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「Indivisible」の続報が待たれる北米独立系デベロッパLab Zero Gamesインタビュー。格ゲーファン注目のアケコンドライバについても聞いてみた
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印刷2017/02/27 12:00

インタビュー

「Indivisible」の続報が待たれる北米独立系デベロッパLab Zero Gamesインタビュー。格ゲーファン注目のアケコンドライバについても聞いてみた

 トゥーン調の2Dグラフィックスで描かれたキャラクター達が暴れまわる格闘ゲーム「スカルガールズ」で知られる北米のデベロッパ,Lab Zero Gamesのインタビューをお届けする。

Lab Zero GamesのCEO,Peter Bartholow氏(左)と,通訳兼デザイナーのEarl Gertwagen氏
画像集 No.001のサムネイル画像 / 「Indivisible」の続報が待たれる北米独立系デベロッパLab Zero Gamesインタビュー。格ゲーファン注目のアケコンドライバについても聞いてみた

 Lab Zero Gamesといえば,新作アクションRPG「Indivisible」の制作を2015年10月に発表し,聖剣伝説シリーズの菊田裕樹氏が音楽を担当することもあって,日本でも話題を呼んだのが記憶に新しい。同時にかなり遊べるプロトタイプの配布もスタートして,正式リリースが待たれている。また2016年4月には「スカルガールズ 2ndアンコール」PS4 / PS Vita / AC)がアークシステムワークス(AC版はエムツー)からリリースされており,格闘ゲームファンにとってはなじみ深いデベロッパでもある。そんな同社の“今”を,CEOのPeter Bartholow(ピーター・バーソロー)氏に聞いてみた。

 インタビュー自体は,2016年9月に行われた東京ゲームショウ2016会場で収録したものだ。掲載までに時間がかかってしまったが,PS3用のアーケードスティックをPS4で使用できるようにするレガシーコントローラドライバについてなど,格闘ゲームファンには興味深い話題も掘り下げて聞いているので,ぜひご一読いただきたい。


「Indivisible」公式サイト

「Skullgirls Mobile」公式サイト(英語)

Lab Zero Games公式サイト(英語)



Lab Zero流“メトロイドヴァニア”を目指す「Indivisible」


4Gamer:
 お時間をいただきありがとうございます。Lab Zero Gamesさんに直接お話をうかがえる機会ということで,現状と,これからの展望についてもお聞きできればと思っています。

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Peter Bartholow氏(以下,Bartholow氏):
 はい。でも将来については,実はそれほど明確なプランがあるわけではないんです(笑)。今は1つのプロジェクトに集中して開発を行っています。理想を言えば,同時に2つのプロジェクトが動かせればいいのですが,残念ながら今のところはチームを2つに分ける余裕はないんです。

4Gamer:
 その1つのプロジェクトというのは,2015年10月にプロトタイプが公開された「Indivisible」でしょうか。

※現在もSteamでPC版がプレイ可能。

Bartholow氏:
 そうです。とはいえ,「スカルガールズ」も同じチームで作っているので,いつも彼らは残業ばかりです。……本当は良くないことなのですけれど。プロトタイプについては,できれば日本のPSNでも配信したかったのですが,日本のパブリッシャにアテがなく,実現できませんでした。

4Gamer:
 ではまず,Indivisibleについて詳しく聞かせてください。現在は,どの程度開発が進んでいるのでしょうか。

Bartholow氏:
 プロトタイプをリリースしたあと,新しいオフィスに移動し,正式にプロジェクトが始動したのが2016年3月になります。今はプリプロダクションが終了し,いよいよ開発が本格化してきた,といったところです。

4Gamer:
 プロトタイプをプレイさせていただきましたが,シンボルエンカウント式のアクションゲームというのが新鮮で,とても面白いと感じました。そもそも,同作はどんな経緯で生まれてきたタイトルなのでしょうか。

Bartholow氏:
 そもそもの発端は,当時付き合いのあったパブリッシャから「チャイルド オブ ライト」PC / PS4 / PS3 / PS Vita / Xbox One / Xbox 360 / Wii U)のようなゲームを作れないかと打診されたことでした。それでスタッフの皆でチャイルド オブ ライトを遊んで研究してみたんです。

4Gamer:
 チャイルド オブ ライトは,2Dアクションにコマンドバトルを組み合わせたようなタイトルでしたね。シンボルエンカウント式というのも共通しています。

Bartholow氏:
 ええ。そしてLab Zeroのスタッフは皆,スクウェア・エニックスの「ヴァルキリープロファイル」(PS / PSP)が大好きだったので,この2つを組み合わせたようなゲームを作ろうと考えました。なにせ格闘ゲームを作っていたぐらいですから,アクションは得意なんです。

4Gamer:
 なるほど。それであのバトルシステムなんですね。

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Bartholow氏:
 はい。ただ,ヴァルキリープロファイルは大好きなんですが,いろいろな制限があるのは残念に思っていました。ダンジョンの制限時間だとか,集めたキャラクターを犠牲にしなくてはならないところとか。その制限を取り払い,さらに探索要素をもっと強めたようなゲームにしようとした結果,今のメトロイドヴァニアのスタイルに落ち着きました。

※メトロイドヴァイニア……「メトロイド」と「キャッスルヴァニア」(悪魔城ドラキュラの英語版タイトル)を組み合わせた言葉で,広大なマップを行き来しながら探索し,進んで行くタイプのアクションゲームを指している。「スーパーメトロイド」「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」といったスーパーファミコン時代の名作を祖として,海外では一つのジャンルとして認知されている。

4Gamer:
 完成はいつ頃の予定でしょうか。

Bartholow氏:
 現在は2018年早々を予定しています。ただその前に,クラウドファンディングで出資してくれたバッカー向けに,β版を提供したいと思っています。そこで新しいキャラクターも追加して,フィードバックを得たいと考えているんです。そのときは4Gamerさんにも提供しますので,ぜひ遊んでみてください。

4Gamer:
 ありがとうございます。楽しみにしています(笑)。


「Indivisible」公式サイト



格闘ゲームの面白さをスマホに――「Skullgirls Mobile」


4Gamer:
 では,日本でもファンの多い「スカルガールズ」について。現在は「スカルガールズ 2ndアンコール」の最新パッチも準備中とのことですが,モバイル版の開発も進んでいるとか。

Bartholow氏:
 はい。「Skullgirls Mobile」iOS / Android)は格闘ゲーム初心者とコアプレイヤーの両方に,気軽に楽しんでもらえるタイトルを目指して,モバイルゲーム開発に長けたデベロッパであるHidden Variable Studiosと協力して,現在開発を進めています。格闘ゲームの醍醐味である読み合いの要素を,シンプルな操作で体験できます。

4Gamer:
 開発はLab Zero Gamesではないんですね。

Bartholow氏:
 はい。我々は,モバイルゲームの開発や運営のノウハウを持っていなかったので,その分野に強い開発会社と組むことにしたんです。Hidden Variable Studiosのほかにも,我々は多くのデベロッパと話しましたが,そのほとんどはSkullgirlsのIPを使った3マッチパズルの企画でした。でもHidden Variable Studiosは,もっと野心的なビジョンを提案してくれました。

4Gamer:
 では,単純な移植やパズルゲームではないと。

Bartholow氏:
 ええ。チームを組んでキャラクターを強化したり,育成の要素もあったりで,コンシューマ版とは違う,モバイルならではの楽しさを追求したものになっています。

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4Gamer:
 スマホ用の格闘ゲームは,これまでにも幾つかリリースされていますが,大ヒットとまではなかなかいかないようですね。やはり,タッチパネル操作でシビアなアクションというのは,ちょっと無理があるのかもしれません。

Bartholow氏:
 いえ,北米では結構ヒット作があるんですよ。例えば,「MARVEL Contest of Champions(邦題:MARVEL オールスターバトル)」「Injustice: Gods Among Us」といったタイトルは,1年以上ずっとランキング10位以内です。

4Gamer:
 それはちょっと驚きですね。

Bartholow氏:
 ただ,こうした先行タイトルは,格闘ゲームとしてはちょっとシンプルすぎますので,スカルガールズモバイルの場合は,もう少し格闘ゲームに寄せ,メタゲームだけではないアクションとしての楽しさを追求しています。

4Gamer:
 なるほど。今日は開発中のバージョンをお持ちいただいたとのことなので,さっそく見せていただけますか。

スマホ版「Skullgirls Mobile」とは


 ここでは「Skullgirls Mobile」の概要について,実際に見せてもらったゲーム画面を交えつつ,簡単に紹介していこう。なお,掲載している内容や用語については,開発中のバージョンに基づくものであるため,リリース時とは異なる場合がある。その点はご了承いただきたい。


○基本操作

 基本操作はシングルタップで攻撃を繰り出し,連続タップすることで連続技(いわゆるチェーンコンボ)となる。ダブルタップすればガードとなり,スワイプ操作で投げ技を出せるといったように,タッチパネルで直感的な操作ができるようになっているのが特徴だ。さらに攻撃を続けることでゲージが溜まり,画面下部に用意された3つのボタンのいずれかを押すことで必殺技が繰り出せるという仕組みだ。

攻撃ヒット後に上にスワイプすればエリアルコンボとなり,下にスワイプすれば足払いが出て,相手をダウンさせられる
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自動でバトルを行なうオートモードも用意されている。どのタイミングで必殺技を繰り出すかに集中できるため,初心者に優しい作りだ。ただしAIはやみくもに攻めるだけで,あまり賢くはないようだった
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○キャラクターセレクト/チームメイク

 本作では3人のキャラクターを選んでチームを結成する,チームバトル形式が取られている。ここまではコンシューマ版でも同様だが,モバイル版ではそれぞれのキャラクターにいろいろなパラメータや能力が設定されていて,チームの組み方でさまざまなシナジーが発生する仕組みになっている。例えば交代時にチーム全体にバフをかける能力を持つピーコックと,パラメータを強化する能力を持つビッグバンドでチームを組めば,強力な攻撃を繰り出せる,といった具合である。

キャラクターのステータス画面。必殺技(スキル)はあらかじめスロットに登録しておくことで使用可能になる。また必殺技/超必殺技(本作ではブロックバスター)はスキルツリーを伸ばすことや,後述のガチャを回したりすることで入手できる
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ピーコックは長距離戦に長け,セレベラは掴み技が得意といったキャラクターの特性は,本作でも同様。さらにカスタマイズを行うことで,短所を補ったり長所を伸ばしたりといった,自分だけのキャラクターを作ることも可能だとか
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○ゲームモードと成長要素

 ゲームモードは,現在のところCPUと戦いながらキャラクターごとの物語(コンシューマ版とは異なるとのこと)を追いかけていくストーリーモードと,ほかのプレイヤーとの対戦が楽しめる対戦モードが予定されている(対戦はアップデートで追加予定)。
 ストーリーモードでは,バトルで勝利することで経験値が獲得でき,レベルをあげることでスキルツリーから新たな必殺技/超必殺技を獲得したり,新たなパッシブ能力,特殊能力などを習得できる。

同じキャラクターであっても,レベルや能力の違いでカラーが変化する。またキャラクターには,光や闇といった属性の概念もあるようだったが,これは調整中とのことだった
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画像集 No.010のサムネイル画像 / 「Indivisible」の続報が待たれる北米独立系デベロッパLab Zero Gamesインタビュー。格ゲーファン注目のアケコンドライバについても聞いてみた


○課金要素

 本作の課金要素は,スマートフォン向けゲームとしては一般的な,いわゆるガチャタイプを採用している。購入あるいはゲーム中で入手できるコインを使ってガチャを回すと,新しいキャラクターや必殺技などが手に入るとのことだった。

スマホゲーではお馴染みのガチャ。ただし,これは現在調整中で,本作に丁度よいガチャのバランスを模索しているところだとか
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4Gamer:
 ああ,これは楽しいですね。

Bartholow氏:
 単にスカルガールズの世界観を使っただけのゲームではなく,アクションが苦手な人でも格闘ゲームの面白さを味わえる,そんなタイトルになっています。開発のHidden Variable Studiosは,コンシューマ版のビジュアルをモバイルに移すにあたって素晴らしい仕事をしました。開発には2年かかりましたが,我々としても“らしさ”を失うことなく,モバイルゲームとして楽しいタイトルになったと自負しています。各キャラクターに新しいモーションも追加しているので,これまでのファンにとっても一見の価値があります。

4Gamer:
 登場するキャラクターは,コンシューマ版と変わらないのでしょうか。

Bartholow氏:
 今のところはそうです。でもモバイル版がうまくいって人気が出たら,新キャラクターが登場するかもしれません。そうなれば,本格的な続編として「スカルガールズ2」を作りたいですね。

4Gamer:
 えっ。「2」ですか!

Bartholow氏:
 今はコンシューマ版で培ってきたモーションを利用してモバイル版を作っていますが,格闘ゲームにキャラクターを追加するのは,本来とてもコストが掛かることなんです。だからモバイル版のキャラクターが「2」に登場して,今後は「2」のキャラクターをモバイル版に登場させる。そんな流れになったら最高ですね(笑)。

4Gamer:
 「スカルガールズ」のIPは,まだまだ続いていくわけですね。

Bartholow氏:
 はい。スカルガールズはキャラクターの人気が高くて,アニメエキスポなどに行くと,今もたくさんのファンに出会うことができます。でも,格闘ゲームは難しくて遊べないという人も少なくない。なのでこのモバイル版は,とても期待されているんですよ。そうしたファンのためにも,長く続くシリーズにしたいと考えています。

4Gamer:
 モバイル版のリリースは,いつ頃になるのでしょうか。

Bartholow氏:
 2017年春頃にソフトローンチ(限定されたユーザーを対象にリリースすること。クローズドβテスト)し,そのすぐ後に完全なローンチを行う予定です

※2017年2月24日,LINE Globalが本作のパブリッシングを担当することが発表された

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PS3用アケコンをPS4で。Lab Zero発のレガシーコントローラドライバ


4Gamer:
 ここからちょっと話題が変わるのですが,Lab Zero Gamesさんは,PS3用のアーケードスティックをPS4で使用できるようにするドライバを,デベロッパ向けに無償提供していますよね。

Bartholow氏:
 はい。我々は格闘ゲームが大好きなので,PS3のプレイヤー達がPS4へ移行しやすいようにと,このドライバを開発しました。アーケードスティックはバカにならない値段がするものですし,いろんな格闘ゲームで採用してもらえたら,皆がハッピーになります。もちろん,Sony Interactive Entertainmentにも許可をいただいてます。

4Gamer:
 あれはどんな仕組みで動作しているのでしょうか。

Bartholow氏:
 PS3用のアーケードスティックをPS4に接続すると,アーケードスティックは自らをHID(generic Human Interface Device)としてPS4のOSへ報告します。しかし,PS4にはこれを動作させるためのドライバが組み込まれていません。だから認識できないわけです。

※実際には,PS4側はKernel modeで動作する「libusbd」というライブラリ経由で,接続されたUSB機器と通信することになる。Lab Zero製のレガシーデバイスドライバはUser Modeで動作し,このlibusbd経由でコントローラの入力を受け取り,それをPS3互換のボタン配列に変換,ゲームソフト側に引き渡す。なおPS3対応のコントローラは,HIDとしてのボタン名(HIDフィールドマッピング)と実際のボタンとの対応が一定(ボタン1=[□]ボタンなど)であるため,PC用のコントローラと違い,ドライバ側で機器のプロファイルを取得して調整するなどの必要はないとのこと。

4Gamer:
 つまり,(PS4のKernel Mode側に「PS3用アーケードスティックを動作させるためのドライバ」がないのなら)ゲームソフト側にUser Modeで動作するドライバを組み込んでやれば,PS3のアーケードスティックも動作すると。

Bartholow氏:
 そうなります。ただしこの場合,ゲームが起動するまではドライバが読み出されないので,そこに辿り着くまではPS4用のコントローラが必要になります。

4Gamer:
 そこで疑問なのですが,であれば一度ゲームを起動したあとは,PS4用のコントローラは必要ないですよね。しかし,このドライバを使用しているいくつかのタイトルでは,ゲーム起動後もPS4の純正コントローラを挿し続けていないと,PS3のアケコンが使えなくなってしまいます。

Bartholow氏:
 ええ。我々もそのことは認識していますが,これは単に実装の問題なのです。現に,スカルガールズや「GUILTY GEAR Xrd -REVELATOR-」PC / PS4 / PS3)といったタイトルでは,ゲーム起動後に純正コントローラは必要ありません。

4Gamer:
 では,純正コントローラが常に必要なタイトルは,実装を誤っている?

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Bartholow氏:
 それぞれの実装の中身まで把握しているわけではないので断言はできませんが,もしかすると,そうせざるを得ない事情があるのかもしれません。たとえばゲーム中からPS4のOS機能にアクセスするような場合は,ゲームの外のことなので純正コントローラが必要になります。
 PS4では,純正コントローラはPlayStation Neworkアカウントと紐付けられる仕組みになっていますので,これを基準にシステムが設計されていると,純正コントローラを切り離せない……のかもしれません。

※DUALSHOCK 4などの純正コントローラは,接続時にPlayStation Neworkアカウントへのログインが求められる。複数の純正コントローラをPS4に接続する場合,同時に使用するにはPlayStation Neworkアカウントも複数必要になる。

4Gamer:
 うーん,なるほど。しかし,そうなると不便ですね。

Bartholow氏:
 当初の目的は,オフライン大会でPS3のアケコンを使えるようにしたいということでした。PS4にはUSBポートが2つしかないので,純正コントローラが常に必要だと,USBハブが必須になってしまいますから。

4Gamer:
 大会では,無線接続も混線するため,禁止になっているのが一般的ですし。

Bartholow氏:
 ええ。なので,各デベロッパさんには,そうならない実装をしてほしいと思っています。せっかくドライバを採用してもらったのだから,ドキュメントの提供やサポートも行いますし,必要であればアドバイスもします。それぞれのデベロッパさんのやり方があるので,そう簡単にはいかないのかもしれませんが……。

4Gamer:
 ドライバを採用したいデベロッパは,Lab Zeroに連絡をとればいいのでしょうか。

Bartholow氏:
 はい。ただし,2つだけ条件があります。クレジットにLab Zero Gamesを追加することと,ドライバのコードに改善や修正を施した場合は,それを僕らに共有してほしいということです。

4Gamer:
 このドライバは,アーケードスティック以外にも使えるのでしょうか。例えばステアリングコントローラであるとか。

Bartholow氏:
 ゲーム内で新しくロジックを作る必要があるかもしれません。ただ,PS2のアーケードスティックを,PS2→PS3変換アダプター経由で認識させることはできているので,マッピングさえ正しく行えば,不可能ではないはずです。
 ただし,DUALSHOCK 3もしくは,DUALSHOCK 3として認識されるデバイスについてだけは,認識できません。PS4のカーネルが,DUALSHOCK 3の接続を無効化しますので。これはハッキング対策だと聞いています。

4Gamer:
 それは夢が広がりますね。ちなみに,入力遅延はどうなのでしょうか。

Bartholow氏:
 これも実装次第ではありますが,ちゃんと実装すれば純正コントローラと同等と考えてもらって良いと思います。入力遅延はポーリングレートの低下によって発生するものですから,USBデータの読み出しを別スレッドで動かすことが重要です。これならば200〜300Hzのレートを実現でき,遅延は4〜6ms(約1/3フレーム)に収まります。もちろん,コントローラの内部で遅延が発生している場合には,どうしようもできませんけども。

※ゲームソフト側が必要に応じてpoll関数を呼び出し,コントローラからの入力を待ち受ける実装もある。しかしこの場合のポーリングレートは60Hzほどで,さらにゲームの動作が重くなると取りこぼす可能性も高くなる。

4Gamer:
 分かりました。最後に,4Gamerの読者に向けたメッセージをお願いできますか。

Bartholow氏:
 皆さん,本当に応援ありがとうございます。Lab Zero Gamesは,ファンの皆さんの応援とサポートがなければ,存続していくことができません。これからもプレイヤーを驚かせ,楽しませるようなゲームを作っていきますので,これからもよろしくお願いします。
 また我々は格闘ゲームが大好きですので,格闘ゲームコミュニティのために貢献したいと思っています。ですのでこれからも,このドライバをもっと普及させて,スタンダードなものにしたい。興味のあるデベロッパの方は,ぜひ声をかけてくれたら嬉しいですね。

4Gamer:
 本日はお忙しいところ,ありがとうございました。

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