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[COMPUTEX]GTX 1080搭載の薄型ノートPCやHDR対応の液晶ディスプレイなど,注目の製品が多数登場したASUS ROGプレスイベントレポート
既報のとおり,このイベントでは,
そんなイベントで語られたROGの新製品について,簡単にまとめてみたい。
AAAタイトルも快適にプレイできるハイエンドノートPC「ROG Zephyrus」
Johnny Shih氏(Chairman,ASUS) |
Jensen Huang氏(CEO,NVIDIA) |
余談気味だが,登壇したHuang氏が述べるには,NVIDIAとASUSがパートナーを組んでから,すでに21年が経つそうだ。Shih氏が「我々が最初に手かけた製品はRIVA 128だった」と振り返ると,Huang氏が会場の聴衆に「RIVA 128を覚えているかい?」と語りかけて笑いを誘ったりしていた。
念のために補足しておくと,RIVA 128とは,NVIDIA最初の大ヒット製品と言っていい,1997年登場のGPUである。
Yu氏はまず,ROGにおけるノートPCの製品構成から話を始めた。
ゲーマー向けPC市場の変化に合わせて,ROGではノートPCのターゲットを大きく2つに分かれているという。1つは「e-Sportsタイトル向け」で,もう1つは「AAAタイトル向け」だ。
e-Sports向けに位置付けられているのが,「ROG STRIX」(以下,STRIX)シリーズの製品群だ。STRIXには,FPS向けの「SCAR Edition」と,RTSやRPG向けの「Hero Edition」という2種類の製品を用意しているそうだ。
SCAR EditionのSCARは,欧州製のアサルトライフルの名前でもあり,特殊部隊の兵士が着用するボディアーマーにも使われている「ケブラー」風の外装がデザイン上の特徴であるとのこと。一方のHero Editionは,「ファンタジックな外装が特徴だ」と,Yu氏は説明していた。ただ,具体的にどうファンタジックなのかは,実機の披露がなかったので分からないというのが正直なところである。
一方で,AAAタイトル向けの最新製品が,今回の目玉であるZephyrusだ。
Zephyrusについては,単体でのレポート記事に詳しくあるので,そちらも参照してほしいが,16.9〜17.9mmという薄型ボディに,GeForce GTX 1080を搭載する点が特徴である。この薄さを実現する鍵となるのが,「ROG Active Aerodynamic System」(以下,AAS)と呼ばれる独自の冷却システムだと,Yu氏は述べている。
Yu氏は,AASを「ROG独自のものである」と強調していたが,ZephyrusがNVIDIAの「Max-Q Design」という技術をベースに作られたことは,本機が初めて披露された5月30日のNVIDIAイベントで明らかになっており,矛盾しているように思える。
Yu氏の説明によると,AASとは,液晶ディスプレイ部分を開くと,本体のヒンジ側も自動で開いて空気孔を確保するZephyrus独特のシステムのことで,この設計が,ASUS独自のものであるという。AASを採用したことで,エアフローの空間は,従来型の仕組みよりも20%拡大し,空気流量は32%も増えたとのことだ。
似たような仕組みは既存のノートPCにもあるので,どこが独創的なのかは,正直よく分からない。いずれにしても,Zephyrusをこの薄さに収めることは「非常に大きな技術的チャレンジ」(Yu氏)であったそうで,AASはそれを実現する鍵だったそうだ。
GeForce GTX 1060を搭載する競合他社のゲーマー向けノートPCでは,ゲームプレイ時に底面の温度が66.6℃まで上昇するのに対して,ZephyrusはGeForce GTX 1080を搭載しているにも関わらず,底面の温度が42.3℃,キーボード面の温度は34℃台に収まったと,Yu氏は誇らしげにアピールしていた。
また,冷却ファンの騒音も,かなり小さくなっているそうだ。下のスライドは「消費電力あたりのノイズ(※騒音)レベル」というちょっと変わった指標による比較だが,グラフ左にあるZephyrusは,競合製品で最も騒音の音量が大きなものと比べて20%程度,騒音レベルが低いそうだ。
ざっくりとまとめれば,Zephyrusは薄く,筐体が熱くなりすぎず,しかも静かなゲーマー向けノートPCというわけだ。Yu氏が語った特徴をきちんと実現できているのか,実際の性能や騒音レベルをぜひ実機で確認してみたいものである。
カラーLEDを同期して光らせるAura Sync技術と対応製品を発表
PCだけでなく,液晶ディスプレイやマザーボードといった周辺機器の新製品も多数発表されている。
Aura Syncに対応するPC本体やマザーボード,キーボードや液晶ディスプレイを使うと,それぞれが搭載するカラーLEDイルミネーションを同期して点灯させることが可能になる。対応するマザーボードやPCケース,グラフィックスカードなどは,すでに多数販売中だ。
Huang氏によると,アプリケーション側がAura Syncに対応するためのソフトウェア開発キットを,近日公開する予定とのこと。また,ASUSとパートナー関係を持つ周辺機器メーカーやゲームスタジオにも情報を公開し,Aura Syncに対応するよう積極的に働きかけることで,エコシステムを作っていくということだ。
関連する新製品としては,初のAura Sync対応ゲーマー向けヘッドセットとなる「ROG STRIX FUSION」が発表されている。
また,速報で報じたHDR&垂直リフレッシュレート200Hz表示に対応する湾曲型量子ドット液晶ディスプレイ「ROG SWIFT CURVE PG35VQ」も,Aura Syncに対応したLEDイルミネーションを背面に備えているとのことだ。
Aura Sync対応のX299チップセット搭載マザーボード「ROG RAMPAGE VI EXTREME」は,マザーボードの表面を覆うカバー「ROG Armor」を半透明にして,マザーボード上に埋め込んだLEDイルミネーションやステータス表示が浮かび上がって見えるギミックを備えているという。
ちなみに,この半透明のROG Armorには不連続蒸着技術(NCVM)なるものが用いられているそうで,「この技術が使われるのは,マザーボードでは世界初だ」(Haugn氏)とのことである。
以上,ROGプレスイベントの概要をまとめてみた。HDR&200Hz対応のディスプレイやMax-Qベースの薄型ノートPCなど,実機に触るのが楽しみな製品が次々と紹介されていたのが印象的だ。製品の登場を期待したい。
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