4Gamer読者のみなさんは,乙女ゲーム(女性向けの恋愛シミュレーションゲーム)に登場するイケメンキャラクターがヒロインに攻略されると,どうなるか知っているだろうか。
きっと大半の人が
「愛をささやく」といったポジティブな答えを返すと思う。
しかし,これから紹介する
「ウーユリーフの処方箋」で描かれる乙女ゲームの世界においては,その回答は
間違いとなる。
なぜなら,本作のヒロインに攻略されたイケメンたちはこうなってしまうからだ。
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注:ヒロインです
![画像集#004のサムネイル/本当は怖い乙女ゲームの話。最終章の公開迫る「ウーユリーフの処方箋」プレイレポート](/games/476/G047639/20200415002/TN/004.jpg) |
この世界における
“ヒロインへの好感度MAX”は,ハッピーエンドではなく,
ゲームオーバー(死)を意味している。ヒロインが姿を現すと,イケメンたちは喜ぶどころか恐怖の表情を浮かべ,震えながら逃げ出す。
逃げなければ攻略(殺)されてしまうのだ――。
そんな到底乙女ゲームの世界とは思えないストーリーが,「ウーユリーフの処方箋」では展開される。
「ウーユリーフの処方箋」(
iOS /
Android)は,SEECがおくる
「四ツ目神」(
iOS /
Android)や
「誰ソ彼ホテル」(
iOS /
Android),
「紡ロジック」(
iOS /
Android)につづく脱出アドベンチャーノベルの最新作だ。乙女ゲームの世界に迷い込んだ主人公・マツリと,そこで出会う仲間たちのストーリーが楽しめる。
本編ストーリーは,
「ノベルパート」と,謎解きをして真相に迫る
「探索パート」の2つで展開される。マルチエンディング方式になっており,行動を決定する選択肢や,使用するアイテムによってエンディングの展開が変わっていく。
重要なシーンではバッドエンドになることもあるので,探索でのアイテム集めや,いろんな人との会話を注意深く聞くことが重要だ。
また,ストーリーのなかでは「王冠ステージ」がいくつか用意されている。王冠を入手するとスチル&ボイス付きのストーリーが開放されるという仕様だ。
なお,王冠付きストーリーは有料コンテンツとなるため,本稿では割愛する。同じくミニゲームなどで獲得できるミニストーリーや友情ストーリー,設定資料集などにも触れないでおくが,こういったお楽しみのコンテンツが用意されていることは頭の片隅に入れておいてほしい。
本編ストーリーは毎日5:00に5枚付与されるチケット,またはジュエル(ゲーム内通貨)を消費して読める
![画像集#005のサムネイル/本当は怖い乙女ゲームの話。最終章の公開迫る「ウーユリーフの処方箋」プレイレポート](/games/476/G047639/20200415002/TN/005.jpg) |
想像以上に怖かった……
スリル満点な「ノベルパート」
本作の主人公である
マツリ(CV:逢坂良太)は,女性のことを攻略対象としか思っていないサイテー野r……モテモテなイケメンだ。手に入れるまでがゲームで,攻略するとすぐ飽きて次の女性に乗り換える,を繰り返している。
しおらしいことを言って女性の気を引く
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酷い男性であるにも関わらず,(腹立たしいことに)彼の周りには彼女候補となる女性がわんさか
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唯一の友人である更紗。マツリには男友達が1人もいない
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そんなある日,更紗から
“イケメンを襲う呪いの乙女ゲーム”に関する都市伝説を聞く。どうやら実際に男性の失踪が相次いでいるらしい。彼らには,イケメンで“女遊び”が激しいという共通点があり,まさにマツリのような男性が狙われていた。
イケメンの自分は狙われる,と危機感を覚えるマツリ
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このあと,マツリの悪い予感は見事的中し,呪いの乙女ゲーム「ウーユリーフの処方箋」の世界に引き込まれてしまうのだった。
いきなりくるから本当にぎょっとした……
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乙女ゲームの世界に迷い込んだマツリは,そこでさまざまなロボットと,同じ境遇のイケメンたちと出会う。基本ロボットとしか会わないので,この乙女ゲームの登場人物はパッケージに描かれた攻略キャラクター3人とヒロイン以外,全員ロボットだと思われる。
そうこうしているうちに前述したヒロインと遭遇。マツリの目の前で,1人のイケメンが攻略(殺)されてしまった。これがけっこう本気で怖い……こんなの出てくるって想像してなかったからね! ちなみにロボットたちは攻略対象外なので安全だ。
好感度はよくある選択肢で決定。選択肢を決定するのはヒロインなので,こちらには反転して見えている。これが余計に不気味さを感じさせる
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イケメン側は何もアクションしていないのに,勝手に攻略されるから怖すぎる
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好感度は腕に装着された装置で判断される。3つ宝石が溜まると好感度MAXに
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マツリも好感度を1つ上げられてしまったものの,キリオと名乗る青年に助けられて難を逃れる。彼はもともとゲームの攻略キャラクターだったが,ヒロインに狙われないために攻略対象から外れる格好やふるまいをしているらしい。そしてキリオに案内され,マツリは新たに3人のイケメンと出会う。
やることはトリッキーだが,世話焼きなキリオ(CV:羽多野 渉)
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キリオの正体は,「ウーユリーフの処方箋」のゲームトップ画面にいた,いかにもメインポジションのイケメンだった
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常に冷静で幅広いゲームの知識を持つ青年,ノゾミ(CV:阿部 敦)
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小心者だが強がり癖のある青年,カナタ(CV:小笠原 仁)
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寡黙で何を考えているのか分からない青年,ミト(CV:寺島惇太)
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マツリは彼らと共に,元の世界へ戻るべく世界の謎を解いていくことに。その過程では,人間以外との新たな出会いも待ち受けていた。
ほかのロボットとは少し異なる印象のロボット,ンアウフ(CV:桜木アミサ)。ンアウフはとあるオーディション番組が大好き
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「ウーユリーフの処方箋」の世界にある大木,ウーユリーフ(CV:佐々健太)。実はゲームのナビゲーター的存在で……彼が言う「腕輪を完成させる」意味とは?
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「ウーユリーフの処方箋」の世界では,個性的なロボットたちが労働している
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キリオが働くゲーム会社,ウーユリーフファクトリーのロボットたち
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ヒロインはなぜバケモノになってしまったのか,イケメンたちはなぜこの世界に呼ばれたのか,どうしたら元の世界に戻れるのか――その真相の先には,またゾッとするような展開が待っている。これはぜひ,自身の目で確かめてほしい。
YouTubeではプロモーションムービーをはじめ,STAGE3〜6の予告動画も公開中なので,こちらもあわせてチェックしよう。少しだけ本作の雰囲気が感じられると思う。
ちなみに,本筋はホラーテイストでシリアスだが,世界の事情や登場人物はどこかコミカルで面白い。例えば,この乙女ゲームの世界には当然だがゲームとしての設定が存在する。キャラクターの身体の一部が機械になっているのもそうだ。元の世界でもこんな奇抜な恰好をしていたわけではない。さらに言うと,
CERO的な年齢制限の関係でどんなに傷ついても殺されても出血しない設定になっている。
キリオは,自分がゲームの攻略キャラクターであると理解している
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また,マツリ自身が主人公ポジションにしては珍しく(?),かなり自信家で打算的な性格のキャラクターなので,ストーリー中に思わず「オイオイ!」と突っ込みたくなる場面も。怖いけど,くすっと笑える要素も含まれたストーリー展開に,筆者はすっかり引き込まれてしまった。読者のみなさんにもこの感覚を味わってもらいたい。
ひらめいた瞬間の
達成感が気持ちいい「探索パート」
ストーリーを進めていると,探索パートが発生する。気になる場所をタッチして調べたり,アイテムを使ったりして謎を解いていく。いくつか紹介して手順を説明しよう。
■入手したアイテムを使ってみよう
気になるところをタッチしよう。枯葉が怪しい
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近くにほうきを発見。これは使えそうだ
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手に入れたほうきを装備して,枯葉のあたりをタッチすると……
![画像集#047のサムネイル/本当は怖い乙女ゲームの話。最終章の公開迫る「ウーユリーフの処方箋」プレイレポート](/games/476/G047639/20200415002/TN/047.jpg) |
枯葉の下には錆びた鉄板が!
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■必要なアイテムを入手する方法を推理
鉄板を開けるにはドライバーが必要なようだ
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落ちているとは限らない。観察力と記憶力も大事
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■アイテムを組み合わせる
通行証の写真を自分の写真に変えよう
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入手したアイテムで組み合わせられそうなものを選択
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写真とセロテープをあわせて……
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完成!
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このほか,謎解きの要素が含まれているものもある。謎を解く楽しみを奪わないように,紹介だけしておこう。
よぉ〜く観察すると答えが分かるものも
![画像集#054のサムネイル/本当は怖い乙女ゲームの話。最終章の公開迫る「ウーユリーフの処方箋」プレイレポート](/games/476/G047639/20200415002/TN/054.jpg) |
イケメンの育成やミニゲームなどの
コンテンツも充実
本作には,
「調査」「廃墟」「アトリエ」など,さまざまなコンテンツが用意されている。これらのコンテンツをプレイすることで,ミニストーリーや友情ストーリー,アイテムなどの報酬が獲得可能だ。なお「調査」では,ストーリーを読み進めるために必要な調査ポイントのほか,友情ポイントも溜められる。
■調査
「調査」では,キャラクターを2名選択し,調査スポットに向かわせることでアイテムを入手可能だ。一緒に調査したキャラクター同士の友情度が上がり,友情ゲージが一定量溜まると友情ストーリーが開放されることも
![画像集#064のサムネイル/本当は怖い乙女ゲームの話。最終章の公開迫る「ウーユリーフの処方箋」プレイレポート](/games/476/G047639/20200415002/TN/064.jpg) |
■廃墟
「廃墟」では,エネルギーを使用してレアなアイテムを入手できる。1日1回だけ,エネルギーの消費なしで利用可能だ
![画像集#061のサムネイル/本当は怖い乙女ゲームの話。最終章の公開迫る「ウーユリーフの処方箋」プレイレポート](/games/476/G047639/20200415002/TN/061.jpg) |
■アトリエ
「アトリエ」では,タップで芸術作品(がらくたアート)を完成させていく。作品の制作過程や,完成時にエネルギーなどの報酬が獲得できる
![画像集#068のサムネイル/本当は怖い乙女ゲームの話。最終章の公開迫る「ウーユリーフの処方箋」プレイレポート](/games/476/G047639/20200415002/TN/068.jpg) |
また,
「ガチャ」からはキャラクターのパラメータを上げられる
「トレーニングボード」が入手できる。トレーニングボードは,レアリティが高いものほど育成後の総合ステータスが高くなるほか,ボードによってはミニストーリーやスチルが開放される。加えて,アトリエで楽に“がらくたアート”を完成できるらしい。
■ガチャ
「ガチャ」は,ガチャチケットまたはジュエルを消費してチャレンジできる
![画像集#072のサムネイル/本当は怖い乙女ゲームの話。最終章の公開迫る「ウーユリーフの処方箋」プレイレポート](/games/476/G047639/20200415002/TN/072.jpg) |
■キャラクターボード
各トレーニングボードを最大まで育成すると「MAXボーナス」が付く。MAXボーナスで得られたボーナスパラメータ値は,該当キャラクターに常時適用される
![画像集#070のサムネイル/本当は怖い乙女ゲームの話。最終章の公開迫る「ウーユリーフの処方箋」プレイレポート](/games/476/G047639/20200415002/TN/070.jpg) |
ただ単純に本編を進めたいなら,「調査」だけでも十分だろう。そのほかのミニストーリーや友情ストーリーなどで,登場人物たちの魅力を知りたい場合は,「廃墟」「アトリエ」などを積極的にプレイするといい。
「ウーユリーフの処方箋」の本編ストーリーは,最終章となるSTAGE7が4月28日に公開される予定だ。マツリたちはこの世界で,どのような結末を辿るのだろうか。本編のほか,「特別ストーリー」や「ギャラリー」などまだ未開放のコンテンツもあるので,今後の更新を楽しみに待ちたい。
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[2020/04/13 11:30]