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[GC 2007#081]人気RTSシリーズ3作目「Empire Earth III」のWorld Dominationモードに関する新情報
そもそもEmpire Earthは,日本でも大ヒットとなったRTS「Age of Empires」(以下,AoE)の開発者の一人であったRick Goodman氏が,古巣のEnsemble Studiosを離れて自ら設立した開発会社Stainless Steel Studiosで開発したRTSだ。同時期にEnsemble Studiosで開発されていた神話ベースの「Age of Mythology」と異なり,またAoEよりずっと長い時代にわたるヒストリカルモチーフを扱う作品として,非常に期待されていた。
当時はRTSというジャンル自体に大きな期待が集まっており,AoEに続く大ヒット作品が待ち望まれていた時期でもあった。しかしEmpire Earthに限らず,結局AoEを上回るような人気を博するヒストリカルRTSは現れなかった。その後このシリーズの開発はMad Doc Softwareの手に移り,最新作である「Empire Earth III」も同社によって制作されている。
World Dominationを使ったシングルプレイは,一本道のストーリーを追っていくタイプのものと違い,ダイナミックなキャンペーンなので,何度も繰り返し遊べる。戦略レベルでのテクノロジー(エンパイアテクノロジー)開発もここで行えるなど,きちんと作り込んである印象。本作のプレイの中核をなすのは,このWorld Dominationモードと捉えてよさそうだ。
まず,文明の数がWestern,Middle Eastern,Easternの三つにまで絞り込まれている。Westernはアメリカ/ヨーロッパを中心とした勢力で,ユニットは総じてコストが高いが性能も高い。メカニカル・テクノロジー志向で先の時代では機械的な兵器が登場する。
Middle Easternは中東世界のイメージで,ややトリッキーな勢力。建物を建てられる場所に制限がなく,かなり多くのユニットがステルス能力を持っており,それを活用した奇襲を得意とする。
東アジアないし南アジア勢力たるEasternは,低コストのユニットを数多く生産して物量で押すタイプであるほか,プレイ後半にはバイオロジカルな技術を発達させて,ミュータントなどの生物兵器を作り出せる。
Time Periodは五つにまで絞り込まれている。各文明のテクノロジーツリーや建築可能なビルディング,生産できるユニットは,AoE的に「基本は同じで少しずつ違う」のではなく,Warcraft/Starcraft的に「勢力ごとにガラリと違う」路線となっているようだ。
本作のαテストは6月に完了して,現在はβテストが行われている段階。ひところに比べれば,ヒストリカルRTSの分野には対抗馬が少ない現在だが,強力なライバルとしては,やはりAoE3(およびその拡張版)の名が挙がるだろう。
AoE3がフィクションの要素を抑えた“真面目”な印象なのに対し,Empire Earth IIIはびっくりするようなSF未来技術が登場する“遊び”心が感じられる作品といえるだろうか。そういった差別化が功を奏すれば,この「Empire Earth」は息の長いシリーズとなっていくのだろう。(ライター:星原昭典)
- 関連タイトル:
エンパイアアースIII 日本語版
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