インディーズゲームの小部屋：Room＃751「Metal: Hellsinger」

　サイドドアが観音開きになる，フェラーリ初の4ドアSUV「プロサングエ」のお洒落なデザインに思わず目を奪われるも買えない筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第751回は，The Outsidersが開発した「Metal: Hellsinger」を紹介する。本作は，豪華ミュージシャンが手がけたヘヴィメタルのビートに乗って，地獄の悪魔との死闘を繰り広げる“リズムアクションFPS”だ。最高にカッコいいけど価格は約5600万円とのことなので，筆者には一生縁がないな……。円だけに。


　本作のストーリーは，復讐に燃える半人半魔の存在アンノウンが，地獄の支配者である「赤き審判」に奪われてしまった声を取り戻すため，8つの地獄を戦い抜くというもの。左手に握った頭蓋骨だけの悪魔パズによる射撃と，右手に持つ剣ターミヌスによる近接攻撃を使いこなして，次々に襲ってくる敵を蹴散らしていく。


　基本的なゲームシステムは近接攻撃ありのFPSだが，特徴的なのは音楽のビートに合わせて攻撃することで得点倍率と攻撃力がアップすること。タイミングよく攻撃すると，画面上部にある「憤慨」ゲージが上昇し，与えるダメージとスコアが増加していく。
　また，敵に大ダメージを与えると弱体化して動きが止まり，このときビートに合わせて攻撃すると，一撃でトドメを刺す「抹殺」を実行できる。敵を抹殺するとアンノウンのヘルスが回復するので，ピンチの時こそ落ち着いて音楽に集中することが攻略のカギだ。


　そして本作で何よりも注目したいのが，ゲームを彩るヘヴィメタルの数々。音楽は，Soilworkのビョーン・ストリッド，System of a Downのサージ・タンキアン，Triviumのマット・ヒーフィー，Dark Tranquillityのミカエル・スタンネ，Lamb of Godのランディ・ブライ，Arch Enemyのアリッサ・ホワイト＝グラズ，Jinjerのタチアナ・シュメイラック，RefusedとINVSNの2つのバンドで活動しているデニス・リクセンゼンという，メタルファンなら卒倒ものの超豪華メンバーが手がけている。うーん，これはヤバい！


　どの曲もバリバリのヘヴィメタルであるのは言うまでもないが，憤慨ゲージが低いうちはBGMのみで，ボーカルを聴くことができないのがミソ。ゲージが最高倍率の「×16」まで上がるとボーカル入りのフルバージョンを聴けるようになり，こちらのテンションも最高潮に！　ゲージを上げるほどゲーム的に有利になるのはもちろんだが，ボーカル入りの曲が流れてくるとゲームへの没入感も段違いに高まるので，ビートを死守してとことん敵を攻撃し続けよう。


　ステージをクリアするごとに新たな武器が手に入るほか，さまざまなお題に挑戦する「苦悩」というチャレンジステージが解禁され，これをクリアすることでアンノウンに特殊な能力を与える「印」が手に入るなど，遊びごたえも十分。プレイする前は「リズムゲームのようなFPSって難しそう……」と若干及び腰だったが，いざ遊んでみるとこれが予想以上に面白く，とくにヘヴィメタルファンには強くお勧めしたいゲームに仕上がっている。


　そんな本作のPC版はSteamにて3200円で発売されているほか，PlayStation 5版とXbox Series X|S版が各ストアで配信中。Xbox Game Passにも含まれているので，地獄の支配者に復讐したいヘッドバンガーの諸君はぜひどうぞ。

■「Metal: Hellsinger」公式サイト

http://www.h2int.com/games/metal_hellsinger/