が沸き上がった。ということで,足立氏にもう少しだけ詳しく話を聞いてきたので,そちらをお届けしていきたい。


「バンやろ」足立プロデューサー・ミニインタビュー


足立Pが着ているのは,クリカニ当時のオフィシャルTシャツ
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4Gamer:
 お久しぶりです。久しぶりに観た「クリカニ」,本当にすごかったです。今回はぜひ,上映後に発表された来年3月のライブについてお聞かせいただければと。

足立和紀氏(以下,足立氏):
 お久しぶりです! では,4Gamerさん独占で(笑)。

4Gamer:
 ありがとうございます! まずは,このライブをやろうと思ったきっかけをお話しいただけますか。

足立氏:
 先ほどの挨拶でも話しましたが,とにかく「クリカニ」のパッケージを出すに至るまで,ファンのみなさんにすごく背中を押してもらったんですよ。なのでその恩返しとして,「クリカニ」のパッケージを発売して終わりということではなく,もう一度喜んでもらえる機会を作りたいなということで決まりました。

4Gamer:
 ライブ予告が流れた瞬間,すごい反響でしたね。実は私の周りにいたお客さんで,泣き出してしまった方が何人もいらっしゃいました。このライブは2日間ありますが,やはり内容は両日とも異なるのでしょうか。

足立氏:
 はい,2日間とも変えようと思っています。もちろん2日とも両方のバンドが出演しますが,「RAVEN」(意味:カラス)と「ADVENT」(意味:降臨)となっているとおり,平たく言うとRAVENはBLASTがメイン,ADVENTはOSIRISがメインみたいな形にしようかなと思っています。ひょっとしたら,ロゴの色で気づいた人もいるかもしれませんが。

4Gamer:
 確かに,「バンやろ」をよく知っている人ならピンときたかもしれません。

足立氏:
 正直まだ決まっていないことが多くて,内容についてはこれ以上言えることがあまりないんですけどね(笑)。

4Gamer:
 なるほど。「『バンやろ』のリアルライブ」という意味では「クリカニ」以来の3年数か月ぶりになるわけですが,メンバーは今までと同じですか?

足立氏:
 もちろん! BLASTもOSIRISも,ずっと活動してくれていたメンバーが全員参加してくれます。

4Gamer:
 いやー,うれしいですね。基本的にはそれぞれのバンドの楽曲を久しぶりに披露することになると思いますが,何か新しい要素は考えていますか? たとえば,新しいカバー曲とか。

足立氏:
 BLASTとOSIRISはこれまでのデュエルギグにずっと参加してくれていたメインのバンドですし,懐かしいあの曲を再び……というのはできるだけ漏らさずお届けしたいし,それだけじゃない,何か新しいこともやってみたい気持ちはあります。

4Gamer:
 個人的には,この数年で世に生まれたあんな曲やこんな曲を彼らの音で聴いてみたい……と思ってしまいます。おそらく,ファンの方々もそうなんじゃないかと思いますが。

足立氏:
 本当ですか?

4Gamer:
 そうだと思いますよ! もちろんオリジナルも聴きたいですが,今だからこそ聴ける音楽というのも盛り上がると思います。「バンやろ」は,ファンの方々の熱いリクエストや要望が実現してきたことも多かったので,ぜひファンのみなさんのご意見も聞いてみたいところです。

足立氏:
 じゃあ,我々が得意なエゴサで「そのアイデアいただき!」っていうのもアリかもしれないですね(笑)。

4Gamer:
 確かに! あとはここ数年,どこでも見られる配信やアーカイブ配信を行うライブやイベントも増えてきましたが,そちらはいかがですか。

足立氏:
 そうですよね。「バンやろ」はライビュはしてましたが,配信はやったことがなかったんですよね。今回も平日ですし,行きたいけど行けない人も多いと思うので,そこも前向きに検討したいと思います。

4Gamer:
 良かったです。あれからバンド系コンテンツもかなり増えてきましたが,最近こうしたジャンルに興味を持った方にもぜひ,「バンやろ」の良さをより広く伝わればと思います。それにしても,数年に1回ではありますが,こうして再び動いてくれるのは本当にうれしいことだと思いました。

足立氏:
 そのときそのときでファンの熱量がどのくらい残っているかというのもあるし,新しいことをどんどんやりたい気持ちもあるんですが……挨拶でも話したとおり,何かをやる一方で「これが最後かもしれない」という気持ちは常に持っていないといけないだろうなとも思っているんです。何をするにしても。

4Gamer:
 常にそういう覚悟を持っていらっしゃると。

足立氏:
 そうですね。毎回,お客さんの反応には本当に驚かされるんですよ。でも,これから先もそれをずっと期待し続けてしまうのも駄目だし,「この人たち(ファン)は今後も一緒にいてくれる」なんて思うのは,胡座をかいてしまってるなと。

 これまでも奇跡だったし,これから先はどうなるか分かりません。「これが最後かもしれない」とどこかで覚悟をしつつ,常に全力で出し切っていこうという気持ちでいたいなと思います。

4Gamer:
 足立さんが「また『バンやろ』を動かしたい」と思ってくださっていることは,ファンにとってはこの上なくうれしいことだと思います。

足立氏:
 そう思ってくれていればうれしいです。まずは来年,みなさんにまたお会いできるのを楽しみにしています。

4Gamer:
 ぜひまたお話を聞かせてください。本日はありがとうございました!

「バンドやろうぜ!」公式サイト


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