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だが彼の力は拳だけではない。瞳を閉じれば戦いの未来が見える。襲いかかる兵士たちの動き,刃の軌道,仲間の位置。
すべてを頭の中で何度も繰り返し,完璧な一手を導き出してから,現実の戦場へと足を踏み入れるのだ。
本日は,Skeleton Crew Studioが手掛ける「Forestrike」を紹介しよう。本作は古典カンフー映画をモチーフにした2Dローグライトアクションだ。
プレイヤーは武術家「祐」を操作し,悪の宰相に操られた皇帝を救うため,国土を横断する旅に出る。鍵を握るのは「先見」と呼ばれる能力。戦闘前に未来を何度でも疑似体験し,敵の動きを読み切ってから本番に挑むことになる。
戦う前に未来を予習できる
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本作最大の特徴は「先見」と呼ばれるシステムだ。戦闘が始まる前に,祐は瞑想状態に入り,これから起きる戦いを頭の中で何度でも試すことができる。
何度死んでもダメージは入らないし,時間も巻き戻る。失敗を重ねるごとに敵の攻撃パターンや位置取りが分かってきて,「ここで回避,ここで反撃,あいつから先に倒す」と最適な手順が組み上がっていく。
答えが見えたら,いざ本番。練習で組み上げた動きをそのまま再現すれば,まるで映画の主人公のように敵をなぎ倒せる。逆に本番で1回でも被弾すれば,体力はたった3。あっという間に倒れる。
ローグライトでありながらパズルゲームのような思考プロセスを楽しめる,本作独自の手触りがここにある。
5人の師から学ぶ多彩な戦闘スタイル
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祐は旅の途中で5人の師に出会い,それぞれ異なる流派の技を授かる。ある師はカウンター主体で受けの構えを教え,別の師は雷をまとった攻撃を伝授し,さらに別の師は回避や突進といった機動力を磨いてくれる。
プレイヤーはどの師に弟子入りするかで,1回の旅における戦い方が大きく変わる。
戦闘中も新たな技を獲得したり,技を入れ替えたりできる。攻撃ボタンの数自体は変わらず,あくまで限られた選択肢の中身を組み替えていく形式だ。
素手で戦うのか,敵から奪った武器を振るうのか,遠距離の飛び道具を弾き返すのか。同じステージでも師の選択次第で攻略ルートはまったく別物になり,何度も挑戦したくなる中毒性がある。
救いはプレイヤー自身の上達にある
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ローグライトと聞くと,死ぬたびに恒久強化が積み重なって少しずつ楽になっていくタイプを想像する人もいるだろう。本作にもメタ進行の要素はある。
山中の僧院に拠点があり,旅で集めた「気の欠片」を使って新しい流派をアンロックしたり,体力やエネルギー回復を底上げしたり,旅人を救出してパッシブ効果を得たりできる。
ただし,恒久強化の伸びしろは控えめだ。死を重ねて数値で楽になっていく作りではなく,あくまでプレイヤー自身が戦闘パターンを覚え,先見で組み立てた手順を本番で再現できるようになることが攻略の主軸となる。
最初は10分かかった戦闘が,気づけば先見をほとんど使わずに突破できるようになる。その「自分がうまくなった」という実感こそが,本作最大の報酬だ。古典カンフー映画の主人公が修行を経て強くなっていく,あの過程を指先でなぞる作りになっている。
「Forestrike」は,何度も死んで,何度もやり直して,ようやく一筋の正解にたどり着く快感をひたすら追求した1本だ。
難度は高いが,先見というセーフティネットがあるおかげで理不尽さはない。むしろ「分かるまで考えさせてくれる」優しさがある。
古典カンフー映画の様式美が好きな人,パズルのように戦闘を解きほぐすのが好きな人,そして反復練習の末に技を身体で覚える瞬間に喜びを感じる人に,ぜひ手に取ってみてほしい。
























