インディーズゲームの小部屋：Room＃707「Tunche」

　今期は，近頃では珍しく新作ロボットアニメが豊作なことに喜んでいる筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第707回は，LEAP Game Studiosが開発した「Tunche」を紹介する。本作は，キャラクターの育成やランダム要素を加えた，可愛らしいグラフィックスが魅力のベルトスクロールアクションだ。一度でいいから，本物の人型メカに乗ってみたいなあ……。


　本作のストーリーは，アマゾンのジャングルで暮らす4人の主人公が，森の精霊トゥンチェを探して冒険するというもの。4人にはそれぞれ個人的な目的があり，炎の鞭を振り回したり，己の拳で戦ったりと，独自の戦闘スタイルとスキルを持っている。また，5人めのキャラクターとして，Gears for Breakfastのアクションアドベンチャー「A Hat in Time」から，主人公のハットキッドがゲスト出演しているのも注目ポイントだ。


　基本的なゲームシステムは，複数の小さなエリアで構成されたステージを，各エリアに出現する敵をすべて倒しながら進んでいくというベルトスクロールアクションだが，特徴的なのはそこにローグライク要素を採り入れていること。敵を全滅させるとランダムなパワーアップアイテムや，新しいスキルを習得するためのアイテムが手に入り，繰り返しプレイすることでキャラクターを強化していける。


　キャラクターの強化方法は大きく2つあり，1つは敵を全滅させたりすると入手できる「エッセンス」を使って，新たなスキルやコンボなどを習得すること。そしてもう1つは，ランダムで手に入る「スピリチュアルコア」によるパワーアップだ。スピリチュアルコアには，少しずつ体力が回復したり，敵に追加ダメージを与えたりとさまざまな特殊効果があり，たくさん集めるほど戦いを有利に進められる。ただし，キャラクターが倒されると持っていたコアをすべて失い，拠点から再スタートとなる。


　バトルでは，通常攻撃や魔法，ゲージを消費して繰り出す特殊攻撃に加え，スピリチュアルコアによるパワーアップ効果を駆使して戦っていく。敵を上空に打ち上げて連続攻撃を叩き込むなど，ダメージを受けずに戦うと「スタイリッシュグレード」（いわゆるコンボゲージのこと）が上昇し，それによってスピリチュアルコアの効果が発動する仕組みだ。敵の背後から攻撃すると与えるダメージがさらに増加するので，華麗な立ち回りで相手を翻弄しよう。


　また，手描きスタイルのキュートなグラフィックスも本作の大きな魅力となっている。コミックを1コマずつ読み進めていくようなストーリーシーンのイラストは本当に可愛らしく，一見の価値あり。ストーリーはキャラごとに異なり，筆者のお気に入りは戦士としての実力を証明するためにトゥンチェを探している槍使いの少女ナイラちゃんだが，ゲストキャラのハットキッドが何のために冒険しているのかも気になるところだ。


　そんな本作のPC版は，Steamにて2050円で発売中。日本語訳も丁寧で分かりやすく，爽快感のあるアクションを楽しめるゲームに仕上がっているので，興味を持った人はぜひどうぞ。

■「Tunche」公式サイト

http://tunchegame.com/