インタビュー
「レゴ スーパーマリオ」メールインタビュー。レゴジャパンの長谷川 敦氏と任天堂の手塚卓志氏に,新たな遊びを提供するコラボ商品について聞いた
「レゴ スーパーマリオ」は,レゴブロックで自由にマリオのコースを組み立て,モーションセンサーやカラーセンサーといったデジタルテクノロジーを活用した遊びが楽しめる,レゴブロックの新商品。上記のほか,拡張セットやキャラクターパック,パワーアップパックなどさまざまな商品展開が予定されている(関連記事)。
さらに7月15日には,構築キット「LEGO Nintendo Entertainment System構築キット」が発表。これはファミリーコンピュータ(ファミコン)の日本国外用製品であるNintendo Entertainment System(NES)と1980年代のテレビのキットで,「スーパーマリオブラザーズ」の世界を再現した商品で,「レゴ マリオ」を組み合わせて遊ぶことも可能だ。
1〜2歳で初めてブロックに触れる幼児期向けから,12歳以上の上級者向け「クリエイターエキスパート」まで,幅広い年齢層に向けて商品が展開されているのもレゴの魅力。基本の対象年齢が6+(6歳以上)の「レゴ スーパーマリオ」は,対象年齢18歳以上の“大人のレゴ”である同キットを導入することでより上の年齢層でも楽しめるところも特徴だろう。
「LEGO NES」がレゴと任天堂の新たなコラボ製品として8月1日発売へ。1980年代スタイルのテレビセットと共にスーパーマリオの世界を再現
レゴジャパンは2020年7月14日,大人向けの「レゴ スーパーマリオ」のセット「LEGO Nintendo Entertainment System」を,2020年8月1日に発売すると発表した。海外版ファミコンと1980年代スタイルのテレビセットで「スーパーマリオ」の世界を再現する本製品。「レゴ マリオ」との連動要素もある。
そんな今後の展開も楽しみな「レゴ スーパーマリオ」について,レゴジャパン代表の長谷川 敦氏と,「スーパーマリオ」や「ゼルダの伝説」シリーズなどを手掛け,本商品の開発にも携わる任天堂のプロデューサー・手塚卓志氏にメールインタビューを行った。レゴの新たな遊びを提供するという「レゴ スーパーマリオ」制作の思いや今後の展開について聞いたので,それをお届けしよう。
レゴジャパン 長谷川 敦氏 |
任天堂 手塚卓志氏 |
LEGO公式サイト「レゴ スーパーマリオ」商品ページ
レゴの新しい可能性が詰まった「レゴ スーパーマリオ」
4Gamer:
レゴはこれまでもさまざまなコラボ商品を展開していますが,それらとの大きな違いがあれば聞かせてください。
レゴジャパン 長谷川氏(以下,長谷川氏):
レゴ社ではこれまでも数多くのパートナーとのコラボレーションにより,お子さまはもちろん大人の方にも楽しんでいただける製品を発売してきました。
今回の「レゴ スーパーマリオ」では,任天堂とのコラボレーションによって,ゲームの中のマリオがレゴを通して実際に遊べるだけでなく,光学センサーやジャイロセンサーなどのハイテク技術を搭載し,まったく新しい遊び方を提供できる製品になるよう開発されてきました。コースの中に組み込まれたコードで読み取った色や動作,傾きをマリオのさまざまな反応や機能が楽しめ,ゲームのマリオと同様にコインをゲットできます。
また,お子さまの自由な発想で自分だけのコースが作れることも魅力です。これまでのレゴ製品にはない新しい遊び方を通して,より多くのお子さまに楽しんでいただけるものになると確信しています。
4Gamer:
レゴブロックにスーパーマリオならではの遊びのアイデアやデザインを融合するうえで,どのあたりに苦労されましたか。
任天堂 手塚氏(以下,手塚氏):
まず「『レゴ マリオ』の大きさやデザインをどうするか?」については,とても長い時間を費やして検討してきました。
また,レゴ マリオは搭載しているカラーセンサーで色や行動を読み取って反応しますが,その取り付け位置の関係上,ゲームのマリオのように下からブロックを叩くことで何かを読み取ることはできません。それを,例えばブロックを踏むことで下から叩いたことにするなど,「レゴ スーパーマリオ」のハードの仕様に合わせてゲームデザインを変えていくことも,レゴ社と任天堂の両社で検討を繰り返した結果です。
それらは苦労ともいえますが,私にとっては楽しい時間でした。
4Gamer:
デジタルテクノロジーを取り入れるというアイデアはどのように生まれたのですか。デザインや遊び方などを作り上げるうえで,両社はどのように話し合い,制作を進めてきたのかなどを教えてください。
手塚氏:
まずこの商品はレゴであること。子供たちがイマジネーションを膨らませながらブロックを組み立てるという遊びが重要で,そのサポートとしてデジタル技術を取り入れるという考えをレゴ社と最初に決めました。
ですので,遊び方についても,ゲームは参考にしていますが,純粋に子供たちにとって“ブロックでモノを作ることが楽しくなる”ことを最優先にしています。
作ったコースの中で遊ぶことは,次に何をどう作るかの参考にもなるわけで,楽しみながらもっともっと作りたいという気持ちになることを理想とし,デザインを考えてきました。
4Gamer:
「レゴ スーパーマリオ」はどういった人にどう受け取めてほしい商品なのでしょうか。楽しみを今後どのように展開させていきたいか,その思いと合わせて聞かせてください。
長谷川氏:
「レゴ スーパーマリオ」は,これまでレゴ製品を楽しんでいただいているお子さまはもちろん,これまでレゴに触れてこなかった新たな層にも広くお届けしたいと考えています。
自分だけのコースを作る中で無限の想像力を育んでいただき,マリオがもつ素晴らしい世界観を通し本製品の楽しさを見つけていただければ幸いです。今回の素晴らしいコラボレーションにより生まれた「レゴ スーパーマリオ」を通し,一人でも多くのお子さまに楽しんでいただけることを願っています。
手塚氏:
一般にブロックを組み立てるときには,動物や乗り物など何かをイメージして作り始めると思います。「レゴ スーパーマリオ」のマリオのコースには決まった形があるわけではないので,本当に自由に発想し,自分が思い描くコースを組み立てていただければ嬉しいですね。
すでに家にあるレゴブロックを混ぜて使うこともできますし,部屋にある本,椅子や机などあらゆるモノを組み合わせて部屋中をマリオのコースに変えることもできます。ゲームがあまり得意でない小さなお子さんと一緒に,マリオの世界を楽しんでいただけることを楽しみにしています。
レゴブロックはビデオゲームよりもずっと歴史のある商品ですから,その中で「レゴ スーパーマリオ」もいつまでも存在し続ける商品になってくれると信じています。
4Gamer:
発売を前にしたいまの気持ちや,発売を待つファンや読者にメッセージをお願いします。
長谷川氏:
予約販売やソーシャルメディアを通し,発売前から大変多くの期待を寄せていただいております。私も実際に遊んでみましたが,大好きなスーパーマリオがレゴで楽しめるワクワク感と,まったく新しい遊び方をご提供できる製品に仕上がっていると感じました。
今回の「レゴ スーパーマリオ」でご提供できる新しい遊び方から,慣れ親しんでいただいている「作り上げる楽しさ」,スマートフォンと連動させ可動させることができるモデルまで,子供から大人,またファミリーでも一緒に楽しめる製品が揃っています。本製品を通しレゴの新しい可能性をより多くのお子さま,ご家族にもお伝えできれば幸いです。
ぜひ,皆様のパッションポイントにあう製品に出会っていただければ嬉しく思います。
手塚氏:
長い間取り組んできたプロジェクトですので,とてもワクワクしています。
気がつけば4年以上も開発してきたのですが,実は楽しかった記憶しかありません。レゴ社のスタッフと任天堂のスタッフはとても波長が合ったからでしょうか? お互いのもの作りの文化に敬意を持ち,お互いの仕事を尊重しながらの楽しい経験でした。多くの素晴らしい人たちと出会うことができて,とても幸せです。
LEGO公式サイト「レゴ スーパーマリオ」商品ページ
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