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海外ゲーム四天王 / 第84回:「Total War: Shogun 2」
群雄が割拠した日本の戦国時代を舞台に,1人の大名となって天下を統一する戦に挑むストラテジーゲーム,それが「Total War: Shogun 2」だ。
本作は,2001年に日本でも発売された「ショーグン トータル ウォー -Gold Edition- 日本語版」の続編にあたり,10年という歳月を経て発売された本作では,グラフィックスやAIの強化,マルチプレイにおけるCo-op(協力プレイモード)の導入,そして安宅船や小早船などの当時の戦艦による海戦の実装など,すべての点で第一作をはるかに上回るスケールのゲームになっている。
開発は,「ローマ:トータルウォー」,「メディーバル2:トータルウォー」など,一連のトータルウォーシリーズを手がけてきた,イギリスのゲームデベロッパ,The Creative Assemblyだ。
「Total War: Shogun 2」公式サイト
本作の時代背景となる1545年から1600年は,いわゆる戦国時代の中でも,最も派手で華やかだった時代。プレイヤーは,当時の大名の一人となって天下取りの戦いに参戦することになる。選択できる大名は織田家,島津家,毛利家,徳川家,武田家,上杉家,伊達家,長宗我部家,北条家の9家のみだが,同時に発売されたCollector's EditionやLimited Editionでは,上記の9家に加えて,服部家を加えた10家がプレイアブルな勢力になる。
服部半蔵で知られる服部家が,織田や徳川と並ぶ大名の一つとして選択できるのは,日本人としてちょっと不自然な感じもするが,忍者特有の能力を備えたユニットが使えるなど,ゲーム的には面白い存在だ。プレイの幅が広がると考えれば,あまり史実設定や時代考証に縛られず,おおらかな気持ちで楽しむのが正解だろう。
シングルプレイでは,日本統一を目指すキャンペーンのほかに,川中島の戦いや関ヶ原の戦いなどの日本戦国史上で有名な4つの戦いが楽しめる「ヒストリカルバトル」,敵の規模や戦場などを自由に設定して戦える「カスタムバトル」が選択できる。
戦闘では弓,槍,鉄砲などを装備した足軽や騎馬のユニットを指揮して戦いに臨むのだが,本作における戦いの華ともいえるのが,城攻めだ。城の規模は大小さまざまだが,中には画面を大きくスクロールしなければならないような巨大な城もあり,そんな城を攻める場合は,各所に待ち受ける防衛軍の兵士達を順に蹴散らして本丸を攻め落とさなければならないなど,かなりの戦略眼が要求される。城攻めファンなら興奮モノだ。
新たに導入された海戦では,大型軍船である安宅船を筆頭に,関船や小早船といった中型から小型の軍船を指揮して戦うこととなる。城攻めのような華やかさには多少欠けるものの,火矢を放って敵船を炎上させたり,機雷を敷設して敵のやって来るのを待ったりなど,陸での戦いとはまた違った迫力のある戦いが楽しめる。
こうした戦いを支えるのに欠かせないのが内政で,これも充実している。本作の戦闘はリアルタイムだが(一時停止はいつでも可能),内政シーンではターン制が採用されているので,時間に追われることなく悩める。内政で重要なのが,領民の満足度だ。これが低いと反乱が起こりやすくなり,領土拡大どころではなくなってしまうだろう。
マルチプレイでは,プレイヤーはまずオリジナル領主=アバターの作成から行う。旗印として使う家紋のデザインは数多く用意されており,好きなものを組み合わせて独自の旗印が作れる。しかるのちに,自分の領土となる国を選択すればスタートだ。
マルチプレイモードには,自分のレベルに近いプレイヤーを自動で選択して戦うというモードや,複数のプレイヤーがチームを組んで戦うといった一般的なもののほか,世界のどこかでシングルプレイのキャンペーンをしているプレイヤーのゲームに乱入し,そのキャンペーンのAIが操作する軍勢になり代わって戦える,まさに乱入ともいえるモードが用意されていることが特徴的だ。
日本の戦国時代をベースにしたストラテジーで,パブリッシャはSEGAの北米法人だが,現時点で日本語版発売の予定がないのが残念だ。ちなみに海外版は,Steamによるオンライン認証が必要となるものの日本でも問題なくプレイできる。
ストラテジーゲームとしてのクオリティはかなり高く,ファンには安心しておススメできる作品だろう。詳しいゲーム内容については,いずれレビューなどで紹介したいと思うので,楽しみにしていてほしい。
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- 関連タイトル:
トータルウォー:ショーグン2 日本語版
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