インタビュー
[インタビュー]歴史ある町にインディーゲームイベントが“爆誕”した理由とは? 「ぶらり川越 GAME DIGG」が目指す,町おこしではない地域密着
インディーゲームの試遊やゲーム音楽のミニコンサート,子ども向けのゲーム開発ワークショップ,会場からの生配信番組など,盛りだくさんの内容だが,大きな特徴は,川越の伝統的な町並みを散策しながら楽しめる,オープンタウン型イベントであることだ。
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イベントを主催するのは,「ジラフとアンニカ」で知られるアトリエミミナと,STEAM教育※や和文化発信事業を手がけ,ビジュアルノベル「起業布武 〜織田信長とスタートアップ!?〜」もリリースしているCapの2社で,ともに川越のインキュベーション施設「コエトコ」を本拠にしている。
※理数系の分野に創造性を加えた教育理念。Science(科学),Technology(技術),Engineering(工学),Art(芸術),Mathematics(数学)の頭文字を取っている
決して大規模ではないゲーム会社による地域密着型ゲームイベントが目指すものは何なのか,実行委員会の4名にインタビューしたので,その模様をお届けしよう。
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元銀行員や現役保育士など,ゲーム業界の外からも
それぞれの思いを持って参加
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずはみなさんのイベントでの役割や,普段されているお仕事を聞かせてください。
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私は6年ほど前にゲーム会社を退職して,個人でインディーゲームを作っていたんですが,この施設(コエトコ)の入居者募集に応募して,3倍ぐらいの倍率の審査を通って入居しました。その後,法人になって,「ぶらり川越 GAME DIGG」も主催しています。
東條氏:
僕はもともと銀行員で,今もいろいろな会社さんの財務とか経営企画とか,そういった仕事を受けています。同時にCapではゲームを作ったり,今回のイベントのように,ゲーム作りを体験してもらうワークショップを開催したり,という感じです。
4Gamer:
金融とゲームの仕事を並行してやっている人は珍しい気がします。
東條氏:
やっぱり創作はすごく楽しいですし,クリエイティブ業界にいなくても,その場を提供していきたい思いがあったので。
スタートアップを体験するゲームを作って,唯一取り上げてもらったメディアが4Gamerさんだったんですよ。
4Gamer:
おぉ,そうでしたか。
信長と起業しよう。ビジュアルノベル「起業布武 〜織田信長とスタートアップ!?〜」のSteamストアページが公開に
CapGamesは本日,「起業布武 〜織田信長とスタートアップ!?〜」のSteamストアページを公開し,iOS / Android版の事前登録を開始した。本作は,織田信長の亡霊に取り憑かれた男子大学生が,スタートアップの基礎知識を学んでいくビジュアルノベルだ。
下薗氏:
私は普段,デザイナーとして仕事をする傍らで,イラストや立体作品を制作しています。斉藤さんが開発しているゲームでも,3Dのモデリングやキャラクターデザインのお手伝いをしていて,去年のイベントでは運営業務全般をやっていました。今年は渡邊さんが入ってくれたので,私はサブとか補佐って感じで。
あとは……生まれも育ちも川越です。
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斉藤氏:
4人の中で出身も川越なのは下薗さんだけですね。
渡邊氏:
私は以前,コエトコの受付の仕事をしていたんですが,その縁で,今年からイベントに関わることになって,いろいろな業務を下薗さんから引き継いでいます。それと同時に保育士でもあるので,保育園で園児を見たりもしています。
4Gamer:
渡邊さんも異業種との並行なんですね。お話をうかがうまでは,アトリエミミナの社員さんでやっているイベントなのかと思っていたんですが,みなさんそれぞれに違うバックグラウンドがありつつ,イベントに関わっていると。
では,「ぶらり川越 GAME DIGG」を立ち上げるまでの経緯を教えてもらえますか。
斉藤氏:
実を言うと,僕自身はイベントが大好きとかやりたいっていうタイプではないんですよ。きっかけとしては,コエトコの入居審査があります。倍率がすごく高くなるだろうと予測して,プレゼン資料を作り込んだんですが,その中に「ゲームのイベントをやって川越を盛り上げます」って書いちゃって。
4Gamer:
あぁ(笑)。
斉藤氏:
発端はそこなので。ただ,同じ入居者の東條さんたちと話してるうちに,やるならしっかりやろう,恥ずかしくないものにしようとなって。川越市に地元の人を紹介してもらう中で,ほかのイベントにない特徴を出せるんじゃないかと思うようになりました。
4Gamer:
昨年の第1回を見て,地域密着型のゲームイベントという印象を強く感じました。
斉藤氏:
ゲーム会社って,地域のみなさんとの交流がなくても成立してしまいますよね。以前勤めていた会社も,寄付をしたり,お祭りに社名入りの提灯を出したりくらいで,交流らしい交流はなかったんです。
4Gamer:
確かに地域との接点は少なそうです。ゲームの場合,例えば地元から仕入れる,地元のお客に向けて作る,といったことはほとんどないでしょうし。
斉藤氏:
そこで,イベントをやれば,地元の人を巻き込んで盛り上げられますし,クリエイターを呼び込めると思ったんです。
リモートワークの時代ですから,高い賃料を出して都心のビルにオフィスを構える必要性は少なくなっていますよね。もちろん対面でのコミュニケーションも重要ですが,川越は池袋から電車1本で30分くらいですから,東京近郊の人ならば集まるのもそれほど難しくはない。うちぐらいの開発会社や作家さんにちょうどいい地域ではないかと。
4Gamer:
そうですね。路線も複数乗り入れていて,アクセスはいいと思います。
斉藤氏:
イベントに来てもらえれば,そういった距離感も分かってもらえて,仲間が増えるぞって(笑)。そうなると,覚悟を決めてやろうと。
4Gamer:
なるほど。企画から開催までは,どれぐらいの時間をかけましたか。
斉藤氏:
本格的な作業は11月に始めて,4月に開催ですから,約半年ですね。対外的な告知は1月10日で,2月の頭に出展者さんを募集して……みたいな感じになっちゃって。
東條氏:
今思うと無茶苦茶ですね。
斉藤氏:
コエトコに入居できる期間はあまり長くないので,まず1回やろうっていう。今年は余裕を持って準備を進めています。
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4Gamer:
一番大変だったことは何でしょう。出展者やスポンサー集め,会場確保や関係各所との調整など,いろいろあると思いますが。
斉藤氏:
実は出展者さん集めはすんなり行って,1日半で全部埋まりました。
4Gamer:
それはすごい。
東條氏:
一番苦労したのは……やっぱりお金の面での調整ですね。
4Gamer:
そうなりますか。
斉藤氏:
地域の人に気軽に入ってもらおうと入場料を取らないイベントにしたので。ぶっちゃけると,軽自動車1台分ぐらいの赤字でした。
東條氏:
街歩きをしてもらうため,複数の会場を用意するオープンタウン型,屋外型のイベントにしたのも影響しました。コエトコ以外にもイベントスペースになる駐車場を借りて,テーブルを出して……と。特にテント代が高かったですね。
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斉藤氏:
下薗さんが3か月以上ゲーム作りを離れてイベントの仕事にかかりきりになったので,経営者としてはそこもなかなか痛かったというか。法人としてやる以上,事業として成り立たせなきゃいけないんですけど,1回目は大赤字でしたので,今年はなんとしても黒字に……と思って,クラウドファンディングを行いました。
4Gamer:
見事に目標額を達成しましたね。去年は準備期間が短くて,予算面でも厳しかったという話がありましたが,にも関わらず,テーマソングやコラボフードが用意されていて,生配信もありと,会場でのゲームの試遊以外もかなり充実していた印象を受けました。
斉藤氏:
配信者の方や,近隣のお店に「川越でイベントやります」と伝えたら,「ぜひ協力させてください」とおっしゃっていただいた結果,盛りだくさんになったので,人の縁でできたところはあります。もちろん人手とかお金の問題はありますし,「忙しいしお金がないんで今回はごめんなさい」と流すのは簡単ですが,興味を持った方には参加していただきたいと思っていましたので。
東條氏:
地元のお店にも来場者さんが足を運んでいただいたようで,ゲーム以外の面でもポジティブな反応が多くて,嬉しかったです。地域の小学校へのチラシ配布など,川越市にも協力的に動いていただいたおかげで,子ども連れの来場者も多くなって,出展者のみなさんからも「新しいフィードバックがもらえた」という感想をいただきました。
4Gamer:
都心のインディーゲームイベントだと,どうしても大人のゲーマーが多くなりがちでしょうから,幅広い層が来場することは大きな特徴になりそうですね。
東條氏:
そうですね。それなりの独自色と効果はあったかなと。
斉藤氏:
来場者の10%くらいが外国人観光客の方だったことも,川越だからこそだと思います。
4Gamer:
特に外国人観光客向けの告知をしたわけではないんですよね。
渡邊氏:
ゲームとは関係なく,川越観光に来た方が,「何をやってるんだろう」と,会場を覗くことが多かったみたいです。
東條氏:
おそらくコエトコとしては開設以来最大の来場者数になりましたし,イベント全体では1500名ぐらいでした。雨が降っていてその数字だったので,晴れていたら3000人はいったんじゃないかと。
4Gamer:
さきほど東條さんが話したように,オープンタウン型であることが,ほかのゲームイベントとは違う雰囲気を生んでいるように思います。
斉藤氏:
イベントを開催する側の気持ちとしては,普段ゲームをプレイしないような一般の方,たとえば地元のマンションに住んでいるような方に来場してもらって,身近に感じてもらいたい,ゲームの印象がもっと良くなってほしいという思いがあります。
やっぱりゲームって,世間一般ではいまだによくないイメージを持たれていると思うので……閉じた会場のイベントだと,一般の人はそこに入らないじゃないですか。
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4Gamer:
ゲーム業界の近くにいると,あまり感じることは少なくなりますが,“世間一般”のゲームに対するイメージはそうですよね。
斉藤氏:
年代によっても変わりますけどね。
東條氏:
もちろんごく一部の人からではありますが,「川越でゲームのイベントをやることに何の意味があるんですか?」という声も耳にしました。
4Gamer:
それはかなりストレートな……。ともあれ,プレイヤーの裾野を広げる意味でも,オープンなイベントの必要性は高そうです。
斉藤氏:
川越はなんだかんだでアクセスもいいし,観光地としても賑わっているので,“町おこし”は間に合っているんですよね。そういう意味だと,うちは川越の賑わいに若干乗っかってるところもありますが,ゲーム産業が活発なわけでもないので,みなさんに認知してもらって,若い人などに移住してきてもらいたい……という気持ちです。
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4Gamer:
さきほど,川越市が小学校へのチラシ配布に協力してくれた話がありましたが,ほかにもサポートがあったんでしょうか。
斉藤氏:
会場設営作業にあたって,地元の会社さんを紹介していただくとか。何度も設営している場所ですから作業はスムーズでしたし,「川越は風がすごく強いので,テントには重りをたくさん置いたほうがいいです」みたいなアドバイスをいただくようなこともありました。
4Gamer:
それは地域への貢献にもなりますし,運営の点で見ても心強いですね。
斉藤氏:
なので,市から補助金を出していただくようなことはありませんが,そもそもコエトコをイベント会場として無料で使わせていただきましたし,かなりサポートしてもらっています。
東條氏:
途中で市役所の部署を異動になった方がイベント当日に来てくれることもあったので,個人として助けていただいたところも大きいと思います。
斉藤氏:
そういう意味では,“身内”としての応援という感じが強いですね。川越市が「公式にサポートしますよ」ってなるには,回数を重ねる必要があると思います。今年は,川越市長に開会の挨拶をしてもらえないかなって思ってるんですけどね……市長,ぜひ来てください(笑)。
4Gamer:
渡邊さんは今年からイベントに関わっているそうで,運営の仕事を実際やってみていかがですか。
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大変ですけど,イベントの裏側というか,どうやって回っているのかを見る機会ってなかなかないので,新鮮です。私は川越の隣にある市の出身なんですけど,そこにはあまりイベントがないので,「こういうのを地元でもやっていけたら楽しいな」と思いながら仕事をしています。
4Gamer:
いずれ自分でもイベントを立ち上げてみたい?
渡邊氏:
やってみたいです。地元の最寄り駅に降り立ったら,本当に何もないんですよ。ちょっと前に駅前のスーパーが閉店して,そこも更地になったままなんです。自分の親世代が中心の新興住宅地なので,まだみなさん元気ですけれど,自分が30とか40歳ぐらいになった頃に,そこがガランとしたままだったら,ゴーストタウンみたいで悲しいと思っていて。
4Gamer:
昭和の時代に生まれた,いわゆる「ニュータウン」が,現在そういった問題に直面していますよね。
渡邊氏:
なんというか,もっと賑わっていてほしい。今のうちからイベントとかで人を呼べたらいいのになって思ってきたので,ここで学びながら「どういうことができるだろう」って考えています。
斉藤氏,東條氏,下薗氏:
素晴らしい!
渡邊氏:
いやいや。
斉藤氏:
渡邊さんの仕事はかなりハードだと思います。
渡邊氏:
そうですね。でもすごく面白いです。川越の近くにもすごい熱を持ってゲームを作っている方がいらっしゃることが分かりましたし。そういう人たちがいる,ということだけでも,もうすごくやる気が出るというか,自分も頑張らないとな,って思います。
“爆誕”イベントでも,地元とのつながりが生まれた
4Gamer:
ちょっと話が戻りますが,川越の観光と合わせたようなゲームイベントというコンセプトは,最初から決まっていたんでしょうか。
斉藤氏:
最初はコエトコだけでこじんまりとやることを想定していましたが,小さくやっても手間はかかりそうだなと思って,「ここまでやり切れば多分成功する」というところまで拡大したんです。あとは,地方創生イベントなどを手がけている会社さんからのアドバイスも大きかったですね。
4Gamer:
どんなアドバイスがありましたか。
斉藤氏:
「街歩き」と「ゲーム」のどちらをメインにするか,自分が迷っていたところに,「フォーカスが甘くなるので,まずゲームをメインにしましょう」と。
4Gamer:
それはちょっと意外ですね。地方創生を手がけている会社さんなら,街歩きのほうを推しそうですが。
斉藤氏:
実際,それを聞いた別の方からは「街歩きをメインにしましょう。川越とゲームって何の関係もないですよね?」みたいな反論もあったんです。でもそれに対して「川越に突然ゲームのイベントが爆誕したことにすればいいんですよ」って。
イベント名も,最初はなんか「蔵のまち祭り」みたいなものだったのを,「そこは尖った方向に振り切ったほうがいい」と助言いただいて,GAME DIGGになったんです。
4Gamer:
爆誕ですか,なるほど。
斉藤氏:
馴染みがないものも,何年か続けて既成事実を作れば名物になるので。そのうち「川越といえばGAME DIGG」みたいになるといいですね。
4Gamer:
今年のイベントでも子ども向けのワークショップがあるとのことで,具体的にどんな内容なのか,聞かせてください。
東條氏:
「ものがたりゲーム」に特化してやっています。小4の息子の教育をいろいろ考える中,プログラミング教育について,塾などが「AO入試が増えてるから,プログラミングしましょう」といった方向で進めているのが気になっていて。「作りたいものがあるから,作る方法を学ぶ」のが大事ですよね。
4Gamer:
そうじゃないと意欲が湧かないと思います。
東條氏:
プログラミングではなく「ものがたり」に寄せれば,ストーリー作りや絵を描くのが好きな子でも入りやすいです。ゲーム要素は強くても弱くてよくて,それは先ほど話に出たように,世間一般でゲームがマイナスのイメージを持たれがちな中で,いい方向に働くとも思っています。
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4Gamer:
イベント当日だけでゲームを完成させるのは大変だと思うのですが。
東條氏:
「ワークショップ」というと当日その場で作るイメージがあると思うんですけど,事前に何日か時間をとってゲームを作って,イベント当日は完成したゲームを展示することになります。
4Gamer:
あぁ,出展タイトルの1つになるんですね。
東條氏:
大人でも,発表したゲームに反応あると嬉しいじゃないですか。子どもにしたら,自分の頭にあったものが動くだけで夢中になるし,多くの人に見てもらえたらさらに嬉しいんじゃないかと思います。
実際,イベントにはゲームや物作りに共感してくれる大人が多く来てくれて,ポジティブな意見交換があったので,すごいいい場になりました。
4Gamer:
それは子どもたちの刺激になるでしょうね。
斉藤氏:
配信番組のほうでも,「このゲームはこんな感じで……」ってプレゼンテーションしてもらいました。まさに出展者さんと同じ扱いです。
東條氏:
最初は顔出しNGだった子が,途中から「顔出してもいいかな」とか言い出すくらい,みんなの反応が嬉しかったみたいです。実際,なかなか大人が思いつかないゲーム,面白いテーマが多かったですし。
斉藤氏:
小学校高学年の女の子が作った「手から天カスが出るゲーム」とかね。
4Gamer:
手から天カス!? かなり斬新な発想ですね。
東條氏:
その子がもう1つ作ったのも,謎の生命体とSNS拡散がテーマという斬新な切り口でした。
その子だけでなく,みんな頑張ってくれました。長い日は5,6時間やることもありましたし,そこから家に持ち帰って作り込んだりとか。
4Gamer:
それはすごい。自分が作りたいものがあるからこそ,その熱量が生まれるんでしょうね。
斉藤氏:
将来的には,おじいちゃんとかおばあちゃん向けのワークショップを開催してもいいかなと思ってます。定年退職して時間がある人に,「ゲーム作りませんか?」って。「孫に自慢できる」っていうのはいいと思いますし,特に男性は仕事をやめたあとに何もすることがない,みたいな話も聞きますから。
4Gamer:
去年の開催は初めて尽くしだったと思うのですが,実際にやってみて気づいたことはありましたか。
斉藤氏:
開催前はうまくいくかどうか不安でしたし,やってる最中も不安だったんですけど,アフターパーティーで話したみなさんの満足度がかなり高かったんですよね。
うちはイベント運営会社ではないので,1回でやめてもいいかと思うところもあったんですけど,続けるしかないと思うくらい良かった。そういう“気づき”がありました。
4Gamer:
大成功だったわけですね。
斉藤氏:
ただ,「ここまでやりきると責任が生じるんだな」「1回成功すると期待されるんだな」とも思います。ゲーム作りのほうも忙しいんですが,「イベントやめてもいいかな」とは言えなくなっちゃって。
事業として考えると,儲からないどころか油断するとすぐ赤字になりますし。とはいえ,続けるのが使命だろうと思いまして,少なくとも「5回」やります。5回やったら,もうやめられないかも(笑)。
東條氏:
僕としては,出展者のお兄さんやお姉さんが「子供と話したいから」ってワークショップのほうを見に来て,「あ,今作ってる子いない? じゃあまた来る」って何度も往復してくれるのを見て,本当にいい場所になったな,やってみて良かったなと思いました。すごくいい経験になったと思います。
下薗氏:
私は,「イベントをやります」って宣言すると人が集まってきて,「あ,これやります」「これ紹介します」みたいな感じで,どんどんやることが大きくなっていくのが印象的でした。やるぞって決めたら意外といけるんだな,やりたいことがあるって言ったら,結構協力してくれる人はいるんだなって気づきましたね。
川越出身でも,これまで地元の人たちとのつながりはほぼなかったんですけど,知り合いが増えて,お店に行ったら「ああ,GAME DIGGの人」みたいな感じになったので,実際に動くことが大事なのかなっていう気持ちです。
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4Gamer:
渡邊さんは,去年のイベントには関わっていなくても,受付にはいらっしゃったんですよね。
渡邊氏:
はい。普段のコエトコだと,一般の人が「ここ何?」みたいな感じでやってくるんです。「インキュベーション」っていう言葉がそもそも一般的じゃないので,「創業支援です」とか「オフィスです」って伝えてもあまりピンとこないようです。
一方で,イベントのときは「いい施設だね」「素敵だね」という反応が多くて。秋の川越まつりのときにも小さいイベントがあったのですが,そこにもみなさんが足を運んでくれて。そういう様子を見ると,GAME DIGGからつながりが広がっていると感じます。
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2回目の開催となる今年の見どころは?
4Gamer:
今年のイベントは会場が3か所になるのが一番分かりやすい変化だと思いますが,それ以外の見どころを教えてください。
斉藤氏:
まず大きいのが,音楽ステージを終日実施することです。前回は2会場で30分ずつだけでしたが,今回は蓮馨寺(れんけいじ)で5時間,地元の尚美学園大学のみなさんも含めて5組に演奏してもらいます。
あとは生配信の場所が,りそなコエドテラス(旧八十五銀行本店本館)の「頭取室」になります。ちょっと豪華な感じの部屋で,子どもさんも含めてゲームのプレゼンをしてもらおうと。
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4Gamer:
かなりグレードアップしていますね。
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新しいものとしては,「ゲーミングアパレル」というものを展開する予定です。こうったイベントのアパレル販売はTシャツをただ並べるみたいなものが多いと思うんですが,もうちょっとコーディネートをして展示しようと。下薗さんが,こんな感じのゆるい雰囲気のオリジナルTシャツを制作しています。
4Gamer:
あー,「バグる」のデザインは“こうきたか”って感じで面白いですねー。
東條氏:
ワークショップは完成作品の展示がメインですけれど,当日にちょっとだけ体験もやろうかなと思っています。ツールに触れて,興味を持ってくれたらいいなと。
4Gamer:
今の子どもたちなら,さらっと使いこなせそうな気がしますね。
では最後になりますが,今年のイベントに向けての意気込みとか,あるいは来年以降の展望をうかがいたいです。
斉藤氏:
1回目が大成功だったので,2回目も全力で川越を盛り上げていきますし。来年以降も続けていきますので,ぜひよろしくお願いします。
東條氏:
去年から継続して参加の子も,新しい子も,それぞれの個性がある面白い作品を作っていますので,ぜひ会場にいらっしゃってほしいです。
下薗氏:
斉藤さんがやめない限り(笑),全力で川越市民としてサポートします。
渡邊氏:
こういったゲームイベントは,埼玉のほかの地域では見たことがないので,いろいろなゲームを,川越の新しい魅力として楽しんでいただけたらなと思っています。頑張ります。
4Gamer:
ありがとうございました。
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