インタビュー
[G-Star 2019]「紅の砂漠」開発者インタビュー。Pearl Abyssが次期フラグシップMMORPGで目指すビジョンを聞いた
また,会期中に開催されたPearl Abyssのカンファレンスでは,発表された4作品のうち3作品がPCも視野に入れており,PCのコアゲーマーにも同社の存在感を大きくアピールしていた。
[G-Star 2019]Pearl AbyssがG-Starに初出展し,新作の4タイトルを一挙発表。次期フラッグシップRPGは「紅の砂漠」
Pearl Abyssは本日,韓国・釜山で開幕したG-Star 2019で,発表会「Pearl Abyss Connect 2019」を開催。次期フラッグシップRPGの「紅の砂漠」をはじめとする,4タイトルを発表した。各タイトルのトレイラーも公開されているので,現地レポートとともにお届けしよう。
[G-Star 2019]バトルロイヤルゲームとアクションRPGの融合。新たなジャンルの到来を感じさせる「シャドウアリーナ」のプレイレポート
韓国で開催されているG-Star 2019のPearl Abyssブースに,新作「シャドウアリーナ」がプレイアブル出展されている。「黒い砂漠」から派生したバトルロイヤルゲームで,そのプレイフィールは新鮮の一言。新たなジャンルの誕生を感じさせる本作のプレイレポートをお届けしよう。
[G-Star 2019]「EVE Online」日本語版のリスタートの可能性は? CCP GamesとPearl Abyss日本支社のトップに聞いてみた
CCP GamesのMMORPG「EVE Online」が,韓国のゲームショウ「G-Star 2019」に出展された。CCP GamesはPearl Abyssの傘下に入っており,このタイミングで韓国語版の正式サービスを迎えたのだ。今回はCCP GamesのCEOに,EVE Online日本語版のリスタートの可能性を含む,さまざまな話を聞いてみた。
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今回は,カンファレンスで発表された4タイトルのうち,同社の次期フラッグシップと銘打たれている「紅の砂漠」(英語名:Crimson Desert)の開発者インタビューをお届けする。開発の経緯や,トレイラーから想像できる世界観,そしてプラットフォーム展開に対する考え方など,さまざまな話を聞いたので,ぜひ一読してほしい。
トレイラーではCGドラマ級のグラフィックスを実現
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
ファンギョンさんが「紅の砂漠」にどのように関わっているか,あらためて自己紹介をお願いします。
ファンギョン氏:
こんにちは,ファンギョンです。私は開発作業の進行管理をはじめ,「紅の砂漠」におけるさまざまな業務を担当しています。一言でいうと総括プロデューサーですね。
4Gamer:
先日の発表会で,「紅の砂漠」が正式にお披露目されました。これまで手がけてきたタイトルをようやく発表できたわけですが,感想はいかがですか。
カンファレンスで登壇したときはものすごく緊張しました。そして,発表後の反響に興奮しています。手応えは十分に感じていますが,リリースに向けてにやるべき作業はまだまだ多く,今のテンションを維持して取り組みたいと思っています。
4Gamer:
トレイラーを拝見しましたが,単純に“リアリティがある”と一言では済ませられないくらいにクオリティが高いと思いました。このグラフィックスや世界観のコンセプトについてお聞かせください。
ファンギョン氏:
世界観ですが,一般的なオンラインRPGは,ファンタジー,すなわち空想の世界を舞台としています。空想の世界なので,何かトラブルなどが起こっても,とりあえず魔法で解決してしまうようなことも多いのですが,「紅の砂漠」の世界は,より現実に近づけることを目標にしています。
4Gamer:
これまでのオンラインRPGにおけるグラフィックスは,基本的に「キレイさ」を追究していたと思います。しかし今回のトレイラーを拝見して,もはやキレイさを通り越し,ゴア表現にも近い「生々しさ」をあえて描写する時代に突入したのかなと感じました。極端な話かもしれませんが,Pearl AbyssはCGドラマの製作会社にもなれるのではないかとも感じています。
ファンギョン氏:
そう言っていただだけて嬉しいですね。ありがとうございます。
グラフィックスやアートは独自に制作しており,物語の流れに関しては,一般的なファンタジーRPGなどのゲーム作品より「ゲーム・オブ・スローンズ」や「ロード・オブ・ザ・リング」などの作品を参考にしています。
「傭兵団」を率いるMMORPGのプレイスタイルとは
4Gamer:
今回のトレイラーでは,主人公の「マックダーフ」と彼の傭兵団がフィーチャーされています。彼らは実際のゲーム内で,どのように関わってくるのでしょうか。
ファンギョン氏:
プレイヤーは実際にマックダーフの傭兵団を操作できます。また,MMORPGである本作は,ほかのプレイヤーも同様に傭兵団を持っているので,お互いがさまざまな形で関わることになります。
4Gamer:
傭兵団ということは,つまり,複数人で構成されるわけですよね。ゲーム中は,主人公1人を操作するのですか。それとも,傭兵団に所属する複数のキャラをまとめて操作するのでしょうか。
ファンギョン氏:
どちらも可能です。挑戦するゲーム内コンテンツに応じて,1人で出撃してもいいし,あるいは傭兵団を率いての出撃もできます。
4Gamer:
そのあたりのシステムについて,詳しく教えていただけますか。
ファンギョン氏:
まだあまり詳しくは申し上げられないのですが,そうですね……。
たとえばですが,野生動物の狩りを行うミッションに挑戦する場合,大勢だと獲物に気付かれやすいですよね。なので,隠密行動に適した少人数で挑戦するべきでしょう。
想像が膨らみますね……!
ちなみに,マックダーフのような個別のストーリーを持ったキャラクターは,ゲーム内でほかにも登場するのでしょうか。
ファンギョン氏:
まず,「紅の砂漠」におけるメインストーリーの大きな流れがあります。そのなかでいくつもの長編シナリオがあり,それぞれでマックダーフのような主要人物が,何人もフィーチャーされているイメージですね。
主人公によってゲーム内の舞台も大きく変化します。トレイラーで描かれていたマックダーフの舞台は陰鬱としていましたが,そのほかにも砂漠や雪原など,さまざまな舞台で冒険を繰り広げられます。
4Gamer:
「黒い砂漠」(PC / PS4)は強力なカスタマイズ機能がありますが,これは「紅の砂漠」にも搭載されるのでしょうか。仮にそうだとすると,プレイヤーがカスタマイズしたキャラクターが,マックダーフの外見と置き換わる形でプレイするのですか。
ファンギョン氏:
もちろん,「紅の砂漠」にもプレイヤーキャラのカスタマイズ機能が用意されています。ですが,そのキャラクターがゲーム内にどのように反映されるのかは,すみませんが今はまだ申し上げられません。
Pearl Abyssのプラットフォーム展開に対する考え方
4Gamer:
現在の韓国ではスマートフォン向けアプリが主流で,その印象はG-Star 2019を取材しても変わりませんでした。そういったなか,「紅の砂漠」がPCやコンシューマ機向けに作られているのが印象に残っています。どのような経緯で対応プラットフォームを判断しているのでしょうか。
ファンギョン氏:
一言でいうと“ゲーム体験”ですね。
どのプラットフォームを選べば,「紅の砂漠」のコンセプトに最も近づくことができ,そしてゲーム体験を味わえるのかを最優先で考えています。その結果,「紅の砂漠」はPCやコンシューマ機がベストだと判断しました。
4Gamer:
近年のG-Starを取材していてもスマホ向けアプリばかりで,その理由は分かるものの,コアプレイヤーにとっては物足りなさがあったと思うんです。次世代のMMORPGかつハイエンドの作品である「紅の砂漠」が,PCやコンシューマ機向けに作られていることで,多くのコアゲーマーが喜んだのではないでしょうか。
ファンギョン氏:
私自身がPCのコアゲーマーなので,そういった気持ちはとても共感できます。
でも,べつにPCに固執しているわけでもないんですよ。先ほども申し上げたとおり,ゲームプレイで得られる体験を最も優先した結果ですので。言い換えると,目的とするゲーム体験を実現できるのであれば,そのほかのプラットフォームに展開する可能性もあります。
4Gamer:
「黒い砂漠」のように,PC版のあとにスマートフォン版が展開される可能性はゼロではないということでしょうか。
そういうことですね。
逆に,「紅の砂漠」におけるゲーム体験の一部を削らねばならないのであれば,スマートフォン版を出したくはありません。ここは開発会社として,また総括プロデューサーとしても譲れない部分です。
4Gamer:
「紅の砂漠」はPearl Abyssにとって,次世代を代表するタイトルになることが予想されます。総括プロデューサーとしてのプレッシャーなどは感じていますか。
ええ,それはもう本当に!(笑)。
「黒い砂漠」が登場したときは,当時のオンラインゲーム業界に大きなインパクトを与えましたが,それと同様のことを行うのが,私にとっての課題ですから。しかも「黒い砂漠」が登場した頃と比べて,あらゆる水準が高まっていますからね。
ですが,これはネガティブな意味でのプレッシャーではありません。Pearl Abyssの信頼できる開発スタッフとともに,この高い目標に向かって,引き続き開発作業を進めたいと思います。
4Gamer:
期待しています。
本日はありがとうございました。
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