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幻想三国志WEB
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「幻想三国志WEB」開発インタビュー。歴代シリーズのシナリオをまとめたブラウザゲームはどのように作られたのか
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印刷2015/05/22 18:00

インタビュー

「幻想三国志WEB」開発インタビュー。歴代シリーズのシナリオをまとめたブラウザゲームはどのように作られたのか

UserJoy Technologyの入っているビル
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 ライオンズフィルムは2015年4月16日に「幻想三国志WEB」の正式サービスを開始している。
 「幻想三国誌」は,2003年に発表されて以来,累計110万パッケージのセールスを記録した人気シリーズだ。三国志の時代を背景に,神話を絡めた独自のストーリーが展開されていく。
 幻想三国誌というと,三国志をモチーフにしたタクティカルバトルのRPGで,日本でもひそかなファンも少なくないのだが,日本での発売元である日本ファルコムの作品だと思っている人が意外と多いようだ。幻想三国志WEBの開発元がUserJoy Technologyであるのと同様,実は原作も同社によって制作されている。日本ではシリーズの2作が公開されているのだが,台湾ではすでに4作が公開されている人気シリーズとなっている。
 今回は,台湾UserJoy Technologyを訪問して幻想三国志WEBのプロデューサーを務めるJohn Huang氏ら,開発スタッフにいろいろ話を聞いてみたのでさっそく紹介してみたい。

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――本日はよろしくお願いいたします。まず,本作の最大の特徴を教えてください。

Huang氏:
John Huang氏。幻想三国誌は各種ゲーム賞の受賞も多く,手にしているのはGame Star Awardでの最優秀スタンドアロンゲーム賞と最優秀美術賞のトロフィー
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 シナリオですね。定評のあるシリーズ4作品のシナリオを詰め込みました。WEB版オリジナルのシナリオを含め,各シリーズで語られなかった部分なども補足して構成していますので,すでにストーリーを知っている人も楽しめるのではないでしょうか。もちろん,原作を知らない人でも問題なくストーリーを理解できるようにしてあります。

――現状の台湾版では原作のシナリオのどのあたりまで到達しているのですか?

Huang氏:
 シナリオを初代のものからやっているわけではありません。現在のWEB版は,シリーズでいうと,3と4のストーリーを中心として構成しています。これは,最近出たもののほうが覚えている人が多いだろうということからです(※いずれも日本では未公開)。
 ただ,プレイヤーキャラクターから見ても「どの作品のどのあたり」というのは分からないでしょう。各マップで時間の神が出てきて,「こんな事件があったので解決してくれ」といった展開になっています。

――プレイヤーはいろんな幻想三国誌の時代を動き回って冒険をするわけでしょうか。ファンにはたまらない仕様ですね。

Huang氏:
 そうですね。ただ,シリーズ作品をプレイしたことがない人でもストーリーについていけるようには配慮しています。シナリオもそのあたりに気をつけてすべて書き直していますよ。ブラウザ版の作成には,パッケージ版の開発チームやシナリオライターも参加しており,各タイトルでユーザーに人気の部分を中心に選んでブラウザ版に取り入れるようにしています。

――パッケージ版の開発チームでは新作を制作しているのでしょうか。

Huang氏:
 いいえ,「幻想三国誌5」の開発には着手していません。現在はブラウザ版に加えて,モバイル版の開発が行われています。こちらでは,ユーザーから要望の多かった機能なども取り入れていく予定です。

開発風景。デスクに水槽を持ち込んでいる人も
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――台湾サービスの評判はどうでしょうか。

Huang氏:
 だいたい2種類に分かれますね。シナリオについては定評があるのですが,古くからのファンだと開発者と個人的に交流のある人も多く,討論したり参加したりといった交流が進んでいます。新たに始められた人には,本作のシナリオや戦闘システムなどを楽しんでいただいています。

――本シリーズは,小説などの原作があったわけではなくゲームから始まったものですよね。

Huang氏:
 はい。一般的なIPタイトルのように小説をゲーム化したものではなくて,ゲームが人気になって,オフィシャルの小説版などを作りました。愛着を持っていただいているユーザーさんだと,自分で小説を書いたり同人誌などを作っている人もいます。

歴代シリーズと関連書籍など。手前にある四角いのは,なんとブラウザゲーム版のパッケージだ
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――人気のキャラクターはいますか。

Huang氏:
幻想三国誌4外伝のパッケージ。左が「紫丞」で右が「楼澈」
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 現在人気が高いのは幻想三国誌4に出てきた「紫丞」と「楼澈」という二人の男性キャラクターですね(紫丞はWeb版の序盤でも登場)。ゲーム内では固い友情で結ばれているのですが,いわゆる腐女子系の方々の間では恋愛関係にあるのではと話題になっています。

――それまでのパッケージには男女のキャラクターがいるのですが,「幻想三国誌4外伝」ではその二人だけになっていますね。これはそういう狙いのものでしょうか。

Huang氏:
 公式のカップリングでは,紫丞と容仙,楼澈と璎珞ということになっていますが,パッケージ版はストーリーの進め方次第では違った展開になる場合もあります。外伝で二人だけを取り上げたのは,やはり人気があるのでそれを意識したところはありますね。
 また,歴代の人気キャラクターを集めた本なども出していいて,こちらでは男女間の恋愛関係などの情報もまとめられています。

――ブラウザ版では戦闘システムの人気も高いということですが。パッケージ版はタクティカルバトルでしたよね。

Huang氏:
 ブラウザ版では読み込みの負荷などもあって,タクティカルバトルは採用していません。戦闘時は陣形を選択し,どのキャラクターをどこに配置するのか,魔物の陣形に合わせてどの陣形を選んでいくのかといった部分を中心に組み立てています。

――ブラウザ版ならではの要素はありますか。

Huang氏:
 オンラインですので,自分一人では勝てないような相手に仲間と協力して立ち向かうようなコンテンツが用意されています。デイリーイベントではチーム戦とボス戦などですね。チーム戦は,見知らぬプレイヤーと一緒にステージをクリアしていくものです。ボス戦だと,全ワールドのプレイヤー全員で巨大なボスに立ち向かうことになります。
 そのほかにギルドボスがあります。これはギルドイベントとしてボスモンスターを召喚して,みんなで倒すというものです。ボスは,ギルドメンバーでダンジョンを攻略し,チケットを溜めて召喚する形になっています。

――チーム戦やボス戦は何人のプレイヤーで楽しめるものでしょうか。

Huang氏:
 前提となるクエストをクリアしている必要はありますが,ボス戦については人数制限はありません。チーム戦については自分を含む3人のパーティで挑むことになります。

――ゲーム内にある「占い」のようなシステムは歴代のシリーズにもあったものでしょうか。

Huang氏:
 占星はブラウザ用として開発したコンテンツですね。中国の九星や八卦といったものを取り入れています。15種類の星宿は実際の天体を表しており,星によって違うパラメータを強化することができます。

――台湾でのサービスで好評なシステムにはどんなものがありますか。

Huang氏:
 占星はキャラクター強化のコンテンツなのですが,ゲーム内通貨で行えるものですので,台湾のプレイヤーには好評ですね。

――日本サービスに当たって工夫したところなどはありますか。

Huang氏:
 PD(Paper Doll)アバターというプレイヤーの外見を変えるものを現在開発中です。そのほかでは,ゲーム内の制限をいろいろと緩和しました。例えば,諸侯という資格制度があるのですが,そちらの制限も大幅に下げています。そのほか,「駆出関羽」(かけだしかんう)を配布したり,大喬・小喬の新バーションを仲間として投入しています。
 また,レベルが上がるとアイテムがもらえるレベルBOXも日本市場に向けて調整したものになります。

緑武将の駆出関羽はログインボーナスで1日1枚ずつ軍令がもらえ,5枚溜めると使えるようになる
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――キャラクター育成でのポイントを教えてもらえますか。

Huang氏:
 客舎というところで,仲間との親密度を上げることができます。会話をして,その選択肢で親密度が変わっていくのです。親密度が高ければ,ガードしてくれたり,代わりに攻撃してくれるようになります。また,一定以上の親密度になると,連携攻撃ができるようになり,派手なスキル発動ができるようになります。会話以外にも,要望というクエストを進めることで親密度を上げることもできます。

連携攻撃の様子
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――日本版は台湾版の何割くらいの部分が実装されているのでしょうか。

Huang氏:
 台湾で公開されているものの3割くらいですね。

――今後日本で実装されるもので,台湾での人気が高いコンテンツにはどんなものがありますか。

Huang氏:
 人気のあるコンテンツの一つは,天若の塔です。これはソロで攻略するコンテンツになります。もう一つは勢力戦ですね。こちらはプレイヤーが2勢力に分かれて競い合うコンテンツになります。台湾ではイベント的に週末の夜に開催されていますが,台湾のプレイヤーはイベント参加に積極的な人が多いので,かなり盛り上がっていますね。

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天若の塔。画面を見ると,5つの塔があり,右下の白虎の塔25層をクリアして左にある青龍の塔に移動しているのが分かる
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――勢力戦ではどのように勢力を分けるのですか。

Huang氏:
 NPCのところで二つの陣営のどちらに参加するかを選択できます。勢力戦に登録すると,もう片方の陣営のプレイヤーのキャラクターが守っているマップを攻略にいくわけです。同様に自分のキャラクターが守るマップにも攻め込まれます。相手を倒して攻略するとポイントを獲得し,逆に相手がこちらの陣に達してしまうとポイントを失います。その合計で陣営の勝ち負けが決まるわけです。

勢力戦の様子。赤と青の2つの陣営に分かれ,それぞれの陣営のプレイヤーが守備するステージを攻略していく。総合点で陣営の勝敗が決まる
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――自由選択だと人数バランスが崩れませんか。

Huang氏:
 システムで自動的に振り分ければ公平にはなるのですが,プレイヤーが自分で選択することで陣営への帰属感が高まりますので,このような方式にしています。ただ,バランス的には問題が出ることがありますので,陣営の勝敗だけでなく,その勢力にどれくらい貢献したかでも報酬を出すようにしています。

――日本と台湾でプレイヤーの違いといったものはありましたか。

Huang氏:
 台湾のプレイヤーは日本と比べるとせっかちな人が多く,アップデートなども速いペースでないと怒られたりします。日本ではマイペースで楽しんでいる方が多いように思われます。また,日本では外見にこだわる人が多いですね。そこで現在PDアバターを開発しているわけです。

――最後に日本のプレイヤーにメッセージをお願いします。

Huang氏:
 幻想三国誌は台湾ではユーザー同士のコミュニケーションが盛んに行われており,そういったものを通じて結婚した人もいます。そういう人にはゲーム内で特別なプレゼントを行っています。日本でも同じようなことがあれば同様にお祝いをしたいですね。
 日本でもユーザーさん同士がコミュニティを作れるように,ギルド機能を強化していこうと思っています。そのうちの一つとして予定しているのがギルドスキルです。ギルドを育てていくと使えるようになるものです。
 そのほか,仲間の収集についても強化していきたいですね。各仲間にはそれぞれ固有のパッシブスキルもつきますので,そういった部分アピールして,仲間の収集をしたくなるようにしていきたいです。

――本日はありがとうございました。

幻想三国志WEBの開発チームの皆さん
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「幻想三国志WEB」公式サイト

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