イベント
「ストリートファイターリーグ powered by RAGE」が2月2日に開幕。選手情報や大会ルール,配信スケジュールなどはここでチェック
綾野プロモーションプロデューサー インタビュー
カプコン新リーグ「ストリートファイターリーグ powered by RAGE」いよいよ開幕
綾野プロモーションプロデューサーが語るeSportsと格闘ゲームの未来像
海外だけでなく日本でも年々盛り上がりを見せる「eSports」。その中で“日本発”のジャンルとして世界のシーンをリードしているのが格闘ゲームだ。代表タイトル「ストリートファイター」シリーズは、海外の大規模な大会も開催され、世界大会「CAPCOM CUP 2018」では、日本人選手のガチくんが優勝、賞金25万ドル(約2800万円)を手にしたことでも話題になった。この度スタートする「ストリートファイターV アーケードエディション」を使用したカプコン公式リーグ、カプコン「ストリートファイターリーグ powered by RAGE」は、プロとアマチュアが混合でチームを組んで戦うという、新たな試みになっている。開幕を直前に控え、プロモーションプロデューサーを務めるカプコン・綾野智章氏に、大会とeSportsシーンにおける格闘ゲームについて聞いた。
――今回のカプコン「ストリートファイターリーグ powered by RAGE」ですが、3つのクラスがあることが特徴だと思いまして、新しいリーグ戦への期待感とメーカーとしての狙いをお聞かせください。
綾野:
まず3つのクラスについて説明します。一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)から発行される「ストリートファイターV」プロライセンスを持っており、世界で活躍するスタープレイヤーで各チームのリーダーとなる「エクストリームクラス」。22歳以下でプロライセンスは持っていないものの「ストV AE」の強豪プレイヤーで構成される「ハイクラス」。オーディション企画が開始してから「ストV AE」に真剣に取り組みはじめ、オーディション番組、ドラフト会議番組を経てリーグへの参加資格を得た初心者プレイヤーの「ビギナークラス」とそれぞれレベルの違うプレイヤーに集まってもらっています。
2018年まで『ストリートファイター』はプロシーンを通して視聴者層やユーザーがすごく広がったと思うのですが、それでも活躍するプレイヤーが固定化されてきているんじゃないかと感じることがあました。活躍の幅をもっと広くしたいためにこのように1チームに3つのクラスを投入したという意図があります。
もう1つはチームリーグ戦になったということが大きな特徴でもあります。これまで「CAPCOM Pro Tour」など格闘ゲームにおけるeSportsシーンは、1対1の個人戦が注目されてきました。個人戦では、試合中にゲームの内容がどうだったかということに注目が集まっていて選手たちが注目されることは少なかったんです。
昨年開催した「RAGE ストリートファイターオールスターリーグ powered by CAPCOM」では、選手たちのゲーム以外の行動に注目が集まりました。次はどの選手が行くかなどの相談だったり、選手たちがお互いにアドバイスし合ったりフォローし合ったりという様子です。このようにチームリーグ戦では、チームや選手たちによりフォーカスが当たるようになります。
これらの相乗効果をもってすれば『ストリートファイター』を全然知らなかったという視聴者の方や、既に十分に知っていて、プロゲーマーや隠れた上手いプレイなどが理解できる視聴者にも、幅広く見てもらえるのではと思っています。視聴者層その幅広さに期待していますね。
――たしかにビギナークラスは今まで格闘ゲームに触れてこなかった人も自分の目線で楽しめると感じます。
さて、eSports全体のところでお聞きしたいのですが、2018年は流行語にノミネートされるなど「eSports」がゲーム業界内外問わず盛り上がったと思います。そんな中で『ストリートファイター』シリーズが今後のeSports界の中でどのような立ち位置になっていきたいかというビジョンをお聞かせください。
綾野:
流行語大賞になったりは、日本だけのムーヴメントかなと思うんです。手前味噌になりますが、ストリートファイターは日本のeSportsのトップを走っていると自負しています。けれどトップを走るんであれば、やっぱり世界にも視野を広げていかなくてはいけないですよね。格闘ゲームというジャンルは、世界的なeSportsスポーツシーンにおいてはまだまだニッチなジャンルです。格闘ゲームと言うジャンル、ストリートファイターというゲームをいかにメジャーに押し上げていけるかということがカプコンとしての課題であると考えています。
また、日本で活躍した選手が、いかにすれば世界で活躍できるかという課題も持っています。ストリートファイターは日本のeSportsシーンを引っ張って行く責任と世界での格闘ゲームの普及ということを目指している。これが我々の思い描くビジョンですね。
――そんな中でも世界規模で行われている大会で日本人選手が活躍して結果を残されていて、一般の人にも広まりつつあります。改めて結果を日本人選手が残せる理由みたいなものを感じられたりしますか?
綾野:
『ストリートファイター』は日本の、それも大阪のメーカーが作ってます。中堅・中小企業が集まる土地柄なんでしょうか、職人気質というかすごくきめ細やかな商品を作ります。大規模開発はこのご時世、必要ではあるんですが、それで職人たちによる匠の積み重ねがなくなることは決してなく『ストリートファイター』でも同様に職人のこだわりが息づいています。
いくつか海外製の対戦格闘ゲームはあるんですが、現時点では格闘ゲームでメジャーに押しあがっているのは『ストリートファイター』をはじめとする日本から発信する格闘ゲームになっています。作る側の職人技と、プレイする側の職人技の相性が良いのではないでしょうか?
また強い選手が多いという環境が恵まれているので、日本人選手が強いというのはそれはそうかなと思うんです。ただ僕らとしては日本が強ければそれでいいとは思っていなくて、逆に海外選手にもどんどん強くなってもらって、海外でも盛り上がっていくように育っていかないといけないと思っています。今より日本人選手が強く……というよりは海外にいかに広まっていくかということを意識して開発とプロモーションを頑張っているところですね。
――全世界での『ストリートファイター』のプレイ人数ってどのくらいなのでしょうか?
綾野:
販売本数は累計で4200万本なので、それだけの人の手には届いていますね。お陰様で『ストリートファイターシリーズ』は30周年をこえました。でも僕らとしてはまだ物足りないなと思っていますので、これからどんどんと広めていきたいと思っています。
――全体的にeSportsに注目している人も多いと思うのですが、ゲームにあまり興味はないけれど盛り上がっているから注目している、という方に向けてメッセージをいただけますか?
綾野:
僕らはeSportsをゲームというよりはスポーツとして見ています。選手たちについてもアスリートとして見ているんですね。
eSportsのeはあるものの、基本的な魅力は普通の、運動のスポーツと全く変わらないと思っているので、ゲームに全然興味がなくても、魅力的な選手による因縁などの人間ドラマ、人を取り巻くストーリーをぜひ楽しんでほしいです。
単なるゲーム大会ではゲームの上手さがどうだったか、大会の結果はどうだったか、ということに留まるのですが、これがeスポーツとなると選手個人そして、選手をとりまく人間ドラマなどゲーム外のところが注目され、かつスポットを浴びやすい環境になってくるんですよ。例えば「なんとかゲーム大会」でとあるゲーマーが優勝したとします。これまではニュースとして流れて終わりでした。しかし、eSportsが広まればそういった状況から一変し、優勝した選手にスポットライトが当たり、次に参加する試合や、日頃の練習方法にも注目が集まってきます。これは運動のスポーツシーンに近いアプローチになるのかなと思うし、これからもどんどん魅力的な人やドラマ・ストーリーが発生する環境を作っていきたいなと思っています。
――今後もよりメジャーになっていくためにですね。
綾野:
そうです。よりメジャーになっていくように。それはいい面だけでは無いかもしれないけれど、選手たちがプライベートで「結婚しました!」報告するだけでも、ニュースになるような時代になってきつつあるので、それを加速していって選手たちの動向がより注目されるように業界全体を盛り上げていきたいと思っています。ですのでゲームに全然興味なくても選手から注目して入ってくれるだけで満足ですね。
――改めてカプコン「ストリートファイターリーグ powered by RAGE」をこれからご覧になる方に向けて注目ポイントをお聞かせください。
綾野:
まず好きな選手を、クラス問わずに見つけるところが注目してほしいポイントです。
自分のプレイスキルに近しい選手はおそらく魅力的に感じるし、応援しやすいと思うので、自然と自分の目指しているクラス。あるいは初心者か中級者かで注目の選手が絞られるとおもいます。なのでまずは注目の選手を見つけてもらって、そこからゲームに入ってもらってもいいかなと思っているんです。気になる選手が使っているキャラクターやゲーム性を理解してもらえればいかにプロ選手が巧みなプレイをしているのかわかってくるので。
『ストリートファイター』を意識してもらうのはその後でもかまわないと思っています。まずは人間の魅力、選手たちの魅力を見て欲しいなと思います。
――プロ選手がいて、ハイクラスの方がいて、ビギナーの選手がいて。特にビギナークラスは今まで見たことがなかったようなドラマを感じることができました。そのあたりも見てほしいですか?
綾野:
そうなんです。アーカイブもお時間あれば見返してほしいんですが、特にビギナークラスで見てほしいなと思うのは、彼、彼女らは本当にゼロからスタートしているんです。あるいは『ストリートファイター』を聞いたことがあるくらい、あるいは「ストリートファイトって路上で喧嘩することでしょ」ってゲームという認識すらしていなかった方たち、とくに1節、2節にゲストとして入られている「比嘉 延理(えりちょぱ)」さんなどもそうだと思うのですが、そういう方たちが練習してうまくなって、負けて悔しくて泣いちゃうというドラマがありましたが、それが面白いんですよね。その因縁が今回のカプコン「ストリートファイターリーグ powered by RAGE」全体で垣間見れると思うんですよ。
ハイクラスにはハイクラスの、エクストリームクラスはエクストリームクラスなりの、人間ドラマがあるので見てほしいですね。
そこからさらに興味があったら「CAPCOM Pro Tour」やほかの大会を見てほしいと思いますね。
「ストリートファイターリーグ powered by RAGE」公式サイト
- 関連タイトル:
ストリートファイターV アーケードエディション
- 関連タイトル:
ストリートファイターV アーケードエディション
- 関連タイトル:
ストリートファイターV タイプアーケード
- この記事のURL:
キーワード
©CAPCOM U.S.A., INC. 2016, 2018 ALL RIGHTS RESERVED.
©CAPCOM U.S.A., INC. 2016, 2018 ALL RIGHTS RESERVED.
(C)TAITO CORPORATION 2019 ALL RIGHTS RESERVED.
(C)CAPCOM U.S.A., INC. 2016, 2019 ALL RIGHTS RESERVED.