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[OGC 2009#02]NHN森川氏が語る,ハンゲームが巨大なコミュニティを形成した理由と「アバターCool」に見る今後の展望
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印刷2009/01/31 23:43

インタビュー

[OGC 2009#02]NHN森川氏が語る,ハンゲームが巨大なコミュニティを形成した理由と「アバターCool」に見る今後の展望

NHN Japan 代表取締役社長 森川 亮氏
 よくいわれていることだが,オンラインゲームとコミュニティは切っても切り離せない関係である。それはスタンドアロンのゲームと異なり,オンラインゲームはその性質上,プレイするうえで他者との交流がなければ成立しないシステムを採用しているからだ。
 それゆえに,オンラインゲームの評価軸には,それを取り巻くコミュニティの雰囲気が組み込まれるケースも多いわけだが,そうした状況の中,「ハンゲーム」は日本のオンラインゲームポータルの中で,最大級のコミュニティを擁している。ハンゲームがコミュニティをどう捉え,成長させていくにあたって,どのようなコンセプトを持って臨んだのか,新サービスの話題も含めて,NHN Japan 代表取締役社長 森川 亮氏に同社の取り組みを聞いてみた。


運動後一緒にお茶を飲みに行くかのような"静的コミュニティ"の充実


ハンゲーム
4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。2月5日開催のOGC 2009では,基調講演を担当されることになったわけですが,どういった内容の講演になるのか,概要を教えていただけますか?

森川 亮氏(以下,森川氏):
 今回は"ゲームとコミュニティ"について,今まで当社で作り上げてきた流れをお話します。その流れの中でゲームも変化していきましたから,それに合わせたコミュニティの展開について,といった内容ですね。またゲーム以外の流れについて,そして新しいアバターサービスについてなどもお話しする予定です。

4Gamer:
 端から見ていても,ハンゲームにおけるコミュニティの重要度は相当に高いように見受けれます。コミュニティに注力するにあたっての,大きな方針やコンセプトについて聞かせてください。

森川氏:
 コミュニティをビジネスにするのは,そもそも難しい試みです。従来は広告収入モデルが一般的でしたが,そこに対して私達はアバターによるモデルを作りました。いろいろと試行錯誤を重ねてきまして,今では一般的なビジネスモデルとして普及しています。

4Gamer:
 そうですね。アバターシステムは今やゲーム関連だけでなく,多くのコミュニティで採用されています。

森川氏:
 もともと,私達はオンラインゲームそのものがコミュニティであると捉えています。ゲーム関係のコミュニティは,"ゲームをやる"というはっきりした目的がありますから,人が集まるきっかけになりやすいんですよね。そこで単に「一緒にゲームをやって終り」ではなく,人間関係を築きたい,あるいはゲームの結果を誰かに伝えたいといった思いが,静的なコミュニティに繋がっていきます。

4Gamer:
 なるほど,一緒にゲームで遊ぶのが動的,そのあとのチャットなり,SNSでのコメントのやり取りなりが静的なコミュニティというわけですか。

森川氏:
 例えば,スポーツであれば,実際に試合などで身体を動かしている時間と,そのあと一緒にお茶を飲みに行ったりする時間がありますよね。ゲームにおいても,どちらかだけではなんとなくもの足りないのではないでしょうか。

独特なコミュニティ→ゲームの流れ


4Gamer:
 ハンゲームにおける静的なコミュニティのあり方というのは,ほかのゲーム関連のコミュニティと比較しても一線を画している感があります。多くのコミュニティは,まずゲームタイトルありきで,同じゲームをプレイしている人達が形成するものと思われがちです。
 ところがハンゲームユーザーの場合,例えば新規タイトルのチャネリングが始まる際に,まずハンゲーム内のコミュニティで「一緒に新規タイトルで遊んでみませんか?」「一緒に始めてくれる人がいるなら,僕もやってみたいです」という動きが見受けられますよね。実は,2008年10月に「モンスターハンター フロンティア」(以下,MHF)をハンゲームでチャネリングした際に,こうした動きを目の当たりにして個人的に大きな衝撃を受けました。

森川氏:
 まあモンスターハンターは国内の有名シリーズですから,「興味はあったけれども,まだやったことがない」「ハンゲームでMHFをチャネリングするなら,これを機会にやってみたい」という機運が高まりやすい部分もあったかと思います。
 先ほども少し触れましたが,もともとハンゲームのコミュニティは,まずゲームが好きというお客様で形成されています。そこを軸に,私達はお客様とゲームタイトルをマッチングする場として,またコンテンツホルダーさんは,多くのお客様にゲームタイトルを提供する場として,お互いにWin-Winな関係を築けるサイトとして成長していきたいと考えています。
 当然,私達がゲームタイトルをセレクトするという部分もありますが,基本的にはあらゆる選択肢を用意できる場であればいいかな,と。

4Gamer:
 なるほど。ちなみに,先ほどの話に出たMHFで見られた特徴的なユーザーの動きは,コミュニティを設置した当初から意図されていたのでしょうか?

森川氏:
 そこに至るには,さまざまな過程がありました。当初からゲームの魅力だけで人を集めることができればよかったのですが,国内には魅力的なタイトルを持つゲーム会社がたくさんありました。また,それに対抗するゲームを自社開発するのも難しいという状況でした。
 そこで,ゲームに集まっている人達に焦点を当てたんです。どういった人達が集まっているのかという部分に価値があれば,仮にゲーム自体の面白さが若干劣っていたとしても,バイラル(口コミ)的に広がっていくだろう,と。まさにアバターもその一要素で,ハンゲームのコミュニティは人と人とが繋がるツールとして成長してきたわけです。

4Gamer:
 なるほど。

カジュアルゲームの国産化,そして大規模ゲームの展開へ


森川氏:
 もちろん,ゲームの魅力も重要ですから,現在は有名な大型のタイトルも取り扱っています。コミュニティが重要なビジネスとゲームの魅力が重要なビジネス,私達はその両方をやっているといえます。

4Gamer:
 というと,当初まずはコミュニティに力を入れて,ゲームに関しては徐々に大型タイトルを充実させていった結果,今のスタイルになったというようなイメージでしょうか?

森川氏:
 順を追って説明しますと,2000年の創業当時は韓国のオンラインゲームをそのまま持ってきていました。当初は評価を得られなかったのですが,それでもジワジワとお客様が増えていきました。そして2001年に,日本でポピュラーな麻雀や大富豪などをカジュアルゲームとして出したところ,急激にお客様が増加しました。その後も,ルールが明確で一般的に知られているゲームをオンライン化していったのですが,2004年頃にはそれも一通りやり尽くしてしまいました。

4Gamer:
 まあ,一般的なカードゲームやボードゲームというと,派生は多くとも,基本となるルールは大きく変わらなかったりしますからとっつきやすいですよね。

森川氏:
 そこで広く市場を見渡すと,もう少し上のレイヤー,つまりミドルクラスや大型のゲームタイトルの需要も拡大していました。ミドルクラスなら私達でも作れるだろうということで完成したのが,「チョコットランド」や「わくわくフィッシング」です。これは類例のない成長を遂げています。
 もう一方の大型のものとしては,当時「ラグナロクオンライン」や「リネージュ」などが成功していました。自社で開発するのは難しいのですが,需要も見込みも確実にあるということで,ゲームオンさんやゲームポットさん、ガマニアさんと提携させていただき、以後チャネリングという形式でタイトルを充実させていったわけです。2005年からは,自社パブリッシングタイトルとして「フリースタイル」「SPECIALFORCE」「アークロード」などを展開してきました。

4Gamer:
 なるほど。

森川氏:
 先ほどの質問に答えるのであれば,カジュアルゲームのラインナップが充実した2004年くらいから今の状況を目指した動きが明確化したというわけですね。まあパブリッシング事業は,ようやく軌道に乗ってきたというところですけれども。

4Gamer:
 今後,注目の大型タイトルが続々とパブリッシングされそうな気配が見え隠れしていて,期待している人も多そうです。
 ところで,これまでの傾向やハンゲームユーザーの層を鑑みると,大型タイトルのパブリッシングはあえて避けてきたのかな,と思う部分もあったのですが。

森川氏:
 実はカジュアルゲームを扱う部署と,大型タイトルを扱う部署はそれぞれ独立しているんですよ。なので,カジュアルゲームは従来どおりコミュニティとの融合を重視しながら,大型タイトルはゲームの魅力と運営力を持って勝負していく形になります。会社全体としては,どちらか一方に寄るのではなく,それぞれを安定した事業として頑張っていきたいと考えています。

4Gamer:
 今後は大型タイトルの扱いも増えていくと捉えていいでしょうか。

森川氏:
 そうですね。お客様に提供できるタイトルが増えるのはいいことですし,会社としてもいつまでも同じようなものを提供していていいのか,という部分もあります。常に次の方向を探しているという状態ですね。

4Gamer:
 ハンゲームというと,穏やかな和気あいあいとプレイするタイトルが人気というイメージがあります。今後もその方向性を強めていくのでしょうか? あるいは品揃えを増やすという意味で別の方向にも拡大していくのでしょうか?

森川氏:
 そうした議論はFPSの「SPECIALFORCE」を導入するときにあったのですが,求めているお客様がいる以上,議論自体にあまり意味がないと考えています。もちろん法律上問題があるものは論外ですが,ニーズがあればどんどん拡大していく方向です。
 その中で,お子様や女性など,守らなければならない層に配慮する対策を講じられればいいかと思います。業界全体でもレーティングの設定など検討していますし。

4Gamer:
 なるほど。FPSなどを求める人というのは,ハンゲームユーザー数の推移に伴って増えてきたのでしょうか?

森川氏:
 はい。多様性は感じられます。また同傾向のゲームが増えるとお客様の分散に繋がりますから,業界全体を見ても多様なものが揃うことには大きな意味があると考えています。そこに対しては自社でチャレンジすることもありますし,チャネリングという形で協力して進めることもあります。

4Gamer:
 チャネリングといえば,2008年10月以降,ハンゲームで国内オンラインゲームのビッグタイトルを網羅するようになった感があります。企業間の提携ですから一朝一夕で行われるような類のものではないと思いますが,具体的にはどのくらいからお話が進んでいたのでしょう?

森川氏:
 例えば,コーエーさんに関しては以前から親しくさせていただいていましたし,カプコンさんに関しては韓国NHNでMHFを展開するにあたってご一緒して,お互いに日本でも提携を展開したいと考えていました。また,ガンホーの森下社長とも経営者同士交流がありまして,業界全体が協力してオンラインゲームを盛り上げていかなければならないと常々話しています。それが現状,続々と実現しているというわけです。
 オンラインゲーム事業はチャネリングとパブリッシングの二面があります。ハンゲームはポータルとして多くのタイトルをチャネリングしますし,またパブリッシングタイトルは単体で収益をあげることが重要です。

4Gamer:
 なるほど。

森川氏:
 基本的な考え方は,コンシューマをメインで扱っている会社さんも同じだと思います。任天堂さんもソニーさんも,プラットフォームを牽引するようなタイトルは自社で開発していますよね。ハンゲームでも,それに相当するカジュアルタイトルを自社で開発していきます。そこにコミュニティを融合して牽引していくのが重要だと考えています。

4Gamer:
 例えば,韓国NHNは非常に多くのタイトルを扱っていますけれども,それをそのまま日本でも,という形にはならないのですか?

森川氏:
 ええ。以前はグローバルライセンスという考え方もあったのですが,同じタイトルであっても各国共通でヒットするというものではないですから,今は個別にやっています。

4Gamer:
 韓国NHNから「C9」や「TERA」が発表されて,日本でも注目を集めています。日本での展開はどうなるのか気になるところですが,今後の発表に期待しています。


ニーズに応えてリアル方向へと展開する「アバターCool」とは?


4Gamer:
 それでは,ハンゲームコミュニティの核となるアバターについてお聞きします。1月28日に新しいタイプのアバターが登場しますけれども。

森川氏:
 概要を説明しますと,一つのサイトで2種類のアバターを切り替えられるという,業界的に例のない試みとなります。従来の二頭身半のものが「アバターPure」,今回の頭身の高いリアル系のものが「アバターCool」という名称です。

4Gamer:
 なるほど。


森川氏:
 オンラインゲームでは,複数のキャラクターを使ってそれぞれ自由に表現する楽しみ方がありますよね。アバターにも,そうした考え方を適用してもいいのではないかと考えました。お客様からも「体型のバランスを人間に近いものにしたい」「デザイナーズアイテムや最新ファッションがほしい」といった意見が寄せられていましたので,リアル系アバターへのニーズが高いと判断したんです。

4Gamer:
 これはユーザーの任意で切り替え可能なんですよね。どういった使い分けを想定していますか?

森川氏:
 例えばPureに関してはゲームプレイを中心に,Coolはブログやコミュニティを中心に,という遊び方があるでしょう。
 Coolには衣装のブランド四つと,髪型を整えるサロンを用意しました。そういう意味でも新しい遊びとして捉えていただけるのではないでしょうか。

4Gamer:
 一人のユーザーがPureとCool双方を使い分ける場合に,相互に共通する要素はあるのですか? 例えば髪の色や輪郭が同じになったりとか?

森川氏:
 まったく別々の設定となります。なので,まさに2種類のアバターを使い分けるイメージです。

4Gamer:
 Coolは非常にファッション誌的といいますか,主に女性に向けたものという感じがしますね。

森川氏:
 女性からの「細かい部分にもこだわりたい」というニーズが多かったのは事実です。そこで重ね着ができたり,脚部分の衣装一つとってもストッキングとブーツそれぞれを個別に選べたりと,かなり細かく設定できるようにしています。より自分らしさをアピールできるのではないでしょうか。

4Gamer:
 こだわる人にはたまらないでしょうね。

森川氏:
 一方,従来のPureは,そこまでこだわらなくとも,それなりにまとまりが出ます。また特定のアイテムを購入すると,ゲーム中で有利になるといった連動部分もあります。

4Gamer:
 というと,Coolでのゲームとの連動は考えていない,と。

森川氏:
 お客様の反応を見つつ,でしょうか。まずはゲームとの連動よりも,お洒落さを追求してコミュニティでの表現に活かしていただく方向です。

4Gamer:
 麻雀で対戦する場合に,ある人はPure,またある人はCoolなんてケースも考えられるのですか?

森川氏:
 はい。お客様それぞれの好みに応じたキャラクターを混在できる環境を用意するのが重要だと考えています。今後,ゲームタイトルもアバターの衣装も充実していく予定ですが,お互い相性のいいもの同士が連携できるようにしていきます。

4Gamer:
 リアルに近いアバターを追加するとなると,バーチャルワールドへの展開も見越しているのかと勘繰ってしまいますが。

森川氏:
 今のところ,考えていません。結局,バーチャルワールドにどれだけの価値を見出せるかですよね。例えば「どうぶつの森」レベルのものを提供できれば最高だと思いますが,あれをオンラインで再現できる技術力と体力があるところはなかなかないでしょう。いつかは挑戦してみたいとは思っていますけれども。
 バーチャルワールドは,ゲームとコミュニティの境界にあるものと捉えているんですよ。ただ歩けるというだけではコミュニティの価値はありませんから,なにかしらゲーム的な要素を加えなければなりません。ところがやりすぎると,ゲームそのものになってしまいます。まあ中途半端にやるよりは,ゲームにしてしまったほうがいいのかなとも個人的には思います。

4Gamer:
 なるほど。ところで,アバター表示にはやはりFlashを利用しているのですか?

森川氏:
 はい。FlashとWebの連携についての可能性は評価していまして,モバイルサービスでも使っています。

4Gamer:
 重ね着などを表現しようとすると,レイヤーが多くて制作が大変という話を聞きますが。

森川氏:
 管理面で大変になりますし,お客様からも「そこまでやらなくとも」という意見をいただいたりもします。まあ匙加減の問題ですよね。

Coolのブランディングによる選択肢の拡充とリアル系アバターの持つ可能性


4Gamer:
 人物や衣装のデザインは,社内でやっているのですか?

森川氏:
 はい。当社の強みの一つが,自社でこういったものを制作できる点です。新しいコンテンツに関しては,可能な限り社内でやっています。

4Gamer:
 今回,衣装に関しては四つのブランドがありますが,これもすべて自社デザインですか?

森川氏:
 そうです。それぞれにブランドマネージャをつけています。ブログなどを設置して,お客様と商品に関するコミュニケーションを取っていく予定です。


4Gamer:
 例えば,実在するブランドとのタイアップなどはどうでしょう? ニーズは確実に出てくると思いますが。

森川氏:
 将来的に可能性はあるでしょう。実際に購入したものをモチーフにしたアバター衣装を,その場でモバイルサービスに提供したりとか。ただ,お話をいただいてはいるのですが,いくつか解決しなければならない部分もありますので。

4Gamer:
 逆に自社デザインをリアルのアパレルで展開してみることはお考えですか?

森川氏:
 オフラインビジネスは,別の意味で競争が激しくなってしまいますので(笑)。当面はネット上のビジネスとして進めていきます。

4Gamer:
 最近だと,人気のアニメやゲームとのタイアップも見受けられますけれども。

森川氏:
 他社さんのゲームと連動したアバターの可能性もあるでしょう。それは随時実現すると思います。
 ゲームにはFPS,RPG,麻雀といったようにさまざまなジャンルがありますから,それを一つのアバターですべて表現しようというのには難しさがあります。それよりは一つのサイトで複数のアバターを使い分けられるようにするほうが意味があるのではないでしょうか。

4Gamer:
 今までのハンゲームは,やはりゲームのために集まるコミュニティでしたよね。今回,アバターCoolを追加したことで,これのためだけに参加するようなユーザーは期待できそうですか?

森川氏:
 それほどのインパクトがあるかどうか,まだ分からないというのが正直なところです。むしろ,今いるお客様の中で,自分らしさをリアルに表現したいという方に喜んでいただけるのではと思っています。今までクレヨンしかなかったところに,油絵という新たな表現方法が入ってきたイメージですね。

4Gamer:
 表情などを癖を抑えてデフォルメしている一方で,衣装は細部にまでこだわっていたり,その細部をズームして鑑賞できたりと,非常に日本人のツボを捉えた仕様になっていると思います。
 感慨深いのは,ハンゲームはアバターから始まって,それをオンラインゲームに繋げて展開していって,またアバターを持ってきたのかという部分です。

森川氏:
 いってしまえば,それぞれ部署が違うから,ということなんですけれども。ゲームはゲームで当然展開して行きますし,コミュニティの部署は,今こうして新しい展開を見せている,と。

4Gamer:
 アバターに関して,他社と比較して特別に注力している部分はありますか?

森川氏:
 一口にアバターといってもいろいろありますから,評価は難しいところです。今後3Dになっていくのか,それとも2Dのままでいくのか,それを動かせるのかどうかといった部分で,他社サービスを含めていろいろ参考にしています。
 さっきおっしゃっていたようなバーチャルワールド風になっていくのかな,と思う部分もありますが,それがいつなのか,どんなデザインになるのか試行錯誤を重ねなければならないでしょう。

4Gamer:
 アバターが3D化した場合に,それをそのままゲーム内でも使いたいというニーズは出てきそうですよね。

森川氏:
 ええ。予想できますし,それも検討しなければならないニーズですよね。

4Gamer:
 先ほど,プラットフォームを牽引していくタイトルという表現が出ましたが,ハンゲームにおいては,このアバターCoolもそういった試みの一つといってしまえるのでしょうか?

森川氏:
 そうですね。ゲームを中心にやっている会社だと,なかなかこういう試みに着手できないでしょう。これが成功すれば,他社さんもさまざまなノウハウを注ぎ込んで,新しいものが生まれてくると思います。よく「ライトなゲームはお金にならない」という話を聞きますが,逆に「ライトにしなければ広がっていかない」というのも真実です。そこを,いかに組み立てていくかが当社の使命ではないかと考えています。

4Gamer:
 それでは最後に,今回のお話を踏まえて,オンラインゲーム業界の展望について何かコメントをいただけますか。

森川氏:
 オンラインゲームの現状は,踊り場にいるかな,というのが正直なところです。しかしオンラインのエンターテインメントについては,今後ますますニーズが高まっていくでしょう。どんなコンテンツが必要なのか,それをどうコミュニティで盛り上げていくのかが重要になると思います。これまでの日本市場は韓国発のゲームタイトルが多かったわけですが,もっと日本発のコンテンツを作っていくことで盛り上げていきたいと考えています。

4Gamer:
 ありがとうございました。


 従来の広告収入ではなく,アバターという新たなビジネスモデルを持って事業を拡大してきたハンゲーム。上記のとおり,当初から順風満帆だったわけではなく,紆余曲折を経た結果,現在の巨大なコミュニティが形成されたわけだが,注目すべきは飛躍的にユーザー数が伸びたという2003年の方向転換 だ。
 ここで誰もがルールを知っているカジュアルゲームを充実させた事実は,まさに森川氏のいう「ライトでなければ広がっていかない」を実践した結果だろう。具体的に取った方法が異なるとはいえ,任天堂がニンテンドーDSとWiiを日本だけでなく世界的にヒットさせ,瞬く間に普及させた事実を思い起こしたのは筆者だけではないはずだ。そうした観点からも,新たな試みであるアバターCoolが今後既存ユーザーにどのように受け入れられ,また新たなユーザー層を開拓できるのか,非常に興味深いところである。

 さて,2月5日に森川氏が行う基調講演では,ゲームとコミュニティの連携の話を中心に,アバターCoolや,オンラインゲームにおけるモバイルとPCを連動させることについての可能性など,このインタビューで取り上げた以外の話題も登場する予定となっている。興味のある人は,ぜひご来場を。

OGC 2009公式サイト

http://www.bba.or.jp/ogc/2009/
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