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Access Accepted第395回:インディーズ開発者の集う「Indie MEGABOOTH」で見た新作5選
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印刷2013/09/09 20:23

業界動向

Access Accepted第395回:インディーズ開発者の集う「Indie MEGABOOTH」で見た新作5選

画像集#001のサムネイル/Access Accepted第395回:インディーズ開発者の集う「Indie MEGABOOTH」で見た新作5選

 Webコミックのアーティスト達の呼びかけにより始まったゲーマーのためのイベント,「PAX Prime」が,今年で10年めを迎えた。それを機に,4Gamerでは初めての取材を行い,Comceptの稲船敬二氏の新作「Mighty No.9」のサプライズ発表などをお伝えした。「Mighty No.9」の特徴は,大手のパブリッシャに頼らず,インディーズタイトルのようにクラウドファンディングサイトを利用するという新たな取り組みを行っている。「PAX Prime」は,最近の欧米ゲーム業界を賑わす「インディーズゲーム」がスポットを浴びるイベントだけに,ここでの発表は当を得たものといえそうだ。というわけで今週は,「PAX Prime」で見つけた80を超える作品の中から,筆者が気になったインディーズ作品を紹介したい。


ゲーム業界の注目が集まる「PAX Prime」


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 今年で10回めを迎えた「Penny Arcade Expo」(以下,PAX Prime)が,2013年8月30日〜9月2日の4日間,ワシントン州シアトル市で開催された(関連記事)。PAX Primeについては,8月31日に掲載した記事で紹介したとおりだが,毎年2月にボストンで開催される「PAX East」と共に,さまざまなゲームがプレイアブルで出展されるゲーマーのためのイベントとして,ここ数年来,注目度がどんどん高まっている。

 最近では大手メーカーの進出も目立ち,地元シアトルに本拠を置くMicrosoftやNintendo of Americaに加え,Sony Computer Entertainment Americaというプラットフォームホルダーが揃ってブースを構えて,プレイアブルデモの展示を行っている。目的はもちろん,ファンベースの拡大で,特製コミックスを配布したり,コスプレイヤー達に新作の無料配布を約束したりするなど,あの手この手のプロモーションを行っていた。
 ドイツのケルンで開かれるgamescomのような,派手な「Tシャツの投げ」こそなかったが,来場者達がメールリストに登録したり,プレゼントをもらったりする姿があちこちで見られた。

 シアトルには,ワシントン大学やノースウェスタン大学といった名門校のほか,ゲーム制作のカリキュラムを持つ技術専門学校として有名なDigiPen(DigiPen Institute of Technology)があり,来場者には学生らしい若い人々が目立つ。

MEGABOOTHには展示されていなかったが,有名なプログラマーであるクリス・ヘッカー氏(写真左)の新作「SpyParty」のβ版がプレイアブルで展示されていた。プレイヤーの一人が大使館に紛れ込んでさまざまなミッションに挑戦するスパイ役になり,もう一人がそのスパイを見つけて暗殺する役を演じるという非対称の対戦がユニークなオンラインゲーム。ヘッカー氏も,にこやかに来場者と接していた
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 そんなPAX Primeを特徴づけるモノの一つが,インディーズゲームの出展の多さだ。PAXはもともと,コンシューマゲーム,携帯ゲーム,PCゲーム,そしてアナログゲームまで等しく扱うことをポリシーにしていることもあり,インディーズゲームの開発者がPAXで新作を発表するケースも少なくない。彼らの作品は「Indie MEGABOOTH」というエリアにまとめられており,今年は82のメーカーがそれぞれの新作を展示していた。
 というわけで今週は,そんなインディーズゲームの中から,気になる作品を選んで紹介したい。

「PAX Prime」英語公式サイト


Audiosurf 2

開発元:Dylan Fitterer
公式サイトhttp://blog.audiosurf2.com/

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 「Audiosurf 2」は,2008年にSteamでリリースされ,現在までに100万本のヒットを記録した「Audiosurf」の続編で,前作と同様,音楽に合わせて自動生成されるコースを進んでいくという,いわゆる「ラウンジゲーム」だ。本作の特徴は,プレイヤーがウェイクボードのように何かに引っ張られながら前進する「Wakeboard」モードの存在だろう。
 好きなMP3ファイルを用意すれば,どんなジャンルの音楽でもプレイできるが,本作では,例えばテンポによってコースのアップダウンが変化するなど,楽曲に対する認識度もアップしているという。

 自分の好きな音楽を聞きながら,リラックスしてゲームを遊びたいという人にとってはピッタリの作品になりそうで,Steamでは有料のβ版が9月にリリースされることが決まっている(無料で製品版へのアップグレードが可能)。今回確認することはできなかったものの,コースに生成される障害物をパルクールのように飛んだりスライディングでくぐり抜けたりしながら進んでいく「Sprint」モードには,最大4人が参加できるマルチプレイモードが用意されているとのことだ。

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Aztez

開発元:Team Colorblind
公式サイトhttp://aztez.com/

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 アリゾナに本拠を置くTeam Colorblindが開発中の「Aztez」は,ボードゲームの「リスク」を思わせるターン制ストラテジーゲームだが,戦闘シーンでは横スクロールのアクションゲームになるという,ハイブリッドタイプの作品。アステカ文明の拡大を狙う戦士として,戦いを続けていくことになるという。

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 リリースは2014年が予定されており,「PAX Prime」では「べヨネッタ」に影響を受けたというアクションゲーム部分が公開されていた。ゲームアートは,白黒のモノクローム画面に,血だけが赤く描かれるというスタリッシュなもの。会場では,Oculusのヘッドマウントディスプレイ「Rift」に対応したバージョンも展示されており,Indie MEGABOOTHでも一際目立っていた。

 プレイヤーは,ジャガー戦士やイーグル戦士といったキャラクタークラスを設定でき,槍や棍棒,祭儀用のナイフなどの武器を利用して戦うことになる。プレイフィールは非常に軽快で,ガチャ押ししているだけでも,かなりカッコ良いアクションを楽しめるという印象だ。倒したボスキャラからマスクを剥ぎ取り,それを自分で利用するといったカスタマイズ機能も用意されるとのことで,その進展に注目したい作品だ。


Galak-Z: The Dimensional

開発元:17-Bit
公式サイトhttp://galak-z.com/

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 「Skulls of the Shogun」でインディーズゲーム界へ鮮烈デビューを飾った17-Bitの新作「Galak-Z: The Dimensional」は,E3 2013でPlayStation 4専用ソフトとして開発がアナウンスされていた見下ろし型のシューティングだ。わざわざ日本語で「宇宙戦士ガラク」というサブタイトルが付けられていることからも分かるように,1970年代から1980年代にかけての日本のテレビアニメをリスペクトした雰囲気になっている。

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 プレイヤーが操作するスペースシップには慣性が付いており,一度ロケット噴射するとなかなか思うような場所でストップできないところがミソ。ボタン操作は[□]ボタンでジャンプ,[○]ボタンでミサイル,[×]ボタンでレーザー砲発射といった具合にシンプルにまとめられており,爆破効果も非常に派手で色彩豊か。パーティクル効果などグラフィックスの技術力も感じさせ,古き良き時代のゲームを思い起こさせる新しいシューティングゲームとして,来場したファンの人気を集めていた。もしかすると,PlayStation 4におけるインディーズゲームの盛り上がりを牽引するような作品になるかも知れない。


Incognita

開発元:Klei Entertainment
公式サイトhttp://www.incognitagame.com/

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 「Mark of the Ninja」「Don't Starve」といったヒット作を量産するインディーズ業界の星,Klei Entertainmentの新作が「Incognita」だ。特殊諜報部隊の司令官になったプレイヤーが,さまざまな能力を持った最大6人のエージェントを,高度なセキュリティに守られた施設へ送り込んでいくという内容で,アクションポイントを消費しての移動や,エージェントが命を落とすと二度と復活しない“パーマデス”など,「XCOM: Enemy Unknown」を連想させる正統派のターン制ストラテジーだ。

画像集#011のサムネイル/Access Accepted第395回:インディーズ開発者の集う「Indie MEGABOOTH」で見た新作5選
 戦闘を専門にするエージェントもいるのだが,本作の目的は戦いではなく,鍵のかかったドアを開けたり,敵の背後をこっそり通り抜けたり,ガジェットで相手を混乱させたりといったステルスアクションにフォーカスされている。
 ミッションをクリアするたびに上階がアンロックされるという,「どこまでゲームを進められるか?」を楽しむ構成になっており,ゲームマップはランダムにジェネレートされるとのことだった。


Tengami

開発元:Nyamyam
公式サイトhttp://nyamyam.com/category/tengamigame

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 日本的なアートワークが目を引く「Tengami」は,「飛び出す絵本」を題材にした一風変わったアドベンチャーゲームだ。和紙を切り貼りしたようなテクスチャや,淡い色調,そしてろうそくで照らされたような光の雰囲気が非常にアーティスティックで,プレイヤーがパズルを解くことでマップが拡大され,飛び出す絵本のように新しい情景がポップアップし,次の舞台へと進んでいく。

 PAX PrimeのデモではWii Uが使われており,序盤からプレイできたこともあってか,とくにつまづくようなこともなく,非常にラクに進められた。2Dのような3Dのような,独特のゲーム画面はかなり個性的だ。

 Nyamyamは,もともとRareに所属していたメンバーがロサンゼルスに設立したメーカーだが,今回の作品には沖縄在住のアーティストも参加しているという。iOS版とWii U版が2013年,PC版が2014年発売というスケジュールになっている。

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著者紹介:奥谷海人
 4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。
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