「ぷよぷよチャンピオンシップ SEASON4 STAGE4」をレポート。31名のプロが集結するシーズン最終戦を制したのは初優勝のSAKI選手！

　セガは2022年2月26日，「ぷよぷよ」シリーズの公式プロ大会「ぷよぷよチャンピオンシップ SEASON4 STAGE4」を，セガサミー本社内TUNNEL TOKYOにて，無観客で開催した。
　2021年度SEASON4の最終戦となるこの大会，3月19日開催予定の「ぷよぷよファイナルズSEASON4」への最後の出場チャンスをかけて，31名ものプロ選手が出場した。本稿ではその模様をレポートする。

会場はセガサミー本社内TUNNEL TOKYO。情勢を鑑み，無観客にて開催された

　大会はエントリー32名（うち1名欠場）によるトーナメント戦で，参加人数の関係で，前大会の四天王（fron選手，Shiyota選手，Kamestry選手，くまちょむ選手）も1回戦から参戦することとなった。

当日の出場選手。あめみやたいよう選手は欠席で，31名が出場

　組み合わせは1回戦から好カードの連続で，強豪同士による対戦も多く見られ，その結果1回戦から強豪が次々と脱落していくという結果になった。1回戦ではfron選手と対戦したともくん選手，SAKI選手と対戦したぴぽにあ選手，やなせ選手と対戦したKamestry選手，oka選手と対戦したShiyota選手等が敗退，くまちょむ選手は2回戦でわっふる選手に，前回優勝者のfron選手は準々決勝でTom選手にそれぞれ敗北し，この時点で四天王が総入れ替えになることが決定した。

準決勝までのトーナメント表はこちら

　ベスト4に残ったのは，Tom選手，SAKI選手，delta選手，MGR選手で，準決勝第1試合はTom選手とSAKI選手の対戦となった。
　大会では解説者としても活躍するTom選手だが，前大会から選手としての出場を再開し，超アグレッシブな戦法を主体にここまで勝ち上がっている。一方のSAKI選手は，これまでの大会で何度も苦渋を味わわされたぴぽにあ選手を1回戦で破り，meta選手，ヨダソウマ選手と強豪を破って準決勝へ進出している。

SAKI選手（左）とTom選手（右）

　試合は，攻撃的かつ連鎖本線をしっかり組めているTom選手がいきなり4連勝して勢いを見せつける。SAKI選手も1本取り返すが，勢いを止めることができず，5本目も取られて1セットを先取される。
　2セット目もTom選手が先行。ただ闇雲に攻めるのではなく，相手の盤面をしっかり見ている隙のない攻撃を連発し3連勝していく。しかしSAKI選手はここで折れず，攻撃的な連鎖の打ち合いに競り勝って1本取ると，そのままペースを掴んで4連勝し，セットポイントまで持ち込んだ。激しい打ち合いの末にTom選手がマッチポイントの4−4に迫るが，SAKI選手が速攻の4連鎖全消しでセットを取り返し，大きな雄叫びを上げた。

開幕4連鎖＋全消しを決めたSAKI選手

　イーブンとなった最終戦は，両者一歩も引かないシーソーゲームが続き，ついに4−4のフルセットに。先に仕掛けたのはSAKI選手，2連鎖ダブルがTom選手に刺さり，対応しきれないところに5連鎖で追撃して見事勝利，決勝へと進出した。

Tom選手の盤面に先制のおじゃまぷよを降らせ，5連鎖でとどめを刺した

　準決勝第2試合は，2大会前のSTAGE2でも四天王入りし力を付けているMGR選手と，ついにベスト4まで勝ち上がってきたdelta選手の戦いだ。1戦目，MGR選手のミスを突いてdelta選手が勝利し，そのまま立て続けに3連勝。MGR選手も2本連続で返すが，攻めも対応も冷静なdelta選手が2連勝で1セット目を先取した。

MGR選手（左）とdelta選手（右）

　2セット目もdelta選手ペースだったが，MGR選手も実力を発揮し，1−1からの3連勝でセットポイントまで持ち込んだ。しかしdelta選手も持ち前の“巨人の火力”を発揮する14連鎖を決めつつマッチポイントに。最後はdelta選手が畳みかけるような小連鎖の応酬で勝利し，決勝進出を果たした。

MGR選手の対応を許さない，delta選手の約9万4000点をたたき出した14連鎖

　決勝戦は念願のチャンピオンシップ初優勝を狙うSAKI選手と，SEASON2以来のチャンピオンに返り咲いてファイナルズ進出を目指したいdelta選手という，どちらが勝っても盛り上がるカードだ。
　決勝戦進出は初めてというSAKI選手は「悔いなく，全力で戦うだけ」と試合前にコメント。一方，delta選手は「みなさん，帰ってきました」と，配信を見ているファンに向けて復活をアピールした。

SAKI選手（左）とdelta選手（右）。どちらが勝っても盛り上がるカードに

　第1セットの1本目，SAKI選手が開幕から2連鎖ダブルを2連続で打つ速攻で勝利。そのままペースを掴みたかったが，delta選手も連鎖の打ち合いに競り勝って1本取り返していく。「両者1本も取らせないという気合いを感じる」と解説のmomoken氏も興奮気味だ。
　試合は果敢に攻めるSAKI選手がリードしつづけ，5−3で1セットを勝ち取った。SAKI選手は試合中，大連鎖の打ち合いに競り勝ったdelta選手に対して思わず「上手い！」と笑顔を見せており，強敵との対戦を楽しんでいるようだった。

“巨人”復活の兆しを見せるdelta選手相手に，臆さず攻めるSAKI選手が1セット先取

　続く第2セットは，delta選手が2ポイントを取った後に緊迫のシーソーゲームが続いていく。3−3の大連鎖勝負では，13連鎖＋全消しという大火力を見せたdelta選手に対し，SAKI選手が14連鎖で返していく。その間に綺麗なセカンドを組んでいたdelta選手だったが，発火のぷよを引くことができず敗北。SAKI選手が念願の初優勝にあと1ポイントと迫った。

delta選手の13連鎖に14連鎖を被せたSAKI選手。全消しを使わせずマッチポイントに

　続く試合，SAKI選手は中盤の競り合いで1段のおじゃまぷよをもらってしまうが，冷静に対応し，逆に3段のおじゃまぷよを降らせることに成功。そのまま本線の6連鎖による追撃を受けたdelta選手は，対応するためのぷよを引けず敗北。見事2セット連取となったSAKI選手が，念願の初優勝を手にした。

最後はdelta選手に黄色×2が来れば返せたかもしれない局面だった

チェアにもたれかかって喜びをあらわにするSAKI選手

　「達成感が凄い。気持ちよかった」と感想を述べたSAKI選手。試合後のインタビューでは，スロースターター気味のぴぽにあ選手と1回戦で当たったことが幸運で，1回戦を勝てたことにより自分に勢いをつけることができたと語った。

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　2022年3月19日に開催されるぷよぷよファイナルズへの出場が決定したことついては，「まだまだ甘いところや伸ばせるところがあると思うので，今日のプレイを見直し，反省を踏まえて挑みたいです。（ファイナルズ出場者は）ある意味いつものメンツなので，その中から1歩抜け出すためにどう対応するかをこれから考えていきます」と意気込みを述べた。

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