プレイレポート
「ダライアスバーストCSコア」のCSモードに追加された6エリアは旧作プレイヤーほど楽しめるステージだ。年末年始はレッツ宇宙漁業!
発売からふた月を経たが,「DBCSならPlayStationプラットフォームやPCで遊んだし,DLCも買ってるから,DBCSコアは今買わなくてもいいや」とまだ購入していない人もいるかもしれない。しかし,DBCSコアのCSモードに追加された6種類の新規エリアは「今までのダライアスバーストを遊んできた人ほど楽しめる」ものとなっているので,旧作プレイヤーほどプレイしていもらいたい。そんなわけで本稿では,それら6ステージを解説していこう。
それに,なにせDBCSコアのキャッチコピーは「激誕(バースト)! 多元深宇宙(パラレルディープスペース)!!」であり,DBCSのキャッチコピー「激誕(バースト)! 無限宇宙(インフィニットスペース)!!」を超越したものとなっている。プラス6エリアするだけで無限を超えて多元である。これは“シルバーホーク乗り”ならばプレイせずにはいられないはずだ。年末年始は宇宙漁業で決まりである。
また,出現位置が若干分かりにくいエリアもあるので,アンロック方法も含めて紹介する。なお,DLCモードで追加されるセガ&タイトーのコラボ自機に関しては,「ダライアスバースト クロニクルセイバーズ」の最終DLCリリース当時に掲載した記事を参照してほしい。
「ダライアスバーストCSコア + タイトー/セガ パック」公式サイト
エリア:Sunamau(1906年6月)
作戦名:カウンター演習
デフォルト自機:レジェンド シルバーホークバースト
CSモード最初のエリアであるOruribaをクリアすると,右下に出現するのがSunamauだ。ここは「ダライアスバースト」シリーズの必須テクニックながら割と分かりにくい,カウンターバーストを練習するためのステージとなっている。
カウンターバーストは,敵のバーストビームが3拍のカウントダウン演出を経て発射された直後に,その射線上で自機のバーストビームを発射することで発動する。タイミング的には敵の「イチ・二イ・サン!」に対して“ン”のところでバーストビームのボタンを押すといった形で,シューティングゲームのシステムとしては東方Projectの「喰らいボム」が感覚的に近いだろう。
格ゲーのジャストガードやソウルライクゲームのパリィとも要領が異なるうえ,バーストビーム自体がボタンを数フレーム押し続けることで発生するので,普通はコツをつかむまでだいぶ苦労する。一度覚えても,発射済みの敵バーストビームに横から飛び込んで発動させる「サイドカウンター」というテクニックに慣れてしまうと正面カウンターが下手になることまで“あるある”だったりするが,とにかく身体で覚えて,バーストビームを使いこなす自分自身を激誕(バースト)!させよう。
エリア:Darius(1904年6月)
作戦名:戦端
デフォルト自機:ネクスト シルバーホークバースト
Sunamauから最初のルート分岐を左に進み,そのまま時系列的に過去の方向へ進んだ先,Ruminia(1904年6月)をクリアすると左下に出現するのがDariusだ。これはPSP用ソフト「ダライアスバースト」のゾーンJルート(ないしスマートフォン移植版である「ダライアスバースト セカンドプロローグ」のゾーンYルート)と同じ戦いを描いたもので,エリア名がDariusというのも「惑星ダライアスを基点とした戦役」であることを意味している。なお,CSモードは通常だと傭兵企業・PlanetSaviorsに所属する“セイバーワン”というコールサインのパイロットが主人公となるが,ここでは“リーガ・プラティカ”というコードネームの男性(ファンの通称は“ヒゲ”)が主人公だ。
ダライアスバーストをプレイしたことがある人にとっては,「PSPではこんな感じだったなあ」と懐かしめるエリアとなっている。
……序盤は。
終盤では画面上下を高速スクロール隕石群,画面中央部を高速逆スクロール隕石群が通過する中で敵機と対峙する場面があったりするなど極悪なアレンジが行われていて,知っているはずの戦役が知らないシチュエーションでぶん殴ってくる。これもまた激誕(バースト)! 多元深宇宙(パラレルディープスペース)!!ということなのだろう。初見でもキツいが知っているとなお混乱する,マッドなメイルシュトロームを楽しもう。
DBCSや,後述する「アリス・ギア・アイギス」(iOS / Android)コラボイベントのストーリーは「シーマとはどういう存在なのか」を把握していないと割と飲み込みにくいのだが,Gダライアス絡みの設定はいろいろとややこしい。なおGダライアス版のシルバーホークをオマージュしたダライアスバーストシリーズの自機・ジェネシス シルバーホークは,“惑星アムネリアのシルバーホークを模して小型輸送機をベースに開発された惑星ダライアスのシルバーホークに,シルバーホークバーストシリーズのバースト機関を搭載してアムネリアのシルバーホークを可能な限り再現したもの”という設定だ。本当にややこしい。
エリア:Wafuo(1911年10月)
作戦名:機塵宙域侵攻作戦
デフォルト自機:レジェンド シルバーホークバースト
アーケード版の家庭用移植版である「ダライアスバーストACEX+」(以下,DBACEX+)で追加されたイベントをベースにした新シナリオの1つ・機塵宙域侵攻作戦のWafuoは,エリアマップ中央のTihaiルートにあるRikabuをクリアするとアンロックされる。
なおDBACEX+における“新・機塵宙域侵攻作戦”は「ベルサーの再侵攻によってOchiogu星系が陥落したため,敵補給路を分断するためサルガッソーを抜けて要衝を強襲する」という設定だったが,Ochiogu(エリアマップ右上あたり。CSモードのシナリオ上でも再侵攻を受ける)からは少し離れていて,出現するのはRikabuとMachishioの中間だ。この設定の差も,激誕(バースト)! 多元深宇宙(パラレルディープスペース)!!ということなのかもしれない。
Wafuoでは,開始直後から大量のスペースデブリが画面の上下を流れてくる。新・機塵宙域侵攻作戦は「追加要素のシンボル的なステージ」と公称されていたが,このヤケクソな物量と大量破壊の気持ちよさが,追加ステージに共通するエッセンスだ。
エリア:Rebuka(1914年12月)
作戦名:第六次星域間遠征
デフォルト自機:フォーミュラ シルバーホークバースト
エリアマップ中央に存在するTihaiの1つ前,RieをクリアするとBadoとの間にオープンされるのがRebukaだ。これもDBACEX+追加イベントをベースにしたもので,ダライアスバーストシリーズを通して最長の,28面で構成されたスコアアタックとなっている。普通にプレイするだけで1時間近くかかる,ある意味で最強の存在が激誕(バースト)!しているので,腰を据えて挑戦しよう。
ちなみにDBACEX+における“第六次星域間遠征”は「1917年12月に行われた、複数の亜空間ゲートをわたりベクホイ星系に駐留するベルサー軍の最大戦力を叩く」作戦とされていた。Tihai一帯はベクホイ星系なのでエリアは同一だが、実施時期が3年早くなっている。これもまた激誕(バースト)! 多元深宇宙(パラレルディープスペース)!!の雰囲気だ。
エリア:Taimi(1910年10月)
作戦名:暗緑宙域断裂帯
デフォルト自機:フォーミュラ シルバーホーク
Taimiおよび後述するIrukehotaは,エリアマップ右上のYatekamazuをクリアすると開放される。DBACEX+における“激戦・暗緑宙域断裂帯”は「ダライアスバースト史上,最も難しいタイムアタック」としてデザインされ,設定は「1910年10月に行われた、アイタリ星系につながる星間航路の前線基地を襲撃したベルサー軍を邀撃する」作戦だとされていた。
実施時期は同じだが,舞台となっているのはMatarikutsu(玉造のアナグラム)から派生するエリアで,Eobashio(同じく大江橋),Yatekamazu(同じく帝塚山),Irukehota(同じく蛍池)を通ることから,シカオサオ星系(同じく大阪市)の出来事であることが分かる。Taimiは伊丹のもじりだと思われるが,兵庫県伊丹市に相当するエリアはゴヒョウ星系のタミイ(アーケード版表記)があるので,恐らく伊丹空港(大阪国際空港)に相当するのだろう。確かなところは不明だが,“アイタリ星系につながる星間航路の前線基地”の名称としては納得しやすい。
Taimiでは,ベルサー軍の強襲部隊に対して“新型試作機”であるフォーミュラ シルバーホークバーストを駆って出撃し,逆強襲をかけるというシナリオになっている。
ちょっと気になるのが,このフォーミュラは“どのフォーミュラ”で,パイロットは誰なのかということだ。モノローグ上で“新型試作機”と呼ばれるフォーミュラだが,性能面では通常のプレイヤー機と変わりないため,Rainataのモノローグで「量産機との性能に開きがありすぎる」と噂されているプロトタイプ=イブリー・ハッド機ではないだろうし(プロトタイプ機は原型機,試作機は量産試験機ということなのだろう),口調からしてパイロットもイブリーではないようだ。ではセイバーワンがパイロットかと言えば,セイバーワンは1914年10月のHarumintoで初めてフォーミュラに乗った様子だ。
DBCSコアで追加されたステージのパイロットは妙に口調がやさぐれているのだが,もしかするとこれは激誕(バースト)! 多元深宇宙(パラレルディープスペース)!!した平行世界のセイバーワンなのかもしれない。それか普通にセイバーワンではないPlanetSaviors隊員かもしれない。
……とかなんとか考えていたのだが,校正にあたって開発のピラミッドからコメントをいただいた。先方の希望もあり,以下に掲載しよう。
非常によく遊んでいただいており,考察なども交えて作り手側の考えまで汲みくみ取って頂いた素晴らしい記事だと思いました。
年号の横にサブタイトルが付いているのが追加されたステージですが,“戦端”はリーガ,それ以外はAC版のプレイヤーに相当する「名も無き戦士たち」の誰かの視点で書かれています。
というわけで,CSモードは複数人の視点から綴られた物語だというのが公式見解のようだ。なおコメント前半に関しては,筆者的には「市井の皆様が素晴らしいスコアタ動画とかファンアートとかを作られている中,メディアも寝ボケちゃいらんねーっすからね!」といったところで,つまるところ「みなさんのおかげです」だ。
「アリスギア」&「ダライアス」コラボインタビュー。本家開発陣が手がける,ダライアス愛に溢れたディープな作り込み
コロプラの「アリス・ギア・アイギス」と,タイトーの「ダライアス コズミックリベレーション」とのコラボイベントと聞きつけ,両作に関わるピラミッドの開発者を含む,ダライアスを愛する3人のキーマンに話を聞いてきた。
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- ライター:箭本進一
- カメラマン:佐々木秀二
- PS4:ダライアス コズミックリベレーション
- Nintendo Switch:ダライアス コズミックリベレーション
- PS4:ダライアスバースト アナザークロニクルEX+
- Nintendo Switch:ダライアスバースト アナザークロニクルEX+
- PS4:GダライアスHD
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エリア:Irukehota(1910年8月)
デフォルト自機:レジェンド シルバーホークバースト
Irukehotaは完全新規の高速スクロールステージで,作戦名やシナリオはとくに無い。アーム(青アイテム)を多く回収できるうえ,ボスも強敵と呼べる類は出現しないので難度は低いが,大量のコンテナやトーチカが道中に設置されているため“うまく切り抜ける”のが非常に難しい。
アームでゴリ押しすれば難なく切り抜けられるものの,“綺麗に勝てる”かどうかはシルバーホーク乗りとしての純粋な腕前が試される。プレイを重ねて,自分がどれほどのシルバーホーク乗りとして激誕(バースト)!したかを試すにはもってこいのステージだろう。
DBCSコアは追加された6ミッションによって,PSPのダライアスバーストから,キャンセルされたXbox 360版,アーケード向けの「ダライアスバースト アナザークロニクル」(以下,DBAC)シリーズと,その家庭用移植版であるDBACEX+まで,シリーズ作品のさまざまなエッセンスが盛り込まれている。単なる「単品売り+α」ではなく,シリーズ全体におけるストーリー的な部分の旨味を味わえるソフトになったと言えるだろう。
それに,定価2980円(税込)なので,DBAC初期設定の200円=1クレジット設定で換算すれば約15クレジット分。つまり,追加された6ステージだけでも,それぞれ3,4回ほどプレイするだけで十分に“元が取れる”。ダライアスバーストシリーズの大半を(PS4版DBCSと単品販売版のDBACEX+,DBAC筐体を除く)購入してきた筆者からしても,買って後悔のないタイトルだ。なお「そういう奴はそうだろうけどよ?」的な声はあるかもしれないが,耳に入っても聞こえないことにする。
それにしても,こうやって追加要素や本編外での展開が増えてくると,やはり欲しくなるのは「全部入り」である。つまり――“PS5/Xbox Series X|S向けの新ダライアスバースト”という可能性もワンチャンあるのではないだろうか。イブリーや,DBACの没キャラだったもののアリス・ギア・アイギスのコラボイベントで初登場したイア・レトナが活躍し,オリジナルフォーミュラの秘密が明かされるような新ストーリーがあったら文句ナシだ。
そして最後に,面白いし元気が出るから,もう一度だけ言っておこう。
ハイ,読者のみなさんも大きな声で,アリス・ギア・アイギスの小芦睦海ちゃんとご一緒に。
多元深宇宙(パラレルディープスペース)!!
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ダライアスバーストCSコア + タイトー/セガ パック
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