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印刷2023/07/12 13:23

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MicrosoftのActivision Blizzard買収について,FTCの仮差し止め請求を米連邦地裁が棄却

 MicrosoftによるActivision Blizzard買収に対してFTC(米連邦取引委員会。Federal Trade Commission)が求めていた仮差し止め命令の請求について,北米時間2023年7月11日,カリフォルニア州北部地区連邦地裁がFTCの請求を棄却したことが明らかになった。

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 Microsoftが,「Call of Duty」「Diablo」「キャンディークラッシュ」などで知られるActivision Blizzardを687億ドル(約9兆6000億円)で買収すると発表したのは2022年1月のこと。ゲーム業界内外から大きな注目を集めると共に,独占禁止法に抵触するのではないかという審議が各国で続けられてきた。現状,日本を含むほとんどの国で買収が認められているものの,日本の公正取引委員会にあたるイギリスの競争・市場庁(CMA)が審議の延期を決定するなど,買収は当初の計画のように進んでいない。

 FTCは2022年12月に買収の仮差し止め命令を連邦地裁に申請しており,2023年6月22日からMicrosoftとActivision Blizzardに加え,SIE,NVIDIA,Alphabetなども参加して議論が続けられてきた。PlayStationやNintendo Switchといったライバル機に対するMicrosoftの独占的な状況が生まれることが懸念される一方,MicrosoftはPCやGame Passなどによって,広いプレイヤー層にアピールできることを主張していた。

 請求棄却についてジャクリーン・スコット・コーリー(Jacqueline Scott Corley)裁判長が公開した意見書(pdfファイルが開きます)によれば,「証拠を精査した結果,この合併が市場競争を弱める可能性があるというFTCの主張は根拠が乏しいと認定した。『Call of Duty』シリーズをPlayStationから撤退させるであろう,あるいは,MicrosoftによるActivision Blizzardコンテンツの所有が競争を低下させるというFTCの主張は認められず,したがって,仮差止命令の申し立てを却下する判断を下した」と述べている。

 Microsoftの副会長兼社長であるブラッド・スミス(Brad Smith)氏は,今回の決定について公式Twitterアカウントで声明を発表し,「私たちは,この迅速な決定を下したサンフランシスコ裁判所に感謝するとともに,ほかの地域でも解決に向けて引き続き努力してもらえることを望んでいます。これまで一貫して実証してきたように,私たちは,規制上の懸念を取り除くために創造的かつ協力的に取り組んでいます」と述べた。
 Activision BlizzardのCEOであるボビー・コティック(Bobby Kotick)氏も,全従業員にあてたメールを公開しており,「私たちは,この素早い審議プロセスと思慮深い決定に対して裁判所に感謝しています。アメリカは,すでに合併を承認した38か国に加わります。今回の決定は,合併がプレイヤーと業界にとって良いことあることを示す事実とデータに基づいています」としている(外部リンク)。
 今後の動きはハッキリしないが,裁判長の意見書には,FTCが6月にMicrosoftに出した一時的禁止命令を7月14日11:59に解除すると述べられており,この短い期間にFTCが控訴するかに注目が集まっている。

 また,イギリスのCMAに対してMicrosoftとActivisionは,訴訟中止を呼びかけるため共同で文書を提出したという。gamesindustry.bizにはCMAから得られたコメントが掲載されており(外部リンク),「我々は,最終報告書に記載された懸念に対処するというMicrosoftの提案を再検討する用意があります」と述べている。
 今回の決定により,発表当日のActivision Blizzardの株価は,過去52週で最高値となる1株あたり92.20ドルに急上昇し,同日は90.99ドルで取引を終えた。買収前は一時的に40ドル台前半にまで落ち込んでいた株価だが,Microsoftの買収については,1株95ドルで合意されていた。

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[2023/05/01 08:00]
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