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[SPIEL\'18]ほかのプレイヤーを出し抜きつつ,自分のサンゴ礁を育てる「Reef」を遊んでみた
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印刷2018/10/26 16:57

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[SPIEL'18]ほかのプレイヤーを出し抜きつつ,自分のサンゴ礁を育てる「Reef」を遊んでみた

 「AZUL」で一躍有名になったNEXT MOVE GAMEは2つの新作をSPIEL'18に出展している。そのうちの1つが「Reef」だ。プレイヤー人数は2〜4人で,2人でも問題なく,しっかりとゲームが楽しめる(2人の場合,ルール説明から入って40分程度で1プレイ可能だった)。ルールはシンプルながらも悩みどころの多いこの作品を,簡単に紹介しよう。

画像集 No.013のサムネイル画像 / [SPIEL'18]ほかのプレイヤーを出し抜きつつ,自分のサンゴ礁を育てる「Reef」を遊んでみた

サンゴ礁を育てて得点を獲得


 「Reef」においてプレイヤーはサンゴ礁を発展させることで勝利得点を獲得していく。ゲーム終了時に勝利得点が最も高いプレイヤーが勝利するという形だ。サンゴ礁は4色の駒で作っていくが,プレイヤーは手札に示された特定のパターン(色と形の組み合わせ)を作ることで,勝利得点を得る。
 言葉で説明する前に,まずは写真で「どうやったら勝利得点が得られるのか」を解説しよう。

中央に見える4×4のボードの上に,4色のサンゴ駒が置かれている。このボード上にサンゴ駒を置くことで,サンゴ礁を大きくしていく。なお新しいサンゴ駒は,すでに配置されたサンゴ駒の上にも置ける
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手札の例。この手札を使うと,まずはカードの上半分に示されている通り紫のサンゴ駒を2個手に入れ,それをボード上に配置する
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紫のサンゴを2個置いた段階で,ボード上に赤色のサンゴ駒による2×2の正方形(カードの下半分に提示)ができていれば,6点(カード右下)を得る。サンゴ駒を積み重ねている場合,一番上のサンゴ駒だけを参照する
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 といった具合で,ゲームの流れ自体はいたってシンプルだが,実際には得点を得ることよりも先に「新たなサンゴ駒を取って,ボード上に置く」というプロセスが存在するため,「先を見据えて置いてみたら,指定の形が壊れていました」ということが起こりえる。
 また,獲得できるサンゴ駒の色と得点できるサンゴ駒の色はほぼ異なるので,1枚のカードだけで自己完結するということは,原則的に起こらない。

画像集 No.009のサムネイル画像 / [SPIEL'18]ほかのプレイヤーを出し抜きつつ,自分のサンゴ礁を育てる「Reef」を遊んでみた

 上の写真のように得点のパターンにはいろいろある。指定形式に数字が書かれているのは,「数字で示された段数になっている場合」。したがって,一番左上のカード(赤サンゴに「4」が書かれたカード)は,4段目のサンゴが赤色(かつ一番上が赤色)なら得点となる。
 数字の後ろに「+」があるカードは,「数字以上の段数になっている場合」。一番左下のカードの場合,「2段以上あり,かつ一番上が赤」と「2段以上あり,かつ一番上が緑」になっているマスが,斜めで隣接していると得点できる。

 ここで重要になってくるのは,以下の2つのルールだ。

(1)もし自分のボード上に,カードで指定されたパターンが2つ以上あるなら,そのすべてで同時に得点できる

(2)ただしパターンを複数作ろうとする場合,1つのサンゴ駒は1つのパターンにしか使えない

画像集 No.006のサムネイル画像 / [SPIEL'18]ほかのプレイヤーを出し抜きつつ,自分のサンゴ礁を育てる「Reef」を遊んでみた

 上の写真では,「黄色のサンゴ駒が3つ直列していれば4点」のカードをプレイした。ボード上には黄色3つの直列が2か所でできているので,8点を得る。
 ここで「一番左側のラインは黄色いサンゴ駒が4つ直列しているのだから,上から3つで1列,下から3つでもう1列とカウントできるはずだ」と言いたくなるが,上記(2)のルールによってそれはできない。

 手番にプレイできるカードは1枚だけなので,1枚のカードから2倍,3倍と得点できると,その効果は絶大だ。とはいえ地道かつ着実に得点を重ねていくのも有効な戦術であり,勝ち筋は1つではない。


見かけはライトだが,ゲーマー向けの作品


 もう1つ,本作を盛り上げるのが手札の管理だ。このゲームでは,カードは山札(表面を向けておく)以外に,場に3枚を並べる。カードをドローする場合,山札ないし場に並べられた3枚のカードのいずれかを選ぶことになる。

中央に並んだ4枚のカードのどれかをドローする(一番右は山札)。山札からカードをドローする場合,勝利得点を1点,場に並んだカードのいずれか(ルールで指定)に置かねばならない
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 そして困ったことに,手番が来たプレイヤーは,「カードを1枚手札に入れる」か「手札を1枚プレイする」かのいずれかしかできない。
 このため「場に出ているあのカードで得点するためには,必要な珊瑚が手に入る別のカードをドローしなくては……。でもそうすると,ほかのプレイヤーに肝心の得点カードを持っていかれるのでは」といったジレンマが常に発生する。
 とくにゲーム慣れしたプレイヤー同士であれば,この手の妨害は仕掛け仕掛けられるのが当然のごとく起きるだろう。

 また,そうでなくとも手札を眺めながら,「このカードを使って黄色サンゴで得点するためには,まずこっちのカードを使って黄色サンゴ駒を置く……。でも場にあるカードを見る限り,このカードは得点を得ることよりも,もう1つの効果である紫サンゴを置くことを優先して使ったほうがいいのかも……」といった悩みも発生する。

 確かに本作では1枚のカードで「サンゴ駒を置いて,得点する」構造にはなっているが,1枚のカードで2つの効果(しかもその2つは,直接には結びつかない)が同時に発生するため,プレイヤーの思考を混乱させるのだ。

行き当たりばったりでプレイしていたのがよく分かる終了図
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 本作をプレイすると,まずは「カードに示されているパターンを作る」ことからして結構大変だということに気付かされる。
 そのうえでプレイヤーは他人のサンゴ礁の状況を観察し,手札と場札を見て先を読み,ときにはほかのプレイヤーを妨害し,できればすでにプレイされたカードを覚え,さらにほかのプレイヤーが手札に入れたカードを暗記しておきたい。
 つまり本作は見かけよりもずっと,考えることが多いゲームだ。考えれば考えただけ報われるのは間違いないので,場合によってはチェスクロックを用意したほうがいいだろう。

「同じ色で積み上げねばならない」というルールはないのだが,同色積みは意外と効率よく得点できることがあるようだ。要研究である
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 ゲームの終了条件は,「いずれかの色のサンゴ駒が場からなくなったら即座に終了」(若干の追加処理あり)であり,山札が尽きて終わることはほぼ起こらない。
 これはつまり,山札に眠ったままになるカードが結構な枚数存在しうるということだが,それでもゲーマーであれば1度プレイしたが最後,「次のプレイを始める前に,カードを全部見せろ」と言い出すだろう。

 少なくとも「どんなパターンで得点できるか」を知っているか知らないかで,有利不利は明らかに出る。「チケット・トゥ・ライド」において,目的地カードの種類を知っているどうかで差がでるのと同じだ。
 また「すでに使われたカードをカウンティングしておく」ことの重要性は言うまでもなく,ガチ勢にとっては相当疲労するゲームになり得る。

赤いサンゴ駒の残りが3つ。勝っているプレイヤーは積極的に赤サンゴを取って,ゲームを終わらせたいところだ。なおサンゴ駒の数はプレイヤーの人数によって変化する
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 本作は10月25日に,日本でも完全日本語版が発売されているので,「もう遊んだ」という読者も増えてきているのではないかとは思う。ライトなアブストラクト系ゲームに見えて,ゲーマー精神を遺憾なく発揮できる作品なので,そのつもりで人を集めてプレイしてみてほしい。

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