インタビュー
東宝が令和のゲーム事業に参入。怪獣王「ゴジラ」スマホゲーム3作品をひっさげて現れた,キーマンたちにインタビュー
この3作品のために東宝が立ち上げたTOHO Gamesは,ゴジラゲームのパブリッシングを主とする新規事業だ。過去の数々のゴジラゲームは,外部へのライセンス委託を中心に送り出してきた東宝だが,今年はついに「自らでゲーム制作・運営する」ことに踏み込んだ。
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2021年,ゴジラがスマホゲーム界を震撼させる――そんな意気込みを抱く東宝のゲーム事業「TOHO Games」より,「ゴジラ バトルライン」をはじめスマホゲーム3作品が送り出される。コングとともにやってくる大怪獣前線,しかと見よ。
3作品は2021年3月から順次配信され,タイミング的には海外で記録的な初動をたたき出した映画「ゴジラvsコング」にあわせての展開であった。日本公開については昨今の時勢もあって延期(※)となってしまったが,おあずけされた映画に向けての盛り上げ役を担っている形だ。
※映画「ゴジラvsコング」は当初,2021年5月14日に日本全国の映画館で封切りされる予定であったが,新型コロナウィルスの感染状況に鑑みて本日7月2日に公開となった。制作はワーナー・ブラザースとレジェンダリー・ピクチャーズ。日本での配給は東宝
4月配信の「ゴジラ デストラクション」(通称ゴジデス)は,ゴジラが怪獣と戦いながら街を破壊していく1人用アクション。
6月配信の「ゴジラ バトルライン」(通称ゴジバト)は,怪獣たちがぶつかり合う,1試合3分の気軽なリアルタイムストラテジー。
こちらも6月配信の「ラン ゴジラ」(通称ランゴジ)は,1日数回の操作で怪獣たちを育てつつ“かけっこ”で競う放置育成レース。
同作だけは,Google主催のゲームコンテストの入賞者がわずか1人で開発しているという,ユニークな出自も持っている。
とはいえ,戦国時代に突入してから長らくと言えるスマホゲーム界隈に,今から東宝が参入する意図はなんなのか?
今回はそれらの話を聞くべく,ゴジラ関連事業を統括するチーフ・ゴジラ・オフィサーの大田圭二氏をはじめ,各作品のプロデューサーを務めるゴジデス担当の塩入大介氏,ゴジバト担当の大槻林太郎氏,ランゴジ担当の澁澤匡哉氏に会って話を聞いてきた。
「GODZILLA GAME PORTAL」サイト
映画・アニメで培ったノウハウを生かし
マルチメディア展開の“空白”を埋める
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
まずはチーフ・ゴジラ・オフィサーの大田さんに「東宝がゴジラでスマホゲームに参入する意図」を聞かせてもらえればと思います。
大田圭二氏(以下,大田氏):
はい,よろしくお願いします。
4Gamer:
最初に新ブランドとして立ち上げられました「TOHO Games」について。御社がゲームパブリッシングに参入した理由とはなんでしょう。
大田氏:
東宝は映像関連のマルチビジネスを推進してきました。2012年にはアニメレーベル「TOHO animation」を立ち上げ,アニメ製作レーベルとしては後発でしたが,新海 誠監督のアニメ映画「君の名は。」をはじめ,週刊少年ジャンプ原作のアニメ「ハイキュー!!」「僕のヒーローアカデミア」「呪術廻戦」といった作品に携わることができ,以降もアニメのみならず音楽制作,2.5次元の舞台,国内外のビデオ配信を手がけて,昨今になってようやく力をつけてこられました。
しかし,こうしたビジネスを展開していくなかで,我々が今まで手をつけられていなかった“空白のピース”がありまして。
4Gamer:
それがゲーム事業というわけですね。
たしかに近年は,映像・音楽・舞台・ゲームの結びつきもより強くなってきたことで,ゲームを映像化したり,アニメから音楽展開が行われたりと,マルチメディア化も当たり前になってきましたものね。
大田氏:
ええ。そして本題のゴジラIPについても,日本では2004年公開の「ゴジラ FINAL WARS」から10年もの間,ゴジラの新作映画を公開できてはおりませんでしたが,近年の「シン・ゴジラ」やハリウッド版に合わせて,社内横断組織「ゴジコン」(※)を新たに立ち上げるなどして,映像を主役としつつもさまざまな盛り上げ施策を試みてきました。
そしてこのたび,我々の得意なIPで、その価値をさらに高めるための新たな一手として「直接,ゲーム事業に参入してみよう」と考え,空白を埋めにいったわけです。
※東宝グループ内の横断組織「ゴジラ戦略会議」の通称。部署やグループ間の垣根を越えてメンバーが集められ,ゴジラの今後について話し合う
4Gamer:
挑戦であったTOHO animationの好調,さらにゴジコンの体制構築と成功体験。それがあって,満を持してのゲーム参入になったと。
大田氏:
そのとおりです。TOHO Gamesのゴジラゲームには“映画と映画の間を埋める”という役割があります。近年のゴジラ映画は毎年公開が難しいので,映画のない時期はゲームなどで盛り上げて,皆さんに日常的にゴジラに触れてもらい,身近に感じてもらう。そう考えてのことです。
音楽や舞台,アニメにゲームなど形態こそ多種多様ですが,“お客さまへの届け方はすべて同じだろう”と感じています。ゲームはたしかに初の試みですが,ファンの皆さまに寄り添って,楽しんでもらえるものをお届けする。それ自体は我々が長らくやり続けてきたことです。
4Gamer:
舞台「弱虫ペダル」でも,舞台化は困難と思われた自転車レースを題材としながら,劇作家の西田シャトナー氏を起用し,あらゆるものをパントマイムで表現するという手法で大きな話題を呼びました。
そういった一つ一つの仕事で存在感を増してきた東宝だけに,ゲームについても期待させられる人は少なくないかと思います。
大田氏:
そうだとうれしいですね。舞台やアニメを作るときも,我々は制作会社を持っているわけではありませんが,「どの会社さんにお任せするか」のプロデュースの手腕,お客さまの声の生かし方,作品の魅力を伝えるプロモーションなど,過去に培ってきたノウハウはたくさんあります。ゲームのパブリッシングにも,それらの経験は生きるはずです。
たしかに今までのようにライセンスを貸し出し,外部にゲーム作りを任せれば,手堅い収入は見込めそうです。しかし我々はお客さまの声を直接聞きたいし,自分たちの思いを直接届けたくなった。だから自らで参入するんです。素人考えかもしれませんが,一生懸命やるのみです。
4Gamer:
とはいえ,映像とゲームはやはり異業種です。現場での考え方や常識も,これまでとは違うなにかが求められませんでしたか。
映像にしろゲームにしろ「原作をしっかり再現できないと,ファンから総スカンをくらう」のは同じですよね。とくにゴジラファンは怪獣の細部の違いが分かるほどに目が肥えているので,こだわりが重要です。
そのうえで確実に違っていたのは,やはり“完成”の考え方です。
4Gamer:
完成ですか。具体的には?
大田氏:
例えば,映画というのは“初日偏重主義”と言いますか,新作映画の大半は劇場公開数日の時点で,大体の評判が決まると言われます。
また映画では作品完成に至るまでの制作費も,公開初日に頂点を迎えるように仕掛ける宣伝費も額面は事前に決まっていて,あとから増額することは例外を除いてほぼありません。
4Gamer:
そこのところ,スマホゲームとなると。
大田氏:
ご存じかと思いますが,スマートフォンゲームは「リリース後も完成ではなく,開発費用が追加発生し,評判も大きく変化する」ものなんですよね。言ってしまえば,リリース時点では“未完成”とすら評される。
そこからも新たなコンテンツを提供したり,不具合を修正したりといった開発作業を継続していき,季節ごとのキャンペーンを仕掛けるのはもちろん,宣伝費の投入次第で売り上げもガラッと変わってしまう。結果,お客さまからの評判も運営次第で上下しますから,我々とは1回限りの関係ではなく,LTV(※)の観点で捉えておかなければならないと。
※Life Time Value(ライフタイムバリュー)。顧客生涯価値。ある顧客から生涯的に得られる利益のことを指す
4Gamer:
公開直後がクライマックスな映画とは,大きく違いますよね。
大田氏:
ついでに言うと,映画は内容がいくら面白くなくても,劇場公開後に中身に手を入れることは原則できません。一方でスマートフォンゲームではそれが可能。お客さまの意見・要望にもとづいて修正していけば,面白くないものも面白くなる……可能性はある。
うのみとはいきませんが,そこはすごいなと思うところです。
4Gamer:
サービスのあり方としては対照的ですよね。
ちなみに現在はアニメ「ゴジラ S.P <シンギュラポイント>」の放送,映画「ゴジラvsコング」の日本公開も間近と言えますが,ゲームを出すにあたってのゴジラ市場の空気はいかがでしょうか。
大田氏:
おかげさまで「ゴジラvsコング」は海外で大ヒットしています。2021年3月の封切りからアジア,アメリカ,ヨーロッパの一部で公開されましたが,いずれも反響が大きく,興行収入は初動の時点で前作「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」の世界累計興収を越えております。
4Gamer:
お噂はかねがね。新型コロナウイルス感染症の影響下,しかも一部地域のみでの公開ながら,世界的にものすごい反響と聞いています。
大田氏:
ヨーロッパでは「スペインしか劇場が開いていない」という悪条件にも関わらずでしたからね。中国でも前作比で3割アップですし。
4Gamer:
その勢いの原動力は,どこにあると分析しているのでしょう。
大田氏:
今回の大ヒットは,例年の平時よりも“大きな価値のある反響”だと考えています。前年を例にすると,2020年7月に弊社配給の「今日から俺は!!劇場版」が公開されると,お子さんらがたくさん劇場に足を運んでくれました。つまり“今日俺”は「コロナ禍に劇場というエンタメに人を呼び戻し,その価値を見直させた救世主」だったんです。
4Gamer:
外出もままならない状況になってみて,今まで当たり前のように楽しめていた映画の魅力を,あらためて実感させたと。
大田氏:
「ゴジラvsコング」についても,それと同じことが世界中の劇場で巻き起こっていると分析しています。長らく劇場が閉鎖されていたなか,ようやく開いたはいいが戻らない客足に悩んでいた劇場に「ゴジラvsコング」が現れ,深いことを考えないでいい「怪獣が大迫力でぶつかり合う!」様子を見せつけ,度重なるストレスを解消してくれた。
初動の数字は,ファンの動員だけでは決して表れない数字でしたので,今回が初めて,もしくは久々にゴジラ映画に触れた人のゴジラ観にも強く影響を残せていると思っています。そして単純な数字ではなく,「これまで以上に多くの人にゴジラに触れてもらえた」そのこと自体が東宝の励みになりますし,私もたくさん力をもらえています。映画業界はここからです。同作のヒットは,ゴジラひいては映画の力強さの象徴として,今後の映画業界の活気につながる一打だと捉えています。
4Gamer:
個人的な意見ですが,ゴジラ関係者が「コロナ禍で大ヒットできてよかった」ではなく,今後の映画業界の弾みと捉えているようであるなら,先は明るそうですね。世代によっては断絶されていたとも言えるゴジラの認知度にも,大きなプラスとなっていそうですし。
ちなみに,映画公開後のゴジラの見られ方に変化はありましたか?
大田氏:
これまで海外でのゴジラのイメージは「強い」「クールだ」という声のほかに,やはりというか「歴史があるぶん,古く感じる」「怪獣が喋らないから感情移入しづらい」「怪獣が敵か味方か分からない」といったご意見も寄せられていました。それらも「ゴジラvsコング」をきっかけに,だいぶ減った印象はありますけどね。
4Gamer:
日本の特撮が海外進出するときの共通の悩みですね。
大田氏:
それでも,初代から数えると68年めのゴジラ,88年めのキングコングというとてつもない歴史を持つ怪獣たちが,2021年の人たちをも熱狂させているんですから。これは本当にすごいことですよ。
海外では「ラン ゴジラ」の配信が先駆けとなりましたが,アプリの反響も予想以上の推移です。ゴジラ人気に関しては近場では台湾,遠くになるとブラジルなど,各地域での高まりも感じています。
4Gamer:
ゴジラは海外人気も高いとよく聞きます。
大田氏:
ゴジラ映画は古くから世界各国で提供されていましたからね。当時の欧米では放映権が安価だったことで,1990年代に“平成ゴジラのvsシリーズ”が当たり前のようにTVで流れていたそうですし。
そうして小さいころからゴジラを見て育った世代が,「ゴジラvsコング」のアダム・ウィンガード監督,「GODZILLA ゴジラ」のギャレス・エドワーズ監督など,現代のゴジラ映画を手がけているのです。彼らに関してはもはや,我々よりゴジラに詳しかったりします(笑)。
4Gamer:
よく言う“フランスのグレンダイザー”みたいな。小さいころにアニメやゲームにハマった世代が,今となってカルチャーの先陣をきっている例も多いので,なにが幸いするか分かりませんよね。
それでは,大田さんとはそろそろお時間ですので,最後に一言を。
大田氏:
我々がTOHO Gamesを立ち上げたのは,ゴジラファンの期待を裏切らないよう,ゴジラを身近に思ってもらえるゲームをしっかり届けていきたいと思ってのことです。今後は東宝が得意とする方面でも,全国70の劇場でeスポーツ大会,所属事務所の芸能人とのコラボ,映画・音楽の関係者にゲーム素材を手がけてもらうなど,やれることを考えていきます。
また,我々は“まずはスマートフォンゲーム”というだけで,スマートフォンにこだわっているわけではありません。今後はゴジラの魅力の引き出し方を研究し,コンソールゲームなども作っていければと思っています。その第一歩となるアプリ3作品,ぜひとも遊んでみてください。
インディーゲームクリエイターとの協業も
新たな時代のゴジラゲームたち
4Gamer:
ここからは実際のゲーム「ゴジラ デストラクション」「ゴジラ バトルライン」「ラン ゴジラ」についての話を聞いていきます。
まずはそれぞれ,自己紹介をお願いできますか。
塩入大介氏(以下,塩入氏):
「ゴジラ デストラクション」の担当プロデューサー,かつレーベルのゲーム事業全体を統括しています,塩入です。
大槻林太郎氏(以下,大槻氏):
「ゴジラ バトルライン」を担当している,大槻です。
澁澤匡哉氏(以下,澁澤氏):
「ラン ゴジラ」担当の澁澤です。
4Gamer:
ゴジデスは4月,ゴジバトとランゴジは6月の配信となりましたが,こちらは当初から連続リリースを計画していたのでしょうか。
塩入氏:
映画「ゴジラvsコング」の時期にゲームを出すことは想定していましたが,実のところ連続配信は当初の予定にはありませんでした。
事のはじまりはTOHO Gamesの新設ともうひとつ,Googleさんが開催したゲームコンテスト「Google Play Indie Games Festival」にあります。私たちは2019年に同施策のスポンサーとなり,ゴジラをゲーム化するライセンス「ゴジラ賞」を用意しましたが,そこでインディーゲーム開発者のホカマ・フミシゲさんが受賞され,その流れでホカマさんにご協力を願い,ランゴジの配信を決めました。そして「もっといろんなゲームジャンルもほしいね」となり,結果的に計3本の制作を決めたのです。
4Gamer:
3作品の狙いはそれぞれどのようなものでしょう。
塩入氏:
ゴジデスは「自分がゴジラになるなら,どんなゲームが楽しいか?」から出発し,1人用プレイを追及したゲームです。
誕生のヒントになったのは,社内の「ゴジラルーム」(ゴジラ関連の特化部署)でした。そこに地方自治体や市町村の関係者から「自分たちの町をゴジラに壊してほしい」という要望がたくさん寄せられていたんです。そこで,自分がゴジラになり,怪獣と戦いながら,大都市のモニュメントを爽快に壊していく……そういうゲームの種が生まれました。
大槻氏:
ゴジバトは「東宝怪獣でどいつが一番強いか?」を出発点に,作品の枠を越えて怪獣たちが一堂に集って戦うという,従来のゴジラファン向けのゲームとして企画したものです。
澁澤氏:
ランゴジは塩入が言ったように,ホカマ・フミシゲさんが1人で開発してくれています。放置ゲームで育てた怪獣が“かけっこ”で勝負するという内容も,ゴジラゲームでありながらインディーゲームであるという点も,とくに意欲的な一作になっています。
4Gamer:
それではまず,ゴジデスの特徴を教えてください。
ゴジデスはシンプルな操作で爽快感を味わいながら,毎日少しプレイするだけでも十分に楽しめるゲームデザインを心がけました。
本作はゴジラファンのみならず,「シン・ゴジラ」で増えた女性ファンの皆さんもそうですし,映画作品以来のゴジラには触れていないといった人たちにもぜひプレイしていただきたいアプリです。
4Gamer:
ゲーム的な調整で,苦労されたところはありますか。
塩入氏:
本作は“デストラクション(破壊)”を名乗っていますが,怪獣が一方的に街を壊すだけでは遊びが単調になってしまいます。
そこでプレイにメリハリがつくよう,敵もそれなりに強くしつつ,自分の怪獣も活躍できるようにするなど調整をがんばりました。
4Gamer:
怪獣は強いが,それだけではゲームとして成り立たないと。
「このゴジラ映画好きにオススメ!」みたいなのはありますか?
塩入氏:
ゴジデスは特定のファンに限定していないので,ゴジラ好きであればそれだけで楽しんでいただけるものと思っています。
4Gamer:
分かりました。続いてゴジバトの特徴を教えてください。
大槻氏:
ゴジバトはカジュアルな対戦RTSで,比較的コアなゲームが好きな人や怪獣ファンにとくにおすすめです。ゴジラの68年の歴史からさまざまな怪獣や兵器が登場するので,お気に入りを戦わせてみてください。
また,ゲーム内では映画で使用された実際のシーンをユニット説明画面で見られます。こちらは関係各所に許可をもらい,「シン・ゴジラ」なら“無人在来線爆弾のあのシーン”が映るなど,こうしたところもオフィシャルならではなので注目してほしいですね。
塩入氏:
ゴジバトは僕もCPU相手に100連勝するくらい遊んじゃいました。
一応,大槻の上司なので「あいつまた遊んでるよ」みたいに思われたくないから,コソコソやってますけど(笑)。
大槻氏:
社内チャットで「今日はハマって仕事にならなかった」って言われたりするので,困りものですよ(笑)。
4Gamer:
ゲーム内での怪獣や兵器の扱いで苦労したところはありますか。
ゴジバトは性質上,ゲーム内で扱う怪獣・兵器の数や種類が多いので,どれを選別し,いかにゲームに落とし込むかに苦労しました。私もゴジラシリーズが好きなので,「スーパーX」など出したいものがたくさんいましたが,初期実装からは泣く泣く落としたものも多数います。
ゲーム内容を考えると,映画でのイメージや特長を生かしつつ,バランスよく組み込むには考えなければならないことがいろいろあったので,最終的にはHPや使用コストなど,ユニットとしての性能を考えながら「低コストだが使いやすい」「高HPだが攻めに向かない」など,ゲーム上の個性とすりあわせ,全体のバランスを見て選別していきました。
4Gamer:
怪獣や兵器の最強談義は決着がつかないテーマだけれど,ゲームである以上はある程度の答えが必要。ややこしいところですよね。
大槻氏:
一応,ゲーム内では怪獣などにレアリティを設定しましたが,それらは明確な強弱の序列ではなく,ゲーム内での発見のしやすさであって,どの怪獣でも活躍させられるよう一長一短を心がけました。
ですので,ゴジラやメカゴジラなどはたしかに強いものの,低レアリティの怪獣でそれらを撃退する術もたくさんあるわけです。
4Gamer:
ゲーム的な嗜好と怪獣への思い入れで編成に困りそうです(笑)。
本作は「このゴジラ映画好きにオススメ!」はありますか?
大槻氏:
ゴジバトは現時点ですと,実装している怪獣的に“平成ゴジラのvsシリーズ”好きがグッとくるかと思います。
あと,ゴジバトでは近日公開の「ゴジラvsコング」とのゲーム内コラボを行う予定です。映画をご覧いただいた人たちにも楽しんでもらえるよう制作していますので,今後にご期待ください。
4Gamer:
それでは最後に,ランゴジの特徴を教えてください。
澁澤氏:
ランゴジは放置系の育成ゲームかつ,年齢性別を問わず親しんでもらえるようなアートワークを目指しましたので,普段ゲームをやらない人にも手軽に楽しんでいただける内容となっています。
また作中にはゴジラ,モスラ,キングギドラ,ラドンが登場しますが,オリジナルそのままの姿では登場しません。というのも本作の怪獣たちは顔や目のデザイン,体の大きさや外皮の色などがモーフィング(※)され,理論値では“1000万通りの怪獣”が現れるようになっています。つまり,姿形からして自分だけの怪獣を育てられるわけです。
※グラフィックスや映像関連の制作手法。ある画像や形状が別のイメージに変化するといったことの意で,本作においては“十人十色の形状の怪獣が出現する”といった仕様につながっている
4Gamer:
外見がランダムにアレンジされるとは,大きな判断ですね。
これこそ,オフィシャルだからこそできた仕様ですね。外部の方々ならまず,いろいろな意味でこういった提案をすることはないでしょうし,仮にご提案いただいてもNGになっていたかもしれません。
とはいえ,ランゴジでも野放図な変化ではなく,ゴジラの背びれの形など“その怪獣の変えてはいけない部分”はいじりません。そのうえでどれもゴジラルームやゴジコン,版権担当のお墨付きを得た変化ですので,皆さんにはぜひぜひチェックしてもらいたいところです。
4Gamer:
海外での先行配信時の反応はいかがでしたか。
澁澤氏:
作中では「怪獣大戦争マーチ」や「ゴジラのテーマ」をアレンジしたBGMを使用していますが,ファンの皆さんにはすぐさま反応してもらえました。ほかにも数々の細かな原作再現にすぐに言及してもらえて,そういった反応をいただけたこと自体,とてもうれしかったです。
僕らの努力が,その時々のレビューなどでビビッドに反映されるのは,スマホゲームならではですよね。
4Gamer:
怪獣ファンの熱さを感じさせますね。
澁澤氏:
もちろん,なかには手厳しいご意見もありますので,ゴジラや東宝怪獣を愛してくださっている人たちの声として,ご指摘いただいたことは実直に受け止めていきたいと考えています。
4Gamer:
ちなみに本作も「このゴジラ映画好きにオススメ!」はありますか?
澁澤氏:
ランゴジもシリーズのいろいろな要素を含んでいますが,デザイン面でとくにリスペクトしたのは,2014年公開のレジェンダリー・ピクチャーズ版「GODZILLA ゴジラ」ですので,レジェゴジ好きは必見です!
4Gamer:
この3本は並行して遊ぶこともできるのでしょうか。
塩入氏:
できます。ゴジデスは1プレイ約10分,ゴジバトは1戦3分,ランゴジは朝昼晩で3分ずつなので,隙間時間のプレイでも問題なしです。
私たちの今回の願いは「できるだけ多くの人に,毎日ゴジラに触れてほしい」ということに尽きますので。そこは保っています。
澁澤氏:
ゴジラファンには「どれを遊ぼうか」迷ってほしいです(笑)。
4Gamer:
いずれも怪獣知識を持っているほうがよさそうですか?
塩入氏:
いえいえ。そういうことにならないよう,ライトな人からマニアの人まで楽しんでいただけるようにと作っています。それこそ「ゴジラvsコングをきっかけに触れた人」に遊んでもらえるようにです。
コアな怪獣要素はそのうえで盛り込んだので,ご安心ください。
4Gamer:
では最後に,お三方の意気込みをお願いします。
澁澤氏:
ランゴジは放置育成レースとあり,怪獣たちを育てていくわけですが,彼らはちゃんと育ってくれず,レースで真っすぐ走らなかったり,妙な場所で吼えはじめたりと,思ったとおりに行動してくれません。
そういう理不尽な怪獣らしさを,ストレスではなく笑って楽しめるようにと追求しましたので,ぜひ遊んでみてください。
大槻氏:
ゴジバトは入り口こそカジュアルですが,しっかりと奥深い戦略性を構築しました。近年のゴジラ映画で怪獣を知ったという人も,ゲームをとおして過去の怪獣を知るきっかけになるはずなので,ゴジバトから数々の原作映画を楽しんでもらえるとうれしいですね!
塩入氏:
最後にゴジデスは,気軽に爽快になれるのはもちろん,ノーダメージクリアなどのやり込み要素も用意しました。ゴジラらしい破壊の美学を味わえますのでぜひ遊んでみてください。また「ご希望をいただいた市町村を,ゴジラがゲーム内で壊す」といったコラボにも本気で乗り気ですので,ご連絡いただければ前向きに検討します!
そして今後のゴジラゲームとTOHO Gamesですが,今はゴールではありません。この先,いろいろな方向性を練り上げ,多種多様なゲームを送り出していく所存ですので,私たちの今後にもご期待ください。
4Gamer:
期待しております。本日はありがとうございました。
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