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Access Accepted第622回:gamescom 2019で聞いたインドネシアとオランダ,それぞれのゲーム事情
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印刷2019/09/02 00:00

業界動向

Access Accepted第622回:gamescom 2019で聞いたインドネシアとオランダ,それぞれのゲーム事情

画像(001)Access Accepted第622回:gamescom 2019で聞いたインドネシアとオランダ,それぞれのゲーム事情

 2019年8月20日〜24日,ドイツ・ケルンのコンベンションセンター,ケルンメッセでヨーロッパ最大規模のゲームイベント「gamescom 2019」が開催された。今年は,新たな試みとして前夜祭となる「gamescom Opening Night LIVE」も開催され,5日間の会期を通じて37万人の来場者を集め,大きな盛り上がりを見せた。筆者を含む4Gamer取材班は,いつものように人混みをかき分けつつ体力を大幅に削がれながら取材を行い,さまざまなニュースをお伝えしてきた。今週は,ニュースにしきれなかった情報として,インドネシアオランダのパビリオンで聞いた両国のゲーム事情を紹介したい。


変化するヨーロッパ最大級のゲームイベント


 2019年8月20日〜24日,ドイツ・ケルンの大規模コンベンションセンター,ケルンメッセでヨーロッパ最大規模のゲームイベント「gamescom 2019」が開催された。今年の末から2020年の初めにかけてリリースされる数多くの新作が,来場者向けにプレイアブル公開されるという,ファン向けのお祭り的な性格の強いイベントだ。

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「gamescom 2019」公式サイト


 いくつもの新作発表があるというわけではなく,出展タイトルの大半は6月の「E3 2019」で発表された作品が占めるが,それでも一般に公開されるのが初めてとなる作品も少なくなく,E3のときよりも詳しい情報が公開されたりして,大きな盛り上がりを見せた。9月に行われる「東京ゲームショウ2019」の動向を占うという側面もあるので,多くの日本人ゲーマーも興味深く眺めていたのではないだろうか。

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 gamescomを運営する第三セクター,Koelnmesseによれば,今年の展示フロアの面積は,昨年より5%ほど広い21万平方mとなり,100以上の国と地域から会場を訪れた人の数は,37万3000人を記録したという(うち,メディアや関係者は3万1300人)。
 会場は広大だが,少し離れた「ホール1」など,使われていないエリアもあり,延床面積28万4000平方mを誇るケルンメッセには,イベントをさらに大きくする余裕がある。とはいえ,来場者数は昨年に比べて「微増」という感じなので,参加できるファンの数は上限に近づいているのかもしれない。ケルンの宿泊施設は,容量的にもう限界という話も聞く。

 昨年の9月に掲載したgamescom 2018のまとめ記事「ついに日本パビリオンが進出したgamescom 2018点描」でも書いたことだが,現在Koelnmesseは「Koelnmesse 3.0」という拡張プランを進めており,2030年のgamescomでは50万人の集客を目指している。

 ちなみに,日本最大のゲームイベントの会場になる幕張メッセの延床面積は約13万3000平方mで,ケルンメッセに比べれば狭い。にもかかわらず,昨年の東京ゲームショウでは約30万人の来場者を集めているので,人口密度という点では東京ゲームショウのほうが高いのかもしれない。とはいえ,ケルンメッセの通路に立ち,はるか遠くまでひしめく無数のゲーマー達の姿を目にしたときの威圧感は,正直,半端ではない。

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 gamescom 2019では,初の試みとして公式オープニングイベントの「gamescom Opening Night LIVE」が開催された。Microsoftが「Inside Xbox @Gamescom 2019」で新作や追加情報を配信してはいるものの,それ以外のプラットフォームホルダーによるイベントやカンファレンスはなく(SIE,任天堂ともブース出展は行っている),「新作発表の場」としての価値が薄れてきた印象のgamescomだっただけに,そうしたイメージを払拭すべく行われたイベントだ。
 Take-Two Interactive傘下のPrivate DivisionやTHQ Nordic,Deep Silver,Ubisoft Entertainmentなど,ヨーロッパで高いプレゼンスを誇るメーカーが顔を揃えて発表を行い,さらに,カプコンが「MONSTER HUNTER WORLD:ICEBORNE」を,コジマプロダクションが「DEATH STRANDING」を持ち込んで新たなトレイラーを公開するなど,注目度は高く,まずは成功したといえるのではないだろうか。我々としても,新たなニュースソースとして「gamescom Opening Night LIVE」がこれからも続いていくことに期待したい。

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インドネシアとオランダパビリオンをチェック


 何度か書いているが,gamescomのビジネスエリアには毎年,50か国ほどの「パビリオン」が設置され,これらを見て回るのが筆者の毎年の趣味になっている。パビリオンといっても,派手さはほとんどなく,看板やポスター,ポスターの前に椅子が何脚か並んでいるだけという殺風景なものが多い。ショーフロアにブースを構えるほどの予算のないツールメーカーやアセット制作会社がゲームメーカーと商談を行ったり,設立して間もないデベロッパや学生のプロジェクトが新作を並べて,パブリッシャに売り込んだりしている。

 パビリオンを出しているのは,業界団体のほか,ゲームを外貨獲得や雇用創出の有望な産業と捉える政府系の機関で,そうした国の多くで,ゲーム産業に対する税制優遇措置がとられたり,大学や投資ベンチャーを巻き込んでのさまざまな支援プログラムが進められているというのは,本連載の読者ならよくご存じだろう。イギリス,カナダ,ポーランド,そしてスウェーデンといった国々では成果を挙げており,そうした国に続こうと,ヨーロッパ以外からも多くがgamescomにパビリオンを出展している。

 そうした国の1つが,インドネシアだ。2017年にBadan Ekonomi Kreatif(BEKRAF)という政府機関が設立され,インドネシアを意味する「群島」(Archipelago)と,主に技術系のオタクを意味する「ギーク」(Geek)という言葉を掛け合わせた「Archipelageek」という施策のもと,ゲーム産業の育成に務めている。今年のGame Developers Conferenceにも出展していたが,ヨーロッパ進出は今回のgamescom 2019が初めてになるだけに,GDC以上に大きなブースを用意し,パビリオンに力を入れていた。
 8月26日に掲載した記事で紹介したホラーゲーム,「Pulang: Insanity」は,ここで紹介されたタイトルだ。

いろいろ教えてくれた,BEKRAFのジョシュア・シマンジュンタク氏(左)。右の人物は,インドネシアのインディーズ系ゲーム開発者の組織,Asosiasi Game Indonesia(AGI)のオーガナイザー
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 インドネシアは,中国,インド,そしてアメリカに続く世界第4位の人口(約2億6400万人)を誇り,若い年齢層も多いため,ゲームの大きな市場になり得る。ただ,BEKRAFのマーケティング部門副会長のジョシュア・シマンジュンタク(Joshua Simanjuntak)氏によれば,BEKRAFの設立目的は国内市場の開拓よりは,外貨を得るためにクリエイティブな産業を育成することにあるという。
 今のところ,ゲーム開発を支援できるほどの予算はないものの,eスポーツ人気を利用した振興事業を行っており,インドネシアの映画産業を支える投資家達に,eスポーツの,ひいてはゲーム産業の魅力をどう伝えていくかが課題の1つだと語っていた。

 続いて紹介するのはオランダ。gamescomでは毎年,1つの国を選んで,その国のゲーム産業にスポットライトを当てている。昨年はスペインで,一昨年はカナダだったが,今年その枠だったのがオランダだ。
 オランダには,「Horizon Zero Dawn」のGuerilla Gamesや,「Killing Floor」シリーズのTripwire Interactive,「Age of Wonders: Planetfall」のTriumph Studios,「Arizona Sunshine」のVertigo Gamesなど,大小の有名ゲームメーカーが存在している。そのため,「ゲーム大国」という印象も受けるのだが,実際のところは,ゲームコンテンツの消費量はヨーロッパで第6位と高いにもかかわらず,ゲーム業界で働く人は約3000人ほどと少なく,産業の規模も大きくはないという。

手作り感のあるオランダパビリオンだが,出展にあたってオランダ政府からの援助はまったくないという
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 9年前からgamescomにパビリオンを出展しているのは,業界団体のDutch Games Association(DGA)で,政府からの支援はまったくなく,民間企業や一般投資家が参加する基金「Creative Industries Fund NL」の支援を受けて,国内の中小デベロッパをサポートするために出展しているという。ゲーム開発を援助するプログラムもオランダ政府にはなく,「ゲーム開発者としては,この状況はフェアじゃないよね」と,手篤い支援が期待できるポーランドやスイスのパビリオンを眺めながら,ブースの受付担当は話してくれた。彼もまたゲーム開発者で,人手が足りないのか,持ち回りで受付に立っているらしい。

 現在は,国民の語学力の高さと,ヨーロッパのほぼ中心という地の利を活かした企業誘致に懸命で,「ブレクジット」の影響でイギリスから流れてきそうな資本のすくい上げにも期待しているという。

 こうしてパビリオンを取材してみると,どの国のゲーム産業にもそれぞれの事情があることが分かって興味深い。日本人として残念だったのは,昨年初めてgamescomに参加した日本のパビリオンが今年は見当たらなかったことで,今のところその理由は分からないが,やはり,「それぞれの事情」によるものだろう。

UKパビリオンも,投資会社や人材派遣会社など,さまざまな民間企業の援助で出展されている。用意されていたペットボトルの水までスポンサー付きだった
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 わずかではあるが,毎年,何かしら新しい変化が感じられるgamescom。2020年はおそらく,Microsoftの新型ハードで盛り上がっているはずなので,気が早いが,来年の開催が今から楽しみだ。

4Gamer「gamescom 2019」記事一覧


著者紹介:奥谷海人
 4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。
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