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[E3 2018]イギリスが舞台のシリーズ最新作「Forza Horizon 4」の魅力に迫る。動的な季節の移り変わりがレースシーンに影響を与える
開発元であるPlayground Gamesの本作クリエイティブディレクターRalph Fulton氏は,新作「Forza Horizon 4」の特徴について,こう語っている。
「FH4の魅力は3つ。1つめは動的な季節の移り変わりを導入したこと。2つめは新しい遊びを提供したこと。3つめはコミュニティ機能を強化したことだ」
日本でも2018年10月2日に発売が予定されているFH4の魅力について,E3 2018におけるFulton氏のプレゼンテーションをまとめつつ,実際に筆者がプレイした際の所感を交えてレポートしたいと思う。
イギリスの景観と季節を再現したForza Horizon 4
今作の舞台はイギリスだ。イギリス(United Kingdom)は,イングランド,ウェールズ,スコットランド,北アイルランドから成るが,本作の世界観はイングランドとスコットランドの景観をミックスした架空のイギリス地域ということらしい。
この地域の再現に挑戦したことについてFulton氏は「“現在のイギリス”は,ビデオゲームであまり取り扱われない地域で,挑戦しがいのあるテーマだと考えた。我々の地元でもあるし(笑)。典型的なイングランドの田舎道からスコットランドのハイランド地方,エジンバラの市街地などのエッセンスも取り入れて架空の“理想のイギリス”を構築したつもりだ」と述べている。
ゲーム世界の規模としては,前作FH3と同程度とのことで,なかなか探索し甲斐のある広さのようである。
そして,FH4のビジュアル面でのウリは「季節の移り変わりの再現」だという。
Fulton氏は「イギリスは春夏秋冬で土地の景観ががらりと変わる気候を持つ。この季節の移り変わりによって“季節ごとのドライビング体験の変化”を楽しんでもらおうというのがFH4の大きなコンセプトの1つである」と語る。
イギリスの気候は日本とよく似た部分と異なる部分があるが,季節の変化に富んでいて,これをレースゲームのゲーム性に影響させようというコンセプトになっているのだ。
ゲーム内季節は現実世界における一週間サイクルで春夏秋冬と変化し,これは全世界のすべてのFH4プレイヤーの実機上で同期される。つまり,FH4ゲーム内世界が冬になると,すべてのFH4プレイヤーは冬コンディションでプレイすることになるのだ。
といっても,レース中に季節変化があるわけではない。現実世界の週末のあるタイミングで季節が進む演出が入るとのことである。
気になる「季節ごとに変わるレーシング体験」についてFulton氏はいくつかの例を挙げて解説してくれた。
たとえば,夏はからりと晴れた日が続くことからドライコンディション主体のレースが楽しめるようになるという。冬は雪が降ったり湖が凍ったりするので,四輪駆動車によるダイナミックな雪上ドライブや,後輪駆動車による氷上ドリフト体験などが楽しめるそうだ。日本は梅雨といえば6月のイメージだが,イギリスでは春や秋が雨の季節。この季節では水たまりの有無で路面抵抗の変わるトリッキーな路面上でのドライブが楽しめたり,泥水が跳ねまくるダートレースが楽しめるのだとか。
つまり,季節ごとにゲーム内のレースイベントメニューも変わるということなのだろう。
FH4で新設された新しい遊びとは?
FH4で実装された「新しい遊び」は多岐にわたるというが,Fulton氏はいくつかの代表的なFH4の新要素を教えてくれた。
FH4では,オンラインプレイとオフラインプレイが完全にシームレスとなり,オンライン状態であれば実際のほかプレイヤーの運転する車両が自分のゲーム世界に出現するし,途中でそのフレンドかオフラインとなればシームレスにAI化されたDRIVATAR(Forzaシリーズではお馴染みの「人間プレイヤーのクセを再現したAI-NPC」車両)へと切り替わるという。
また,前作までのFHシリーズで問題となったオンラインモードでの妨害行為――たとえばコースを車両でブロックするといった行為――は,新実装の「AUTOGHOST」と呼ばれる機能で回避出来るようになったらしい。具体的には,迷惑行為をしたオンラインプレイヤーを自動的にゴースト化(衝突判定が無効化された状態)する機能のことだ。
なおFH4では,オンラインモードでもForzaシリーズお得意の巻き戻し機能が利用可能。オンラインレース中に自分が巻き戻し機能を活用すると,ほかのライバルプレイヤーはその影響を受けずにレースを続行でき,巻き戻した自分は,ゴースト化したほかプレイヤーとレースを継続できるようだ。
そして,FH4のゲーム世界では,週末ごとに,ゲーム世界のどこかでオンラインモードだけで楽しめるレースイベントが開催される仕組みになっており,このレースイベントを探す楽しみもあるのだとか。こうしたレースイベントは,まるで走り屋主催の公道レースのようで,FH4ゲーム世界にのめり込む大きな要因になりそうである。
こうしたレースイベントでなくても,FH4ではほかプレイヤーとのレースは自由に楽しめるようになっており,新機能としてゲーム世界の任意の2つの場所をスタート地点とゴール地点に設定して,突発的な公道レースが楽しめるようになったとFulton氏は説明した。
また,人間プレイヤー同士の対人オンラインレースモードについては勝敗でリーグポイントを奪い合うランキングシステムもあるようだ。
おうちを買ってFH4のゲーム世界に住もう
3つめのコミュニティ機能については,細かな改善を行ったというのが実際のところらしい。例としては,コントローラの左デジタルパッドで定型文によるチャットができるようになったことなどをFulton氏は挙げていた。
コミュニティ機能と言えるかどうかは分からないが,興味深い機能として,ゲーム世界の土地を購入して自分の家を建てられるほか,自分の分身であるドライバーキャラクターのカスタマイズもできるようになったこともFulton氏は付け加えた。このあたりの要素は,オンライン上でゲーム世界を共有する,FHシリーズならではの進化といったところである。
Turn 10ブースでは,カナダVRX製の可動筐体「iMotion」と接続したWindows 10版FH4のデモ版がプレイできたので,筆者も体験してみた。
Fulton氏の説明では「季節変化がレース中に起こることはない」ということだったが,ブースのデモ版は,それぞれの季節が体験できる仕様になっており,夏秋冬春の順で特有のレースモードが楽しめた。夏と秋はオンロード公道レース,冬は雪上オフロードレース,春はバイク混在のダートレースで,一人あたり10分も走れるかなり満足度の高い体験版だ。
ブースの可動筐体の横にはDENONのAVアンプも設置。大迫力サラウンドサウンドはここから再生されていた! |
可動筐体で動いていたFH4は,このPC上で動作していた。Predatorのロゴがちらりと見えている。GPUはRadeonか? |
さて,最後にスペック関連の話題も。
FH4は,Xbox One Xにも完全対応する。Xbox One Xでは「フルHD解像度によるフレームレート重視モード」と「ネイティブ4K解像度で可変フレームレートの解像度重視モード」が選べるとのこと。Xbox OneシリーズはシステムアップデートでAMD FreeSyncに対応したので可変フレームレートでも滑らかな映像表示が行える。Xbox One Xでは,4K/FreeSync対応のゲーマー向けディスプレイとの組み合わせが最高のプレイ環境を得るポイントになっているそうだ。
それと,FH4はPC(Windows 10)版も同日リリースされることになっている。PC版は,グラフィックスのカスタマイズの自由度が上がっており,レンダリングアスペクトが自由に設定できるという。なので,アスペクト比21:9や最近話題の32:9アスペクトの超横長ディスプレイ(関連記事)では,大迫力のパノラマグラフィックスでレースが楽しめることになる。
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