イベント
「ボーダーランズ2」のメディアイベントがサンフランシスコで開催。前作から何がどのように進化したのか,実際にプレイして確認した
2009年に発売された「ボーダーランズ」(PC/PlayStation 3/Xbox 360)は,Gearboxお得意のFPSに,スキルアップやアイテム収集といったRPGの要素を詰め込んだハイブリッド型のゲームだ。もっとも,ゲームに詳しい人ほど,「ハイブリッド」と聞いて,どっちつかずの中途半端なゲームだと受け取るかも知れない。アレとコレをまぜてみました,という触れ込みで成功したタイトルは,数えるほどしかないからだ。だが,ボーダーランズはアクションゲームとしてのスピード感を失わないまま,ゲームの深みを増すことに成功した希な例であり,PC版,PlayStation 3版,そしてXbox 360版合わせて450万本のセールスを記録するヒット作になっている。
「ボーダーランズ2」公式サイト
関連記事
「ボーダーランズ2」開発者インタビューを掲載。
人気FPSの続編は,アートやストーリーにおいて大幅にパワーアップ
ボーダーランズのゲーム性を特徴づけているのが,同じ性能の武器を見ることがないと言われるほど無限のバリエーションを誇る武器。そして,グラフィックスノベルを思わせる独特のアートワークだろう。
もともとボーダーランズは,Unreal Engineをライセンスしたゲームとして2008年頃までは普通に開発されていた。しかし,アーティスト達が作品をさらに良いものにするためグラフィックスを一新し,2009年のElectronic Entertainment Expoで俄然注目を浴びることになった。そのあたりの経緯については,2009年7月にGearboxのCEOであるRandy Pitchford氏に行ったインタビューに詳しいので,参照してほしい。
個性豊かなキャラクター
公開されているボーダーランズ2のストーリーを説明しておこう。前作でエイリアンの残したヴォルト(Vault)を開けるのに成功したローランド(Roland),リリス(Lilith),ブリック(Brick),そしてモーディカイ(Mordecai)の4人だったが,その力の源となるエリディウム(Eridium)を,今回の悪役となる“ハンサム・ジャック”に奪われてしまう。この男が運営する企業,Hyperionは舞台となる惑星パンドラを支配するほどの力を持っており,名前どおりイケメンであるハンサム・ジャックの成金っぷりも相当なもの。パンドラの月の軌道上に自分のイニシャルである「H」型の巨大な基地を作っており,パンドラからも肉眼でハッキリと見えるほどだ。
前作の主人公達は,そんな巨大企業の圧政に苦しむ惑星パンドラの住民を解放するために,レジスタンスに参加している。その5年後,新たな主人公達は,そうした騒動の渦中にあるパンドラに降り立つわけだ。
ボーダーランズ2では,前作のキャラクターはストーリーに深く絡んでくるものの,プレイアブルでは登場しない。その代わりに,新たなプレイアブルキャラクターとして以下の4人が用意されている。※ /以下がクラス名。
・サルバドール(Salvador)/ガンザーカー
ガンザーカーとは聴き慣れないクラス名だが,要するにバーサーカーを銃器のプロとして発展させたクラスのことだ。すべての武器を両手で持てるという特殊能力を備えている。
・マヤ(Maya)/セイレーン
前作にも登場したセイレーンというキャラクタークラスは,ボーダーランズの世界観の中では唯一,マジカルな能力を使うクラス。マヤはフェイズロック(PhaseLock)という能力を持ち,敵の動きを止めて攻撃を封じると同時に,倒れた仲間を復活させるなどの能力を持つ。
・アクストン(Axton)/コマンドー
前作のソルジャークラスの上級にあたるクラスで,セイバータレット(Sabre Turret)を設置して押し寄せてくる敵と戦う。設置されるタレットは攻撃や防御など,プレイヤーのアイデア次第でさまざまな状況に対応し,さらにアップグレードすることで,その外観も変化していくという。
・ゼロ(Zer0)/アサシン
アサシンクラスのゼロは,狙撃銃のような長距離武器を操ると同時に,近距離で戦えるステルス性を備えている。ディセプション(Deception)というスキルで,ホログラムのおとりを作り出し,同時に数秒間透明になることができ,その間に敵に近付いてメレー武器として装備されている剣を相手に突き刺せば,クリティカルヒットになるとのことだ。
もちろん,本作のトレードマークになっているアートワークも健在だが,今回は草原から氷河,工場地帯まで,惑星パンドラのさまざまなロケーションを渡り歩くことになり,それぞれの地域の配色も,そこにふさわしいものになっている。個性的なキャラクター達が織りなすストーリーも大きく拡張されており,この新作に込めるGearboxのパワーは,間違いなく最大だ。
惑星パンドラの野生動物保護区で,銃をぶっ放せ!
今回のイベントでは,ボーダーランズ2の細かい説明もないまま,20台ほど並べられたディスプレイの前にジャーナリストが1人ずつ座り,2時間ほど自由にプレイできるという趣向が凝らされていた。用意されていたのは,「Wildlife Exploitation Reserve」と「Caustic Caverns」という2つのマルチプレイミッションで,どちらも2012年4月6日からボストンで開催されるゲームイベントPAX Eastで一般公開される予定だ。そこまでの展開はまったく不明ながらも,白熱した対戦が楽しめるゲームの中盤がデモとして用意され,キャラクターはすべてレベル20に設定されていた。
筆者が最初に立ったのは,Wildlife Exploitation Reserveという惑星パンドラにある野生動物の保護区で,今回の宿敵となるハンサム・ジャックが保有する研究施設らしき場所に隣接している。今回のデモでは,サルバドールとマヤがプレイできるようになっていたが,とりあえずはサルバドールでゲームを進めていくことにした。
ゲームが始まると,ローランドの要請を受け,隠れ家に潜むモーディカイに会いに行くことになる。なんでも,モーディカイがペットにしているBloodwingがハンサム・ジャックの配下によって盗まれ,施設に捕らわれているらしい。隠れ家のある高台からその施設を一望できるのだが,そんな事情でプレイヤーが救出に向かうことになるわけだ。
プレイしていてまず気づくのが,目的地の表示が画面下部にあったコンパスから,画面右上のスタンダードなミニマップに変更されていることだ。ミニマップで高さを表現するのは難しいが,距離感はグッと把握しやすくなっている。
続いて,モーディカイの隠れ家を出て,施設の脇にある船着場のような場所からハンサム・ジャックの施設に潜入していくのだが,そこに立ちふさがるのは,普段は物資の運搬などに使われているらしき二足歩行ロボット「EXP Loader」。下半身が弱点らしく,そこを攻撃すれば壊れるのだが,中には上半身だけになっても向かってきたりするものもおり,割と手強い。さらに「Skybot」という飛行ロボットが飛んできて,残骸となったLoaderの修理を行うので,こいつを先に仕留めなければならないのだ。この船着場の段階で,かなり激しい戦闘を体験できた。
ガンザーカーであるサルバトーレの特殊スキルは,二丁の銃で戦う「Gunzerking」というもの。見つけた銃器の性能にもよるだろうが,破壊力はなかなかのものだ。
場所が野生動物の保護区であるだけに,SkagやSpiderantといった,前作でおなじみのモンスターが次々と襲い掛かってくる。前作に比べて敵の数が相当増えており,難度が高くなったという印象を受ける。もちろん,デモプレイ向けに難度を高めている可能性もあるが。
ちなみに今回,やられたキャラクターがリスポーンするとき,ホログラフのようになるという,ちょっとSFっぽい演出が施されていた。
ミッションの終盤では,ハンサム・ジャックがプレイヤーを罠にかけ,軌道上の基地から次々とロボットを打ち込んでくる。Thresherという巨大ミミズのようなモンスターとの戦いになるのだが,Thresherは舌のようなものを伸ばしてプレイヤーをからめとり,頭部にあるトゲでプレイヤーを痛めつけるという攻撃をしてくるので,非常にやっかいだ。ここでも,筆者は何度かリスポーンを経験することになってしまった。
ミッション達成による報酬は,プレイヤーのチョイスで変化
今回のイベントでプレイできたもう一つのミッション Caustic Cavernsは,前作にも登場した武器商人マーカス・キンケードが失くした金庫を,洞窟の中に探しにいくという内容。キャラクターとしてはセイレーンのマヤを使ったが,マヤは前作のリリスとは異なるフェイズロック(PhaseLock)という特殊能力を使う。これは,球状のシールドで相手を包み込み,しばらく攻撃不能の状態にするものだ。マルチプレイのCo-opでは,サポートとして非常に役に立ちそうだ。
洞窟は沼地に隣接しており,天井が非常に高い。ここには,最初は地面を這い回る幼虫だが,サナギを経て成虫になると,空を飛び回って攻撃してくるモンスターのVarkidや,三本足のCrystaliskなどが待ちかまえている。Crystaliskは,名前どおりに脚がクリスタルで覆われており,ここを攻撃してクリスタルを破壊することで,倒すことができる。このように,それぞれのモンスターに対して違った戦略を練らなくてはならないようだ。
ボーダーランズ2に登場する敵のAI(思考ルーチン)はかなりブラッシュアップされているようで,上記のLoaderとSkybotの連携はもとより,例えば大型モンスターのAlpha SkagやBad Ass Skagが,小型のSkag Pupを周囲に集めて戦ったり,Bandit達がお互いに援護しながら攻めて来たりといったことをやってくる。戦闘の難度が高くなったと感じたのは,このように洗練されたAIによるものかも知れない。
実際にプレイした印象としては,上記のようにアクション性が全体的に高められているほか,グラフィックスや色づかいの派手さが挙げられる。一般的なFPSとはかなり毛色の異なるゲーム性はそのままに,AIやシステムなど,細かい部分をブラッシュアップしているようだ。ボーダーランズ2は,アメリカでは2012年9月18日の発売が予定されている。日本ではまだ正式な発売日は公表されていないものの,2012年1月27日に掲載した記事にもあるように,上陸は間違いない話だ。続報をお楽しみに。
- 関連タイトル:
Borderlands 2
- 関連タイトル:
ボーダーランズ2
- 関連タイトル:
ボーダーランズ2
- この記事のURL:
キーワード
(C)2011 Gearbox Software, LLC. All rights reserved. Borderlands, Gearbox Software, and the Gearbox logo are registered trademarks of Gearbox Software, LLC in the U.S. and other countries. Borderlands is published and distributed by 2K Games. 2K Games and the 2K Games logo are registered trademarks of Take-Two Interactive Software, Inc. in the U.S. and other countries and used here under license.
(C)2011 Gearbox Software, LLC. All rights reserved. Borderlands, Gearbox Software, and the Gearbox logo are registered trademarks of Gearbox Software, LLC in the U.S. and other countries. Borderlands is published and distributed by 2K Games. 2K Games and the 2K Games logo are registered trademarks of Take-Two Interactive Software, Inc. in the U.S. and other countries and used here under license.
(C)2011 Gearbox Software, LLC. All rights reserved. Borderlands, Gearbox Software, and the Gearbox logo are registered trademarks of Gearbox Software, LLC in the U.S. and other countries. Borderlands is published and distributed by 2K Games. 2K Games and the 2K Games logo are registered trademarks of Take-Two Interactive Software, Inc. in the U.S. and other countries and used here under license.