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[GC 2006#08]ドイツの技術力が光るFPS「Crysis」,マルチプレイモードがプレイアブル展示
展示されていたマルチプレイ用マップは一つだけで,シングルプレイでもその舞台となる小さな島のようだ。だが,これまでのCrysisから強く感じられた「ジャングルでの白兵戦」的なイメージとは打って変わり,多彩な大型兵器を使い,建物の多い開けた土地での戦闘になっていた。
マルチプレイモードには「Deathmatch」「Team Deathmatch」というお馴染みのものに加え,「Power Struggle」の計3種類が用意されている。最後のPower Struggleとは,まあ「バトルフィールド1942」タイプの陣取り合戦で,より多くの拠点を占拠したほうが勝利を収め,また占領した拠点で兵器の使用が可能になるというもの。ちなみに,会場で展示されていたのもこのモード。多くのFPSプレイヤーにとっても理解しやすいシステムだろう。
Crysisでは,拠点の占領と同時に兵器類が出現するわけではなく,その拠点で「購入」が可能になる。プレイヤーは自分のポイントを使って,「重機関銃」や「戦車」,果ては「攻撃ヘリコプター」まで買うというのだ(登場兵器はマップによって異なる)。
これまで公開されてきたCrysisのムービーやスクリーンショットなどは,およそ戦車やヘリコプターを乗り回し,撃ちまくるというイメージはなく,これはこれでかなり新鮮である。ただし,APCなど武装のない車両は拠点に普通においてあり,また自分の購入した兵器は自分しか乗れず,降車もできないなど,あくまで,サイズの大きな銃器を購入するといった雰囲気だ。
こうした大型兵器は全部で10〜12種類ほどが予定されている。兵器の購入に必要なポイントだが,これはもちろん,戦場で敵を倒すことによって得られる。特徴的なのは,優秀な敵を倒せばより多くのポイントをもらえるところだ。つまり,戦績リストの上位に載っているような敵を相手にしたほうが有利なわけだが,もちろん,そういう相手はそれなりに強いから戦績がいいのである。味方を集めて全員で襲いかかるなど,それなりの駆け引きが必要になりそうだ。個人のポイントを導入することで,強いプレイヤーはより強く,それなりの兵士はそれなりのものしか装備できなくなる。決して“強い”とは言い切れず,むしろその逆ではないかと思われる筆者としてはやや不安な気がしないでもないが,システムとしては面白そうである。
シングルプレイでは,例えばジャングルに向けて重機関銃を連射すれば,木々がバタバタと倒れるが,さすがに(通信量の問題があるので)マルチプレイでは破壊できるオブジェクトもそれほど多くはないなど,全体に,シングルとはかなりムードの異なるモードという印象。
シングルプレイで登場するアメリカ軍兵士はサイバーきわまりないハイテクスーツを着ているが,マルチではごく普通の軍装だったり,エイリアンの宇宙船内で展開される予定の「無重力状態での戦い」なども出てこないようで,SF色よりはミリタリー色の強いものになりそうだ。撃ちあいの迫力は相変わらず気持ちがよく,爆発のエフェクトも派手,グラフィックスのディテールも折り紙つきなので,マルチプレイFPSのファンなら期待してよさそうである。
マルチプレイの話ばかりではなんなので,最後に「ビハインド・ザ・カーテン」スタイルで紹介された最新のシングルモードの話を少し。ビジネスセンターの一角に設けられたEAのブースでメディアのみに公開されたのは,来月公開される予定の最新ムービー。バージョンはE3_2006で展示されたプレイアブル版と同じ,ということだが,Crysisの特徴である「武器のカスタマイズ」や「強化スーツ」の説明,ストーリーなどが要領よくまとめられており,一見の価値があるムービーだった。これについては,入手次第掲載する予定なので,ぜひ楽しみにしていただきたい。(松本隆一)
- 関連タイトル:
クライシス 完全日本語版
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