ニュース
人の位置に合わせて音の聞こえ方が変わるサウンドバー「Leviathan V2 Pro」や4K解像度の高画質WebカムをRazerで体験してみた
2023年に注目すべきRazerの新製品についてレポートしたい。
Razerがゲーマー向けチェアに取り付けるサラウンドスピーカー「Project Carol」や,新型ノートPC「Blade 16」などを発表
米国時間2023年1月5日,米国・ラスベガスで開幕した大規模展示会「CES 2023」に合わせて,Razerがゲーマー向けチェアに取り付けるサラウンドスピーカーのコンセプトモデル「Project Carol」や,新型ノートPC「Blade 16」「Blade 18」などの新製品を発表した。
ビームフォーミングによるヘッドトラッキングはゲームサウンドを変えるか?
まずは,2023年2月に世界市場へ向けて発売予定のサウンドバー「Razer Leviathan V2 Pro」から見ていこう。
Leviathan V2 Proは,Razer製サウンドバー「Leviathan」シリーズの最上位に位置付けられる製品だ。2022年に登場した「Razer Leviathan V2」「Razer Leviathan V2 X」は,サウンドバー本体の横幅が約400mmと,サウンドバー製品の中でもコンパクトなほうであった。一方のLeviathan V2 Proは,上位モデルということもあってかサイズは大きめで,幅は約600mmと,一回り以上大きくなっている。
筐体サイズが大きくなったことにより,Leviathan V2では,内蔵するスピーカードライバーが左右に2基ずつの計4基だったのに対して,Leviathan V2 Proでは中央に1基を追加した計5基となった。なお,初報では「Leviathan V2 Proにはパッシブラジエーターがあるようだ」と記述していたが,これは筆者の誤解だったようである。
黒い大きな立方体状のサブウーファーは,机の下に設置されていた。このサブウーファーは,ワイヤードでサウンドバー本体とつなぐこともできるが,ワイヤレスでも動作するそうなので,サブウーファーを置きやすいところに置くのに役立ちそうだ。
さて,Leviathan V2 Proにおける最大の特徴は,コンパクトなサイズに加えて,音声を聞くユーザーがスピーカーの前のどこら辺にいるかを,ヘッドトラッキング用赤外線センサーによって検出して,ユーザーの位置に最適化したサラウンドサウンドを出力できる点にある。この特徴を持って,RazerはLeviathan V2 Proを「The World's first beamforming Soundbar」(世界初のビームフォーミングサウンドバー)であるとアピールしているわけだ。
Leviathan V2 Proにおけるヘッドトラッキング用センサーは,本体中央の上側面手前側に組み込まれており,2つの赤外線発振部と,1つのカメラの組み合わせで実現している。
操作ボタン類は,本体天面に並んでおり電源ボタンを兼ねる音量調整ダイヤルに並んでおり,左から「Audio Equalizer Button」「3D Audio Mode Button」ダイヤルを挟んで「Source Button」「Chroma Mode Button」となっている。
今回重要なのは,3D Audio Mode Buttonだ。これは,ビームフォーミングサラウンドの効果を切り替えるもので,押すたびに「Stereo」(サラウンドなし)「Virtual Headset」「Virtual Speaker」「Room Fill」とオーディオモードが切り替わる(※さらに押すとStereoに戻る)。なお,Razerの統合設定ソフトウェア「Razer Synapse」上で,オーディオモードを切り替えることも可能だ。
4種類のモードのうち,Virtual HeadsetとVirtual Speakerは,Razer傘下の音響技術企業であるTHXのノウハウを生かしたサラウンドサウンド技術「THX Spatial Audio」を用いたサラウンドサウンドモードである。
Virtual Headsetは,読んで字のごとくで,スピーカーのある前方からではなく,ヘッドセットでゲームサウンドを聞いているかのように,耳に直接サウンドが入ってくるかのように聞こえるというモードだ。そのため,とくにゲームや,バイノーラルサウンド(※たとえばASMRの音)を聞くのに適するという。
一方のVirtual Speakerは,5.1ch分のサラウンドスピーカーを使っているかのように,後方を含む周囲からサウンドが聞こえてくるかのように聞こえる動作モードであるとのことだ。
実際に,音楽やゲームプレイの様子を録画した映像でVirtual HeadsetやVirtual Speakerを試聴してみた。サウンドを聞きながら,体を左右に動かしてみると,体の位置に応じて音の聞こえ方ははっきり変わるのを確認できた。サウンドバーでこの感覚が得られるのは,なかなか新鮮だ。
ただ,体験時間が短く,試したコンテンツも限られていたので,Virtual HeadsetとVirtual Speakerの聞こえ方がどう違うかまでは確認できなかった。日本にLeviathan V2 Proが入ってきたら,改めて試してみたい。
RazerのLeviathan V2 Pro製品情報ページ(英語)
ゲームパッド付きのAndroidゲーム機「Edge」
次に紹介するのは,Razerが2022年10月に発表した携帯型Androidゲーム機「Razer Edge」だ。
Edgeは,スマートフォン型の本体に,着脱式ゲームパッド「Razer Kishi V2 Pro」を組み合わせた製品だ。Android端末として,Android向けゲームをプレイするのにも使えるが,Razerが考える主な用途は,クラウドゲームやリモートプレイ用の携帯型端末という位置付けのようである。
実際,Razerブースのほか,MicrosoftのブースでもEdgeはプレイ可能な状態で展示されていたが,RazerではXbox Series Xを母艦としたリモートプレイの,MicrosoftではXbox Cloud Gamingのデモに使われていたほどである。
そのため残念ながら,Androidゲームの仮想ゲームパッドに,Edgeのアナログスティックやボタン操作を割り当てられるかどうかは,確認できなかった。
ゲームパッドとセットになっているので,両手に持った重さは,さすがにスマートフォンよりは重い。しかし,最近流行りの携帯型ゲームPCに比べれば断然軽いので,クラウドゲームやリモートプレイ用には,これで十分という印象も受ける。
ボタンやスティックの作りも,Razer製品らしくこなれたもので,操作感は良好だった。
今のところ,Edgeの販売地域は北米のみの予定であり,日本での発売があるのかは,まったく分からないとのこと。通話機能がない(※音声通話アプリを使えば別だが)ので,スマートフォン代わりにするのは難しく,純粋なゲーム端末として本機が日本市場で受け入れられるかは,正直難しそうではある。
ただ,Razer製のAndroidゲーム機という点にひかれるガジェットマニアな人はいるだろう。日本展開も期待したい。
RazerのEdge製品情報ページ(英語)
デジタル一眼レフ並みの画質で撮れる大型Webカメラ
最後に紹介するのは,新型Webカメラ「Razer Kiyo Pro Ultra」だ。ソニー製の1/1.2インチ,約830万画素の撮像センサー「STARVIS 2」を採用して,デジタル一眼レフカメラ並みの高解像度映像を撮影できるというのが大きな特徴である。
ただし,センサーが大きいこともあって,Webカメラとしては異例とも言える大きさだ。24インチ級の液晶ディスプレイに載せると,異質なほどの存在感がある。
撮影できる映像の最大解像度は,3840×2160ドットの4Kで30fpsの圧縮映像か,同解像度で24fpsの非圧縮映像とのこと。さらに,2021年に登場した「Kiyo Pro」譲りの自動露出,自動ホワイトバランス調整機能を備えている。照明環境の良くないデモ環境で試した限りでは,確かに顔をかなり鮮明に,かつ自然な色味で撮影てきていた。Razerの説明員も,「Kiyo Pro Ultraであれば,別途,顔を明るく照らすための照明を設置する必要はありません」と自信を示していたほどである。
背景をボカす処理は,Synapse上で設定可能で,そのほかにも露出やホワイトバランス調整を顔中心にするか,それとも映像全体を見るかの切り換えも,Synapse上で行える。
ゲーム配信者では,ゲーム映像の隅に載せる自分の姿を4K解像度で映したいという人は,あまりいないかもしれない。しかし,顔出しがメインの配信や動画作成を行っている人なら,デジタル一眼レフカメラよりも安価で,設置場所にも苦労しないKiyo Pro Ultraに価値を認める人もいるのではないだろうか。
RazerのKiyo Pro Ultra製品情報ページ
4GamerのCES 2023記事まとめページ
- 関連タイトル:
Razer
- この記事のURL:
キーワード
Copyright (C) 2023 Razer Inc. All rights reserved
- Razer DeathAdder Elite エルゴノミック ゲーミングマウス【正規保証品】RZ01-02010100-R3A1
- エレクトロニクス
- 発売日:2016/12/23
- 価格:¥14,900円(Amazon)