案内役はEduard Malykh氏。同社でゲームデザインを統括している。試遊台のコントローラは終始Malykh氏が握りつつ説明してくれた。
本作のビジュアルディレクターは,ヴィクトル・アントノフ氏(1972〜2025年)である。「Half-Life 2」のシティ17や「Dishonored」のダンウォールを作った美術監督で,2025年2月に世を去った。Eschatology Entertainmentは2022年設立のスタジオなので,本作はアントノフ氏が最後に構想した世界ということになる。
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舞台は,破滅を迎えたアメリカ西部だ。崖の上に伝道所が建ち,地平線までが赤く焼けている。
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Malykh氏が最初に念を押したのは,これはソウルライクのゲームであって,シューターであるのはその次だ,ということだった。銃を持って撃つだけでは,まず勝てない。敵ごとに攻略法を覚え,それに合わせて撃つゲームなのだという。
開発チームは全員がソウルライクの愛好者で,19世紀の撃つのに手間のかかる銃と,ソウルライクの仕組みを組み合わせたらどうなるか,という課題を自分たちに課したところから本作の開発は始まった。その過程で生まれたのが,敵ごとに解法を用意し,それを銃で解かせるという設計だ。プロトタイプの手応えがよかったので,そのままゲームになった。
鍵になるのは,シークエンスポイントと呼ばれる仕組みだ。敵には弱点が複数あり,しかも撃つべき順番が決まっている。1番目,2番目,3番目と正しい順に当てていくと,そのたびにダメージ倍率が積み上がる。順番を無視して胴体を撃ってもダメージ自体は通るが,桁が変わるほど少ない。
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では,その順番はどこで知るのか。ゲーム内にはコーデックスと呼ばれる手記があり,敵の情報はすべてそこに載っている。いつでも開けて,敵の絵に1番,2番と番号が振ってある。Malykh氏は戦闘の途中で一度これを開き,いま相手にしている敵の弱点が頭であることを確かめてから撃ってみせた。
コーデックスはスタジオのアーティストが手描きしたものだ。作中の設定としては,登場人物の一人であるネイティブアメリカンが書いたことになっている。だから中身はチェロキー語で書かれており,プレイヤーはこれを読み解いていく。
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敵の側も一様ではない。鉄仮面をかぶって斧を提げた男が立っていたかと思えば,空を飛ぶ芋虫のような相手も出てくる。それぞれに違う手順が要る。
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プレイヤーの防御手段は2つで,パリィと回避のダッシュだ。遠距離攻撃もパリィできる。白く光る手がかりと音で見分けるのだと,Malykh氏は弾を弾き返しながら説明した。
ゲージは3本ある。赤が体力,緑がスタミナで,スタミナはダッシュとパリィに使う。3本目が火薬で,これは銃のリロードと魔術の両方に使う。
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銃は実在した19世紀の銃を下敷きにしており,扱い方も当時のままである。撃鉄を起こす必要のある銃なら,撃つ前に毎回起こさなければならない。Malykh氏自身,デモの最中に何度か起こし忘れて空振りしていた。進行に応じて,その手間の要らないダブルアクションのリボルバーも手に入るという。
リロードにかかる時間も,実際に人がやったときの長さに寄せてある。ただし例外はあり,前装式のパーカッションリボルバーは現実には装填に数分かかるので,そこは魔術で埋めた。この銃を選ぶと,銃から6本の手が伸びてきて,勝手に装填してくれるのだそうだ。
銃は製品版で20種類ほどになる予定だという。同じ実銃から派生した近い品もあるが,クラスが違えば遊び方は別物になる。デモで使っていたレバーアクションライフルのウィンチェスターは,装弾数が9発とリボルバーより多い代わりに,シリンダーを回して弾を選ぶことはできない。1発ずつ押し込むためリロードも長い。特殊弾を使い分ける遊び方には向かない銃である。
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本作のもう一つの軸が特殊弾だ。リボルバーのシリンダーには,1発ずつ違う種類の弾を込めておける。マウスホイールか,コントローラなら専用の入力で,シリンダーを回し,状況に応じて撃ち分けるわけだ。単純にダメージが上がる代わりに何かを差し出す弾もあれば,敵のどこを撃ってもシークエンスの最後の1発として扱われる弾もある。順番を守らずに大ダメージを出せてしまう。
ビルドの構成も見せてもらった。武器は2丁で,それぞれに戦い方がある。そこに,アーキタイプ由来のアクティブ能力が1つとパッシブ能力が5つ乗る形だ。加えてカースと呼ばれる能力が1つあり,これは何らかの代償を負う代わりに,パッシブの枠をもう1つ開けてくれる。あとは防具と,4つのタリスマン(護符)だ。
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アーキタイプは5つ用意されている。銃で戦う型が3つで,シークエンス射撃に特化したハンター,シャープシューター,そして跳弾を軸にした型。残る2つが魔術系である。ただしプレイヤーはアーキタイプに縛られない。能力はこちらから,武器はあちらから,と自由に組み替えてよい。
5つの元になっているのは,いずれも19世紀のアメリカに実在した人物だ。跳弾の型のベースになっているのは,サーカスで銃の腕を見せていた射手のアニー・オークレイである。ただしゲーム内で実名は使っていない。
今回のデモでMalykh氏はブードゥーの魔術を使う型を見せてくれた。銃で戦う3つの型のほうが遊び始めるにはやさしいが,魔術は使いこなすのに手間がかかる。あえてそちらでいく,というのが理由だった。
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魔術を作るときにチームが避けたかったのは,火の玉を投げるだけでダメージが出てしまう状態だったという。ソウルライクで魔術を選ぶと,そうなりがちである。だから本作の魔術は,投げただけでは何も起きない。
実演はこうだった。まず小さな袋を投げる。袋は範囲効果を作るが,それ自体はダメージを持たない。撃って初めて発動するのだ。袋を撃つと効果の範囲が変わり,力が溜まり,そこでようやく範囲内の敵に何かが起きる。範囲内の敵が全員跳弾の的になる効果もあれば,範囲内の敵が自動でパリィを取るようになる効果もあった。後者はこちらが撃ち返さなければダメージが入らない。つまり,魔術を選んでも撃ち続けることになる。
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銃そのものが魔術の器にもなる。銃身に力が溜まっているあいだは,それで殴ると与えたダメージのぶんだけこちらが回復した。赤く光る銃身で殴られた敵は,以後こちらを殴るたびに自分も傷つくようになる。
デモの区切りには,このイベント用に置いたというボスがいた。
その前に,途中のキャンプファイアの説明が入った。ソウルライクのチェックポイントと同じで,進行を保存し,ファストトラベルの起点になり,能力値を割り振れる。
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能力値は3つだけで,振り直しはいつでもできる。まず全部を体力に振り,あとで考え直して別に振り直す。そういう実験を歓迎したいのだと,Malykh氏は言った。ここでは能力の付け替えも可能で,進行に応じてメダリオン,特殊な魔術のための祈祷書,銃の薬室ごとに効果を付与する仕組みが加わっていく。
肝心のボスは,巨大な眼球から何本もの触手が伸びた相手だった。その手前には,こちらが追跡している黒い騎手も姿を見せている。ボスにもシークエンスポイントはあり,パリィも通じた。眼球のボスの場合,狙うべきは球体の目で,外側の輪から内側へ向かって4つある。4つ目まで入れると第2形態に移り,向こうも撃ってくるようになった。もちろんコーデックスにはこのボスのページもあって,1番目から4番目までの位置が描いてある。
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物語の話も少し聞けた。ゲームの背後には,作中で語られる範囲よりずっと大きな設定があるそうだ。今後の作品に広げていける規模だという。
プレイヤーは世界をたどり,同時に自分の足跡もたどる。世界がなぜこの状態になったのかは,自分の行動の結果として見えてくるのだ。そのうえで,何を変えれば世界を直せるのかを考えるかどうかは,プレイヤーに委ねられている。物語を掘るほど,秘密の解き方もボスへの向き合い方も増えていく。ボスの物語を開くと,そのボスに対する別の手が見えることがあるという。
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このデモでは触れられなかったが,本作にはソロだけでなく協力プレイがあり,進行もそのまま共有される。発売時期の告知も,協力プレイのトレイラーとともに行われたものだった。Steamのストアページには対人戦の記載もある。
ちなみに,ゲーム自体はできあがっており,あとは出す時期を選ぶだけなのだそうだ。


















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