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印刷2022/06/06 13:00

企画記事

今からBTS(防弾少年団)について語ります。ARMYである筆者が思う“7つの魅力”から,BTS関連のゲーム情報までたっぷりお届け

 BTS(防弾少年団)――。

 もはや説明不要かもしれないが,BTSとは韓国の7人組音楽グループである。

 今や世界中で人気を誇る彼らに詳しくなくても,この記事を開いたほとんどの人が,「BTS(読み:ビーティーエス)」という言葉を一度は聞いたことがあるだろうし,周りに「ARMY(読み:アーミー。BTSファンの名称)」がいる人も多いだろう。

 BTSはなぜ売れたのかという分析記事や書籍は山ほどあるので,ここではもう少し気楽に,ARMYである筆者が“BTSに詳しくない友人知人に向けてプレゼンする”つもりで1本書いてみたいと思う。

 なぜそれを4Gamerで? と思った人もいるかもしれないが,実はBTSには数々の関連ゲームがあり,今後もさまざまなタイトルがリリース予定となっている。記事の後半ではそれらも紹介していくので,「気になっていたけどどんなグループなの?」「興味はあるけど曲が多すぎて何を聴いたら良いか分からない」という人にはぜひ本記事をご一読いただき,同じARMYには少しでも共感してもらえれば幸いだ。


■もくじ■
※各項目のタップorクリックでジャンプします

○筆者が思うBTSの魅力7つを語る
 1.楽曲とダンス,パフォーマンスのクオリティ

 2.とにかくビジュアルが“強い”

 3.楽曲やパフォーマンスで,何通りもの楽しみ方を生み出す“展開力”

 4.全員が“沼”。各メンバーのあふれる個性

 5.家族(兄弟)そのものの関係性

 6.コンテンツ量が異常!!!!!!!

 7.ARMYとの絆

○BTS関連のゲームを紹介! これから出るタイトルもチェック



筆者が思うBTSの魅力7つを語る


1.楽曲とダンス,パフォーマンスのクオリティ

 BTSが音楽グループである以上,やはりこれを一番に挙げないわけにはいかないだろう。彼らは2013年6月13日にデビューし,今年で9周年を迎える(日本デビューは2014年)。当初はヒップホップグループとしてデビューする予定だったが,事務所の意向で“ヒップホップ系アイドルグループ”に路線が変更された。

 以下で紹介するのは彼らのデビュー曲のMVだが,BTSを「Dynamite」(2020年)や「Butter」(2021年)などの比較的最近の楽曲で知った人は,今とのイメージの違いに驚くかもしれない。


 アイドルというには気合の入ったヒップホップだし,尖ったビジュアルも含めてかなりのインパクトだ。もともとラッパーとして活動していたメンバーや,作曲活動をしていたメンバーが在籍するBTSは,デビュー当時から積極的に楽曲制作に関わっている。

 歌詞には等身大の若者としての姿や伝えたい願いとメッセージが込められる一方,サウンドとラップ&ボーカルには「この若さで?」とうならせるクオリティの高さがあった。このころはそのバランス感がとくに絶妙だと感じる。

 そこから現在までの約9年間にたくさんの楽曲が発表されてきたが,時流や彼らが置かれた環境,ファンが求めるものなどさまざまな影響を受け,彼らはさらに多彩なジャンルに挑戦するようになっていく



 正直,音楽の良さなんていくら言葉を尽くしても語りきれるわけはないので,「とにかく聴いてみてください」と言うほかない。そしてそれは,ダンスも同様だ。BTSは事務所入所当時にダンス未経験のメンバーがいたにも関わらず,楽曲をリリースするごとに高難度のパフォーマンスに取り組んでいる。これは相当な練習量がないとできないことは想像に難くない。




 前回の曲が難度的に限界かと思ったらさらに上がきた,と毎回のようにメンバーが言うほどのダンスパフォーマンスは,その道のプロからも一目置かれているようだ。この項目の最後は,巷では,「(現時点で)BTSのなかで最もダンスの難度が高い」と言われている楽曲を紹介しよう。


 それぞれの楽曲に込められたメッセージについても書きたいところだが,それはまたどこか別の機会に。彼らの音楽は,たとえ言葉が分からなくても,聴くだけでワクワクしたり熱くなったりすることが伝われば幸いだ。


2.とにかくビジュアルが“強い”

 これについてはなおさら書くことがないのだが……。俗っぽい言い方をすると,「全員の作画が良すぎる」とでも表現すればいいだろうか。各メンバーの紹介は後述するが,どちらかというとデビュー後すぐは1つのイメージに固められていたものが,音楽面で多彩な展開をしていくにつれ,見た目の個性もよりはっきりとしてきたように思う。

 彼らが本国やアジア圏だけでなく全世界で人気を博したのは,東洋らしいオリエンタルな魅力がありつつ,モデルとしても通用しそうなスタイルやセンスが受け入れられたためではないだろうか。また,メンバーのほとんどが20代の彼らは,この年代の男子らしく,見るたびに大人びていったり,深みが出てきたりと,いい意味で変化していくことも見逃せない要素の1つだと感じる。

 “BTSあるある”として,「最初はメンバーの区別がつかない」というものがある。まずは見分けができなくても,「かっこいい/かわいいメンバーがいるな」と感じてもらうために,またいくつかMVを載せてみる。




3.楽曲やパフォーマンスで,
何通りもの楽しみ方を生み出す“展開力”


 素晴らしい楽曲やパフォーマンスが多数あるBTSだが,これらをさらに楽しませる展開や仕掛けがあることも見逃せない。たとえば,彼らのファンになるとよく耳にすることになる「花様年華」(読み:かようねんか)というキーワードがある。これは「人生で最も美しい瞬間」という意味合いの言葉で,2015年に始まった一大プロジェクトのタイトルのようなものだ。

 「花様年華」にはストーリーがあり,数々のMV(最初に提示されたのは前述の「I NEED U」)のほか,小説などで展開を続けている。ちなみに「花様年華」シリーズのMVは,1本ではどんな物語なのかつかみにくく,シリーズを見ていくことでつながりが分かる仕掛けになっている。なのでネタバレになるかもしれないが,ここではある程度まとめたストーリーを紹介しよう。

 登場人物は,メンバーと同じ名前を持つ7人。それぞれ問題を抱える彼らは高校時代に出会い,絆を深めるが,ある日不幸な結末を迎えてしまう。その悲劇を避けるため,登場人物の1人が時をさかのぼっていく……というものだ。

 「花様年華」の面白いところは,各メディアにおける伏線や謎の散りばめ方が秀逸でありながら,公式ではそれについて一切の紹介や解説などを行っていない点である。いわゆる“考察好きな人”には刺さりまくるプロジェクトなのだ。

 一方,パフォーマンスについては,ライブや音楽番組,賞関連などで “そのときにしか観られないステージ”を積極的に行っていることにも感嘆させられる。とくに音楽番組系では,「えっ,これをタダで観て良いんですか?」というレベルの演出も多数あるので,少し紹介させてほしい。



 このほか,楽曲関連では「SoundCloud(サウンドクラウド)」(外部リンク)というプラットフォームにて,アルバム未発表曲やカバー曲,リミックスなどを積極的に展開している。ソロ名義でのミックステープ(商用ではないアルバム的なもの)も多数あり,彼らの音楽的軌跡としてチェックすべきコンテンツは多い。

 すでに察していると思うが,これまでリリースされた音源は商用・非商用含めてかなりの数になる。ということで,まずは代表的なアルバムと楽曲を知りたい人向けに,現在までにリリースされている主なアルバムの一覧を発表順に記載,各タイトル曲(アルバムの代表曲)も載せておくので,参考にしてほしい。

主なアルバム一覧
※タップorクリックで開きます


 こちらを開いてくれた人のために,タイトル曲のほか,次に聞いてほしいおすすめも独断で記載してみた(ソロ曲は除く)。

2 COOL 4 SKOOL(2013年)
タイトル曲「No More Dream」/さらにおすすめ「We Are Bulletproof Pt.2」「Like」

O!RUL8,2?(2013年)
タイトル曲「N.O」/さらにおすすめ「Attack on Bangtan」「Paldogangsan」

SKOOL LUV AFFAIR(2014年)
タイトル曲「Boy In Luv」/さらにおすすめ「BTS Cypher PT.2 : Triptych(feat. Supreme Boi)」「Tomorrow」



DARK & WILD(2014年)
タイトル曲「Danger」/さらにおすすめ「War of Hormone」「Look here」

花様年華 pt.1(2015年)
タイトル曲「I NEED U」/さらにおすすめ「DOPE」「フンタン少年団」

花様年華 pt.2(2015年)
タイトル曲「RUN」/さらにおすすめ「Silver Spoon(ペップセ)」「Autumn Leaves」

花様年華 YOUNG FOREVER(2016年)
タイトル曲「FIRE」/さらにおすすめ「Butterfly」「Epilogue: Young Forever」



WINGS(2016年)
タイトル曲「Blood Sweat & Tears」/さらにおすすめ「2!3!」「21st Century Girl」

YOU NEVER WALK ALONE(2017年)
タイトル曲「Not Today」/さらにおすすめ「Spring Day」「Outro:Wings」



LOVE YOURSELF 承 'HER'(2017年)
タイトル曲「DNA」/さらにおすすめ「Pied Piper」「MIC Drop」

LOVE YOURSELF 轉 'Tear'(2018年)
タイトル曲「FAKE LOVE」/さらにおすすめ「Anpanman」「So What」

LOVE YOURSELF 結 'Answer'(2018年)
タイトル曲「IDOL」/さらにおすすめ「Dimple」「GoGo」



MAP OF THE SOUL:PERSONA(2019年)
タイトル曲「Boy With Luv」/さらにおすすめ「Dionysus」「Mikrokosmos」

MAP OF THE SOUL:7(2020年)
タイトル曲「ON」/さらにおすすめ「Black Swan」「We are Bulletproof:the Eternal」



Dynamite(2020年)
※デジタルシングル

BE(2020年)
タイトル曲「Life Goes On」/さらにおすすめ「Dis-ease」「Stay」

Butter(2021年)
※デジタルシングル



Proof(2022年6月10日リリース予定)
 3枚組のアンソロジーアルバム。上記にも記載した過去のタイトル曲に加え,新曲3曲やデモ曲などを網羅している。



4.全員が“沼”。各メンバーのあふれる個性

 次は,BTSのメンバーを紹介していこう。多数のキャラクターが登場するゲームでは,よく「必ず推しが見つかる」という言い方をするものだが,BTSもまた然り。ラップや歌,ダンスなどの得意分野だけでなく,後述する数々の配信コンテンツなどによって伝わる7人の性格や関係性が,とてつもなくバラエティに富んでいるのだ。

 同じ人間だというのに,こうまでさまざまな魅力や“萌え”を持つ人が世の中に存在しているのか……と頭を抱えているARMYは多いのではないだろうか。1人につき1記事書きたいところだがおそらく許されないので,以下に簡単ではあるが,各メンバーを紹介していこう(紹介は年齢順)。

 なお,くり返しになるが,本記事はARMYである筆者が“BTSに詳しくない友人知人に向けてプレゼンする”つもりで書いている。そのため,あくまでも筆者がBTSメンバーを誰かに紹介するなら……という内容になっているので,それを念頭に置いてもらいつつ,読み進めてほしい。

JIN(読み:ジン/本名:キム・ソクジン)

 サブボーカルとビジュアル担当。元は俳優を目指していたが,スカウトされて加入する。過去に国内外の音楽祭典に出席した際,あまりのイケメンぶりに「車ドア男」(車から降りる姿が格好良すぎたため)や,「左から3番目の男」というキーワードがトレンド入りしたエピソードがある。

 美しいハイトーンボイスを持つJINは,まさに“完璧なアイドル”。一方で,彼自身はそんな自分を「ワールドワイドハンサム」と呼んだり,ゲームやオヤジギャグが大好きだったりと,グループ最年長でありながら年下のメンバーたちと一緒になってふざけまわる姿を見せる。いざというときは“長男”として6人の弟たちを支える頼もしい姿を見せるものの,実生活の本人は兄のいる“弟”であるところも萌えである。



SUGA(読み:シュガ/本名:ミン・ユンギ)

 リードラッパー。「BTSのSUGA」であるほか,ソロアーティスト「AgustD」としても活動,さらにはプロデューサーとしての顔も持ち,国内外のアーティストとのコラボも多数行っている。多方面で活躍する彼は,まさに“天才”と呼ぶにふさわしい人物だ。オーディションで事務所に入所したSUGAは当初作曲家を希望していたが,「踊らなくていいから」の言葉を信じてグループに入ったという逸話も。

 クールで塩対応なときも多いが,一方では「死ぬまでBTSでいたい」と言い,ARMYを泣かせてくる。疲れるからという理由であまり動かず,メンバーには「おじいちゃん」などと呼ばれながら,ステージでは泣く子も黙るラップとパフォーマンスでオーディエンスを圧倒する。ひょっとしたらステージとオフの振り幅が一番大きなメンバーかもしれない。沼である。



J-HOPE(読み:ジェイホープ/本名:チョン・ホソク)

 メインダンサー,リードラッパー。グループに入る前からストリートダンサーとして有名だったというJ-HOPEは,グループ内で“振り付けチーム長”と呼ばれており,責任感の強いところは“影のリーダー”などとも言われている。BTSのダンスを見ていて「関節の可動域とリズム感が桁外れの人がいるな……」と感じたらこの人であることも多い(個人の感想)。

 自分よりも他人を大切にするタイプで,普段は周りのちょっとした仕草やつぶやきにもすぐ気が付く。大きな声で笑い,褒め,励まし,メンバーのInstagramには真っ先に「いいね」をつける。「こんな人が近くにいてくれたら」「この人のおかげで頑張ろうと思える」と感じさせる,まさに“希望(HOPE)”の人。知れば知るほど好きになってしまうのである。



RM(読み:アールエム/本名:キム・ナムジュン)

 メインラッパーであり,リーダーを務める。RMの作る楽曲のクオリティやステージでのカリスマ性を見れば納得なのだが,BTSはもともと彼の存在がきっかけで作られたグループだという。グループきっての頭脳派で,学生時代の模擬試験では国内上位1%に入ったというエピソードや,国連スピーチや海外ライブのMCで聞ける流暢な英語は独学で習得したという話もある。

 まだ20代半ばとは思えない含蓄ある言葉はまさに名言揃いで,彼がリーダーだからこそBTSがここまでのグループになったといっても過言ではないかもしれない。実はかなりの不器用で,よくモノを壊したり忘れたりする(周囲から「世界平和のために料理と運転はするな」と言われている)のと,リーダーでありながらグループ内で最年長ではないところがギャップすぎて最高なのだ。



JIMIN(読み:ジミン/本名:パク・ジミン)

 リードボーカル,リードダンサー。中性的で魅力あふれるボーカルと猫のようにしなやかなJIMINのダンスは,一度見聞きしたら忘れられない人も多いはずだ。かつては釜山芸術高等学校舞踊科に主席で入学し,最近ではスケート選手の羽生結弦氏が「彼のダンスを見て学びを得ている」という発言もあった。

 とてつもない努力の人で,睡眠時間を削ってダンスの練習に明け暮れ,自らに厳しい体型管理を課し,デビューから数年で大きくビジュアルが垢抜けていったのも印象深い。少し寂しがり屋で“あざとかわいい”ところがあり,いつもニコニコ笑っている。かと思えばステージでは,「どこからそんなフェロモンが……?」というセクシーさでARMYをノックアウトする。恐ろしい。



V(読み:ヴィ/本名:キム・テヒョン)

 サブボーカル,リードダンサー,ビジュアル担当。“今どきの”ではなく,どの時代に生まれても「美しい」と言われるであろう完全無欠なビジュアルのVは,BTSがデビューする直前まで「秘密兵器」として存在が伏せられていたという。独特のなめらかな低音ボーカルも魅力だ。ちなみにメンバー内で唯一,ドラマ出演経験がある。

 パッと見はクールだが,メンバーと一緒にいるときは実に無邪気に笑い,誰も思いつかないような突飛な行動や発言をするほほ笑ましさに,庇護欲を掻き立てられるARMY多数。子どもかと思えば成熟した男性らしさをにじませる瞬間もあり,ひょっとしたら地球上の生命体ではないのでは? とすら思わせるような不思議な魅力のある人だ。



JUNGKOOK(読み:ジョングク/本名:チョン・ジョングク)

 メインボーカル,リードダンサー。最年少でありながら,パフォーマンスではセンターを務めることが多い。歌もダンスもビジュアルもすべてにおいて完璧なところを見せ,どんな分野でも器用にこなしてしまうため,「黄金マンネ(末っ子)」と呼ばれている。デビュー当時はまだ15歳だったので,グループの軌跡を辿っているとJUNGKOOKの成長ぶりにあらためて驚かされる。

 末っ子として兄たちに可愛がられながらたくましく(筋肉的にも)育ち,「(みんなにおぶってもらって成長したけれど)今は僕が兄たちをおぶっています」などと言って皆を笑わせた。だが本当にここ最近は,身体だけでなく精神面も大きく成長したことがうかがえ,頼もしさを感じさせるようになったのが胸熱である。



 ……という個性豊かな7人だが,このなかにはいろいろな“名コンビ”や人気のグループ分けがあり,それに公式の呼び名があるところも面白い魅力だ。たとえば楽曲関連の基本的なところで言えば,ボーカルライン(JIN,JIMIN,V,JUNGKOOK)とラップライン(RM,SUGA,J-HOPE)という組み合わせや,ダンスラインである3J(J-HOPE,JIMIN,JUNGKOOK)などがある。

 パフォーマンス以外ではさらに多く,同い年のコンビや宿舎時代のルームメイト,飲み仲間などさまざま。こうしたことからも,全員の仲の良さが伝わってくるように感じられる。

 デビューから1人も変わらぬメンバーで活動している彼らは,よく兄弟に例えられる。JINが長男で,JUNGKOOKを末っ子とした7人兄弟だ。長い間同じ屋根の下で暮らしていたBTSはまさに兄弟であり,彼ら自身もメンバーを「家族」と呼ぶことが多いのも,彼らの大きな魅力だと思う。


5.家族(兄弟)そのものの関係性

 楽曲やパフォーマンス,ビジュアルなどからBTSのファンになり,“オルペン(箱推し)”となる大きな要因の1つがこれだ。
 彼らは練習生になってから,事務所の用意した小さな宿舎で共同生活を始めたという。はじめは7人全員が1つの部屋で暮らしていたが,何度か引っ越しをし,少しだけ広くなった部屋で2人ないし3人がルームメイトとなり,一つ屋根の下に住み続けた。こうした共同生活は何と2019年の年末ごろまで続いていたという話もある。

 10代〜20代の多感な数年間を親元から離れて同じ家で暮らし,厳しいレッスンに耐え,売れっ子になってからはきついスケジュールを一緒に乗り越える……。そんな生活を続けていれば,ビジネス上の仲良しでも普通の友人関係でもなく,家族以外の何ものでもない関係になることは想像に難くない。彼らが見せる“絆”が表面上のものだけでないと感じさせられるのは,そうした説得力があるからだ。

●デビュー1周年を宿舎で祝うメンバーたち(2014年)

 こうした兄弟のような関係性は,彼らが“素”に近い姿を見せる数々のコンテンツなどで感じることができる。


6.コンテンツ量が異常!!!!!!!

 彼らのファンになり,多くの人がうれしい悲鳴を上げながら“沼”に沈んでいくもう1つの要因が,「BTSはコンテンツ量がとてつもなく多い」ことである。前述のとおり,楽曲については(ただでさえ考察要素や聴きどころ,見どころが多く消化に時間がかかる)音源やMVがあるほか,舞台裏映像やダンスプラクティス動画などがコンスタントに公開される。

 さらには数多くの配信番組もあり,彼らがゲームに挑戦したり,トークに興じるバラエティ番組「Run!BTS」(「V LIVE」と「Weverse」というアプリで視聴可能。ブラウザにも対応)などは,2015年から2021年まで途中休憩をはさみながらもほぼ毎週配信され,およそ150回以上もある。これは彼らがアーティストであると同時に,エンターテイナーとしてファンを楽しませようとしていることの証であり,等身大の10代・20代の男子らしい姿を余すところなく伝えてくれるものである。

 無料で見られるコンテンツには,前述の「Run!BTS」のほか,舞台裏などを見せてくれる「BANTAN BOMB」YouTube),トークや食事風景などの配信(V LIVE),有料のものには旅番組系の「BON VOYAGE」シリーズや「In the SOOP」シリーズなどなど……。笑いも萌えも癒やしも,リアルタイムで追っていても追いつかないほどの“燃料”があるのだ。


 なお,トーク配信などは予告なく突発的に行われることも多く,ステージ終了後に食事をしながら……や,夜中にいきなり個人配信が……など,ARMYは24時間365日気が抜けない


7.ARMYとの絆

 こうした数え切れないほどのコンテンツの数々は,すべてがARMYのためにある。これだけのグローバルスターになってもそれらが続いているのもそうだし,今だにファンサイトのメッセージボードでARMYにリプライをつけたりしていることにも驚かされる(夜中にコメントを連投したりすることもあり,親しみを持ってARMYと接してくれている感じがあってうれしくなる)。

 BTS(防弾少年団)というグループ名は,「10代・20代に向けられる社会的偏見や抑圧を防ぎ、自分たちの音楽を守り抜く」という意味を込めてつけられている。そしてデビュー直後のファンイベントで決まったARMYという名称は,常に「防弾(チョッキ)」とともにある「軍隊」が由来であり,「Adorable Representative M.C for Youth(若者を代表する魅力的なMC)」という意味もあるそうだ。BTSはARMYたちを守り,ARMYは彼らを否定する人々から7人を守り続けるという,この上なく理想的な関係が続いているように感じられる。

 個人的な見解だが,このARMYという名前があることによって,ファンは彼らからの愛情や想いをよりまっすぐに受け止められているような気がしている。ファンに向けて言葉を送るときの「ARMY、」「ARMY!」という彼らの呼びかけが,まるで人の名前を呼ぶような優しさに満ちているからだ。

 また,彼ら自身,自分でも想像しなかったような人気と影響力を持つようになり,戸惑い,怖さを感じていた時期もあったという。この人気が続く限り,そうしたプレッシャーが消えることはないのかもしれないが,「僕たちは7人だけだった/でも、今は君たちがいる/もう怖いものはない/僕たちは一緒で防弾、永遠に防弾なんだ」(「We are Bulletproof:the Eternal」より。意訳含む)という歌詞からも,彼らがいつまでも,どこまでもARMYたちと寄り添おうとしてくれることが感じられるし,それを信じ続けようと思えるのだ。


 “BTSプレゼン”は以上になるが,最後にもう1つだけ。筆者が大好きな彼らのテーマのなかに,「LOVE YOURSELF」というものがある。これに関しては彼らがたくさんの名言を残しており,なかでも心を打たれたのが,あるライブのMCでの「自分自身を愛するために,僕たちを利用してください」という言葉だった。

 私たちは好きなアーティストや“推し”ができると,毎日が少し楽しくなる。歌や言葉によって励まされ,力をもらい,「明日も頑張ろう」と思うことができる。そうして応援の気持ちを返すことで,自分を含む世界すべてに“愛”が満ちていくような気がするのだ。

 小さな事務所からデビューして,今では世界じゅうにその名を知られるようになったBTS。ARMYは今この瞬間も増え続け,こうしたポジティブなパワーはどんどん広がっている。筆者の力はそのうちのたった1人の小さなものではあるが,この熱を少しでも,読んでくれた人に感じてもらえていたらうれしく思う。


BTS関連のゲームを紹介!
これから出るタイトルもチェック


 ここからはBTS関連のゲームを紹介していこう。ストアを検索すると数々のタイトルが出てくるが,ここでは公式に出されているタイトルについて,内容やどんな楽しみ方があるのかをざっくり説明していきたい。

BTS WORLDiOS / Android
リリース:2019年6月
※2022年5月27日,6月2日のチャプター22実装を最後にアップデートを終了すると発表されている。サービスは継続されるので,プレイは可能だ(関連記事

画像集#008のサムネイル/今からBTS(防弾少年団)について語ります。ARMYである筆者が思う“7つの魅力”から,BTS関連のゲーム情報までたっぷりお届け

画像集#007のサムネイル/今からBTS(防弾少年団)について語ります。ARMYである筆者が思う“7つの魅力”から,BTS関連のゲーム情報までたっぷりお届け
 BTSの関連ゲームで,個人的に最も「アイドルグループである彼ら」を堪能できると思うのが,Netmarbleが提供する「BTS WORLD」である。

 ストーリーは,ARMYである主人公(プレイヤー)がふとしたことから2012年にタイムスリップし,まだアイドルではなかった7人に出会い,マネージャーとして彼らをデビューさせ最高のアーティストとなるよう導いていくというものだ。

 システムは,カードを収集し強化してストーリーを読み進めていく非常にシンプルな作りで,ジャンルはシミュレーションだが,“ビジュアルノベル”にも近いかもしれない。

 このストーリーには現実の彼らのエピソードや発言などがたくさん盛り込まれており,デビュー当時の流れをマネージャーとして追体験できるという点がおすすめポイントだ。しかも,ストーリーを進めていくとメンバーとチャットや,電話(しかもフルボイスである!)ができる場面もあり,ゲームでありながら「本当にこんなやりとりができそう」という,とてつもない臨場感が楽しめる。


 さらに上記のメインストーリーのほか,「もし彼らがアイドルにならなかったら」というパラレルワールド的な個別ストーリーもある。作中で流れる映像や写真などはほとんどが撮り下ろしのオリジナルなうえ,ゲームをクリアしていくと見られる特典映像など,とにかくコンテンツ量がすさまじい。ゲームオリジナルのサウンドトラックもリリースされており,本作を遊んだことがなくても収録楽曲を聴いたことがあるARMYもいるかもしれない。


「BTS WORLD」公式サイト

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BTS Universe StoryiOS / Android
リリース:2020年9月

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 こちらもNetmarbleが提供するタイトルで,本作に登場するメンバーは実写ではなく3Dグラフィックス。

 ここでは前述した「花様年華」のストーリーに触れられるだけでなく,プレイヤー自身が作者となってオリジナルストーリーを作れるのが大きな特徴だ。

 オリジナルストーリーでは,メンバーの外見や背景,選択肢などを設定でき,まさに自分だけの作品を作れるといっていいだろう。作ったストーリーを公開し,他プレイヤーから「いいね」をもらったり,再生回数が増えたりすると,クリエイターランクが上がるという仕組みもある。


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 Netmarbleが2020年9月24日に配信予定の「BTS Universe Story」は,K-POPグループ“BTS(防弾少年団)”を題材とした新作スマホアプリだ。プレイヤーが作家になり,ゲーム内のツールを使ってストーリーを作成できる点が最大の特徴となっている。先行プレイの機会を得たので,一部の機能を紹介しよう。

[2020/09/17 12:00]

「BTS Universe Story」公式サイト

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Rhythm HiveiOS / Android
リリース:2021年2月

 BTSが所属するHYBEから展開されているリズムゲーム。BTSの名曲の数々(タイトル曲だけでなくアルバム収録曲やソロ曲まで!)をリズムゲームで楽しめるほか,HYBE所属のTOMORROW X TOGETHER,ENHYPEN,SEVENTEENといったグループの音楽もたっぷりと堪能できる。


 筆者はリズムゲームがあまり得意ではないため序盤のみのプレイだが,最初に関しては比較的当たり判定が甘めに感じられた。とはいえプレイするにしたがって難度が上がっていくので,好きな音楽を聞きながらリズムゲームの腕を上げたい! という人は挑戦してみてはいかがだろうか。

「Rhythm Hive」公式サイト

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パズルスターBT21iOS / Android
リリース日:2018年4月

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 BTSを知らなくても,LINEを使っていればおそらく見たことがあるであろうキャラクターの「BT21」。実はBT21は,LINE FRIENDSとBTSのコラボレーションにより誕生したキャラクターで,BTSメンバーが自らデザインに携わっている。それぞれにキャラクター設定やバックグラウンドストーリーがあり,動画やグッズなどさまざまな展開を行っている。BT21のパズルゲームのうち最初にリリースされたのが,この「パズルスターBT21」だ。

 本作のジャンルはブロックアクション。感覚的にプレイできるので,空き時間にプレイするもよし,腰を据えてじっくり取り組むもよし,プレイスタイルに合わせて遊べるゲームとなっている。

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「パズルスター BT21」ダウンロードページ

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LINE ハローBT21iOS / Android
リリース:2019年7月

画像集#001のサムネイル/今からBTS(防弾少年団)について語ります。ARMYである筆者が思う“7つの魅力”から,BTS関連のゲーム情報までたっぷりお届け

 BT21が登場するLINEのパズルゲーム2本目は,連鎖が爽快なマッチ3パズル。パズルを1問解くと,敵に壊されてしまった街の建物やオブジェを1つ直すことができる。街のグラフィックスやキャラクターがとにかくかわいらしく,筆者的におすすめしたい1本である。

画像集#003のサムネイル/今からBTS(防弾少年団)について語ります。ARMYである筆者が思う“7つの魅力”から,BTS関連のゲーム情報までたっぷりお届け 画像集#004のサムネイル/今からBTS(防弾少年団)について語ります。ARMYである筆者が思う“7つの魅力”から,BTS関連のゲーム情報までたっぷりお届け


「LINE ハローBT21」公式サイト

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 ここからは,今後リリースが予定されているゲームを取り上げる。

BTS Island: In the SEOMiOS / Android
事前登録受付中/リリース間近!

 BTSのメンバーが開発やデザインに関わったことでも話題となっている「BTS Island: In the SEOM」。現時点ではまだ内容の詳細が出ていないため憶測だが,解禁された予告動画を見るとメインはマッチ3パズルゲームかもしれない。また,釣りやキャンプに興じるメンバーのSDキャラクターの姿も確認できる。


 ちなみに「SEOM」とは“島”という意味で,前述の配信番組「In the SOOP」(「SOOP」とは“森”の意味)になぞらえてメンバーがつけたものだ。あの番組のようにこのうえない癒やしが得られそうなので,期待したい1本。

「BTS Island: In the SEOM」公式サイト

「BTS Island: In the SEOM」予約注文ページ

「BTS Island: In the SEOM」事前登録ページ




7Fates: CHAKHO
リリース日:未定(ストーリーは2022年1月〜配信中)

 近未来が舞台のファンタジーである「7Fates: CHAKHO」は,朝鮮王時代の「虎」狩り部隊として知られる「捉虎甲士」をモチーフとし,運命に縛られた7人の少年たちが試練を乗り越え成長していく様子を描いたファンタジーストーリーだ。現在のところ,「LINEマンガ」で序盤のストーリーを無料で読める。以降の物語は,同じくLINEマンガにて小説版が連載中となっている。

 映画のような壮大なストーリーだが,ゲームがどのようなものになるかは現時点で明らかになっていない。あのHYBEがゲーム産業に参入ということで話題になり,かなりの力を入れていることが公言されているため,続報に期待したい。なお本作は,メンバー自身が制作したオリジナル楽曲がすでに公開され,大きな話題となった。


LINEマンガ「7FATES: CHAKHO」ページ




BTS Dream: TinyTAN HOUSE
リリース日:2022年上半期予定

 「TinyTAN」とは,BTSメンバーの第2の自我がキャラクターになったというコンセプトのコンテンツだ。このTinyTANが登場するゲームをNetmarbleが開発中とのことだが,内容の詳細は出ていない。2022年頭に公開された映像によると,リズムゲーム要素やアバター要素があると予想される。こちらも続報を待とう。




 ゲーム展開にも注目なBTSは,エンタメ力の極めて高いグループであるとあらためて思う。機会があれば,新作ゲームのプレイレポートなどお届けしたいところだ。

 なお,BTSとしては2022年6月10日にアルバム「Proof」の発売6月13日にはデビュー9周年が控えている。6月はお祭りになりそうな予感なので,今後の動きも引き続き注目したい。

●アルバム「Proof」のコンセプトフォト(Proofバージョン)

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