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HoYoverseイベント爆弾テロ予告からG-STAR開幕まで,波乱万丈の11月韓国ゲーム業界
しかし業界全体が活況を呈する一方で,厳しい状況に直面している企業も存在する。大手企業の中には,初の総合オフラインイベントで爆弾テロ予告事件に見舞われたケースや,12年ぶりの赤字を受けてゲーム開発の中止と構造改革に踏み切った例も出ている。韓国ゲーム業界の11月は,明暗が交錯する展開が続いているのだ。
・HoYoverseゲームで彩られたフェスティバルは,爆弾テロで大騒ぎ
・12年ぶりの赤字で強めの構造改革,苦しい時期を迎えたNCSOFT
G-STAR 2024で,注目の新作が続々プレイアブル出展
11月14日より釜山BEXCOで,韓国最大のゲームショー「G-STAR 2024」が開催されている。本イベントは韓国の主要開発会社が手がける新作タイトルを,一般来場者が実際にプレイできる場として知られており,毎年20万人を動員している大型イベントだ。
今回のG-STARで,最も広いスペースである300コマ規模で参加するNEXONからは,3DアクションRPG「Project OVERKILL」とカジュアルRPG「幻世酔虎伝オンライン」が,注目の新作として初出展されている。また,MOBAバトルロイヤル「SUPERVIVE」と,ハードコアアクションRPG「The First Berserker: Khazan」も試遊出展されるが,東京ゲームショウやSteam Nextフェスにプレアブルで出されたこともあり,こちらは既に各種メディアで紹介されている。
「Project OVERKILL」は,原作である「アラド戦記」でおなじみの世界観とアクションを3Dグラフィックで表現し,より没入感のある戦闘を体験できるゲームだ。120台のPCで構成された体験ゾーンでは,ストーリーに沿ってクエストを遂行する成長区間で7つのステージを経験し,難易度の高い2つのエリートダンジョンで,このゲームならではの独創的なアクションを体験することができる。
「幻世酔虎伝オンライン」は,かつての日本の人気ゲーム「幻世酔虎伝」のIPを現代的なトレンドに合わせて再解釈した新作カジュアルRPGだ。140台のモバイルで構成された体験ゾーンでは,基本的な戦闘操作や成長,「デッドドラゴン」のボスコンテンツなどをプレイすることができ,村では原作ベースの様々なコンテンツを体験することができる。
ネクソン,「アラド戦記」をベースにした新作APRG「Dungeon&Fighter: Arad」の最新トレイラーやG-STAR出展情報を公開
ネクソンは本日(2024年10月30日),メディア発表会「NEXT ON」にて新作タイトル「風の王国2」を発表し,開発中の新作APRG「Dungeon&Fighter: Arad」の最新トレイラーなどを公開した。
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モバイルプラットフォームで先に公開される「Dinkum Mobile」は25台の体験台を用意し,「Project ARC」は20台の体験台を用意し,5vs5対戦の楽しさを伝えてくれる。そして2023年のG-STARで初めて公開した「inZOI」は40台の体験台を用意し,より発展したゲームの姿を公開している。
KRAFTON,新作タイトル「Dinkum Mobile」「Project ARC」をG-STAR2024で初公開。そのほか「inZOI」などの出展タイトルを発表
KRAFTONは本日,11月14日から17日まで韓国の釜山BEXCOで開催されるゲームイベント「G-STAR2024」の出展情報を公開した。「G-STAR2024」のKRAFTONブースでは,初公開となるタイトル「Dinkum Mobile」や「Project ARC」,昨年も出展した新作タイトル「inZOI」などが展示される予定となっている。
そして,Netmarbleの人気モバイルRPG「Monster Taming」の正式後継作である「MONGIL:STAR DIVE」の試遊台では,アクションRPGに変化した原作の姿を見ることができ,序盤のストーリーと戦闘を体験できるストーリーモードを楽しめる。Netmarbleは2つのゲームに,合計170台の体験台を用意する予定だ。
Pearl Abyssは,オープンワールドアクションRPG「紅の砂漠」のプレイアブル版を,韓国ユーザーに初めて公開している。8月に開催されたgamescomで初めて,ボス攻略の試遊版を公開したが,今回のG-STARでは,新規ボスとして壺の兵士とカラスを召喚する「Hexe Marie」を公開する。そのため,Queen Stonback CrabとStaglord,Reed Devilに加え,Hexe Marieまで,合計4種のボス戦を体験台で楽しむことができる。
新作MMORPG「Architect: Land of Exiles」,正式発表。韓国のゲームショー「G-STAR 2024」への出展も決定
HYBE IMは2024年10月17日,「Architect: Land of Exiles」を,11月14日から17日まで韓国・釜山にて開催される「G-STAR 2024」へ出展すると発表した。本作は,かつて「Project A」の名称で発表されていたもので,Epic Gamesの「Unreal Engine 5」を採用し開発が進められているAAA級MMORPGだ。
「VALHALLA SURVIVAL」「PROJECT S」ら新作タイトルをチラ見せ。Lionheart Studio,G-STAR 2024出展作品のティザートレイラー公開
Lionheart Studioは2024年11月12日,韓国のゲームショウ「G-STAR 2024」に出展する「VALHALLA SURVIVAL」「PROJECT S」ら,4作品のティザームービーを公開した。会場内の同社ブースではトレイラーが公開される予定で,本映像はそれをチラ見せするものだ。
GRAVITYは今回,合計17個のゲームをお披露目しているが,その中でG-STARを通じて初公開するゲームは4種。最も注目されているのは,GRAVITYの代表作「Ragnarok」の正式ナンバリング最新作であるマルチプラットフォームMMORPG「Ragnarok 3」だ。規模は小さいが,試遊台も設置される予定だ。
「ラグナロクオンライン」の正統な後継作を謳うMMORPG「Ragnarok 3」,韓国のゲームショウ「G-STAR 2024」で公開へ
GRAVITYは,「Ragnarok 3」「Project Abyss(仮題)」を含む新作タイトルを,2024年11月14日から17日まで韓国・釜山にて開催されるゲームショウ「G-STAR 2024」に出展すると発表した。Ragnarok 3は日本でのサービスがまもなく22周年を迎える「ラグナロクオンライン」の正統な後継作を謳うMMORPGだ。
HoYoverseゲームで彩られたフェスティバルは,爆弾テロで大騒ぎ
HoYoverse Koreaが,自社ゲームで構成された単独オフラインイベント「Welcome Hoyo Land」を,10月31日から11月3日にかけて,京畿道一山に位置するKINTEXで開催した。
このイベントは,「崩壊3rd」「原神」「未定事件簿」「崩壊:スターレイル」「ゼンレスゾーンゼロ」の5タイトルを一堂に集めた複合的な文化展示を実施したもの」。これまで韓国では,単独タイトルのプロモーションや他社主催の展示会への出展経験はあったものの,自社タイトルのみで構成された総合展示は今回が初の試みとなる。
「Welcome Hoyo Land」では,様々なコンテンツのステージイベント,ゲーム別ブースで開かれたゲームの世界観と融合したミニゲーム,フォトゾーン,フードゾーン,グッズ販売などが行われた。また週末には,コスプレパレードやドローンショーなどのイベントも開催された。
ところが,行事が平和に進行することはなかった。
11月1日の夕方,「会場ギャラリーに爆弾の入ったかばんを隠した」と爆弾テロを示唆する書き込みが有名ゲームコミュニティに投稿された。この書き込みを目撃したユーザーが警察に通報し,翌日入場するために会場入り口で待機していた200人余りの来場者に即時避難命令が出された。
その後,イベント運営スタッフと警察および消防要員が投入され,会場全体を数時間にわたって調査した。しかし,爆発物と思われるものは見つからず,テロ予告が虚偽であることが判明した。警察は,テロ予告者である10代の男性の身柄を確保し,彼は入場するために長い列に並ばなければならないことに腹を立てて書き込みをしたと警察に供述したと伝えられた。
実は,HoYoverseのゲームイベントでこのようなことが起こったのは今回が初めてではない。
2023年7月に開催された「原神2023夏祭り」でも,似たようなことがあった。あるユーザーが自分のSNSで,「原神」会場に自作の爆発物を設置したと投稿したのだ。HoYoverse側は直ちにイベント運営を中止し,観客を避難させた後,警察や消防士と一緒に会場を点検しましたが,爆発物はなかった。
違う会社の話だがPearl Abyssの「黒い砂漠MOBILE」では,定期的なオフラインイベントである「ハイデル宴会」に対するテロをゲーム内チャットで言及され,イベントがオンラインに変更された。
これまで韓国で行われたゲームイベントではこのようなことはなかったが,2023年から起こり始めた。ほとんどの事例が後先考えずにやったことで,それが多くの人に被害を与えているだけに,いろいろと残念な状況だ。ちなみに韓国でも,このような内容の文章を書くと,脅迫罪や公務執行妨害罪が適用され,処罰される可能性がある。
12年ぶりの赤字で強めの構造改革,苦しい時期を迎えたNCSOFT
NCSOFTは,2023年第1四半期から営業利益が減少をはじめ,第3四半期にはついに赤字が発生した。売上は4019億ウォン(約440億円),営業損失が143億ウォン(約15億円),当期純損失は265億ウォン(約29億円)を記録したが,NCSOFTが赤字を記録したのは2012年第2四半期以来12年ぶりだ。
その理由は,既存のモバイルゲームの売上減少に加え,新作の成果が不振だったためだ。「リネージュ」IPゲームと似たような競争作品が多数発売され,成果が低下した。
それに加えて,「リネージュW」以降に発売した「スローン・アンド・リバティ」(T&L)と「バトルクラッシュ」,「護縁」など新作ゲームの成果が良くなかった。
結局NCSOFTは今年,構造改革を断行することとなった。「T&L」と「LLL」「TACTAN」など3種のIPを,独立したゲーム開発スタジオとして発足させ,AIとQA専門子会社も設立して独立性を付与した。
また,進行中の6種のプロジェクトの開発を中止し,一部組織整理と希望退職を実施している。様々な経営効率化作業を第4四半期内に完了し,来年から新しいコスト構造で会社を再整備する計画だ。
その後NCSOFTは,2025年に5種の新作を発売する予定だ。これには「AION2」と「LLL」,「TACTAN」などの内部開発作品と,VIC GAME STUDIOSの「BREAKERS : UNLOCK THE WORLD」,そしてグローバル市場をターゲットにした既存IPベースの新作1本で構成される。
さらに,2023年12月末に「ブレイドアンドソウル2」が,2024年10月末に「リネージュ2M」が中国の外資版号を取得したため,中国での成果も期待されている。アジア圏で興行成績が良いNCSOFTだけに,中国に対する期待は大きい。
NCSOFTのホン・ウォンジュンCFOは,第3四半期の業績発表カンファレンスコールで「骨を削る体質改善により業績を回復させ,2025年から良い成果を出す」という見解を明らかにした。NCSOFTが再び軌道に乗れるかどうかが注目されている。(著者:パク・サンボム,ザン・ヨングォン)
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