インタビュー
「大航海時代 Online 〜Tierra Americana〜」の新Chapterではヴァイキングの足跡を追うことに。陸戦にも改革が起こるChpater2インタビューを掲載
陸上戦闘に大きな改革
一般的なMMORPGの戦闘とほぼ同じに!?
渥美氏:
続いて2つめのポイントである,内陸都市の追加と,陸上戦闘の改革についてご紹介します。Tierra Americanaは,北米地域の追加だけではなく,ヨーロッパ地域の強化をしていくという大きなテーマがあります。場所は,画像を見れば一発で分かると思うのですが,こういう内陸都市が追加されます。
4Gamer:
これは,なんとも分かりやすい(笑)。ローマの街ですね。
はい,そのとおりです。今回は古代ローマの建物をモチーフにしているので,それが端的に現れた街ですね。古代の都市ですから,それにまつわる発見物も登場します。
4Gamer:
内陸の街ということですが,ローマの街というと海はさほど遠くない印象ですよね。
(※編注:ちなみに古代ローマ時代には港があったが,それ以降,近代まで港は存在しなかった)
渥美氏:
海岸沿いと言えばそうですが,ゲームとして考えれば,その上下に街がありますので。
4Gamer:
ゲームバランスを考えれば,その中間にポンと港は置けませんよね。では,ローマの位置を考えると,近いのは……ナポリですね。ローマへは,ナポリから移動するんですか?
渥美氏:
はい。ナポリになります。ここからパリやフィレンツェと同じく馬車を使って移動します。そして,内陸都市を追加するときは,フィレンツェであれば工房,パリであれば博物館といったように,基本的に対となるシステムをご用意すると以前ご紹介しました。
もちろん,ローマにもそれに該当するものがあります。ただ,これを説明する前に,陸上戦闘をどのように改革しているのかを説明してからのほうが,新システムについて分かりやすいと思います。
4Gamer:
ローマと陸上戦闘……なんとなく想像できそうですね(笑)。ともあれ,まずは陸上戦闘の改革について教えてください。
渥美氏:
今回のChapter2では,いろいろな部分に変更を入れています。その中でも,かなりベースの部分にまで手を入れたのが,陸上戦闘におけるレスポンスの改善になります。
4Gamer:
どのように改善されるんですか?
渥美氏:
これまでは,操作を受け付ける間隔が長めに設定されていましたが,これをもっと細かく受け付けるようにしました。具体的には,操作をこれまでと比較して1/10の間隔で確認するようになります。
4Gamer:
相当細かく確認するようになるわけですね。これまでは,1つの動きを行うと次のターンまで動きが取れないという感じでしたよね。
短いターンが繰り返されるというイメージでしたが,サーバーのレスポンスを工夫することで,ストレスのないターン進行を実現しました。待ち時間がほぼなくなるというイメージですね。
4Gamer:
つまり,一般的なMMORPGの戦闘により近いレスポンスになるわけですか。
竹田氏:
その点は,類似のゲームとほぼ同じでしょうね。基本的にどんなリアルタイムのゲームも,その間隔が短くなっているに過ぎないですからね。
4Gamer:
ちなみに敵NPCの動きも,それに伴って変わるんですか?
竹田氏:
いえ,1/10になったからといって,敵の動きが早くなるといったことはないです。時間的なマージンはいつもと同じですね。
4Gamer:
ちょっと安心しました(笑)。チェック間隔が1/10になって,プレイヤーの動きにあわせてまさかの行動を!? みたいなことはないわけですね。
竹田氏:
そんなことはないです(笑)。
渥美氏:
また,陸上戦闘においていろいろな意味でストレスになっていた,ハメ状態を改善しています。
4Gamer:
ハメ状態は,なぜ起こっていたんですか?
竹田氏:
現在,状態異常がテクニックやアイテムによって100%発生します。そのため,状態異常を出したもの勝ちになっていました。そこで,状態異常が100%にならないようにして,ランダムによる駆け引き要素が生まれるようにしました。
4Gamer:
ランダムというのは,完全に確率になるんですか。それとも,ステータスに影響して上下するように?
竹田氏:
確率はテクニックやレベル差によって変わります。これまでは0か1でしたが,そこを少しなだらかにしたんですよ。
渥美氏:
これまでは特定のテクニックやアイテムだけを使えば良いという状態で,攻略の幅が狭くなっていました。
竹田氏:
また,ハメを防止するという意味では,状態異常をかけられた側も,その状態を回復するアイテムだけは使える,つまりハメ状態から抜け出せる修正も行っています。
4Gamer:
そのアイテムは短時間で連続では使えないですよね?
竹田氏:
はい,短時間では使えません。アイテムのクールタイムに変更はありませんので。
4Gamer:
使えてしまうと逆にアイテムありきになってしまいますし,そこは安心しました。これは戦闘バランスの調整にもなっていますね。
そうなりますね。今回,陸上戦闘に手を入れたのは,これまで全体的に大味だった戦闘部分を,もっとなめらかにするためです。これは,先ほど話したように,戦闘速度をリアルタイムに近づけたことで実現できました。
渥美氏:
3つめは,多くのお客様から声をいただいていた,テクニックの習得に関するルールの変更を行います。
4Gamer:
どのようにルールが変更されるんですか?
渥美氏:
現在は,あるテクニックを使いたくても,なかなかそのテクニックを選べませんでした。「このテクニックを使いたいので,ほかのテクニックを覚えるのは困る」という,テクニックを自由に指定できないことに起因する要望をいただいています。ですので,戦闘で使いたいテクニックをプレイヤーが指定できるようにします。
4Gamer:
それはテクニックに優先度を決めるとか,そういうものですか?
竹田氏:
正確には,あらかじめ使わないテクニックを指定できるというものです。ここで指定しておけば,戦闘場面に表示されることはありません。
4Gamer:
つまり極端に言えば,テクニックを1つだけ残して,それだけ使いたいということもできるわけですか?
渥美氏:
はい。ただ,そうなってしまうのもどうかという部分があるので,テクニックをたくさん出せる状態で陸上戦闘に入ると,テクニックのゲージが溜まりやすくなるというメリットを用意します。
4Gamer:
具体的にはどう溜まりやすくなるんでしょうか。
竹田氏:
たくさんテクニックを覚えていると,頻繁にテクニックの候補が出てきます。Chpater2では,この出てきたテクニックをキャンセルしたときに,テクニックゲージが溜まるという仕組みを追加しました。
4Gamer:
なるほど。そうすれば使いたいテクニックが出るまで待つ間に,テクニックゲージも溜めることができるわけですね。
竹田氏:
そうです。またこれによって奥義など,より高位のテクニックも使いやすくなります。
渥美氏:
奥義を発動するのは,とても難しかったと思います。ですので,テクニックのキャンセルと,上位のテクニックの使いやすさという2点について,一緒に改善を図ったわけです。
4Gamer:
こうなると使いたいテクニックだけを覚えるのではなく,より多くのテクニックを覚えていたほうが,逆にチャンスは増えそうです。
渥美氏:
改善の4点めは,初心者に向けたものです。まず陸上戦闘は,ベースになるスキルが取り辛いという問題がありました。ですので,このハードルを下げることで,初心者の方でも陸上戦闘にスムーズに入れるようにします。
4Gamer:
やはり前提スキルの習得までが大変ということですか。
竹田氏:
そうですね。そのスキルを習得できる場所が,いろいろなところに散っていることもあって,初心者では条件を揃えられません。ですので,ヨーロッパ圏内で前提スキルが覚えられるようにし,テクニックの習得条件を初心者でも覚えやすいようにゆるめます。これで,ランクの低いテクニックは覚えやすくなると思います。
渥美氏:
最後の5点めが,そのほかの部分でバランスを適正にしようというものです。
竹田氏:
攻撃手段としてパワー/クイックなどがありますが,フェイントは要らないと言われています。これに大きく手を入れます。また,テクニックで強すぎるもの,使えないものとはっきり分かれていたので,ここがもう少しなだらかになるように調整します。
4Gamer:
陸上戦闘は対人戦にも絡んでくるところだと思いますし,バランス調整は難しそうですね。
竹田氏:
今回も大きく手は入れますが,その結果を見てまた変更するところが出てくるかもしれません。ですが,以前のように極端なことにはならず,なだらかになると思います。
渥美氏:
そして,前置きが長くなってしまいましたが,ローマで何ができるのかに戻りましょう。お気づきだと思いますが,(円形の建造物を指さして)この建物です(笑)。
4Gamer:
そうですよね(笑)。では,コロッセウムで何ができるのでしょうか。
Chapter2では,新しくなった陸上戦闘が楽しめるということで,コロッセウムの中で,専用の陸上戦闘ミッションが受けられます。これはソロでも挑めるし,艦隊メンバーで挑むこともできます。専用のミッションという意味では,バトルキャンペーンに近いのですが,バトルキャンペーンは期間が限定されています。こちらはコロッセウムにいけば,いつでもチャレンジできるミッションです。
竹田氏:
PC戦のバトルキャンペーンと大きく違うのは,こちらはNPC戦ということですね。
4Gamer:
そうなんですか。コロッセウムですし,てっきりプレイヤー同士が戦ったりする大会があるのかと思っていました。逆に,プレイヤー同士の対人戦大会を開くという可能性はありますか?
竹田氏:
当然,将来的な計画には入れています。ただ,今回は陸上戦闘に大きく手に入れたので,まずはそれを体験していただきたいという思惑があります。PC戦を楽しむのは,戦略や戦術を確立してからになると思いますし。
4Gamer:
なるほど。ミッションがあるということは,それに勝てると報酬があるわけですよね。
渥美氏:
もちろんあります。ミッションには敵を全滅させる以外にも,それぞれ特別なクリア条件が設定されています。それらのミッションをクリアすることで,ローマ時代のコインのようなものがもらえます。
4Gamer:
このミッション専用のコインになるわけですね。では,そのコインを貯めるとどうなるのかが気になりますね。
竹田氏:
これはもうお約束ですが,コインを貯めると特別なアイテムと交換できます。ちなみにこのコインは“ミッションをクリアしたら何枚もらえる”ではなく,ミッションごとに戦い方によってボーナスが入るという要素があります。例えば,これこれのテクニックを,一定回数使って勝つとボーナスが入る,とかですね。
4Gamer:
それは,プレイヤーには見えない,内部的な判定になるんですか?
いえ,ミッションを受けるときに提示されます。その条件によって戦い方や準備が変わるので,戦いにバリエーションが出ると思います。普通に勝つだけよりも条件が難しいので,チャレンジをした人へのボーナスですね。
渥美氏:
コインはアイテムの交換だけではなく,陸上戦闘で使う「オリジナル奥義」を作る過程でも必要になります。
4Gamer:
オリジナル奥義,また新しい要素が出てきましたね。それは,どういうものですか?
渥美氏:
陸上戦闘をこなしていく中で,さまざまなテクニックを覚えていると思いますが,それらを組み合わせて自分ならではの奥義が作れるというものです。奥義の名前も,完全に自由ではないですが,いくつかの組み合わせから文字を選択して作れます。
4Gamer:
名前の組み合わせは,どれくらいの数に?
竹田氏:
三つのパートに分かれて,それぞれ100〜200という候補から選ぶことになります。
4Gamer:
なるほど,それは相当な組み合わせになりますね。
竹田氏:
はい。ランダムで名前を決める機能もあり,これが凄い名前になったりして面白いです(笑)。
4Gamer:
とんでもない名前もあれば,意外な組み合わせで,思いも寄らぬ良い名前ができたりするかも(笑)。
渥美氏:
ログにも,誰々が○○○という名前の奥義を使ったと流れるので,ほかのプレイヤーの奥義の名前を見るのも面白いと思います。
4Gamer:
では,実際にどのようにしてオリジナル奥義を作っていくんですか?
竹田氏:
具体的には,テクニックをいくつか組み合わせることで,ベースとなるテクニックに,いろいろなパラメータを付与します。
4Gamer:
つまりテクニックに,ステータスだったり,状態異常だったりを付加できると。
竹田氏:
まさにそのとおりです。
4Gamer:
どんな組み合わせが良いのかいろいろ悩みそうですね。ちなみに,所有できるオリジナル奥義は1つですか?
竹田氏:
はい。1つのオリジナル奥義を試行錯誤して作っていくことになります。
4Gamer:
しばらくはその研究がホットになりそうです。
渥美氏:
オリジナル奥義は,「大航海時代 Online」におけるやり込み要素の1つになりますが,とことん最強の奥義を目指して作り続けるというものではなく,もっとカジュアルなものになっています。
4Gamer:
対人戦のバランスにも関わってくるでしょうから,そのあたりのさじ加減もありそうですね。
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