プレイレポート
1年目の「遊戯王 マスターデュエル」は,ジャンド→電脳→純LL→トリスタ→マリンセスからのマンジュシカでターンエンド
ターン5:面白いと思った,お遊びの代償
純LLのデッキパワーは単純明快で,多くのデュエルで勝利した。
しかし,ランクマッチで順調に勝てるようになったものの,勝つために細部まで研ぎ澄ましていない“己の楽しい”を付け加えたデッキというのは,ここぞというときに微差を生み,勝敗を左右させてしまう。
それがデッキのせいだったのか,プレイングのせいだったのかは記憶にないが。悲しいことに,自分で好きなデッキを組んだくせに負けるとなにかのせいにしはじめるという,よくない兆候が脳を温めはじめた。
弱みを突かれたくないなら,選ぶ道は二つに一つ。
こちらも言い訳の余地がない,完璧な機能性重視で戦うか。
あるいは――。
プレイ開始から約三か月。一つだけ,やけに気になっているデッキがあった。相手が使っていたこともあったし,動画で見たこともあった。
その名はリンクテーマ【トリックスター】。
かわいい絵柄の美少女たちが,相手プレイヤーに愛らしい効果ダメージをちまちまと与え,取り返しのつかねえ絶望を突きつける戦略。過去に「トンデモねェ……」の判定を受けたのか,制限カードがちょこちょこあるという,いつかどこかで活躍していたのであろうテーマだ。
さらにLLのカードパックを引いていたとき,すり抜けで1枚のシャイン加工。赤いおべべがかわいらしい「トリックスター・マンジュシカ」(以下,マンジュシカ)が手に入っていたのも決断を後押しした。
「よーし,トリックスターすごーいって言われるようになろっ!」
勝つためのデッキを構築して,勝つことの楽しさは味わってきた。そのため次は,好きなデッキで勝つ楽しさを味わおうとした。
そうした「まあ,もう頂点とか見ちゃったしね?」という有頂天は強いデッキではなく,ユニークなお遊びのデッキを求めた。
結果的に,このときの選択が,先の未来をガラリと変えた。
なけなしのジェムで引きまくった【トリックスター】のカード。
このデッキでやりたいことは,たった一つに特化した戦法。
とにかくマンジュシカの効果で相手を消し炭にせよ。
トリックスターモンスターは一部「相手のカード種類,使用する場所,効果発動などに応じて200ダメージを与える」という共通コンセプトを持ち,それらの効果を最大化する仕掛けがキモとなる。
ただ攻撃して勝つだけなら,ほかのデッキのほうがよっぽど機能的で,わざわざ使う必要もない。といってもプレーンな構築はトリックスターたちをしっかりと取り入れて,駆け引きの汎用カードも充実させたうえで,刺激的な効果を生かすひと味を垂らすというものだったが。
私は有頂天だったから,面白そうだったから,判断が尖った。
目指したデッキは,非常に極端なもの。マンジュシカの“相手が手札を1枚加えるごとに200ダメージ”を最大活用すべく,罠カード「グリード」の“エンドフェイズ終了時にドロー枚数×500ダメージ”を加速させるべく,手札を捨てさせて補充させる魔法・罠「手札抹殺」「手札断殺」「プレゼントカード」「攪乱作戦」などを取り入れまくり,手札を引かせることで倒すという戦略を極めようとした。
このデッキコンセプト自体はネット上にありふれていたもので,ハナからオリジナルではなかったが,そのうえでさらに尖らせた。
気付けばトリックスターカードは最低限の8枚ほど。汎用的な妨害カードも外し,それ以外のすべてをコンボ専用カードで構成した。
モンスター同士であれこれする気がない,トリックスターも“ただの効果ダメージ機能の一つ”として見ただけのデッキ構築。
ちゃんと考えれば,まともに戦うために必要な要素がなさすぎることに気付けるが。面白いほうへ,面白いほうへ,己の面白いほうへ。
これまでと違い,愉快さだけを基準とするデッキ作りに没頭した。
結果,これまたとにかく,戦いにならなかった。
トリックスターのテーマ要素をフィーチャーせず,仕掛けの一つとして取り入れるくらいだと,そのデッキはいわば「封印されしエグゾディアなどの特殊勝利狙い的なデッキの構造」に近くなる。
それでいてカードを引き入れる機能が欠けており,初期手札に別個のキーカードがバラバラにそろっていないとまともに戦えないという,当たり前の事実を突きつけられる。極論,攻撃力2000のモンスターが立ちふさがるだけで太刀打ちできない状況ばかりだった。
それでも面白い勝ち筋を見いだせるデッキはすばらしいと思うが。このデッキは初期手札だけに依存し,2ターン目を考慮しなかった。
あくまで「個人的に」と予防線を張るが,このデッキは大失敗だった。トリックスターのデッキコンセプトはいろいろと確立されており,同じようなデッキで楽しくプレイできている人はたくさんいるが,私のデッキは自分都合のオリジナリティで埋め立てた完成度の低いもので,言ってしまえば一発ネタすらまともに機能しない出来だった。
生成ポイントが足りずに妥協した部分も含め,数戦して諦めた。
おおよそ,私が作ったこれで楽しく遊べる人はいないだろう。
プレイングの妙がほとんどない,初期手札に委ねるだけの動き。10回に1回くらいは運だけで勝てても,伏せた罠の量だけで決める対話なき1勝。そこに【蟲惑魔】のようなイタズラチックな魅力はない。
なにより「攻撃力2000のモンスターも突破できない」という戦いは,私にとって気軽に受け入れられない,わだかまりとなった。
自分の思考と嗜好,そのボーダーラインを知った瞬間。
面白そうの衝動に身を任せ,ジェムをつぎ込んで作ったのに。
それが自分にとって,ぜんぜん向いていなかったときの現実。
あらためて,私は特殊な勝ち筋で勝利を狙おうとするデッキはカッコいいと思う。だが,愉快と妥協にまみれた私のトリックスターデッキは,見るも無残なほど魅力を感じなかった。
やりたいデッキ構築がダメだったの?
しているプレイングがダメだったの?
そもそもコンセプトがダメだったの?
このデッキは十戦ほど使ったが,しばらくして消した。
考え直して方向性を修正することもできたが,しなかった。
当時の構築も再現できるが,今はまだ,する気がない。
■デュエルスタンバイ
ターン1:スタンバイ・自語り・フェイズ
ターン2:ジャンク×ドッペル=シンクロニティ
ターン3:ルゥルゥがヂィヂィでニャンニャン
ターン4:純構築は意固地な思春期の純結晶
ターン5:面白いと思った,お遊びの代償
★次 → ターン6:乙女の バ ト ル オ ー シ ャ ン
ターンEnd:お願いキャンディナマンジュシカ!!!
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