2020年11月7日,インディーズゲームの番組「INDIE Live Expo II」が配信された。
「INDIE Live Expo」は,国内外のインディーズゲーム情報を伝えるオンライン番組だ。初放送となる前回は2020年6月6日に行われ,150以上のタイトル情報が日本語・英語・中国語の3か国語同時放送で配信された(関連記事)。
2回目となる今回は,前回よりさらに多い,180以上のタイトルが取り上げられ,放送時間も約5時間30分の長丁場となっている。
本稿では,インディーズゲームの情報やドラマーであるダイナ四氏によるゲーム音楽ライブ,ゲームライター・徳岡正肇氏の海外インディーズゲーム事情紹介など,盛りだくさんとなった番組の様子をお伝えしていこう。
●「INDIE Live Expo II」出演者
日本語版放送:
吉田尚記氏(ニッポン放送),水谷俊次氏(PLAYISM),わいわい氏
■「シルバー2425」(Nintendo Switch)
アドベンチャーゲーム「シルバー事件」と「シルバー事件25区」のHDリマスター。「今回収録されるのは原作の空気感をそのままに HD リマスター / リメイク化を行い,PC / PlayStation 4に移植されたバージョンをさらに Nintendo Switch 移植したものとなります」とのこと。初回限定版には,原作者・須田剛一氏がムック本に書き下ろした特別シナリオ「赤と青と緑と」を,竹谷州史氏がコミック化したものが付属する。2021年2月18日に発売予定。
なお,4Gamerでは「シルバー事件」のPC用HDリメイク版が発売された際にインタビュー(関連記事)を行っている。須田氏が作品への思いや,当時の思い出を語っているので,興味がある人は読んでみて欲しい。
シェブデはスウェーデン中南部にある小さな街で,総面積は20.31平方キロに過ぎない。東京23区でいうと,面積ランキングで10位となる品川区くらいの大きさだ。
そんなシェブデは街全体でインディーズゲームの制作・起業をバックアップするスタートアッププロジェクト「Sweden Game Arena」(外部リンク)を行っている。
このプロジェクトの特徴は,「産」「官」「学」の連携にあるという。
・産
地元産業界が,インディーズゲーム開発者にマーケティング技術をレクチャーしてくれる。具体的には,投資家に対するプレゼンの練習をさせてくれたり,投資家を紹介してくれたり,そして作ったゲームでいかに収益を上げるかといったところについて相談に乗ってくれたりする。こうしたサービスは通常なら料金が必要になるものの,「Sweden Game Arena」ではなんと無料。ただし,作ったゲームをどうマネタイズするかを数字で示すという視点が求められるという。
また,シェフデでは,「Sweden Game Conference」や「Sweden Game Festival」といった催しが開かれ,技術カンファレンスやゲーム展示が行われる。シェブデの人にゲームを遊んでもらう日もあり,ゲーマーのほかにも,普段ゲームを遊ばない人や年少者など,さまざまな人から忌憚のない意見が聞けるのだそうだ。
こういった取り組みの甲斐があり,「Sweden Game Arena」は着々と成果を挙げている。2010年に3万5000人だった人口は,2019年に約5万5000人にまで増加した。シェブデはスウェーデンの首都・ストックホルムから鉄道で2時間もかかる地方都市だが,その人口が10年で1.5倍になったのだから,「Sweden Game Arena」の意義の大きさが分かるだろう。
ノミネート作品:
「5D Chess With Multiverse Time Travel」
「The Pedestrian」
「BPM: BULLETS PER MINUTE」
「Pilgrims」
●INDIE Live Expo Awards
受賞作品:
「Hades」
番組の最後には,「東方Project」の制作者であるZUN氏が登場。番組にテーマ曲「唯一無二のシミュラークル」を提供した経緯について語った。
普段は作曲の仕事をほとんど引き受けないというZUN氏は,INDIE Live Expoのオファーについても「自分が作るとどうしても東方の曲になってしまう」ということで,引き受けるかどうか迷ったという。
ここで鍵になったのが,前回の「INDIE Live Expo 2020」でZUN氏自身が語った「作るだけで幸せになれるというのが,インディーズゲームである」という言葉だ。この言葉をINDIE Live Expo実行委員会から出されたことで迷いも吹っ切れ,「ガチに東方の曲を作るしかない」と覚悟が決まったという。