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印刷2005/03/01 10:30

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[AOGC#3]アナリスト矢田真理が語る世界のゲーム市場動向

 ゲーム産業を俯瞰的な視点から語る講演者として,野村リサーチ・アンド・アドバイザリー調査部の矢田真理氏が登壇した。矢田氏は,ゲーム産業を客観的に分析した書籍「ゲーム立国の未来像―世界をリードするコンテンツビジネスのすべて」の作者としてして知られる業界アナリスト。シンクタンクの人間らしく調べ上げた"数字"による状況把握に優れ,客観に徹して市場を分析している。今回も,日本,韓国,中国,北米,欧州の各ゲーム市場についての調査データを基にした,ゲーム産業およびオンラインゲーム市場の現状と今後の展望について語ってくれた。

 ……とはいえ,正直に述べてしまうと今回の講演は,矢田氏にしては少々歯切れの悪い内容であったといわざるを得ない。ただこれは別に矢田氏の問題というわけではなく,客観的な調査データそのものがオンラインゲーム市場ではまだ整備されていないという部分に起因する。データ(情報)が無ければそもそも分析のやりようもない……というのが,オンラインゲーム市場の現状であるのかもしれない。
 矢田氏も各国のインフラ環境のデータや,オンラインゲームの課金者数といったデータを集めるのには非常に苦労している様子で,本人自身が「正直,オンラインゲーム市場の実態はよく分かっていない」とキッパリ言い放ったのが印象的。またデータ資料をそえながらの各解説においても,オンラインゲーム関連の話になると「この数値はどうなのか?」というような自問自答しつつの説明が散見された。調査データの不足は,現在のオンラインゲーム市場の課題の一つであることを再認識させられる講演だったとも言えるだろう。




 しかしながら,日本,韓国,中国,北米,欧州におけるゲーム産業の大枠の動向に関しては一通り調べ上げている様子で,さすがの一言。話の全体の流れとしては,コンシューマゲーム市場がほぼ全世界で頭打ちとなっている傾向が強く,PCパッケージ市場も欧州を除いては規模を落としているのだという。ただそんな中で伸びているのが,携帯電話ゲーム市場とオンラインゲーム市場だとの現状を説明した。
 矢田氏はその中で,韓国と中国に関しては,オンラインゲーム市場を「ネットカフェでのオンラインゲーム市場」と「家庭でのオンラインゲーム市場」の二つに分類。呼び名通りだが,前者はネットカフェで遊んだときの市場であり,後者は自宅でプレイされている市場になる。矢田氏によれば,中国や韓国において,この自宅でプレイする割合が急激に伸びているそうだ。これには家庭のPC普及率の上昇や,ネットカフェ市場の伸び悩みなどの原因があるようだが,ともかくオンラインゲームをネットカフェでプレイするというライフスタイルが徐々に変わりつつある状況だとのこと。モバイルゲーム市場共々,家庭でのオンラインゲーム市場が「狙い目」の市場ではないかとの見解を述べた。

 米国と欧州に関しても話題は飛び,まず米国でのPCパッケージ市場は2001年をピークに下降傾向にあるとのことで,半面,携帯電話のゲームコンテンツがアメリカでも伸びてきているという話であった。その一例として,Namco Americaの携帯電話ゲーム部門の売り上げが今期9億円の見込みと,前年度より3.5倍ほどの伸び率なのだという。
 次に欧州についてだが,未だにPCゲーム市場が堅調な伸びを示しているとのこと。欧州といっても広いので一概には言えないとしつつも,ドイツなどの市場でPCゲームが根強い人気を誇っているのだという。ドイツといえば,シミュレーションゲームのメッカでもあるが,確かに昨今,欧州のデベロッパによる渋めの(面白い)ゲームは少なくないように思える。ただどんなタイプのゲームが売れているのかなど,具体的な話はここでは聞くことができなかった。

 さて,講演自体は各地域のゲーム市場動向をなめるように解説していく形で終了。正確なデータの収集とその分析は今後の課題として挙げられることと思うが,オンラインゲームならではの新たなビジネスモデルの模索などを含め,矢田氏の(オンラインゲーム市場における)これからの活躍に期待したいところである。
(TAITAI / Photo by kiki)


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