企画記事
「スプラトゥーン3」は“混沌”から生まれたのではなイカ!? これまでの情報をまとめてお届けする「スプラトゥーン3」をより一層楽しむための短期連載:最終回
「Nintendo Direct 2021.2.18」での初報(関連記事)からこれまでの情報を整理していると「『スプラトゥーン3』は“混沌”から生まれたのではなイカ!?」という思いがあふれてくる。
今回は過去2回の連載も踏まえたうえで各要素の紹介や変化した点の説明をしているので,初回と2回目を読んでいない人はこちらにも目を通してもらえると幸いだ。
※2022年8月17日時点で発表されていた情報をまとめたもの
「スプラトゥーン3」公式サイト
「スプラトゥーン3」をより一層楽しむための短期連載:第1回。根底にあるゲームの面白さに触れ,“イカ”にして人気シリーズになったのかを考える
2022年9月9日に発売される「スプラトゥーン3」をより一層楽しむべく,シリーズを振り返ったり新作情報をまとめたりする全3回の短期連載企画をお送りしよう。初回は「スプラトゥーンは“イカ”にして人気シリーズになったのか」を,根底にあるゲームの面白さに触れながらお届けしよう。
スプラトゥーンシリーズは“イカ”にして遊びやすさを保ちながら進化したのか。「スプラトゥーン3」をより一層楽しむための短期連載:第2回
9月9日発売の「スプラトゥーン3」をより一層楽しむための短期連載企画,2回目のテーマは「スプラトゥーンシリーズは“イカ”にして遊びやすさを保ちながら進化したのか」についてを見ていく。1作目で生まれた遊びが2作目ではどうなったのか。世界観設定やストーリーの奥深さの紹介とともにお届けしよう。
世界観とゲームの舞台を知り,イカたちの歴史や“今”に触れる
本作「スプラトゥーン3」の舞台となるのは,バンカラ地方の中心であるバンカラ街。ハイカラスクエアから遠く離れた場所にある古くからの人口密集地で,「スプラトゥーン2」のファイナルフェス以降,急速な発展を遂げた街だという。古い時代と新しい時代の建造物がひしめき合うように立ち並ぶバンカラ街は,混沌の街とも呼ばれているようだ。
バンカラ地方は,焼けつくような日差しと厳しい自然環境の影響により,これまでの作品の部隊だったハイカラ地方とは異なる独自の文化「バンカラ文化」が形成されている。ここで生まれた新しい価値観が,流行に敏感なイカたちの注目を集めているようだ。若者たちの流行は変わらず「ナワバリバトル」だが,市街地が限られているバンカラ地方では,街の施設や建物だけではなく大自然もバトルの舞台になっている。
そんな街にやってきたプレイヤーの分身となるイカ(&タコ)は,過去作品よりもさらにこだわってキャラクターメイクができるようだ。髪型だけでなく眉の形も選べるようになり,目の色も3色で構成可能に。より自分の好みを反映したマイイカ/マイタコで,スプラトゥーンライフを送れるわけだ。
これまでの作品の舞台だったハイカラ地方と同じく,バンカラ地方の各地にも,その土地や建築物を活用したナワバリバトルのスポットがあるようだ。街の中心部にある「ゴンズイ地区」や大自然に囲まれた「ユノハナ大渓谷」など5つのステージが用意されている。
工業地帯にある「ナメロウ金属」。かつては海だったらしく,そこに残された船を中心に解体業者が集まり発展したという歴史がある |
「マテガイ放水路」。バンカラ街の地下深くにある,いまは使用されていない巨大な放水路を改装したステージだ |
遠く離れたハイカラ地方でのナワバリバトルも楽しめる。初代「スプラトゥーン」のころは建設中だったマサバ海峡大橋が完成したことで交通網が発達し,この時代のイカたちは気軽に各地を行き来できるようになっているのだ。
ということで「スプラトゥーン3」では,ハイカラ地方のステージとして過去作品のリニューアル版が登場する。初代「スプラトゥーン」からは「マサバ海峡大橋」「キンメダイ美術館」「マヒマヒリゾート&スパ」の3種類,「スプラトゥーン2」からは「海女美術大学」「チョウザメ造船」「ザトウマーケット」「スメーシーワールド」の4種類で,これに新規ステージ5種類を加えた全12種のステージがリリース直後から遊べるのだ。なおステージは,発売後のアップデートでも追加される予定とのこと。
海女美術大学 |
チョウザメ造船 |
ザトウマーケット |
スメーシーワールド |
あのブキのリメイク版も。新たな戦いの形を生むブキの数々
インクを塗り広げてナワバリ(陣地)や道を作り,撃ち合いを制して相手を倒す。そんなバトルにおいて必要不可欠なものがブキの数々だ。
「メインウェポン」は,「シューター」や「チャージャー」,「ローラー」といった過去作品でおなじみのブキタイプがすべて登場し,さらに「ストリンガー」と「ワイパー」が新たに追加される。
ストリンガーは弓のような形状のブキタイプ。弦を引き絞り,それを離すことで複数のインクを同時に放つブキで,引き絞り加減によってショットの質も変化するようだ。そのひとつ「トライストリンガー」は,地上で撃てば横,ジャンプして撃てば縦に,3方向のインクを発射するというもので,フルチャージすることで着弾点で破裂するインクを射出できる。
ワイパーは,剣のように振って使うブキタイプだ。ワイパーのひとつで,自動車のワイパーにそっくりな「ドライブワイパー」は,振ったときの遠心力で“鋭いインクの刃”を真っ直ぐ飛ばすことができ,さらにチャージすることで強力な一撃を放てる。
距離を取った場所からインクの刃を放つだけではなく,チャージキープでインクの中に潜伏し,ここぞというタイミングで接近戦を仕掛けるといった戦い方もできるかもしれない。
シューター(スプラシューター) |
ローラー(スプラローラー) |
チャージャー(スプラチャージャー) |
スピナー(ハイドラント) |
ブラスター(ホットブラスター) |
フデ(ホクサイ) |
スロッシャー(バケットスロッシャー) |
シェルター(パラシェルター) |
マニューバー(スプラマニューバー) |
「サブウェポン」も,「カーリングボム」や「ジャンプビーコン」,「スプリンクラー」といった,基本的にこれまでの作品に登場したおなじみのものがラインナップされている。
新たに登場するのが,狙った方向に真っ直ぐインクを飛ばし,遠くまで攻撃できる「ラインマーカー」。通過した場所にはしばらくの間ラインが残り,そのラインに触れた相手をマーキングできるという特徴がある。放った方向に障害物や壁がある場合は,反射してインクが飛んでいく方向が変化するので,狭い通路を狙って放つことでその一帯を通過しにくくするといった守備的な使い方ができそうだ。
カーリングボム |
キューバンボム |
クイックボム |
スプラッシュボム |
ロボットボム |
タンサンボム |
ジャンプビーコン |
トーピード |
ポイズンミスト |
トラップ |
ポイントセンサー |
スプリンクラー |
スプラッシュシールド |
ラインナップがガラリと変わるのが「スペシャルウェポン」。いくつかは前作から引き続き登場するが,現在明かされているものの半分以上が新規のものだ。
カニ型の多脚戦車に乗り込む「カニタンク」に,相手の攻撃を吸引しそれを反撃弾として射出する「キューインキ」,長く伸びて壁に貼り付く触腕でステージを縦横無尽に飛び回る「ショクワンダー」が登場。直近の大型発表となったスプラトゥーン3 Directでも「サメライド」「ホップソナー」「エナジースタンド」の3種類が新たに公開されている。
カニタンクは,左右のカニ歩きと転がっての素早い移動,連射力のあるショットと攻撃範囲の広いカノン砲という2種類の動きと攻撃方法がある |
相手のインクを吸い込んだ分だけ反撃の一撃も大きくなるというキューインキ。相手を倒すことだけではなく,塗りを広げる使い方もできそう |
「サメライド」は,一気に突進して移動し,止まった場所で爆発して広範囲にインクをまき散らす |
周囲にウェーブを放ち,範囲内の敵をマーキングしたりダメージを与えたりできる「ホップソナー」 |
そして,シリーズファンなら見逃せないのが,1作目に登場した「トルネード」「バリア」「メガホンレーザー」「スーパーショット」の改造品(リメイク版)らしきスペシャルウェポンだろう。
竜巻を発生させるミサイルを放つトルネードは,1発ではなく3発同時に打ち上げる「トリプルトルネード」となって新たに登場。バリアはプレイヤーのまわりを包むものから,設置式の大きな「グレートバリア」となり,メガホンレーザーは,1つの大きなメガホンから浮遊する6基の小型メガホンで相手を追尾攻撃する「メガホンレーザー5.1ch」になった。
そして,初代「スプラトゥーン」の象徴とも言えるスーパーショットの改造版であろう「ウルトラショット」。スーパーショットは螺旋を描くショットを一発放つものだったが,ウルトラショットは3つのショットを同時射出するという。さらにそれが3回分カートリッジされているというのだ。スーパーショットに衝撃を受けた歴戦のプレイヤーたちであれば,なにより注目したいポイントだろう。
前作から引き続き登場するスペシャルウェポンで現在分かっているのは,「マルチミサイル」や「アメフラシ」などの5種類。それらの性能の調整も気になるところだ。
マルチミサイル |
アメフラシ |
ジェットパック |
ウルトラハンコ |
ナイスダマ |
連載の2回目でも触れていたように,これまでのスペシャルウェポンは初代「スプラトゥーン」が“相手を倒す強力な攻撃方法”で,「スプラトゥーン2」は相手を倒すより“動かしたり,けん制したりする”方法として機能するものとなっていた。“倒すもの”の代表格だった初代「スプラトゥーン」のメガホンレーザーやスーパーショットが改造版で復活することで,「スプラトゥーン3」のナワバリバトルはどう変化するのだろうか。
さまざまなルールで楽しむバトル。PvEで怪しいバイトに挑み,シングルプレイで世界観の深さを知る
基本の遊び方である「ナワバリバトル」は,4 vs 4でインクを塗った面積で勝敗を決めるという基本のルールはそのままに,バンカラ地方ならではの文化やトレンドが反映された新要素や変化した点が盛りだくさんだ。
まずは,空中からバトルをスタートする「イカスポーン」。エスプレッソマシンのような見た目の空飛ぶ機械に乗り,空からステージを見下ろしながらスタート地点の範囲で狙いを定めると,「GO!」の合図とともにものすごい勢いで指定した着地点に向かって射出される。ステージの形状や仲間との連携を考えて着地する場所をを決めることで,良いスタートを切ることができそうだ。
大きな変化を与えてくれそうなのが,「イカロール」と「イカノボリ」という2つの新アクションだ。イカロールは,地面や壁から回転しながら飛び出す動きで,回転中はほんの少し相手の攻撃を防ぐことができるということで,相手との距離を詰めたいときや,撃ち合いになったときにフェイントなどに生かせそうである。
イカノボリは,インクで塗られた壁を勢いよく登る動きで,登りきったところで高く飛び上がるため,有利な高台を素早くキープしたいときはもちろん,高台にいる相手に奇襲を仕掛けるときにも使えそうだ。
ガチマッチは,「バンカラマッチ」と名前を変えてリニューアル。「スプラトゥーン2」に引き続き,ルールは「ガチエリア」「ガチヤグラ」「ガチホコバトル」「ガチアサリ」の4つだが,ルールごとのウデマエゲージではなく,共通の「ウデマエポイント」を稼ぐことでウデマエが上がっていく仕組みとなった。
バンカラマッチには,「チャレンジ」と「オープン」という2つの部門(スタイル)がある。
1人で参加し,ランダムで選ばれたメンバーと即席のチームで挑む「チャレンジ」は,5勝するか3敗するまで続くスタイルだ。連戦終了後に戦った分のウデマエポイントが手に入るため,自身の腕前次第では一気にポイントを稼げる。「オープン」は1試合ごとに勝敗の結果でウデマエポイントが増減するシンプルなスタイルで,2人〜4人のフレンドとのチームで参加することも可能だ。
ウデマエが上がるといった節目のタイミングでは,ウデマエポイントを消費して「昇格戦」に挑むことになる。昇格戦はチャレンジのみで,3敗する前に3勝できれば昇格成功だ。ウデマエポイントを溜めるまでは仲間の力を借りることができるが,昇格を狙うには自分自身の力量が求められる,なかなか“ガチ”な制度である。
注目したいのが「勝ち続けるだけではなく,バトルで活躍して『表彰』を獲得することでも,たくさんウデマエポイントを稼げる」という仕組みだ。
腕前だけではなく“運”でも勝敗が左右されることがあるバトルでは,どれだけ目覚ましい戦いぶりを見せても負けてしまうということもよくあること。しかしその活躍が少しでもウデマエポイントの獲得数に反映されるというのであれば,負けたあともすぐに気持ちを切り替えて次のバトルに挑めそうだ。
PvE「サーモンラン」は「クマサン商会」が若者たちにあっせんしている“キケンであやしいバイト”で,スプラトゥーン世界のちょっとブラック(?)な部分にも触れられるモードだ。「スプラトゥーン3」では「サーモンラン NEXT WAVE」という名前になって登場する。
最大4人でチームを組んでバイトに参加し,制限時間内に指定されたノルマの達成を目指すという基本の部分は変わらない。ステージの周囲を囲む海から押し寄せるシャケを倒し,新種も多数見つかっている強敵オオモノシャケから金イクラを手に入れ,それを納品するのだ。金イクラを飛ばして仲間にパスしたり納品したりできる新アクション「イクラ投げ」を活用すれば,より効率よく金イクラを集められそうだ。
さらに「オカシラシャケ」という強大な敵が,バイトの終了間際に“たま〜に”現れるという。これを撃退するには,金イクラを武器として扱う「イクラキャノン」の扱いが重要となるだろう。さらに今後予定されているアップデートでは,シャケがイカたちの住む街まで襲来してくる「ビッグラン」が追加されるという。通常より危険を伴うが,そのぶんイクラ大量収穫のチャンスにもなるとのことだ。
そして,イカたちの新たな物語を描くシングルプレイ要素の「ヒーローモード」。「スプラトゥーン3」の同モードのテーマは「Return of the Mammalians(哺乳類の帰還)」。2匹の猫(1匹は訳アリだが)を除いて地上から哺乳類が消えた世界のはずだが……とても期待が高まるテーマだ。
主人公は,相棒のコジャケと共にジャンクを探しながら日銭を稼ぎ,ナワバリバトルに興じる日々を過ごすバンカラ街の若者だ。ある日,人知れず悪いタコ軍団「オクタリアン」に立ち向かう「New!カラストンビ部隊」と出会い,隊員「3号」に任命されることで物語は動き出すようだ。
舞台となるのは「オルタナ」と呼ばれる謎の空間。ビル群や自動車,モアイ像,ロケットの発射台といった,かつてこの世界に存在していた人類の遺産と思しきものが残っている。オルタナでは,オクタリアンのタコトルーパーなどが敵として3号を待ち受けているのだが,なにか様子がおかしい。なんと毛が生えてモフモフしているのだ。
オルタナには「ケバインク」という謎の物質があり,イカはこれに触れると全身に毛が生えて自我を失ってしまうらしい。相棒のコジャケはケバインクを食べて除去することができるようで,プレイヤーはコジャケのサポートを受けながらそういった場目に対処し,ゲームを進めていくことになりそうだ。
オルタナとは一体どのような空間なのか。毛の生えたオクタリアンたちもまた,ケバインクに触れて変異してしまったのだろうか……このあたりの謎は,物語を進めながら「ミステリーファイル」を集めることで明らかになっていく。世界観設定や物語の深さより理解できるだけではなく操作の練習にもなるので,ナワバリバトルと合わせてこちらも楽しみつつ腕前を鍛えるといいだろう。
3つの勢力が大乱戦!? 定番のイベント「フェス」は混沌に満ちたものに
「スプラトゥーン」シリーズでは欠かせないビッグイベント「フェス」の勢力は,なんと2つではなく3つに。その3勢力がステージでも三つどもえで大乱戦を繰り広げる。
全体の流れは前半の「ヨビ祭」と後半の「本祭」の2部構成となり,ヨビ祭では従来どおりの4 vs 4での「ナワバリバトル」が行われるが,本祭が始まるとそれに3つの勢力が同じステージに集う「トリカラバトル」が加わるのである。
トリカラバトルは,ヨビ祭で1位の勢力から4人,2位と3位の勢力から2人ずつ参加し,“2 vs 4 vs 2”でバトルをする新ルールだ。1位だった勢力はステージ中央,2位と3位は1位の勢力を挟み撃ちにする形でバトル開始。制限時間は3分間で,1位の勢力は「スーパーシグナル」を守りながらナワバリを広げること,2位と3位の勢力は「スーパーシグナル」を奪い,防衛チームの勝利を阻止することが目的となる。
バンカラの街が,祇園祭とリオのカーニバルとミュージックフェスがいっぺんにやってきたかのような大賑わいとなるフェスは,バンカラマッチと同じくチャレンジとオープンという2種類の参加方法があるので,フレンドとともに祭を楽しめる。
詳しいルールはまだ不明だが,2位と3位の勢力が手を組んで1位を中央から追い出したあと,2位と3位の勢力が「スーパーシグナル」の奪い合いを始め,その争いの間に1位の勢力がリスポーンして態勢を立て直して……という,混沌に満ちた展開が楽しめそうだ。
そんなフェスを取り仕切るのが,サメ使いの後継者フウカ,ウツボ使いの一族ウツホ,古式舞踊の当主マンタローによるユニット「すりみ連合」だ。そう,フェスが3勢力というところもあって,ユニットの人数も3人である。なお,すりみ連合は,ニュース番組「バンカラジオ」のパーソナリティやMC役としても活躍する。
バンカラ街の神事に関わる名家の出身で,先祖代々伝わる秘術を体得しているという,“地元じゃ負け知らずのヤンチャな悪童3人組”であるすりみ連合。“すりみ”というワードからは,「スプラトゥーン2」のDLC「オクト・エキスパンション」に登場したネル社が思い浮かぶが,そのあたりの関係性も気になるところだ。
“街でできること”やカスタマイズ,その他の遊びや機能
ここからは,街でできることやカスタマイズ要素,その他のモードをいくつか紹介したい。
まずは,街でできることから。装備としてはもちろん,街歩きを楽しむうえでも充実させたいファッションアイテムでもあるギア。街のショップで購入できるギアは,新作はもちろんこれまでの作品に登場した人気のアイテムや定番のものも登場する。フク,アタマ,クツの3種類のギアを,新旧織り交ぜてどうコーディネートするのか考えるのは楽しそうだ。街中を歩いているイカたちや一緒に遊んだプレイヤーのギアをチェックし,気になるものがあれば街のショップに足を運んだり注文したりしてゲットしよう。
“バトル時の装備”としてのギアには,イカロールやイカノボリの性能を強化する「アクション強化」,相手のサブウェポンの影響を軽減する「サブ影響軽減」という2種類のギアパワーが新たに追加された。
スロットに装着する「追加ギアパワー」だけでなく,ギア自体がもともと持っている「基本ギアパワー」も付け替えられるようになったことで,お気に入りのデザインのギアで“装備としての能力”も自分好みにできるというところは,ファッション好きのプレイヤーにはたまらないものがある。
街でできることの中でも重要なのがブキの入手だろう。ブキの購入には,おカネの代わりに「ブキチライセンス」が必要になる。ブキチライセンスはランクアップで手に入るほか,ブキを使い込んでじゅくれん度を上げることでも入手できる。
メインウェポンの基本形に当たるブキはすべて発売日の時点で揃っているので,使い慣れたブキがある人はすぐにショップで購入したいところ。過去作からあるブキでもサブウェポンやスペシャルウェポンの組み合わせが変わっているので,入手したらさっそく新たな戦術を考えてみるといいだろう。
バトルを楽しむうえでもありがたいものとなりそうなのが「さんぽ案内所」。いつでも好きなステージを選んで歩き回ることができるというもので,どんな形状のステージかチェックしたり,予習や復習に活用したりできそうだ。
ほかにも,経験値UPなどの効果があるメニューが並ぶ売店や,ローカル通信で仲間と遊ぶ「イカッチャ」,記念写真や自撮りを楽しめる撮影モード,後述するロッカールームやミニゲームなど,街でできることはもりだくさん。バトルを楽しみつつ,バンカラ街での生活もエンジョイしよう。
スプラトゥーンの“名物”である手書きイラスト。赤いポストで投稿でき,街やステージのいたるところで展示される |
すりみ連合より届けられる最新ニュースは,街歩きを楽しみながら“ながら聴き”で確認することが可能だ |
続いて新たなカスタマイズ要素。自分好みにカスタマイズできるのはキャラクターメイクやギアだけではない。バトル開始時などに表示される「ネームプレート」も,自分の個性を主張できるこだわりポイントだ。
ナワバリバトルなどをプレイすることで,使えるワードやデザインが増え,ワードを使って二つ名(異名,通り名)を決め,それをプレート本体やバッジと組み合わせることで唯一無二のネームプレートが制作できる。
バンカラ街のロビーにあるロッカールームでは,ランクが一定以上になると自分のロッカーが手に入る。ここではお気に入りのブキやギア,グッズなどを好きに並べてそれを披露できるので,ここでも自分のスタイルを街のイカたちに発信することが可能だ。
さらに,バトルに勝ったときのエモート(感情表現)も変更できるようになっているので,これも自分らしいものに設定すれば,これまでの作品以上に“自分自身の分身としてのイカ”を作り上げられるだろう。
その他の遊びや機能として紹介しておきたいのが,ミニゲームとして登場する「陣取対戦ナワバトラー」なるデッキ構築型対戦パズルゲーム。ゲームの内容は,カードごとに決まった形のナワバリを確保しつつ,最終的なナワバリの広さで勝負を決めるというもの。各カードには塗りブロックが設定されており,ターン制でカードを出し合ってマス目を塗っていく。カードは150種類以上あるとのことで,組み合わせ次第でさまざまな戦い方が生まれそうだ。瞬発力や操作テクニックに左右されない,純粋に思考力で勝負できるこのミニゲームは,ナワバリバトルとはまた違った盛り上がりを見せてくれそうだ。
ほかにも,「これは重宝しそうだ」という機能に「メモリープレイヤー」というものがある。
一度行ったバトルを“ある程度”再生し,バトルの振り返りができるというもので,自分自身の腕を磨くうえで欠かせないものとなりそう。ほかのプレイヤー視点でバトルを再確認できるので,うまくいった自分のプレイをもう一度見るのはもちろん,逆にトコトンやられたバトルを相手視点でチェックし,上達するための課題を見つけるという使い方もできそうだ。
「スプラトゥーン3」の“混沌”は,「スプラトゥーン2」ファイナルフェスの結果で生まれたのか?
大ボリュームでお届けした「スプラトゥーン3」の情報まとめだが,取りあげたもののさらなる詳細や,まだ伝えられていない部分などはいくつかある。それらは公式サイト内の特設ページ「イカ研究所極秘レポート」(リンク)に詳しく記載されているので,こちらをチェックしておくといいだろう。
また,ギアやステージといった新要素の追加を行うアップデートは,発売から2年間行われる予定で,カスタマイズ用のグッズ,季節のギアといったアイテムや新しいエモートなどは,「カタログ」という形で3か月に1度配信されるとのこと。リリース後もそれらの情報は見逃さないようにしたい。
そろそろこの連載も終盤だが,「スプラトゥーン2」を遊んでいたプレイヤーの皆さんは,2019年7月に開催された「ファイナルフェス」のことを覚えているだろうか。
「スプラトゥーン2」のフェスを締めくくるものとして開催されたそのお題は「どっちの世界を望む? 混沌vs秩序」。過去のフェスで登場したミステリーゾーン(フェス用の特別なステージ)がすべて登場し,イイダボムやセンパイキャノンまでが投入された最終局面「DEAR SENPAI」での激戦の末,「混沌」勢力が勝利を収めた。
この「スプラトゥーン2」のファイナルフェスの結果が,どこまで「スプラトゥーン3」の世界観やゲームシステムの方向性に影響を与えたのかは分からない。しかし,このようにあらためて情報をまとめてみると,「スプラトゥーンは,混沌の勝利によって生まれたものではないか?」と思わずにはいられないものばかりだ。
ゲームの舞台となる“混沌の街”に,これまで以上にさまざまな種類のブキを使って戦うナワバリバトル,カオスな雰囲気溢れる三つどもえのフェス。それらをプレイヤーそれぞれの遊び方で楽しめる自由さも“混沌”を感じさせる部分かもしれない。実際どのようなゲームになっているのだろうか。まずは8月28日に実施される「スプラトゥーン3前夜祭」に参加し,その世界を体験してみるのがよさそうだ。
「スプラトゥーン3 Direct」最新情報まとめ。先行体験イベント“前夜祭”は8月28日開催。3つの陣営に分かれてバトルする新たな“フェスマッチ”に
任天堂は,「スプラトゥーン3」の先行試遊イベントとなる「前夜祭」を8月28日9:00〜21:00に実施すると発表した。じゃんけんの「グー vs パー vs チョキ」をお題に,オンラインイベント「フェス」新要素である“3つの陣営”に分かれてバトルできるようだ。※2022年8月10日0:28,前夜祭の内容と配信で発表された情報を追記
1回目は「スプラトゥーン」のシオカラーズ,2回目は「スプラトゥーン2」のテンタクルズで締めてきたこの短期連載も今回が最終回。まだすりみ連合がどのような決めゼリフを持っているか分からないが,フウカとウツホがスプラトゥーン3 Directの最後に言っていた「ほなカイサン!!!」でサヨナラにしよう。
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