「カルチョビット」はホントにいい男。スマホ向けサッカークラブ運営SLG「カルチョビットA」を男色ディーノが品定め!?

　イケメンはモテる。どうも。ゲイレスラーの男色ディーノです。私もイケメンは好きだけどね，でもそれって好きになる要素の一つに過ぎないのよね。ただ見て楽しむ分にはイケメンってだけで十分なんだけど，長い目で見てずっと付き合っていきたい場合は，イケメンってだけでは物足りなくなってくる。
　簡単に言うと，内面も……っていうか，むしろ内面のほうが重要になってくるわけ。だから，モテるという意味ではイケメンは確かにモテるけど，ブサメンがモテないかというと，それはまた別の話。中身で勝負する人だったらイケメン，ブサメン関係なくモテるわよ。中身を披露する場にまでたどり着ければ，だけど。

　ところで，最近のゲイムって，マシンパワーが上がっていることもあって，グラフィックスが当たり前のように美しいわよね。FPS，TPSはもちろん，RPGでもADVでもほとんどのジャンルで言えると思うわ。スポーツゲイムもそうよ。どんどんリアルになってきてる。サッカーゲイムも，実際のTV中継のようなリアルな試合シーンをウリにしている部分が少なからずある。最新の据え置き機ゲイムだけでなく，スマホゲイムでもビビるくらいリアルなグラフィックスでアプローチしてくるゲイムが増えたわ。言い換えると，こういうビジュアル面で優れてる＝イケメンなゲイムが世の中には増えてきているのよね。

「カルチョビットA」ダウンロードページ

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　というわけで（？），今回紹介するのは，スマホ向けサッカークラブ育成シミュレーションゲイム「カルチョビットA」（iOS / Android）です。スマホゲーム業界でもイケメンの流れが強くなるなかで，本作はいまだにドット絵。そう，言葉を選ばずに言ってしまえばブサメン。リアルを追求する昨今の流れとはまさに真逆。じゃあモテないかと言うと，そうでもない。しっかりとした中身があるから，結構モテる。
　もともと，このゲイムはゲームボーイアドバンスで生まれたタイトルなんだけど，2012年にニンテンドー3DSで新作が出たときから，ビジュアルで勝負する気なんてちっともなかったんだと思うわ。頼れるのは面白さのみ。でも，その姿勢が多くの共感を呼んで，どハマリする人が続出したほどの名作ゲイムなの。「ダービースタリオン」や「ベストプレープロ野球」を生み出したパリティビットが作ったと言えば，ピンと来る人がいるかもしれないわね。

クラブの財政管理は選手の年俸くらいなもので，選手を育てて上のリーグを目指していく，あくまでも“選手の育成”がメイン。もちろん，ほかのクラブチームにいる選手にオファーを出して獲得することも可能よ

　なので，今回の「カルチョビットA」は，スマホ向けにどうアレンジされたんだろうって楽しみ半分，カルチョビットの面白さが削がれてるんじゃないかって，怖さ半分でプレイしてみたのよ。ケツ論からいうと，怖さ半分は杞憂だったわ。なぜなら，まんま「カルチョビット」だったから。

　このゲイムはサッカークラブ運営シミュレーションゲイムなんだけど，要は下のディビジョンから上のディビジョンへの昇格が目的なのね。で，ディビジョンを上げていって，日本最高峰であるNリーグに参入するってなったとき，現実のお金が必要になるの。
　つまり，「ゲイム序盤は無料ですよ！　ゲイムを始めてクラブが軌道に乗ってきたらお金を払ってくれればそれで結構！」ってこと。無料で遊べる部分が多い買い切りアプリってところかしら。もう雰囲気も何もなく言ってしまうと，1200円でスマホの「カルチョビット」が遊べるっていう捉え方でいいと思うわ。


　で，このゲイムの良さなんだけど，開き直ってるから面白さがガツンとやってくるところだと思うのよね。先に言っておくと，イケメン的な魅力はないわ。ただ，すごく魅力的なキャラクターが登場するわけではないのに，プレイしてるとどんどん選手が可愛くなってくるのよ。なぜならば，試合に負けて強くなるタイプの育成システムだから。
　このゲイムでは，試合中にチームの課題が浮き彫りになるの。で，課題が出たときに「特訓カード」が手に入る。例えば「あたり負けしているぞ！ウェイトトレーニングでもっと鍛えないと」「戦術云々以前に基本的なキック力をつけないと話にならない」といった感じね。で，手に入れた特訓カードを消費して練習するの。
　流れとしては，試合で課題を見つけ出して特訓して，また次の試合を行って……の繰り返し。この作業感こそがカルチョビットの魅力。負けることが勝つための近道なのね。なんて哲学的なのかしら。でも，人生もそうだからね。負けたときこそ自分が試される。で，負けた自分を楽しむ。そういうゲイムなのですよ。選手が成長しているのを実感したとき，このゲイムをヤってて良かったなって思えるわよ。



　そして，このゲイムのもう一つの面白み，特殊な特訓を発見するって点も紹介しておこうかしら。先述したように，このゲイムでは手に入れた特訓を組み合わせて育成していくんだけど，特訓カードは数十種類にも及ぶの。で，それらのカードをうまく組み合わせると，能力が大幅に上がるスペシャルな特訓ができる。その組み合わせを発見するのが楽しいのよ。簡単なところだと，「シュート」と「リフティング」で「ワントラップシュート」とかね。


　それと，スペシャルな特訓の一部には，試合中に“スキル”を発動するようになるものもあるわ。「スライディング」「ヘディング」「温泉」を組み合わせた「スライディングヘッド」なんかがそうね。この特訓を行うと，試合中に「スライディングヘッド」を発動するようになるってわけ。奥深いでしょ？　特訓は3種類まで組み合わせられるから，ホント莫大な種類の特別練習が隠されてるのよ。

「ウエイト」＋「ダッシュ」＋「ストレッチ」で「肉体改造」ってのはまだわかる。なかには「カルチョビット」＋「カラオケ」＋「温泉」で「現実逃避」っていう，わかんないよそんなもん！　と言いたくなる組み合わせもあるから，それを見つけ出すのもまた面白いわ

　特訓を発見したり，発見した特訓をチームの選手に浸透させていったりするのも面白い本作。この奥深さがシミュレーションゲイムとしての強みなんでしょうね。スマホで手軽に，しかも時間を気にすることなく純粋なカルチョビットを楽しめる。リアルじゃないから専門知識なんて一切必要ない。それがスマホゲイム化した「カルチョビットA」の強みじゃないかしら。

　それと，完成した面白さを持つ「カルチョビット」を1200円で提供するっていうのは，作り手の誠意だと思うの。すでにあるIPをスマホゲイム化する際，スマホ向けのマネタイズにアレンジすることも多いじゃない。でも「カルチョビット」はそれをしなかった。なぜなら，「カルチョビット」はもうすでに完成しているから。作り手の自信。そして誠意。「カルチョビットA」はホントにいい男だと思う。いやマジで。



　世の中，ビジュアルに優れているイケメンはモテるわ。でも，ビジュアルに優れていないブサメンでも，モテることはできる。人から好かれることができる。逆に言いましょうか。人から信頼されて，好かれるのにイケメンかどうかは直接関係ないのよ。人間の心って目に見えないでしょ。そんな目に見えない人間の心に残るのは，やっぱり目に見えない部分なのよ。



　ゲイムの面白さは，ビジュアルでは大きく左右されない。好き嫌いが分かれる部分はあるものの，ビジュアルも面白さのひとつに過ぎないの。だから，ビジュアルには背を向けて，むしろそれを味に変えて開き直ったカルチョビットは，かくも人の心に残る作品たり得るのです。
　そんな「カルチョビットA」は，2017年1月12日に配信されるわ。無料でもかなりガッツリ遊べるから，まずは一度接してみてはいかがかしら。ほんと面白いから。プレイするあなたに対する誠意を感じるはずだから。ぜひ，私が紹介するいい男「カルチョビットA」を味見してみてくださいね。

「カルチョビットA」公式サイト

「カルチョビットA」ダウンロードページ

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