セガの名作を現代に蘇らせるブランド「SEGA AGES(セガエイジス)」シリーズ。Switch向けのプロジェクトでは,全19タイトルのラインナップが予定されている(18タイトルが配信中)。
今回,4Gamerでは“セガっ子”なライター陣に「心に残るゲーム」について,その思いを綴ってもらった。第2回は津雲回転氏が選ぶ「サンダーフォースIV」だ。
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いきなりだが,筆者はシューティングゲームが好きだ。「グラディウス」「ダライアス」「レイフォース」「R-TYPE」「雷電」……と好きな名作・名シリーズを挙げていけばきりがなく,自分のゲーム人生に多大な影響を与えたジャンルと言っていい。
「撃って,壊して,避ける」というある種の極限までシンプルな動作と,「プレイを重ねた分だけ上達し,それがすぐに結果に現れる」というレスポンスの良さが,時代を問わずゲーマーを引きつけるポイントだと個人的には思っている。最近はプレイする頻度が落ちたものの,「あのシリーズの新作出ないかなー」といまだに妄想したりすることは多い。
Nintendo SwitchのSEGA AGESシリーズにラインナップされている「サンダーフォースIV」や「サンダーフォースAC」を初めとした「サンダーフォース」シリーズも,筆者がかつてハマった作品だ。今回は主に前者のサンダーフォースIVを振り返りつつ,作品の魅力や思い出,そして21世紀に蘇ったSEGA AGES版での変更点について語ってみたい。
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描き込まれたドットグラフィックスとハードなギターサウンドに魅了され,高い難度に挫折しそうになる
サンダーフォースIVは1992年にメガドライブで発売された,シリーズ4作目となるナンバリングタイトルだ。前作にあたる「サンダーフォースIII」(と後述するアーケード移植版の「サンダーフォースAC」)を継承したスタンダードな横スクロールシューティングだが,緻密なドットで描かれたキャラクターや多重スクロールを活用した背景など,グラフィックスの全般が前作に比べて大幅に向上し,今見てもそのクオリティの高さは再確認できる。
またギターサウンドが強く印象に残るBGMの出来も非常に素晴らしく,とくにゲーム起動直後に流れるタイトルデモの格好良さは何度聴いても鳥肌もの。これらの音楽はコンフィグモードからサウンドテストで自由に再生できるので,じっくり楽しめるのが嬉しかった。これはSEGA AGES版も,オリジナルと同じ仕様だ。
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アイテムを入手すると計5種類の装備がパワーアップし,「クロー」と呼ばれる回転型のオプションが付く……といったシステムはSTGのセオリーどおりだ。
しかし,III以降のシリーズの特徴として「最初にステージセレクトが可能」「自機の速度と装備をプレイヤーの任意のタイミングでいつでも変更できる」といった自由度が高い仕様がある。とくに後者は「敵やステージの相性に合った装備を選べば,攻略がグッと楽になる」というメリットがあるが,「やられてしまうと装備している武器を失う」という仕組みが同居していた。本作は,体当たり前提で動いてくるキャラや速い敵弾,避けにくい地形もあり,やられるときはたった一瞬の隙がミスにつながり,その後のプレイに大きな影響を与えることも珍しくなかった。
それゆえに,難度や残機数はコンフィグモードから変更できるのだろうが,最も簡単な設定にしても“気楽にクリアできる”といった状態にはほど遠かったように思う。初見ではまず避けられない攻撃や,弱点がわかりにくいボスも珍しくなかったため(当時としては珍しくないが),とにかく死んで学ぶ「覚えゲー」的な要素がかなり強い作風だったのは間違いない。
もちろん,ある程度は勢いに任せてアドリブでも進めるのだが,そういった操作だと全然プレイが安定しないので,最初に選んだ「STRITE」(水のステージ)であっさりゲームオーバーの曲を聴く,なんてことも多かった。
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今のように動画サイトで攻略動画を見る……なんてことはできない時代だったから,STGが好きなもののあまり得意ではない“下手の横好き”な筆者には,正直歯ごたえがありすぎるぐらいだったと思う。本作はステージ数も多いため,後半になると集中力が途切れがちでさらに苦労することになり,とにかく難しかった印象が強く残っている。
「サンダーソード」で敵をなぎ払い,処理落ちで攻撃をかいくぐれ!
そういうわけで序盤から難しい本作なのだが,折り返し地点となる5面をクリアすると,強力な相棒「サンダーソード」が手に入る。
サンダーソードは,射撃を一定時間停止することによってチャージされ,前方に強力無比な一撃を叩き込む。その威力は中ボスどころか,ステージボスですらあっさり倒せるほどだ。その反面,オプションのクローがないとチャージできない,発射時にノックバックが発生する,正面への射程が意外と短い,といったクセが強い武器でもあった。
サンダーソード自体の威力は申し分のないのだが,後半ステージは敵の耐久力が“サンダーソードの使用を前提とした硬さ”になっている節があり,やられてクローを失うと,もともと高い難度がさらに上昇してしまう。
またチャージ中は射撃ができず,さらに確実に命中させるには敵に近づく必要がある。しかし,それは同時に被弾(そして武器とサンダーソードを失う)の確率も上がるということであり,サンダーソードを当てようとして少し無理に動いたところをやられる……といったミスを何度やらかしたか思い出せないほどだ。
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防御面では最大3回まで攻撃を防げるシールドがあるが,ときとしてシールド以上にありがたかったのが「処理落ち」だった。本作では,敵や地形はもちろん,自機や敵が発射する弾といった,かなりの数のオブジェクトが画面上に描画されるので,処理落ちが発生する場面が多々あった。通常,ゲームにおいて処理落ちというのはあまり良い意味で受け取られることはないが,難度が高い本作では「処理落ちで全体的な動きがスローになっている間に,攻撃を避ける」という攻略法は無視できない存在だったのだ。
理落ちが結果的に難度調整になっていた作品というと,スーパーファミコン版の「グラディウスIII」なども有名だが,これに助けられたプレイヤーは少なくなかっただろう。
思えば処理落ちは,サンダーソードの運用にも影響を与えていた気がする。前述のように“自機から発射される弾”も処理落ちを発生させる大きな要素の1つだったので,チャージするために攻撃を止めると,途端に通常速度に戻る場面もあった。「チャージ中は攻撃できない」というのはタメ攻撃の基本だが,それと同時に(通常速度に戻ることで)敵の攻撃が厳しくなるというわけだ。
そう考えるとサンダーソードはまさに,肉を切らせて骨を断つようなハイリスク・ハイリターンな装備だったと言えるのかもしれない。
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SEGA AGES版には“並の腕前”のゲーマーに嬉しい追加要素あり
ファンの間ではサンダーフォースIVをシリーズ最高傑作に挙げる人は多く,実際に完成度も高いが,難度という点では万人向けとは言えず,人を選ぶ作品だと思う。
実は筆者が初めてシリーズをプレイしたのは,サターンの「サンダーフォースV」だった。その完成度にいたく感動したため,シリーズ作品を収録した「サンダーフォース ゴールドパック1」(II MD / III)と「サンダーフォース ゴールドパック2」(AC / IV)をプレイし,その後にサンダーフォースIVのメガドライブ版を入手するという,少し変則的な形で作品に触れた人間だったりする。
初めてプレイしたサンダーフォースIVはサターン版だったわけだが,前述の処理落ちがなかったため,その感想は「カッコいいけど超難しい」だった。
通常の難度ではなかなかサンダーソード付きの“Vasteel Original”(※)を拝めず,かなりやきもきした記憶が残っている。先ほども触れたがとくにミス後の復帰が難しく,一度パターンが崩れると「あっという間にコンティニュー → 丸腰でステージの最初からやり直し」という展開が待っていたからだ。
※VにおけるRYNEXの呼称。IVで残骸となったRYNEXが地球の人類に発見され,テクノロジーが飛躍的に進化するきっかけとなる。あるステージではボスとして登場するが,不完全だったのかサンダーソードを発射できなかった
だがSEGA AGES版のサンダーフォースIVは,追加要素によってこの状況が大きく変わっている。
まず1つ目は「KIDSモード」。これはゴールドパック版にも搭載されていたものだが,武器の攻撃力アップ,やられても武器を失わない,復活時にクローとシールドが自動で装備されるといった,「やられた後のリカバリーが難しい」という本作の高難度の要因を解消するモードだ。本編の難度設定とは独立した形になっているため,例えば「KIDSモードで起動しつつ,ゲームはHARDでプレイする」といったことも可能なのが嬉しい。
また,ステージ構成に変更はないので,オリジナルモードに歯が立たない場合は,KIDSモードで腕を磨くほうがいいだろう(久しぶりにオリジナルモードをプレイしたら,早々にゲームオーバーになってしまい,KIDSモードで勘を取り戻すことにしたのはここだけの話だ)。
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2つ目は途中セーブ(ステート保存)が完備された点だ。プレイ中にいつでもどこでもセーブ&ロードが可能になったので,例えば「難所の前でセーブして死んだらやり直す」とか「苦手なボス戦を何度も繰り返して攻略法を身につける」なんてことも可能だ。本作は全10ステージというSTGとしてはかなりのボリュームだ。プレイ時間が長くなると集中力が続かないこともあるが,これを使えば好きなタイミングで休止や中断を挟める。細かくセーブを繰り返せばノーミスクリアですら難しくないので,とにかく先に進みたい時にも役立つだろう。
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3つ目は,熟練プレイヤーのリプレイをいつでも見られることだ。SEGA AGES版のサンダーフォースIVにはランキング機能が搭載されているのだが,上位10人のリプレイデータをダウンロードして再生できる。前述の途中セーブを利用すれば何度でもリトライ可能だが,場所やボスによっては「どう進んで,どの武器をチョイスするのがスマートなのか分からない」なんてこともある。そんなとき,うまいプレイヤーの動きは非常に勉強になる。
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また難度とは直接関係ないが,大きな追加要素としてサンダーフォースIIIの自機「STYX」でプレイできるのも見逃せない。ゴールドパック版に採用されていたものだが,SEGA AGES版でもいずれかのモードを1回クリアすると,STYXがアンロックされる。見た目はもちろん,効果音や装備なども前作のものに変更され,プレイフィールもかなり変わるのだ。
通常の自機であるRYNEXとの大きな違いは,やはりメインショットが幅広の「BLADE」から,直進するレーザーの「SEVER」に変わること。攻撃力が強化されるので硬い敵はもちろん,一部のボスもかなり倒しやすくなるので,旧型機なのにプレイしやすくなっている印象だ。「(バックショットの)RAIL GUNを前に撃たせてくれ!」と思っていたプレイヤーには,待望の機体と言っていいだろう。
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とはいえ,STYXはサンダーソードが装備できないため(合体デモもカットされる),後半ステージではサンダーソードを前提とした攻略パターンが使えない。また処理落ちが発生しやすいBLADEに比べ,SEVERはそれが少し起こりにくくなっているようだ。
STYXモードはエンディングも微妙に異なっていたりと,いろいろと違いが楽しめるので,ファンにはぜひ体験してほしい。
さらにオプションでは「アイテム取得時にBGMを途切れないようにして没入感を高める」「処理落ちを低減してさらに難度を上げる」「海外版(GENESIS)のLightening Forceに切り替える」といった細かい設定も可能で,こだわりのあるプレイヤーにも納得の出来になっている。とくに筆者はサウンドに惚れたクチなので,BGMの改良はかなり嬉しかった。
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以上の追加要素やオプションを利用するかどうかは,もちろんプレイヤーの自由だ。
初心者やオリジナル版をリスペクトするプレイヤーの期待にもしっかりと応えていると言えるだろう。かつてメガドライブやサターンでオーン帝国に挑んだパイロットはもちろん,サンダーフォースVでのVasteelしか知らないプレイヤーも,SEGA AGES版を遊んでもらいたいと思う。
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SEGA AGES版「サンダーフォースAC」ならサンダーソードが使える
最後に,5月14日にリリースされた「SEGA AGES サンダーフォースAC」についても触れておこう。
サンダーフォースACは,サンダーフォースIIIのアーケード移植作だ。ベースは大きく変わらないものの,バランスの調整やステージの変更などが行われている。家庭用ゲーム機への移植としてはゴールドパック版が存在するが,大きな追加要素はなかった。
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だが,SEGA AGES版ではサンダーフォースIVと同じく,プレイアブル機体が追加されている。しかも「STYX量産型」「RYNEX」「RYNEX(サンダーソード装備)」というIVの機体が丸々移植されるという大盤振る舞い。標準のSTYXを含めた計4種の機体でプレイできる。
また,KIDSモードや途中セーブも搭載されているので,腕前にあまり自信のないプレイヤーでも安心だ。
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サンダーフォースIVのSTYXモードと同じく,追加機体でプレイすることで“新しいサンダーフォースAC”を体験できるはずだ。シリーズファンはこちらもぜひチェックしてほしい。
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