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一方で学生のエヴァンジェリンは,10年前に発掘された奇妙な像が出てくる夢に苦しめられている。
2人を引き合わせたのは,黒い液体を滲ませる小さな彫像。
手がかりを追ううちに,新イングランドの古い屋敷から砂漠,氷の大地,そしてこの世のものではない都市へと旅は広がっていく。
本日は,スペインの開発スタジオOut of the Blue Gamesが手掛ける「Call of the Elder Gods」を紹介しよう。
本作は,2020年にリリースされた「Call of the Sea」の続編にあたる一人称視点のナラティブパズルアドベンチャーだ。
プレイヤーは学生のエヴァンジェリンとハリー教授という2人を切り替えながら操作し,悪夢の元凶となっている古代の彫像と,失踪した大切な人の行方を追っていく。戦闘は一切なく,観察と論理で謎を解き明かしていくゲームである。
2人を切り替えて解く立体パズル
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本作の軸となっているのは,環境に隠された手がかりを集めて謎を解いていく観察パズルだ。注目すべきは,場面によってハリーとエヴァンジェリンを切り替えて遊べる点である。
たとえば,片方が黒い霧の脇を通り抜けるあいだ,もう片方が遠くの装置を操作する,といった連携が求められる場面が用意されている。
パズルの形式も豊富で,パターン認識から始まり,複数の手がかりを照らし合わせる本格的な謎解きへと徐々に複雑になっていく。難度はヒント表示やアイコン表示で自分好みに調節できるので,パズル初心者から歯ごたえを求める熟練者まで楽しめる作りだ。
世界中を巡る旅へ
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前作が一つの島を舞台にしていたのに対して,本作はプレイヤーを世界中の遺跡へと連れ出す。
ニューイングランドの薄暗い屋敷で本棚の奥に隠された仕掛けを探し,バージニアの洞窟で水中に潜る装備を整え,オーストラリアの赤い砂漠で巨大な玄武岩の塔に挑む。
さらに,ノルウェーのスピッツベルゲン島に残されたナチスの研究施設で暗号機エニグマの謎を解き,最後は時空を超えた古代都市へと至る。
Unreal Engine 5で描かれる風景はどこも作り込まれており,音楽も場面ごとの空気をしっかり支えている。それぞれの土地に独自の歴史と謎が用意されていて,移動するたびに新鮮な発見があるのが魅力の1つだ。
邪神と向き合う物語と複数のエンディング
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本作のもう1つの魅力は人間ドラマだ。前作で妻を失ったハリーの悲しみと罪の意識,自分の夢の正体を知りたいエヴァンジェリンの葛藤が,対照的な性格の2人のやり取りとして自然に描かれる。
気難しい教授と皮肉屋の学生という組み合わせは,重い題材を扱いながらもどこかコミカルで,会話を聞いているだけで楽しい。
物語はラヴクラフトの「時間からの影」を下敷きにしており,意識の交換や太古の知的種族など,宇宙的恐怖の核心に迫っていく。
終盤にはプレイヤーの選択によって結末が分岐する仕組みも用意されており,総プレイ時間は決して長くないが,遊び終わったあとに余韻の残るタイプの作品となっている。
「Call of the Elder Gods」は,観察と論理だけで進めていく古典的なアドベンチャーの楽しさを,現代の技術と丁寧な演出で蘇らせた一本である。
世界中を巡る舞台設定,2人の主人公を切り替える仕掛け,そしてラヴクラフトの宇宙的恐怖を背景にした重厚な物語が,どれも丁寧に組み立てられている。
戦闘がない代わりに,自分の頭で考えて答えに辿り着く喜びがしっかり用意されているので,腰を据えてじっくり遊ぶアドベンチャーが好きな人にはぜひ手に取ってほしい。
前作「Call of the Sea」を遊んでいなくても問題なく楽しめるので,ラヴクラフトの世界観に少しでも興味があるなら,まずは無料の体験版「Call of the Elder Gods: The First Chapter」から触れてみるのもおすすめだ。























