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直筆の手紙でアイドルたちとつながる「Prince Letter(s)! フロムアイドル」1周年記念イベントをレポート。朗読劇や歌，驚きの新発表も！

2022/04/29 12:00 　アイドルたちとの“文通”も楽しめるプロジェクト「Prince Letter(s)! フロムアイドル」（以下，「プリエル」）の1周年を記念するオフラインイベントが，有楽町オルタナティブシアターにて2022年4月22日に開催された。

昼の部「『Prince Letter(s)! フロム冥王院シン』ストーリーライブ〜ファン感謝祭『STellA』〜」

夜の部「『Prince Letter(s)!フロムアイドル』ファンミーティング2022」

　「プリエル」は，全国からトップアイドル志望者が集うアイドル育成学校“常和歌学園”を舞台に，アイドルユニット「STAr(s)!」として活動していく亜月アキト，yuzu，冥王院シンの成長ストーリーが描かれるボイスドラマ本編をはじめ，ポエトリーリーディングMVや，アイドル楽曲などを展開しているアイドルプロジェクトだ。

　本イベントは，朗読劇を中心とした昼の部「『Prince Letter(s)! フロム冥王院シン』ストーリーライブ〜ファン感謝祭『STellA』〜」と，キャスト陣のトークをたっぷりお届けする夜の部「『Prince Letter(s)!フロムアイドル』ファンミーティング2022」の2公演が行われ，集まったファンを楽しませた。本稿では，両公演の模様をレポートしていこう。

■舞台について■
　亜月アキト，yuzu，冥王院シンが通うアイドル育成学校“常和歌学園”。
　この学園にはアイドル活動に専念するため，一切のインターネット使用禁止という校則がある一方で，外部と交流する唯一の手段である“文通部”が存在していた。
　じつはアキト，yuzu，シンも所属しているのだが，文通部の活動は代々極秘に受け継がれており，部員ですら自分以外のメンバーを知らない。

シンの覚悟と，STAr(s)!から大切な“あなた”に愛を届ける物語
「『Prince Letter(s)! フロム冥王院シン』ストーリーライブ〜ファン感謝祭『STellA』〜」

　朗読劇前半は，これまで自分を押し殺していた冥王院シンが，亜月アキトとyuzuに支えられて自分自身と向き合っていく姿が，後半ではSTAr(s)!による“ファン感謝祭”の様子が描かれた。


　スポットライトに照らされ，佇むシン（演：土岐隼一）。祖父の遺言に従ってアイドルになった彼が，祖父の手紙に綴られた言葉の意味について，想いをめぐらせるシーンから始まった。

　祖父から向けられていた愛情を知り，アイドルを続ける覚悟を決めたシン。不慣れながらもアイドル活動に健闘していく彼を愛おしく感じる。そんなシンを支えるのは，元気いっぱいにみんなを明るく照らすアキト（演：土田玲央），かわいらしい外見とは裏腹にアイドルへの覚悟と強い意思が見えるyuzu（演：堀江 瞬）だ。3人の初々しいやりとりもほほ笑ましい。

　この2人の物語も「フロム亜月アキト」「フロムyuzu」で描かれているので，あわせて押さえておけばSTAr(s)!を応援したくなる気持ちがよりわいてくるだろう。

STAr(s)!のボイスドラマ本編は
フロムアイドル公式YouTubeチャンネルで公開中

　また，シンの兄である冥王院カイ（演：小林千晃）の存在も楽しかった。シンを溺愛するカイは，この日（ファン感謝祭）のためにシンをイメージした青色のスーツを着てきたのだという。ボイスドラマでは終始シリアスな展開であったが，朗読劇ならではのシン強化担（？）というコミカルなカイの一面が見られた。今後，シンたちとの関係もどうなるか楽しみなところだ。

シン（演：土岐隼一）

アキト（演：土田玲央）

yuzu（演：堀江 瞬）

カイ（演：小林千晃）

　感謝祭のなかでは，シンたち3人が準備してきたという手紙を読み上げる場面も。それぞれの“らしさ”がありつつ，“あなた”への感謝が込められた文章には，実に胸が熱くなった。ファンならずともぜひ，多くの人に彼らの想いを知ってほしいと感じた。

　最後は“愛を込めて”という言葉とともに，新曲「アイコトバ」と「STAr(s)!」が歌われた。集まったファンは思い思いの色に染まったペンライトを振り，その愛を受け止める。「また会おうね！」の言葉とともに，STAr(s)! の3人はステージを去っていった。


　イベントの後半は，STAr(s)!を演じる声優陣たちによるトークショーだ。3人はお揃いの黒いパーカーに身を包んだ姿（胸には担当アイドルの缶バッジも）で登場。朗読劇について話に花を咲かせる。


　MCの土岐さんから感想を聞かれた土田さんは，今日は緊張していたが，ここまでを終えられてやっとアドレナリンが出てきたと話す。一方の堀江さんは緊張しすぎて段取りを忘れてしまい，土岐さんに確認して教えてもらったというエピソードを明かした。また，ゲストで登場した小林さんは衣装の青いスーツは自分で選んでいたとのことだ。


　次の「おはがきコーナー」で筆者がすごいなと感じたのは，メールではなく，はがき現物でファンからの質問を募集していた点だ。これは，直筆の手紙をやりとりする本プロジェクトならではと言えるだろう。すてきなイラストが描かれたものもあり，キャストたちはうれしそうに見入っていた。このコーナーでは，声優陣の“きょうだい話”や，文通してみたいメンバーは？　などの話で盛り上がった。

　ゲームコーナーでは，冥王院兄弟とアキト・yuzu組に分かれて対決が行われた。賞品の「超高級プリン（カラメル抜き）」を賭け，業界用語を当てるクイズや，人狼風ゲームに挑戦。結果は兄弟チームの勝利！　カラメル抜きのプリンが大好物であるシン役の土岐さんチームが，賞品をゲットする結果となった。


　そしてグッズやコラボ展開の告知コーナーのあと，声優陣からファンへのメッセージが贈られ，STAr(s)!の3人が「Thank(s) for You」を披露。昼の部は盛況のうちに幕を閉じた。

ボリュームたっぷりのトークコーナーにほんわか
「Prince Letter(s)! フロムアイドル ファンミーティング2022」

　夜の部の朗読劇では，STAr(s)!の日常が描かれた。「常和歌学園にある星の形をした岩の前で丑三つ時に願い事をすると，アイドルして成功する」と聞いた3人は，その岩を探しに行くことに。だがシンはほんの少しの物音や怪しい現象に驚いた結果，yuzuとアキトのそばから離れていってしまう。2人がシンを追いかけてくると，探していた岩を見つけることができた。3人は，手紙の向こうにいる“あなた”に向けて感謝をし，願い事をするのだった――。

　ほっこりする朗読劇のあと，声優陣がステージに再登場した。夜の部は，ここからボリュームたっぷりのトークコーナーに突入。土岐さんたちは，最初の生放送からちょうど1年が経過したことに「もう1年？」「まだ1年？」と感慨深げだ。これまでに3人の物語をたくさん作ってきたので，もはや生活の一部になっていると頷きあっていた。

　当初はお互いの距離感が図りきれないところもあったようだが，今ではチャットのグループもあり，活発に会話をしているそうだ。過去イベントのゲームや，グッズ展開のエピソードも明かされ，会場は和気あいあいとした空気に包まれた。

　夜の部最初のゲームコーナーは，「管理人からの挑戦状」と題された謎解きゲームが行われた。謎解きは，これまでのイベントや公式Twitterでもおなじみのものだそう。今回の賞品は「リラックス体験チケット」と聞き，声優陣は俄然やる気を出す雰囲気に。なかなか難しい問題もあったのだが，会場に集まったファンの力も借りつつ，4問全問正解！　見事，豪華賞品をゲットする結果となった。

　次に，ファンからのおはがきコーナーへ。昼の部同様，リアルなおはがきで集まった質問に声優陣が答えていく。ダンスと歌に関しては，「一晩寝かすとできるようになる」という“寝かせる”やり方に共感する一同。

　もし常和歌学園のようにインターネットが使えない状況になったら？　という質問には，SNSどころか道順や言葉のアクセントも調べられなくなる……など，実生活の影響が大きすぎるため「無理です！」という結論になった。

　もし学園の関係者になるなら？　という質問には，土岐さんは「学食を作る人」，土田さんは「アイドルをプロデュースする人」，堀江さんは「保健室の先生」と回答。堀江さんは人と関わりたくないからという理由だったのだが，土岐さんや土田さんから「こんな先生だったらみんな保健室に通っちゃう！」と，笑いが起きていた。

　そして昼の部同様に告知コーナーが行われたのだが，ここで昼の部にはなかった重大発表があった。ニュースの詳細については，こちらの記事を参照していただきたい。


　なかでも特報として皆を驚かせたのが，新キャラクターの発表だ。2022年夏に開始予定の第2シリーズに，鏑木シュウ（CV：豊永利行），鋳田須ナツトラ（CV：増田俊樹），ハルキ（CV：矢野奨吾），アオイ（CV：石井孝英）が登場するのだという。4人のビデオメッセージも公開され，ファンの期待も高まった様子だった。シュウとナツトラは「柊虎（しゅうと）」というアイドルユニットのメンバーとのことで，2人のポエトリーリーディング楽曲「柊虎の話」のMVもお披露目された。


　ファンとともにMVを鑑賞した土岐さんたちは，「何今の!?」「かっこよすぎる！」「なぜあんなにセクシーにカウントダウンできるのか……」など，驚きを隠せない様子だった。STAR(s)!とはまた違う個性のアイドルの登場に，今後の展開が楽しみになった人も多いだろう。

　夜の部ラストには，STAR(s)!が新曲「アイコトバ」を披露。声優陣からはイベントを見てくれたファンに向け，メッセージが贈られた。

土田さん：
　この3人の物語は，1年を経て一区切りを迎えました。こうして皆さんの前でそれを迎えられたことを，とてもうれしく思っています。彼らの物語はこれからも続いていきますので，応援をよろしくお願いします。

堀江さん：
　今日は本当にありがとうございました。自分のなかで，『プリエル』はどんどん特別なものになっているからこそ，今日は昼夜とおしてあっという間に感じた気がします。とても楽しかったです。

土岐さん：
　STAR(s)!の物語は第1章が終わりましたが，彼らはまだ一つしか壁を乗り越えていません。これからもそういったものにたくさんぶつかっていくと思いますが，それを乗り越えてもっと大きくなっていくと思います。第2章もありますし，これからの展開もたくさん予定しているそうです。引き続き彼らのことを応援してくれたらうれしいです。

　そして，イベントの締めくくりとして「Thank(s) for You」が歌われた。3人で手を合わせ，言葉を一つ一つ噛みしめるように歌われるメロディがとても優しい。温かい余韻に包まれ，この日の公演は終了となった。


　本プロジェクトがどんなものかを説明するとき，まず真っ先に出てくるのは「アイドルと直筆の手紙がやりとりできる」という点だろう。それは明らかにほかと一線を画す特徴だし，本作の魅力であるのはたしかだ。

　だがドラマやポエトリーリーディング，そしてこうしたイベントなどをとおしてみて，彼らの物語やアイドルたち自身も非常に大きな魅力があると再確認できた。この手のプロジェクトで作り手のことに言及すべきでないとは思うが，どの展開を見ても，手紙の向こうにいる“わたし”を心から大切に思っていることが伝わってくるように思えたからだ。

　彼らの物語が始まって1年。そして今年の夏には，また新たな展開が待っている。この先に彼らがどう変わっていくのか，あるいは変わらないところがあるのか。アイドルとしてどこまで大きくなっていくのかを，これからも見守っていけたらと思う。

「Prince Letter(s)! フロムアイドル」公式サイト

（C）フロムアイドル